【中学受験】比の解き方:苦手克服のコツと比のおすすめ問題集を紹介します

自信を持って勉強する男の子 中学受験の勉強法
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中学受験の算数は小学校で習わない単元や、小学校で習った単元をさらに応用させている単元がたくさんあります。なかでも「比」は入試の中心であり、得意な子はグッと合格に近づけます。

苦手にしている子も多い単元の1つですが、手順をふめば得意にしやすくなります。比が得意になれば、算数に苦手意識をもっている子も「いけるかも!」と自信につながりやすくなります。

そこで、今回の記事ではどうすれば比が得意になるかを解説します。

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比の解き方

比を苦手にしている人は多いですが、コツをつかめば比を使って解けるようになります。

比の解き方をまとめました。

分数に置きかえる

比はまず、分数に置きかえましょう。

兄と弟の所持金の比が5:3だとすると、
弟の所持金は兄の3/5であり、
兄の所持金は弟の5/3と表すことができます。

多くの問題は5:3のままで計算することはできますが、
「兄は弟の何倍のお金を持っていますか?」のように問う問題では「5/3倍」と分数に置きかえる必要があります。

比例式にする

比を使って解く問題の多くは比例式を使います。

比例式とは、3:5=6:10のような表し方をする式です。

例えば、相似である2つの三角形ABCと三角形DEFがあるとします。
辺ABと辺DEの比が1:2で、辺ABの長さが4cmのとき辺DEの長さは何cmになるでしょうか。

比例式にすると以下のようになります。

1:2=4cm:□
□=2×4cm
□=8cm

このように整数だとわざわざ式にしなくても解ける問題もあります。

ですが、分数や小数になると比例式にしてかけ算や割り算をしないと答えを求めにくいときがあります。

そんなときに比例式が大いに役立ちます。

連比で解く

連比は応用問題で必須の計算方法です。

例えば「リンゴをA、B、Cの3人で分けたとします。リンゴの数はA:Bが2:1、B:Cが4:3になりました。Cは全体の何割のリンゴをもらいましたか。」という問題があるとします。

連比を使うと下記のようになります。

A:B =2:1
B:C= 4:3

上の式を4倍して、2つの比例式に共通しているBの比を合わせます。

A:B:C=8:4:3

すると、ABC合わせて15の比だと分かります。そのうちCは3なので、全体のなかでCは3/15=2割のリンゴをもらったことが分かります。

これまでの解法に固執しない

比はいろいろな単元で使います。それぞれの単元で「比を使わない解き方」をすでに習っています。

すでに知っている比を使わない解法に固執してしまい、比を使って解く解き方を身につけるのが遅れることがよくあります。

これまでの解法に固執せず、新たに習う比を使う解き方を積極的に活用しましょう。

中学受験算数で比が重要な理由

中学受験の算数で比は非常に重要な単元です。その理由を説明します。

中学入試算数の応用問題は比を使って解くから

比を使う問題というと文章題が思い浮かぶかもしれません。

ですが、中学入試算数の問題はほかにも比や比例式を使って解くものが多く、例えば図形でもよく使います。

特に入試の合否を分ける応用問題はたいてい比を使います。

比は多くの単元の応用問題の正解/不正解にかかわっているため、比ができるかどうかで算数の得点が大きく変わります。

比が得意になると正解が増える

比が含まれている問題の得点率が低いということは、
比が得意になると正解できる問題が増え、ライバルに大きな差をつけられるのです。

比を得意にして、気持ちに余裕を持って模試や入試にのぞみたいですね。

比が苦手になる理由

比が苦手になる子は、どうして苦手になるのでしょうか。理由は下記のように2つあります。

  • 分数、小数があやふやになっている
  • もとの解法に戻ってしまう

それぞれ説明します。

分数、小数の計算が苦手

まず、比でつまずく子は分数、小数でつまずいている可能性があります。

たとえば下記の計算式をご覧ください。〇を求める計算をしています。

上記のように、比を扱うには分数と小数の計算ルールをマスターしておく必要があります。
それぞれのルールは決して複雑ではありませんが、前触れなしに1度に出て来られると戸惑います。

分数や小数の計算がまったくわからない子は少ないですが、ちょっと考えないと解き方を思い出せない子は少なくありません。考えなくてもサラっとできるくらい定着しておく必要があります。

