千葉にある公立中高一貫校の適性検査対策をお伝えします。
千葉では私立中学だけでなく公立中高一貫校も人気があり、難易度も高いです。
そこで、この記事では千葉県立千葉中学校の入試情報を紹介し、適性検査の傾向と対策を説明します。
6年間の教育環境だけでなくその後の進路にも大きな影響を与える受検ですから、しっかり情報収集して対策したいですね。
※関連記事:公立中高一貫校の魅力とは:学校の種類や入試制度について解説
千葉には3校の公立中高一貫校があります。
千葉県立千葉中学校の入試対策について、概要から紹介します。
千葉中学校の偏差値は男子72、女子72です(首都圏模試センターより)。
ただし、公立中高一貫校の偏差値は参考程度にとどめておきましょう。当日の問題によって大きく得点が変わります。
±10くらいの幅で捉えるほうが良いでしょう。
千葉中学校の進学実績は下記のとおりです。
国公私立大学(一部) | 合格者数 |
千葉 | 46 |
東京 | 25 |
一橋 | 13 |
筑波 | 5 |
東京工業 | 14 |
東京医科歯科 | 2 |
東京外国語 | 3 |
横浜国立 | 4 |
早慶上理 | 400 |
GMARCH | 289 |
※最新の状況はHPなどでご確認ください。
千葉中学校の選抜方法を確認します。
千葉中学校は一次試験と二次試験に分かれています。
適性検査と報告書の結果で一次試験の突破が決まり、二次試験で適性検査と面接を受けます。
一次試験は適性検査を受けます。
当日の適性検査は下記の2種類です。
2つとも受検してその得点を合計します。
千葉県立中学校の一次試験通過率は約6割です。
一次試験に通過すると二次試験を受けます。
一次試験と二次試験の間に報告書を提出します。報告書というのは、5、6年生の2年間の成績です。
報告書というのは、5、6年生の2年間の成績です。
5年生:9教科
6年生:9教科
※9教科:国語・算数・理科・社会・音楽・図画工作・家庭・体育・外国語
5-6年生の2年間の成績が合否に関わります。
当日の適性検査は下記の2種類です。
2つとも受検してその得点を合計します。
5~6名の集団面接を受けます。
それぞれ志望理由などを質問され、つづいてプレゼンを行います。
概要が分かったところで、千葉中学校の適性検査対策を見てみましょう。
適性検査Ⅰは大問2つです。それぞれの傾向と対策をお伝えします。
適性検査Ⅰ-1は理科・社会を中心とした資料の読み取りと記述問題です。会話文とその内容に関する資料をみて、問題に解答します。
出題されるのは初めてみる実験や事象で、会話文や資料から条件・結果を論理的に考察します。
計算して答える問題も出てきますが、基本的な計算が多いです。
記述問題は20~40字で解答するものが多く、図・表・データ等の情報を的確にとらえて、「自分の言葉を使って表現する力」が求められます。
適性検査Ⅰ-2は「理科をメインにした計算や作図の問題」と「図形の問題」が良く出てきます。
身近な話題から宇宙の話題まで、小学校の理科・算数で習う知識を使って解く問題が出てきます。
例えば地球の自転・公転からふりこの台の回転に話題がつながっていった問題もあります。
適性検査Ⅰでは基礎問題と難しい問題が混在しています。
難しい問題も気になりますが、まず基礎問題を確実に全問正解して点数をかせぎましょう。
小学校の知識だけで解けるので、理科・社会・算数で苦手分野がないようにします。
特に算数の「分数の計算」「倍数・約数」「面積・体積の公式」「比」などは得意にしておきましょう。
自然科学の問題では、「条件を論理的に整理して解く力」が問われます。
複数の人物の発言内容といくつかの実験条件・実験結果から考察する問題もよく出てきます。
論理性は一朝一夕で身につくものではありません。日ごろから論理的に条件を整理する練習をすると伸びていきます。
『5分で論理的思考力ドリル』などで練習すると条件を整理する力がつきやすいです。
また、数字ロジックやロジックパズルを使うと楽しく論理性や集中力を養えます。
※関連記事:子ども向けロジックパズル
つづいて、二次試験の適性検査Ⅱの出題傾向と対策をお伝えします。
適性検査Ⅱ-1は大問3つで、算数・理科・社会の融合問題や知識問題、資料の読み取りを中心とした問題です。
