「高校受験の志望理由書をどう書けばいいか迷う」
「志望動機を改めて考えても、大した理由が思い浮かばない」
「自己PRが何も出てこない」
こうした困りごとを持っている人は多いのではないでしょうか。
受験に向けて毎日勉強をがんばっている中学生も、お子様の学習サポートや塾の送り迎えをされている保護者の方も大変だと思います。
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入試が近づいてきて「いよいよ…!」となって最初の関門は「願書の書き方(志望理由の作成)」かもしれません。
志望理由は何ですかと聞かれても、「偏差値」と「家から通える距離」が志望理由である方が大半です。しかも面接があれば、さらにしっかり考えて書く必要もあります。
そこで、
を紹介します。
ほかのライバルより一歩先を行く志望理由を考えて、自信を持って面接に臨めるようにしましょう!
願書のなかで高校側が特に知りたいのが「志望動機」です。書き方を詳しく紹介します。
なお、志望動機で合否が決まることは普通ありませんので、正直にご記入いただいて大丈夫です。
また、事実を多少誇張する程度はOKですが、嘘は書かないようにしましょう。嘘を書いても面接の受け答えでボロが出ます。
面接では、志望動機や高校生活につながる中学での学びについての質問が多いです。受験生の人柄を見ています。
マナーや言葉遣いにも気をつけて、「自分らしさ」を出せるようにあらかじめ面接の流れを把握しておきましょう。
※関連記事:面接の流れとよく聞かれる質問
まず、その学校の何に魅力を感じているか、箇条書きしましょう。
ほかにもあるかと思いますが、まずは思いつく内容を3-4つ、学校ごとに記載します。
次に、学校側が考える「その学校のアピールポイント」を箇条書きします。
先ほどと同じ項目に加えて、学校ごとの指導方針を1-2つずつ書き出しましょう。
下記のようなものが多いです。
自身が志望校に感じている魅力と、志望校側が受験生にアピールしたいポイントを比較しましょう。
「受験生側が感じる学校の魅力」と「学校側が考えるアピールポイント」を並べてみて、共通しているものを1-2つピックアップします。これが志望動機になります。
志望動機は多ければ多いほど良いというわけではありません。1-2つまでにしましょう。
志望動機を書くときは「です・ます」に統一して書きます。
書き方は特に定まっていませんが、下記の3点を書くようにすると書きやすいです。
書き方についてもう1つ、志望先の高校のことを「御校」「貴校」どちらで書けばいいか迷いやすいです。
「貴校」で書くのが正しいです。
「御校」は話すときの敬称です。面接の受け答えでは「御校」と言います。また、「貴学」と迷われる場合もありますが、貴学は大学に対して使います。
志望理由書の書き方はある程度決まっています。最初に結論(なぜその高校を志望したのか)を書きます。
「私は~をしたいと思い、貴校を志望しました。」のような書き出しにすると、その後に続けて書きやすくなりますし、読み手側も読みやすくなります。
志望理由書の文末は「以上より、貴校を志望しました。」とします。
志望理由が何であれ、途中で何を書いていても、文末は必ず、「以上より、貴校を志望しました。」で大丈夫です。
こうした書き方は小論文でも同じなので、ついでに覚えておきましょう。
志望理由を書く欄は9割以上埋めるようにしましょう。空欄が10行あれば、9行以上は必ず書きます。
たくさん書けばいいというわけではありませんが、相手に伝わるように書こうとすると必然的にある程度は長くなります。
半分しか埋まっていない志望理由書だと、「あまり興味がないのかな」と悪い印象にもなります。
文章を書くときは、「書き言葉」で書きます。書き言葉というのは、日常会話で使う言葉を
話し言葉」と呼ぶのに対して、書くときに使う言葉のことを言います。
ネットなどの略語も原則NGです。
話し言葉 | 書き言葉 |
だから | それゆえ |
だって | なぜなら |
お父さん・お母さん お兄ちゃん・お姉ちゃん おじいちゃん・おばあちゃん | 父・母 兄・姉 祖父・祖母 |
やっぱり | やはり |
たぶん | おそらく |
とても | 非常に |
もっと | さらに |
いつも | 常に |
ちゃんと | きちんと |
AとかB | AやB |
スマホ | スマートフォン |