比例式の計算が苦手

比が苦手な子のなかには、比例式を苦手にしている子もいます。

1:2=□:8

上記のような式から□の数字を求めます。

外側どうし・内側どうしをかけ算して解きます。

1×□=2×8
□=16

比例式の解き方はしっかりマスターしておきましょう。

丸数字が苦手

比を使って解く問題では、人数や辺の長さといった普通の数字以外に、比を数字で表します。

人数なら5人、辺の長さなら10cmのように単位をつけます。

比の場合は①・②のような丸数字にします。

丸数字を苦手にしていると、比を使って解くのが非常に困難になります。

比を得意にできる勉強方法

比が苦手になる理由を解消すれば、比を得意にできます。

その方法を紹介します。

分数と小数の計算に慣れる

分数や小数の計算をするときに、
「この場合って約分だっけ?通分だっけ?」
と一瞬でも迷いがでるうちは、まだ慣れていません。

小数を分数に変換するときに分母がいくらになるのかスっと出てくるまで、小数はまだまだ定着していません。

これらは、慣れてしまえばどうってことはありません。
慣れるには使う頻度を増やせばいいだけです。

整数→小数→分数の練習を増やす

慣れるには、宿題や自学習で1度解いた問題を活用します。
整数が出てきたら無理やり小数にしてしまいましょう

「35」と出てきたら、
「3.5」や「0.35」にしてしまいます。
「0.035」でもいいです。

次にその小数を分数にかえます

「3.5」なら「35/10」ですね。これを通分して「7/2」にしてしまいましょう。それを目に入ってきたほかの数字とかけたり割ったりします。

これを繰り返します。わざわざ小数や分数の問題集を買う必要はありません。

「整数⇔小数⇔分数」の変換をたくさんすれば、数日程度で慣れられます。分数だけ、小数だけ扱うのではなく、両方とも一緒に扱うことで定着がはやくなります。

【point!】
①毎日する
②分数と小数を同時に扱う

簡単な数字にして比較する

「分数どうし」か「整数どうし」にできれば、次にその数字をできるだけ簡単な数字にしましょう。

15:10

と出てきたら両方の数字を5で割って、

3:2

とします。15:10のままでも計算はできますが、3:2のほうが直感的に把握しやすく、計算ミスも減らせます。

同様に、

2/3:1/2

と出てきたら通分しましょう。

4/6:3/6
=4:3

とします。

複数の比が出てきたら丸数字にする

例えば三角形ABCがあり、各辺の長さの比が下記のとおりだとします。

  • 辺AB:辺BC=3:2
  • 辺AB:辺AC=2:1

この条件をもとにして各辺の長さを1つの比例式で表すような問題が出てきます。2種類の比例式が出てきているので、1つの比例式になおします。

 辺AB辺BC辺AC
1つ目の比例式32 
2つ目の比例式2 1

上記の表のように、「辺ABが2回登場している」ことがわかります。辺ABを同じ数字になるようにかけ算をして、1つの比例式にまとめます。

 辺AB辺BC辺AC
1つ目の比例式×264 
2つ目の比例式×36 3
1つの比例式にする643

これで、

辺AB:辺BC:辺AC=6:4:3

であるとわかります。

比を用いた計算方法と、すでに知っている計算方法の両方で解く

比を用いた計算方法をややこしく感じるのは、その計算方法に慣れていないからです。

慣れるにはどうするか。分数と小数に慣れるときと同じです。
使う頻度をふやし、どちらの計算も扱いましょう。

たとえば旅人算が出てきたら、線分図を使って解く方法(今までのやり方)と比を使って解く方法の両方で解きます。1つの問題を2回解くわけです。1つで2度おいしい方法ですね。

「2回ずつ解いていたら、勉強時間が2倍になる!」
と思うかもしれませんが、大丈夫です。2倍にはなりません。

最初だけ2倍になるかもしれませんが、2日3日とつづければ解くのがどんどん早くなります。
5日もすれば、どちらかの方法だけで解くよりもむしろ早くなっているかもしれません。

なぜなら、どちらの方法も使い慣れるからです。
どちらか一方だけで練習するよりも、やり方の違う2種類を同時に使うほうが、定着率があがります。

解いていて自分でも実感できるようになりますから、まずは5日間、あきらめずに取り組んでみてください。

逆比をマスターする

比の計算問題で「逆比」というものが良く出てきます。速さの問題でよく出てくる方法で、比を逆にして答えを求めます。

例えば、姉と弟が家から学校まで別々に歩いている状況で、姉と弟の歩く速さの比が4:3だったとします。

この姉と弟が家から学校に着くまでにかかった時間の比はいくらでしょうか。

速さの比が、
姉:弟=4:3なので、
時間の比は、
姉:弟=3:4になります。

比の値が逆になっているので、「逆比」と言います。

速さ以外に、仕事算でも使います。登場する場面が限られており、「知っていれば確実にモノにできる問題」です。ぜひ、解きなれておきたいですね。

※関連記事:逆比、連比、比例式の解き方と問題

通信教育を試してみる

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※関連記事:Z会中学受験コースだけで難関中学に合格する方法

苦手、嫌いを克服するなら進研ゼミ

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※関連記事:進研ゼミ小学講座の特徴と効果的な利用法

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ゲームのようにステージをクリアすればするほど算数の問題を解けるようにしていくシステムです。

小学校の勉強先取りはもちろん中学受験の問題もたくさんあり、RISUの会員で四谷大塚の全国小学生学力テストやSAPIXの模試で全国1位を取っている子も出ています。

費用のシステムが分かりにくいので、その解説も含めて下記の記事で紹介しています。

RISU算数の特長・活用法(小学生向け)と費用を解説

比の演習におすすめの問題集

ポイントがわかったところで、実際に中学受験の「比」の演習をして早く解きなれましょう。

おすすめの問題集を4冊紹介します。AmazonのPRリンクをつけているので、リンク先でお得に購入いただけます。

『単元別基本問題集基本の制覇 比―中学入試算数』


単元別基本問題集基本の制覇 比―中学入試算数

面積比版はコチラ↓


単元別基本問題集基本の制覇 面積比―中学入試算数

出版社:富士教育出版社
レベル:基本~標準(★☆☆)

