「数学の問題集がたくさんあってどれを選べばいいかわからない」
「問題集はいくつも解くほうがいいのか、1冊を繰り返し解くほうがいいのか知りたい」
定期テストや大学受験に向けて、このような疑問を感じている高校生は多いのではないでしょうか。
高校数学は難易度が幅広いため、問題集選びもむずかしくなります。ですが、自分に合う問題集を選べば大学受験の勉強の効率が大きく上がります。
そこで、この記事では高校数学でおすすめの市販の問題集・参考書を9冊紹介し、問題集の選び方・活用の仕方を説明します。
レベル別にシリーズ化しているものもあり、自分に合う最適なものを選んで受験勉強やテスト対策を上手に進めたいですね。
※関連記事:【高校生】定期テストで90点以上を取れる勉強方法
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高校の定期テストや大学受験対策でおすすめの問題集・参考書を紹介します。ここでは解説も含めて市販されているものだけを紹介します。
数研出版の『4step』など、別冊の解答・解説が入手できないものは除外しています。
なお、Amazonの広告リンクをつけているので、リンク先でお得に購入いただけます。
まずは数学を基礎からしっかり学びたい人向けの問題集・参考書を2種類紹介します。
学校の教科書に出てくる基礎・標準レベルの問題を理解するための参考書です。解説が詳しいので、通信制の学校に所属しながら高卒認定試験や大学受験の対策をしたい人も使いやすいです。
問題数は少ないので、問題集と併用するのがおすすめです。
ⅠAはコチラ↓
ⅡBはコチラ↓
出版社:文英堂
こちらは『高校数学をわかりやすくシリーズ』よりさらに詳しく解説している参考書です。「高校数学はお手上げだけど独学でなんとかしないといけないとき」に活躍します。
数Ⅰ、数A、数Ⅱ、数Bと4冊に分かれていてすべて仕上げるのに時間がかかりますが、1つの単元を細かく分けてくれているのが非常にありがたいです。例題の下に空白を大きめに用意してくれているので、書き込みながら練習できます。
数Ⅰ、数Aがクリアできたら数ⅡBは難易度をもうちょっとあげた別のシリーズを使ってもいいかもしれません。
数Ⅰはコチラ↓
数Aはコチラ↓
数Ⅱはコチラ↓
数Bはコチラ↓
出版社:Gakken
つづいて、標準~応用レベルの問題集・参考書を紹介します。学校の教科書と併用して使ったり、大学受験対策にも活用できるものを選んでいます。
ここで紹介する問題集・参考書の目標到達レベルの目安は下記のとおりです。
例えば定期テスト対策なら、
「偏差値60の高校・コースに所属していて、定期テストの順位が真ん中やや下くらいの人」
におすすめのレベルです。
『入門問題精講』につづくシリーズの1つです。中堅大学を目指す人にピッタリなレベルです。教科書レベルと難関大学の二次レベルの間くらいです。
教科書内容はかなり解けるようになってきた人が、受験対策や定期テストで高得点を狙いたいときにおすすめです。基礎問題の解説がとてもわかりやすいですが、その反面、演習問題の解説はやや省略気味です。
数ⅠAはコチラ↓
数ⅡBはコチラ↓
数Ⅲはコチラ↓
出版社:旺文社
つづいて紹介するのはチャート式です。
白→黄→青→赤
の順に難易度が上がっていきます。私のおすすめは、黄チャートと青チャートです。白チャートを使うなら先ほど紹介した2種類のほうが使いやすく、赤チャートは難易度が上がり過ぎて使いづらいです。
解説が非常に詳しく、特に黄チャートは例題→practice(類題のようなもの)でレベルの上がり方がゆるやかなので、自学自習をしたい人にとってとても使いやすいです。
青チャートは黄チャートよりも標準レベルの問題が少なく、国公立大学受験対策に特化したい人に向いています。東大・京大・阪大や医学部の単科大学を目指している人には青チャートのほうがおすすめです。
青チャートⅠAはコチラ↓
青チャートⅡBはコチラ↓
数ⅢCはコチラ↓
ⅡBまでは数学が得意だったのにⅢCに入ってから急にむずかしく感じる人は多いです。そういう場合は黄チャートにするほうが「早く」「確実に」解けるようになります。
ⅡBまでは数学が得意だったのにⅢCに入ってから急にむずかしく感じる人は多いです。そういう場合は黄チャートにするほうが「早く」「確実に」解けるようになります。
黄チャートⅢはコチラ↓
黄チャートCはコチラ↓
出版社:数研出版
3つ目に紹介するのは『Focus Gold』です。黒い表紙が特徴的で、基本レベルから難関大学レベルまで幅広いレベルの問題が掲載されています。
解説もとても丁寧で、自学自習に向いています。中堅~難関大学の受験対策をしたい人におすすめです。長期休みに復習用として使うのもいいですね。
難点は問題量が多すぎて終わらないということです。掲載問題のレベルが幅広いため、すべて解いていると長期休みの勉強が数学だけで終わってしまいかねません。自身の「現在のレベル」「到達したいレベル」に合う問題だけピックアップして対策しましょう。
また、青チャートとよく比較されますが、青チャートよりも「基本問題が多く」・「難問のレベルが高い」という違いがあります。
数ⅠAはコチラ↓
数ⅡBCはコチラ↓
数Ⅲはコチラ↓
出版社:啓林館