物体が移動する速さや温度を求める計算問題や図形の問題が数問つづいた後、資料をみて傾向を読み取って解答する思考力問題が登場します。
適性検査Ⅱ-2は以下の3題に分かれています。
放送原稿は500~600字ほどの長さです。
放送を聞き取るスタイルの問題は中学受験では珍しいです。聴覚情報から状況をイメージできる力が求められます。
読み取り問題とくらべて「細部を記憶する力」が求められます。
放送がはじまる前に設問を読み、「何を聞き取れば良いのか」を把握しておきましょう。
放送は2分ほどつづきます。その内容をすべて暗記したりメモしたりするのは、まず不可能です。
最初から何を聞かれるか分かっていればその内容の聞き取りに注目すれば良いので、かなり聞き取りやすくなります。
音声のみで文章の内容を把握する機会は、日常生活であまり多くありません。
YouTubeなどで「本の読み聞かせ動画」を使うと練習しやすいです。
最初は幼児や小学校低学年対象の絵本の読み聞かせ動画を使い、慣れてきたらもう少し難しい題材の動画を選びます。
画面をみずに音声を聞いてその内容を聞き取るようにします。
次に、聞き取った動画の内容を家族の誰かに話してみましょう。放送内容を頭のなかで再構築してアウトプットするので、慣れてくると「話の内容を頭のなかでまとめながら音声を聞ける」ようになります。
また、可能であれば事前に保護者の方が動画を見て、「ウサギとカメのどちらが勝ったか」「ウサギはカメに何と言って競争を求めたか」などの問題を提示してあげると、即席で問題演習もできます。
複数の文章・対話文を読んで解答を記述するため、文章ごとのポイントを整理しながら読む必要があります。
これらの点を意識しながら文章読解の練習をしましょう。
※関連記事:中学受験国語の勉強法:長文読解を短期間で伸ばす方法を3つ紹介!
また、小学校の国語の授業でも、本文をただ読んで終わりにならず、「その登場人物はなぜそのような言動を取ったのか」「自分ならどうしていたと思うか」を言葉にする練習をしましょう。
前述のように、千葉中では作文が出題されます。作文は定期的に書く練習をすると、安定して高得点を取れるようになります。
作文の書き方やコツを意識しながら定期的に書いてみましょう。
※関連記事:【中学受験】作文の書き方やルールとおすすめの対策問題集
千葉中の二次試験には面接があります。5~6名のグループ面接で、以下のような質問がされます。
面接で最も重視されるのは「その学校の望む生徒像に合っているかどうか」です。
千葉中学校の指導方針は「千葉から、日本でそして世界で活躍する心豊かな次代のリーダーの育成」(千葉県立千葉中学校 学校案内より)とあります。
この指導方針のポイントは以下の2つです。
この2つの内容を織り込んだ志望理由を作成しましょう。
長所、中学校で学びたいこと、将来なりたい姿、最近気になっているニュースなど、志望理由以外の質問への回答も「志望理由」の内容にからめて事前に考えておきましょう。
公立中高一貫の適性検査と、小学校のテストや私立中学の入試とでは問題のパターンが大きく異なっています。
違いをまとめると2点あります。
まず、小学校や私立中学入試は算数・国語など教科ごとにテストがあります。
算数のテストでは算数の知識や技能が主に問われます。
それに対して適性検査では教科横断です。算数・国語・理科・社会の、複数教科の知識を使って解きます。
欠けている知識があると問題を解きづらくなるので、どの教科も得意にしておく必要があります。
小学校のテストや私立中学の入試は知識の習得が重きをなします。公式や解法の知識があり、その知識を速く・正確に使えるかどうかが重要です。
一方、適性検査で求められる知識は小学校で普通に習う範囲までです。知識を「活用できるレベル」で定着させられているかどうかが重要です。
工夫して何かに取り組むと、自然と知識を活用します。
パズルや難問、工作など、「作り出す」「考えて解く」といった作業を日常生活で取り入れてみましょう。
適性検査の対策に便利な問題集を紹介します。
前述のように適性検査では思考力・分析力・表現力が求められており、それらの力をどう活かせばいいかを、問題演習をとおして身につけます。
算数的分野↓