『比の基礎 (思考力算数練習帳シリーズ 41)』


比の基礎 (思考力算数練習帳シリーズ 41)

出版社:株式会社認知工学
レベル:基本~標準(★☆☆)

『Step by step 受験算数 比・割合の線分図 攻略法』

線分図を使って解く比・割合の問題がまとめられています。あれこれ勉強してこんがらがってきた頃に復習用として使うのがおすすめです。


Step by step 受験算数 比・割合の線分図 攻略法

出版社:文芸社
レベル:標準(★★☆)
特徴:

中学受験において頻出である比・割合の線分図。特に中堅校以上の私立中学・国立中学などでは、必出といっていい。今から線分図に取り組むという人も、今まで線分図を習ってちょっとわかりにくいという人も、試行錯誤しながらでも必ず習得できるように、大判で実際に書き込みをしながら学べるなど、既存の学習参考書よりも工夫して書かれた参考書。

Amazonより引用

『中学入試 分野別集中レッスン 算数 文章題』

割合に限定されているわけではありませんが、文章題全般の学習用に便利です。


中学入試 分野別集中レッスン 算数 文章題 (中学入試分野別集中レッスン)

出版社:文英堂
レベル:基礎~標準(★☆☆)
特徴:

弱点克服が中学入試突破の最大のカギ!
「苦手」分野を「短期間」で「集中ケア」する問題集!

【1】文章題の解き方・コツが短期間で身につく!
文章題の問題に特化して掲載しているので、
効率的に点数をアップさせることができます。

【2】 例題・ポイントで確認,練習問題で定着!
例題とポイントで学習内容やコツを確認し、
書き込み式の練習問題に取り組むことで、
ひとりで解ける力がつきます。

【3】 丁寧な解説で,着実にレベルアップ!
正しい解法が身につくように、
例題と練習問題には丁寧な解説を載せているので、
中学入試算数の考え方・解き方をしっかり学習できます。

Amazonより引用

ほかの科目の問題や解き方のコツ

ほかの科目の勉強方法や問題を下記の記事で案内しています。ぜひ、ご覧ください。

【算数】

割合の解き方
 中学入試によく出る割合の問題
比の解き方
 中学入試によく出る比の問題
速さの解き方
 中学入試によく出る速さの問題
平面図形・空間図形の解き方

【国語】

【中学受験】国語の勉強法と入試出題傾向を解説
【中学受験】国語長文読解を短期間で伸ばす勉強法
記述問題の書き方と勉強方法
おすすめの記述・作文問題集

【理科】

【中学受験】理科を得意にできる勉強方法
【中学受験】理科のおすすめ問題集
中学入試の理科によく出る問題の一問一答
中学入試理科でよく出る問題の語呂合わせ一覧
中学受験の理科でよく出る記述問題
中学入試の理科でよく出る計算問題の公式一覧とおすすめの計算問題集

【社会】

【中学受験】社会で貯金を20点つくる勉強法を紹介
中学入試の社会によく出る問題の一問一答
中学受験の社会によく出る年号・年代の語呂合わせ
【中学受験】歴史の流れを時代別に解説
【中学受験】社会のおすすめ問題集

まとめ

比を苦手にしている人は、受験においてむしろ有利です。それだけ伸びしろが大きいということです。

しかも比は模試でも入試でもたくさん出てきますし、配点の高い問題が多いです。それらを正解できるようにすれば、確実に大きく点数アップできるわけです。

慣れれば、「比を使うほうがとても楽なんだ」と気づいて、比を使う問題が出てきたらちょっとラッキーぐらいに感じるようになります。
こうやって受験算数を上から目線で見られるようになったらこっちのもんです。算数が好きになり、楽しく勉強に取り組めるようになります。

ぜひ、少しでも楽しく取り組んでみてください!

また、特定の単元でどうしても詰まってしまう場合は、家庭教師をスポット的に利用すると便利です。

※関連記事:中学受験での家庭教師の利用法
※関連記事:オンライン家庭教師の特徴・始め方

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Z会の通信教育 中学受験コース

※Z会の中学受験コースのメリットや活用法を下記の記事で紹介しています。
Z会中学受験コースだけで難関中学に合格する方法

プロフィール
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福地 暁です。
個別指導の塾を経営しています。

これまで3000組以上のご家庭を担当させていただきました。
中学受験、高校受験、大学受験、英検・TOEIC対策、中学生・高校生の定期テスト対策など、さまざまな学習支援をしています。

みなさまの学びにプラスになる情報をお伝えしていきます!
よろしくお願いします。

1男1女の父。
どうやら娘には「甘いパパ」と思われているようで、
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