入試対策の実践編として『プラチカ』を紹介します。理系編(ⅠAⅡBとⅢCの2冊)と文系編に分かれており、過去の入試問題のなかから受験生が間違えやすい問題を集めて作られています。
薄めの問題集で、集中して取り組めば1週間ほどで終わります。
ここまで紹介してきた問題集は「網羅系」と言われ、単元ごとにしっかり学習するためのものです。網羅系の問題集をひととおり終えてから『プラチカ』に進むと効率よく受験対策ができます。
『青チャート』や『Focus Gold』を終えた人には『プラチカ』はやや易しく感じるかもしれません。
ⅠAⅡBはコチラ↓
Ⅲはコチラ↓
出版社:河合出版
最後に紹介するのは、東大・京大や医学部の単科大学を志望している向けの問題集・参考書です。絶対に必要なレベルではなく、「数学が好きで極めたい」という人に向いています。
最難関レベルの問題を集めた問題集です。前述の『基礎問題精講』と同じシリーズです。『青チャート』や『Focus Gold』の考え方を理解している人におすすめです。
公式についての説明が省かれているので、解法を暗記するように勉強してきた人にはわかりづらいかもしれません。
ⅠAⅡBとベクトルはコチラ↓
Ⅲはコチラ↓
出版社:旺文社
医学部単科大や東大・京大志望者向けの数学難問集です。数学が得意で、数学でほかの受験生に差をつけたい人に向いています。
掲載量はやや少なめで、計算のテクニックや解法のコツを効率よくマスターしたい人におすすめです。
数Ⅰはコチラ↓
数Ⅱはコチラ↓
数Aはコチラ↓
数Bはコチラ↓
数Ⅲはコチラ↓
出版社:東京出版
『大学への数学』の東京出版が出している入試難問シリーズの1つです。『1対1対応』と過去問演習の間にはさむのがおすすめです。
出版社:東京出版
ここでは9冊の問題集・参考書を紹介しました。レベル別に紹介していますが、どれが良いかすぐに判断しづらいかもしれません。
そこで、高校数学の問題集・参考書の選び方をお伝えします。
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まずは「今の自分の学力」に合っているものを選びましょう。合っているかどうかは掲載されている基本問題(例題など)で判断すると良いでしょう。
単元の解説を見ながら基本レベルの問題を解いてみて、解法の意味を理解しながら解けている(納得感を持って解ける)ならその問題集は合っています。
解説を読んでも意味がわかりづらい・簡単すぎて解説は不要という状態なら、別の問題集を使うほうがいいでしょう。
問題集によって「どの学力レベル(入試レベル)まで伸ばすか」が異なっています。
学校の教科書をしっかり理解できるようになることを目標にしているものもあれば、東大・京大の二次問題を解けるレベルを目指しているものもあります。
自身の学習目標や志望校にふさわしい問題集を選ぶようにしましょう。
問題集を選ぶときは、必ず解説に目を通してください。自分で選ぶ問題集ですから、学校や塾の授業で使う前提ではないと思います。
自学自習で使えるようにするには、解けない問題の解説を1人で読んで理解できるものが良いです。
軽く数問解いてみて、その解説を見てみます。そのときに「解説が丁寧すぎる」「公式の意味などの説明を飛ばしていてわかりづらい」といったことがあれば、別の問題集にしておきましょう。
定期テスト対策でも大学受験対策でも、まずは網羅系の問題集・参考書を選ぶようにしましょう。
問題集・参考書は網羅系と実践系の2種類に分かれています。網羅系は学校の授業で使うような、全単元をもれなく掲載してくれているものです。ページ数や問題数は多くなりますが、カバーしている範囲が広く学力の土台をしっかり築けます。
一方、実践系の問題集は『プラチカ』のように入試問題のなかから特定の目的に合う問題を選んだものです。必ずしも全単元を網羅しているわけではなく、1つの単元のなかでも全範囲のカバーしているわけでもありません。その分、短期間で必要な学力を身に着けられるというメリットがあります。
数学の問題集・参考書を買って活用しても、うまく実力をアップさせられる場合と思わしくない場合があります。実力がなかなか上がらない場合、その原因は問題集のレベルの不一致が多いですが、なかには問題集の使い方を変えればうまくいくケースもあります。
定期テスト対策として問題集を活用する場合、同じ範囲・同じレベルの問題を繰り返し解くようにしましょう。
定期テストは「初めてその単元を習った人向け」に実施される確認テストです。基本的な知識・理解の確認から、典型的な応用問題を解けるかどうかの確認までするのが一般的です。
特定の範囲を網羅的に確認するため、典型的な問題が出されることが多いです。問題集の問題から数字を変えたり問題構成に変化を部分的に加えたりして、定期テストで出題されます。
テストの出題方式と同じように数字を変える・一部分変化を加えるという「ずらした」問題に解きなれておくと、定期テストでも「変化させた部分」に気づいて正解しやすくなります。
※関連記事:【高校生】定期テストで90点以上を取れる勉強方法
大学受験対策目的で問題集・参考書を使うなら、「自分で解説しながら解く」ようにしてみましょう。
大学受験で求められるのは「本質的な理解」です。公式の意味や導き方を理解していないと正しい解法にたどりつきにくいような問題がよく出されます。
