「塾の勉強をがんばっているのに成績がなかなか伸びない」
「塾の宿題に追われてやり直しの時間が取れない」
このような悩みを感じている中学受験生の保護者の方は多いのではないでしょうか。
4年生まで順調に成績が伸びてきていたのに、5年生6年生になって偏差値が下がってくる子は少なくありません。
ここで偏差値をあげていけると志望校合格にかなり近づけます。
そこで、塾で勉強をがんばっているのに成績が伸び悩む理由を明らかにし、家での過ごし方や親ができるサポート方法を紹介します。
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中学受験対策で塾に通い、一生懸命に勉強しているのに成績が伸びない…。
この状況がつづくと、子どもも親御さんも不安になりますよね。
塾で勉強をがんばっているのに成績が伸びないのには理由があります。
その理由をまとめました。
勉強時間を長くとっているのに成績が伸びない場合、「問題文をちゃんと読んでいるかどうか」を確認してみましょう。
問題文をササっと目をとおすだけですぐに解こうとする子によく見られます。
例えば国語の記述問題で、設問では「理由」を聞いているのに解答には「誰が・何をしたか」という「事実」を書いているケースや、算数で「昨年のクラスの人数」を聞いているのに「今年のクラスの人数」を答えてしまっているケースです。
宿題や模擬試験であわてて問題を解いてしまうのが理由です。
問題をよく読んで「何を答えないといけないか」を把握して解答すれば、それだけで20-30点ほど上がる子も多いです。
問題を解いて答え合わせをした後、解説をちゃんと読まずに次の問題に移ってしまう。
こうした勉強の仕方も成績が伸びない理由の1つです。
この理由が当てはまる子は本当に多いです。
例えば理科の液性の問題で、青色のリトマス紙に炭酸水をつけると赤色に変わります。
この問題のポイントは下記の2点です。
大抵の問題集の解説には上記2点とも載っているはずです。
ですが、同じ間違いを繰り返す子に解説を読んだ後に質問してみると、「炭酸水は赤だよね!」という中途半端な解説が返ってくることが多いです。
成績が伸び悩む子には、「解説をサッと見て、解説内容を省略して理解しているケース」がよく見られます。
解説をちゃんと読んでいないのと同様に、塾の授業も「聞くだけ」になっているために成績が伸び悩む子もよくいます。
算数の授業直後に「どんな内容の授業だった?」と聞いても、「えっ…、なんか、お父さんと子どもが出てきて…5年前がどうとか…」という、何の授業かよく分からない回答を返してくる子が少なくありません。
テキストを見てみると、算数の年齢算の範囲で、お父さんと子ども年齢を求める問題が例題として出ています。
成績が順調に伸びてきている子に同じ質問をすると、「算数の年齢算を習った。お父さんと子どもの5年前の年齢の比と3年後の年齢の比をくらべて今の年齢を求める問題が出てきた」と、具体的で明確な回答が返ってきます。
この差はとても大きいです。
理解しようとして授業を受けると「何を習って」「どう解けばいいのか」が分かるので、宿題で問題を解くと定着しやすいです。
逆に、なんとなく授業を聞いているだけだと、「どう解けばいいのか」が頭に入っていないため塾のノートや教材をペラペラめくり、とにかく数字と数字をかけたり割ったりします。
「何を習ったのか」を分かっていないので応用がききませんし、塾の授業が次の単元に進むとすぐに忘れてしまいます。
これが原因で、特に5年生以降の算数で差がつきやすくなります。
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勉強しても成績が上がらないときは、基礎学力が原因のときもよくあります。
特に、算数の計算力と国語の漢字・語彙が不足していると、応用問題を解くのにとても苦労します。
塾の宿題や模擬試験で間違えた問題を解きなおししていないと、成績が伸びづらくなります。
成績を「上げる」には、不正解→正解に変える必要があります。正解に変えられた数が多くなればなるほど成績は上がります。
そうは言っても塾の宿題が多くてやり直しまえ手が回らない、というのが多くの方の現状かもしれません。
この点は後ほど改めて説明します。