理科的分野↓
社会的分野↓
出版社:朝日学生新聞社
特徴:
公立中高一貫校の教育方針に、将来、国際社会で活躍できるリーダーを育てることが
Amazonより引用
あります。リーダーには、身の回りの事象を数理的に分析・考察し、課題を解決する力、
課題を総合的に解決する力などが求められます。
算数分野の適性検査では、ものごとを数理的に分析・考察し、課題を解決する能力の
基礎が問われます。問題を解くためには、次のような力が必要となります。
●問題文を正確に読む力
●条件を整理し分析する力
●問題の本質や着眼点を見つける力
●解き方を工夫する力
●なぜ、そのような考え方、解き方で答えを求められるのか、理論的に説明する力
この本では、全国の適性検査から厳選した過去問をもとに、分野ごとに系統立てて、頻出問題の傾向と対策を伝授します。
中には難しい問題もありますが、これらの問題を解くことによって、一つひとつ求められる力を養ってください。
資料問題編↓
数と図形編↓
生活と科学編↓
出版社:東京学参
特徴:
【 公立中高一貫校適性検査対策問題集 資料問題編 】解答解説付き
●全国の中高一貫校の適性検査の問題から、資料をもとにした問題(理科・社会分野)を選び出し、10パターンに分類。
●地図やグラフ・表の読み取りなど資料を用いた問題対策に。着眼点、考え方・解き方をていねいに示した例題と的確なヒントが参考になる練習問題です。
●各単元ごとに集中的に取り組み、問題のパターンを掴めるようになりましょう。苦手単元の克服にもおすすめです。自分の力で公立中高一貫校適性検査を攻略するための一冊
Amazonより引用
・公立中高一貫校適性検査必須の出題形式「資料を使って解く問題」を完全攻略
・実際の出題から良問を精選
・資料をもとにした問題を選び、10パターンに分類
・例題で考え方・解法を身につけ、豊富な練習問題で実戦力を養う
・複合問題にも対応できる力を養う
問題のボリュームが多く、6年生がさまざまなパターンをしっかり演習するのに適しています。
東京では公立中高一貫校の難易度が非常にたかいです。
塾に行って対策するほうが良いのかなと気になるご家庭も多いと思います。
家庭だけで取り組むことも可能ですが、ラスト1-2年は塾に行くほうが便利でしょう。
子どもが4年生くらいまでなら、まずご家庭で対策しておきましょう。
具体的には下記の3点です。
塾に行く場合でもこれら3点は実施しておくほうが良いです。
算数の先取り学習や国語の長文読解の勉強には市販の問題集も便利です。
解説が丁寧で分かりやすく、繰り返し練習できます。
また、記述問題の解答にはルールがあるので、問題集でしっかり覚えて慣れておくと良いでしょう。
※関連記事:中学受験国語の記述問題を解くコツと自宅でできる勉強方法
※関連記事:中学受験国語の記述対策問題集
家庭学習に取り組まれていても、やはり5-6年生くらいになると塾で対策するほうが安心です。
必要な対策を網羅できますし、受検まで間に合うカリキュラムで勉強に取りくめます。
子どもによって得意・不得意は発生しますから、不得意内容については家庭で特訓するなどすると効果的に合格する力を養えます。
※関連記事:公立中高一貫校に向いている子・向いていない子の特徴:合格できる子になるための対策方法とは?
もし塾には行かず家庭学習のみで受検されるなら、Z会が便利です。
5年生から受けられる公立中高一貫校対策専用コースがありますし、4年生までに受けられる講座でも論理性や課題解決力、作文力を養う内容が豊富です。
Z会 公立中高一貫校受検対策講座のご案内いかがでしょうか。
千葉県立千葉中学校に合格するにはどうすればいいかを、適性検査や面接の過去問をもとに傾向と対策を紹介しました。
資料問題や論理性を問う問題がたくさん出てきます。日ごろから地図やグラフ・表の読み取りを行い、慣れておきましょう。
また、算数や理科などの知識問題や基本的な計算問題も多数出てきます。小学校で習う内容を得意にしておくと点の取りこぼしを減らせます。
以下のリンクは難関公立中受検対策に強いZ会のHPです。リンク先で公立中受検対策講座の詳細を確認できます。
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