※関連記事:【高校受験】作文・小論文の書き方やルール
願書をポストに投函する前に必ずコピーを取っておきましょう。大事な書類だから控えを取っておくというだけでなく、面接対策で必要です。
志望動機を聞かれたときに、願書の内容と食い違いがあるのはよくありません。願書に記載した内容と面接で回答する内容を合わせるために使います。
「本校を志望した理由」を書く欄には何と書けば良いか、迷います。
そこで、よくある志望動機4パターンについて例文を作成しました。ご覧いただき、ご家庭の志望動機に合わせてカスタマイズください。
例文
「私は何事も積極的に取り組める高校生活を送りたいと思い、貴校を志望しました。
私が学校説明会に参加させていただいたとき、貴校の在校生が活気にあふれているのが印象的でした(①)。在校生の方から私たち/僕たちに挨拶もしてくださったのもうれしかったです。私もこのように自分から積極的に行動できるようになりたいと感じました。
また、私は英語が好きです。外国の人と話をするのは楽しいですし、異なる文化体験から刺激を得られるのもうれしいです。貴校では外国の高校との交流機会や短期留学の機会を多くつくられていると説明会でも伺っています(②)。そのような機会を得られる貴校でぜひ学びたいと考えています。
以上より、貴校を志望しました。」
ポイント
①実際に見た感想を書く
②学校が力を入れている指導(異文化体験)に魅力を感じている点を書く
例文
「理系科目の勉強に力を入れたいと思い、貴校を志望しました。
私は化学が好きです。普段は目に見えないような小さな分子が結合して新たな性質に変化するのが楽しく、「なぜこのような結果になるのか」「もし条件をこのように変えたらどうなるか」などを想像しながら理科の勉強に取り組んでいます。理科の実験設備を多くそろえていらっしゃること、大学の進学先も理系が多いことを貴校の説明会で伺いました(①)。そのためには理科やほかの科目の知識も欠かせないと説明いただき、貴校では理系科目についてさらに広く、深く学びたいと考えています②)。
以上より、貴校を志望しました。」
ポイント
①説明会や学校HPでみた学校のアピールポイントや指導の特徴を書く
②入学後にしたいことを書く
例文③
「私は本気で大学受験にチャレンジしたいと思い、貴校を志望しました。
貴校のHPを拝見したとき、東京大学などの有名な大学の合格者数が20名を超えていることに驚きました(①)。なぜこれほど有名大学に合格できるのか不思議に思って説明会に参加させていただいたところ、授業や授業外でも学習指導をきめ細やかにされていると伺いました。先生方の熱心さに心を打たれたのと同時に、東京大学のような有名大学に自分も合格できるのではないかと身近に感じられました。宿題以外にも毎日勉強をして、自分の限界に挑戦したいと思います(②)。
以上より、貴校を志望しました。」
ポイント
①(有名大学への)進学実績を具体的な数字で書く
②入学後の学習イメージを書く
例文④
「私は将来、プロのサッカー選手になりたいと思い、貴校を志望しました。(①)。
貴校の見学をさせていただいたときに、サッカーグラウンドも拝見しました。泥だらけになりながらサッカーに打ち込む姿を見て、私/僕もこの中に混じってサッカーがしたい、毎日先輩たちと切磋琢磨してもっと強い選手になりたいと強く思うようになりました(②)。
また、見学中の私/僕に声をかけてくださった在校生が、親切にサッカー部や勉強との両立について説明してくれました。サッカーだけでなく、勉強も怠らないことがサッカーの上達にもつながると伺い、私も以前より前向きにサッカーにも勉強にも打ち込むようになりました(③)。ぜひ貴校のグラウンドでも教室でも一生懸命に努力する機会を得たいと考えています。
以上より、貴校を志望しました。」
ポイント
①将来の夢を書く
②在校生について好印象を持っていることを書く
③学校の先生や在校生からのアドバイスをすぐに実践していると書く
志望動機は書けたけれど自己アピールが書けない。という中学生は少なからずいます。
と思っているかもしれません。
「自分の長所は何?」と改まって聞かれると困る人も、「自分の短所は何?」と聞かれると、スラスラ答えられる傾向が強いです。どちらも答えられるのが望ましいです。
とはいえ日本は「遠慮する文化」なので、日本文化をしっかり身につけた素直な性格と言えるかもしれません。