理解できているかどうかは問題の正解/不正解ではわかりづらいです。正解しているから「理解できている」と安心していたら共通テストや国公立二次の過去問題に太刀打ちできなかった、という受験生もよくいます。
例えば下記の画像は令和4年度の共通テストの問題です。グラフ表示ソフトを使って2次関数のグラフの動き方を考える問題です。
日常生活の場面で数学をどのように使うかを問われる問題がよく出てきます。解き方そのものは決して難しくありませんが、定期テストに出てくるような典型的な数学の問題を作業的に解いている人には骨の折れる問題です。公式の本質を理解していると圧倒的に有利になります。
正解した問題については、「何を問う問題なのか」「なぜこの解き方なのか」を自分の言葉で説明してみましょう。それから解説を読んでみて、自分の説明が合っているかどうかを確認します。そうすれば、理解して解けているのか作業的に解けているのかを自分で確認しやすくなります。
※関連記事:高校国語の勉強方法(現代文・古文・漢文)
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定期テスト対策でも大学受験対策でも、1冊の問題集を最低でも2.5周しましょう。
下記のように、1周目から3周目までで解く問題をずらすようにします。
時間が許す限り全問題を解くほうがテストでミスを防げますが、時間に余裕がある人はあまりいないでしょう。そういうときでも、「解けそうな問題で確実に正解を取ること」を重視して対策しましょう。
独学で勉強を進めていて、どうしても定期テストや模試の結果が伴ってこないときもあります。そういうときの対策を4つお伝えします。
まず、塾・予備校の活用を考えてみましょう。勉強しているのに成績が上がらないなら、何か原因があるはずです。その原因を突き止めて対策方法を考えるようにしましょう。
一人でした原因分析が本当に正しいかどうかは、次のテストまでわかりません。「モチはモチ屋」と言います。たくさんの高校生の勉強をみてきた専門家に分析してもらいましょう。
大学受験を志している高校生の約4割は塾・予備校を利用しているようです(ベネッセの調査より)。活用するときは、目的意識を持って利用するほうが実力をつけやすいです。
※関連記事:【大学受験対策】塾はいつから通えばいいか
※関連記事:【大学受験】塾・予備校の費用はいくらかかるか
塾・予備校に通うのではなく自宅学習で対策したい人は、通信教育がおすすめです。
通信教育というと、小学生で学習習慣をつけるために利用するイメージの強い方もいるかもしれません。実際、小学生の通信教育利用率は学習塾の利用率を越えています(学研教育総合研究所「小学生の日常生活・学習・自由研究等に関する調査」より)。
ですが、Z会のように大学受験に強い通信教育もあります。Z会では志望大学別にAIの分析によって最短ルートで合格に導くプログラムが組まれており、東大・京大で年間合計2000名以上の合格者を輩出しています。
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「塾や予備校に通う時間がない」「近くに良い塾がない」「移動時間がもったいない」という人には自宅で受けられるオンライン家庭教師や塾のオンライン授業がおすすめです。
個別授業も集団授業もオンラインで受けられますし、下記のようなメリットがあります。
「オンライン」というスタイルに抵抗を感じる人がまだまだ多いですが、講師とにこやかに活気あふれる質疑応答をしている生徒もたくさんいます。
個別塾が世の中に登場したころも、「個別授業」に違和感を持っていた人は多かったです。2020年ごろになってもお父様が個別授業に反対しているというご家庭はときどきありました。
ですが、現在では塾に通う高校生の3人に2人は個別授業を受けています。
オンライン授業も「食わず嫌い」をせず試してみれば非常に便利だと気づくはずです。まずは何社か(何回か)体験授業を受けてみて、慣れてから「自分に合うかどうか」を判断してみてはいかがでしょうか。
最後に、勉強で成果を出すにはまず「勉強量」が大切です。ここでいう「勉強量」は何時間という「時間」ではなく、「問題数」や「ページ数」です。
前述のように、同じ範囲を2.5周以上してようやく力がついてきます。1回正解してもいざテストのときにすぐに思い出せず、間違ってしまうこともよくあります。
間違えた問題だけでなく正解した問題も繰り返し解いて、「正しくアウトプットする力」を伸ばしましょう。
※関連記事:【大学受験】塾なしの割合は?塾に行かずに合格するための勉強方法を解説
高校数学のおすすめの問題集・参考書を9冊紹介しました。基本レベルから東大・京大などの最難関レベルまで3つのレベルに分けました。
自身の現在の学力や目標とする学力に合うものを選び、2.5周以上は解くようにしましょう。 それでも成果が伴わない場合は、塾・予備校や通信教育などの活用も検討してみてください。
※関連記事:難関私立大学の一覧:偏差値60以上の難関私大に合格する勉強法
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