塾のテスト(週テストや実力テスト、模擬試験など)の結果に一喜一憂していると、成績が伸び悩む原因になり得ます。
テスト結果が悪いと、誰でも落ち込みます。そんなときに結果について周囲からガミガミ言われると落ち込み、自信を失います。
「どうせ勉強してもムダかも」と勉強のモチベーションが下がる原因になります。
結果も大切ですが、それまでの勉強過程を重視すると安定して成績を伸ばしやすくなります。
「周囲の生徒のほうが賢い。自分はダメ」と、自分に自信を持てない子も成績を伸ばしにくいです。
人間は思い込みの生き物といわれます(東洋経済オンラインより)。
「自分なんてダメだ」と思い込めばダメになっていきやすいですし、
「がんばればできるようになる!」と自信を持てば本当にできるようになりやすいです。
最初は根拠のない自信でも良いので、「やればできるはず!」と信じてがんばってみましょう。
意外かもしれませんが、塾で教わった解き方で解いていない場合がよくあります。
算数では4年生くらいまでに教わった解き方と異なる解き方を、5年生以降で習うことがあります。
図形、速さ、年齢算などが特にそうです。
それらの単元の応用問題は「比」を使って解くものが多いです。
相似比から面積比を求めたり、移動にかかった時間の比を使って速さを求めたりします。
いくつかの問題は4年生までの教わった解き方でも解けますが、入試レベルに近づけば近づくほど「解きなれたやり方」では解けないものが増えてきます。
慣れるまでは解きづらいかもしれませんが、新たに習った方法を使って解くようにしましょう。
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塾で出されるテスト結果や模試の偏差値だけで、子どもの学力を判断していませんか?
実は、偏差値や点数だけでは「理解の深さ」までは測れません。
塾での授業は“インプット”中心。だからこそ、家庭でのアウトプット(復習・演習)が成績に直結します。
すべての子が“詰め込み型”や“反復型”に向いているわけではありません。
性格や特性に合った学び方に変えるだけで、成績は驚くほど変わります。
成績が伸び悩んでいるとき、家庭内だけでの対応には限界があります。
第三者の視点で「学力診断」や「学習法の見直し」をすることで、一気に状況が好転するケースも。
子どもは自分の成長を実感できると、モチベーションが自然に上がります。
そのためには、「頑張っているのに伸びない…」状態を防ぐチェックと修正の習慣化が大切です。
この5ステップを踏めば、塾での授業を“活かし切る”ことができ、家庭でも「自走できる学習力」が育ちます。
小学校高学年になると、特に中学受験を意識するご家庭では、「ただ覚える」から「考えて解く」へ学習の質を変える必要があります。
ここでは、理解から応用へステップアップできる構成の良書を紹介します。
問題集は「人気」や「有名さ」よりも、お子さんの今の理解レベルに合っているかどうかが最重要です。
また、1冊をやり切ることが「自信」に直結します。あれこれ手を出さず、目的に応じて1冊ずつ確実に取り組むことが、成績回復の第一歩になります。
中学入試は親の入試ともいわれます。
親による子どものサポート次第で勉強の成果は大きく変えられます。
そこで、最後に成績を伸ばすために子どもをどうサポートすれば良いか紹介します。
まず、家で勉強に集中しやすい環境づくりをしましょう。
ごく一時期をのぞくと、塾で過ごす時間より家で過ごす時間のほうが長いです。
家で勉強に集中しやすいと、子どもが進んで勉強に取り組みやすくなります。
子どもにはできるだけポジティブな声かけを心がけます。
例えば下記のような声かけです。
「早く勉強しなさい!」→「どのページから解きたい?」
「いつまでダラダラ宿題してるの!?」→「長い時間宿題がんばってるね!」
これはあくまで「例」なので、この言い方をすればたちまち子どもが勉強に前のめりになることはないでしょう。
むしろ、「ポジティブな反応を親がしてくれる」と子どもに感じさせ、安心させてあげるのが目的です。
短期的に目に見える変化がなくても、しばらくつづけてみましょう。
スマホを自分からリビングに置くようになったり、自分から宿題に取り組むようになったりと、子どもにポジティブな変化がみられるようになります。
子どもの話をじっくり聞いてあげましょう。