長所・短所に書きにくさを感じる場合は、「自分の短所」から長所を考えるようにすると書きやすくなります。というのも、自己アピールや面接で聞かれる「長所・短所」は表裏一体のものなのです。
表裏一体というのは、2つの反対のものが1つにまとまっていることです。例えば、下記の表のようになります。
短所 | 長所 |
コツコツ努力するのが苦手 | 熱中したときの集中力は高い |
消極的な性格 | 慎重で冷静な性格 |
他人に自分から話しかけるのが苦手 | 周囲をよく観察している/相手の気持ちを乱さない |
無鉄砲なところがある | 何事にも積極的にチャレンジする |
欠点だと思っている性格も、見方を変えればすべて長所です。
身もふたもないことを言うと、「物は言いよう」なのです。長所・短所の書きやすいほうから内容を考えてみましょう。
長所・短所を書くときは、具体例(できれば中学校生活での具体例)を1つ書くようにしましょう。
「私の短所は、消極的な性格です。その反面、慎重さが長所です。」で終わってしまうと、読み手に内容が伝わりにくいです。
そこに具体例が1つ加わると、「どう消極的なのか」が伝わりやすくなります。
あくまで1つです。2つ3つも書くと、エピソードが豊富になりすぎて何を伝えたいのかがわかりづらくなります。
短所を書いたら、それを克服しようとしている(高校生活で克服に取り組むつもり)という内容を書き添えるようにしましょう。
「高校では周囲の人に自分から話しかけて、積極さも身につけたいと思います。」
のような内容で十分です。
例文
「私の長所は何事にも積極的にチャレンジする点です。
私の中学校では毎年、運動会で応援団が活躍します。中学校1年生から3年生までの学年混合で1つの応援団になり、3年生が団長になって運動会の雰囲気を盛り上げます。
クラスメイトが遠慮するなか、私は応援団の団長に立候補しました。みんなの力になりたいという気持ちと、「やってみたい」という気持ちの両方ありました。
実際に団長をやってみると、定期テストの勉強、受験勉強、部活に団長の仕事が加わるので、とても大変でした。
「やってみたい」という軽い気持ちで挑戦する性格は、応援団の団長のように後で苦労してしまうという短所でもあります。もし団長の仕事が十分にできなかったら、みんなに迷惑をかけてしまうかもしれませんでした。
高校では、「本当にできそうか」「周囲のサポートを得るにはどうしたらいいか」を考えながら、私の長所である積極性を大切にして過ごしたいと思います。」
ポイント
高校入試をする際に必ず必要になるのが、「願書」です。
願書は「その高校を受験するという意思を伝えるもの」です。
この願書のなかには、志望動機(志望理由)を書く欄があります。志望動機は願書に書くだけでなく、面接でも聞かれます。
願書に記載した志望動機と面接で回答する志望動機が食い違っていると、
「志望動機を適当に書いたのかな」
「私たちの学校にあまり興味がないのかな」
と面接官に思われてしまいます。入念に準備してから書くようにしましょう。
願書に書く内容は大きくわけて3つあります。それぞれ説明します。
1つ目は、「受験生の個人情報」です。
受験に限らず、何かの申込をするときには個人情報を入力したり記載したりします。それと同じです。
などを記載します。住所は都道府県から書くのがルールです。
なお、性的マイノリティや男女差別への配慮から、性別は聞かないのが一般的になってきています。
2つ目は、受験生が通学にかかる時間や通学経路です。
6年間毎日通う学校ですからあまり遠方からの通学だと、子どもが大変です。片道1時間以内に収まるのが良いでしょう。学校によっては通学時間に制約をかけている場合もあります。
通学経路が複数ある場合は一番時間のかからない経路を書くようにしましょう。
3つ目は、「受験生自身の自己アピールや志望動機」です。受験生の個人情報や通学経路などが「事実」を書くものなのに対して、こちらは「思い」や「受験生の人柄」を伝えるものです。
高校側が知りたい内容もこちらがメインです。
地域によって「自己PRカード」などと名称が変わりますが、内容や目的は同じです。
入試のための願書はいつでも・どこでも手に入るわけではありません。いくつかの注意事項と一緒に願書の入手方法をお伝えします。
願書は9月末から配布がはじまります。
夏の説明会で、参考として昨年度の願書をもらえることもあります。この時点から願書作成の準備に入っておくと、秋・冬にあわてずに済みます。
多くの高校は夏以降に説明会を2-3回実施しています。10月以降の説明会では願書ももらえることがほとんどです。
こうした機会にぜひ受け取って、バインダーやクリアファイルに保管しておきましょう。
ほかの高校説明会やご家庭の用事と重なってしまって日程説明会に行けないときもあります。
そんなときは学校に請求すれば自宅に郵送してもらえます。
HPから請求できる学校がほとんどですが、なかには電話での請求を必須にしているところもあります。
気になる高校はいったんHPをみて確認しておきましょう。
願書は1部出せば十分ですが、もらえるときは念のため2部もらっておきましょう。書き損じるときもありますし、下書き用と清書用にわけられます。
志望校の願書だけでなく、「受けるかもしれない高校」の願書も取り寄せておきましょう。
出願時期の勉強状況や、公立高校入試の結果次第で受験校を変更することがよくあります。受けようと思った高校の願書が手元になく、時間的に取りに行けないときは受験を諦めざるを得ません。
そうならないように、「絶対受けない高校」以外は願書をもらっておくほうが良いです。
「受けたい高校」と「受けるかどうか迷っている高校」については願書を書いておきましょう。
高校受験は公立高校と私立高校を合計2-3校受けるご家庭が多いですから(地域によっては2校まで)、「受けるかどうか迷っている高校」を含めても3-4校までに絞られると思います。
3-4校程度なら願書を書くのにあまり手間もかかりません。
志望動機の書き方や例文を紹介しました。紹介したポイントや例文に沿ってご記入いただければ大丈夫ですが、際立った志望動機がない場合や、もっと掘り下げたい場合もあるかと思います。
そこで、志望理由や自己PRの書き方の本を2冊紹介します。どちらも少々古いので、「参考程度」にしておいてください。
出版社:Gakken
特徴:
自分で志願理由や自己PRを書く入試が増えている。入学への熱意を上手にアピールする方法をガイドする初の本。「書き込み式」ノート感覚だから今すぐ役立つ。合格先輩の生体験や先生のアドバイスも満載。不登校・長期欠席などの自己申告書にも完全対応!
Gakkenより引用
出版社:Gakken
特徴:
15年度入試から受験生全員に実施され、100点以上に点数化される「自己PRカード」。何をどう書けば得点できるか分かる初の対策本。合否への影響、合格点が取れる書き方と実例集、学校別の「期待する生徒の姿」全データなど、受験生の不安クリアの1冊!
Gakkenより引用
高校入試の願書の書き方、志望動機と自己PRの作成方法を解説しました。
志望動機は面接の受け答えと関連しています。「志望する理由」と「学校側が見てほしいポイント」を合わせると志望動機を書きやすくなりますし、志望校へのアピールにもなります。
例文も参考いただき、ご家庭の状況に合わせてアレンジください。
※関連記事:高校入試の面接の流れと質問・回答例
また、入試対策のための基本問題・記述問題を、教科ごとに下記の記事にまとめています。
総復習や入試直前のチェックなどにご活用ください。
【数学】
高校受験数学の勉強方法と学習計画
平面図形・空間図形の問題の解き方
関数、比例・反比例の問題の解き方
確率の問題の解き方
高校受験によく出る数学の文章問題10日分:1日5問×10日で文章問題を得意に
【英語】
高校受験英語の勉強方法と学習計画
不定詞3用法の見分け方
前置詞の覚え方
助動詞の覚え方
be動詞・一般動詞の違いと使い分け方
高校受験によく出る英熟語・連語の一覧:例文付き
【国語】
高校受験国語の長文読解のコツと学習計画
【中学古文】頻出古語84・歴史的仮名遣い・月の名称の一覧と問題
高校受験で覚えておくべき漢字の問題100題
【理科】
高校受験理科を得意にする勉強方法
高校受験理科でよく出る問題280題
高校受験によく出る理科の記述問題(生物・地学・物理・化学)
【社会】
高校受験社会を得意にする勉強方法
高校受験によく出る社会の記述問題(地理・歴史・公民)
【高校入試】歴史の流れの説明
【高校入試】社会によく出る年号・年代の語呂合わせ
【中学歴史の流れ】高校入試対策でのメリットと押さえておくべきポイント
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