親からすると、子どもの言う内容に「そんな考えじゃ甘い!」「こうするほうが良いんじゃないか」と感じるときはよくあります。
それでも、あくまで「聞く」という姿勢を維持します。
「あなたはそう感じているのね」と傾聴します。
「勉強めんどくさい」と言われたら、「志望校に合格できなくても良いの!?」とつい言いたくなります。
ですが、「勉強がめんどくさいって感じてるのね。(どうしたの?)」のように返します。子どもは「今日は勉強する気にならないけど、受験のためにがんばらないと」と思いながら、背中を押してもらいたくて「めんどくさいな」と言っているのかもしれません。
言うだけ言ったら親の反応を待たずにスルスルと勉強に移る場合もあります。
話を聞く(判断しない、提案しない、指示しない)という姿勢で子どもに接してみてましょう。
たいていの子どもは塾からの宿題をすべて解こうとがんばります。むずかしくて解き方が分からなくても、一生懸命考えます。
ですが、前述のように、取り組む範囲をしぼるほうが結果的に成績は伸びやすいです。
分からなくてもがんばっている時間も決して無駄ではありませんが、塾のノートや教材を見直して解くほうが早く正解できるかもしれません。
上記2点を子どもに聞き、時間をかけて取り組む範囲を一緒にしぼってあげましょう。
※関連記事:中学受験算数の勉強法:家庭での効果的な伸ばし方や苦手分野を克服するコツ
定期的に勉強から離れ、リフレッシュする日をつくってあげましょう。勉強のモチベーションを維持できます。
塾に通っている子は、6年生夏以降は入試日までノンストップで勉強することになります。
週6-7日塾に行き、毎日何時間も勉強にはげみます(夏休みや冬休み以降は一日12時間くらい)。
ラストスパートをかけられるだけの気力を残しておくためにも、「もうちょっとがんばれる」状態で過ごさせるようにしましょう。
A:お子さんの成績が長期間伸び悩んでおり、塾の指導方針と明らかに合っていないと感じるときがタイミングです。
たとえば以下のようなケースでは、塾の変更を前向きに検討しましょう。
塾の体験授業を複数受けて比較した上で、「今の子に合う学習スタイル」を優先することがポイントです。
A:原因を一緒に整理したうえで、責めずに“できていること”にも目を向けましょう。
成績が下がると、親はつい「どうして?」「何をサボってたの?」と問い詰めてしまいがちですが、これは逆効果です。
まずは落ち着いて次のような対応を心がけましょう:
子どもにとって「親は味方である」という安心感が、次のステップへの大きな原動力になります。
A:非常に有効です。ただし「目的」と「指導スタイル」が合っていることが条件です。
家庭教師の最大のメリットは、「その子だけに合った指導」ができることです。とくに、以下のようなケースで効果を発揮します。
おすすめは「体験授業」で、子どもが「教え方がわかりやすい」と感じるかを見極めること。
また、「成績アップが目的なのか」「勉強の習慣づけが目的なのか」などを家庭教師と共有するのが大切です。
A:小さな目標を立てて「やればできる」を実感させるのが効果的です。
家庭学習が続かない原因の多くは「何をしたらいいかわからない」「結果が出ないからつまらない」といったもの。
そのため、次のような工夫が有効です。
「続けられたね」「昨日より速くできたね」など、親の声かけもモチベーション維持には重要です。
A:正しい“学習の型”を身につけ、継続することが偏差値アップのカギです。
成績が伸びない理由の多くは、「学習の質」に問題があることが多いです。
以下のような点を意識するだけでも、結果は大きく変わります。
偏差値アップは魔法のように一気に起きるものではありません。
積み重ねと正しい方向性の両立が何よりも大切です。
中学受験塾に通っている子と保護者向けに、塾で勉強をがんばっているのに成績が伸びない理由を紹介し、成績を伸ばしやすくする過ごし方や親のサポート方法を紹介しました。
勉強しても成績が伸びない原因はいくつかありますが、宿題や模試で急いですべて解こうとするのが大きな原因のひとつです。
取り組む内容をしぼり、確実に解ける問題を増やすようにしましょう。
※関連記事:Z会中学受験コースだけで難関中学に合格する方法
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