【中3歴史】大正デモクラシーの一問一答:吉野作造の民本主義、美濃部達吉の天皇機関説など定期テスト対策

中2~中3歴史の定期テスト対策のために、よく出る問題を一問一答にまとめました。

今回は「大正デモクラシー」です。

  • これからテスト勉強をはじめる人
  • テスト直前のチェックをしたい人

どちらでも活用できます。

社会は丁寧に覚えれば誰でも高得点をねらえます。早めに勉強して、社会を得意にしておきましょう!

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【中学生向け】大正デモクラシーの流れの解説

大正デモクラシーとは、大正時代(1912年~1926年)に見られた日本の民主主義的な運動や改革のことを指します。

この時期、国民の権利意識が高まり、政治の民主化が進展しました。大正デモクラシーの背景には、明治維新後の急速な近代化と国民の教育水準向上があり、さらに第一次世界大戦後の国際的な民主化の影響も受けています。

※なお、以下の記事で大正デモクラシーについて背景からくわしく解説しています。
【中学生向け】大正デモクラシーとは?意味と流れをわかりやすく解説(定期テストに出るポイントつき)

護憲運動(1910年代)

護憲運動は、政府に対する批判が高まり、民衆が憲法に基づいた政治を求めた運動です。特に1912年に起きた「第一次護憲運動」は、立憲政治を守るための大きな動きでした。

立憲政治:憲法にもとづいて政治が行われ、憲法によって政府の権力が制限される政治(政府が好き勝手に法律を定めるのを防ぐ)

「民主主義」と「民本主義」の違い

大正デモクラシーのなかで、吉野作造が民本主義を唱えました。吉野作造の「民本主義」と現在の「民主主義」は、名称が似ていて違いが分かりにくいです。

以下のように「主権者」に違いがあります。

  • 民本主義…天皇に主権がある
  • 民主主義…国民に主権がある

現在の憲法(日本国憲法)では国民主権と定められていますが、大正時代の憲法(大日本帝国憲法)では天皇主権と定められていました。

国民による政治関与の度合いを拡げつつ、当時の日本の憲法にあうように考え出されたのが民本主義でした。

普通選挙法の成立(1925年)

1925年には、普通選挙法が成立し、25歳以上のすべての男性に選挙権が与えられました。これにより、選挙権を持つ人々の数が大幅に増加し、国民が政治に参加する機会が広がりました。

治安維持法の制定(1925年)

一方で、社会主義や共産主義の台頭に対抗するために、同じ1925年に治安維持法が制定され、政府は国民の自由な言論や思想を抑え込むための規制を強化しました。

中3歴史の問題:大正デモクラシーの一問一答

大正デモクラシーの範囲でテストによく出る問題を一問一答にまとめました。「テストで正解しておきたい基本問題」と「テストで差がつく問題」に分けています。

テストで正解しておきたい基本問題

(1)藩閥出身の桂太郎が3回目の組閣をすると、議会無視の組閣だとして言論人や国民から批判を浴びて総辞職した。この運動を何と呼ぶか。

(2)自由主義や民主主義を守ろうとする風潮を何と呼ぶか。

(3)吉野作造が主張した、普通選挙によって民意を政治に反映させようという考えを何というか。

(4)美濃部達吉が主張した、国家の主権は国家にあり、天皇はその国家のひとつの機関に過ぎないとする考えを何というか。

(5)第一次世界大戦によって重化学工業を中心に日本は好況となった。これを何というか。

(6)シベリア出兵を見越した米の買い占めによって米価が急上昇し、暴動が全国で起こった。この暴動を何というか。

(7)米騒動のあと総理大臣になった人物は誰か。

(8)第二次護憲運動で組閣した首相は誰か。

(9)直接国税を納めている金額によって選挙権が与えられていたが、1925年、加藤高明内閣のときに満25歳以上の男子に選挙権を与える普通選挙法が成立した。このような、納税額などの条件を撤廃した選挙制のことを何というか。

(10)1925年、共産主義者などを取り締まるために成立した法律は何か。

(11)第一次世界大戦後、労働環境の向上などを目指して労働者がストライキなどを起こした。こうした運動を何と呼ぶか。

(12)第一次世界大戦後、小作料の減額などを求めて農村で起こるようになった運動を何と呼ぶか。

(13)1922年、ロシア革命の影響で非合法の政党が結成された。何という政党か。

(14)差別からの解放を目指す運動の一環で、1922年に京都で結成された団体を何というか。

(15)女性差別からの解放を目指して青鞜社を結成した人物は誰か。

(16)1925年に始まり、新聞と並んだ大きな情報源となったものは何か。

(17)大正時代に浅草などで人気となった映画は当時何と呼ばれていたか。

(18)『善の研究』などで知られる日本の哲学者は誰か。

(19)労働者の厳しい労働環境を描いた文学を何というか。

(20)1冊1円の文学全集を何と呼ぶか。

(21)『蜘蛛の糸』『羅生門』などで知られる作家は誰か。

(22)『麗子微笑』などで知られる洋画家は誰か。

解答

(1)第一次護憲運動

(2)大正デモクラシー

(3)民本主義

(4)天皇機関説

(5)大戦景気

(6)米騒動

(7)原敬

(8)加藤高明

(9)普通選挙制

(10)治安維持法

(11)労働争議

(12)小作争議

(13)日本共産党

(14)全国水平社

(15)平塚らいてう(らいちょう)

(16)ラジオ放送

(17)活動写真

(18)西田幾多郎

(19)プロレタリア文学

(20)円本

(21)芥川龍之介

(22)岸田劉生

テストで差がつく応用問題

(1)民本主義を主張したのは誰か。

(2)1912年に藩閥出身者で組閣して、政治家や国民から批判を浴びて総辞職した人物は誰か。

(3)天皇機関説を主張した人物は誰か。

(4)米騒動が起こったきっかけは一部の商人による米の買い占めによる米価急騰だった。その商人たちが米を買い占めたのは日本の何の動きを予測しての行動だったか。

(5)米騒動後に立憲政友会総裁の原敬は本格的な政党内閣を組閣した。平民出身であることもあり、原敬は何と呼ばれていたか。

(6)1925年に加藤高明内閣のときに成立した普通選挙法では、①(20歳以上・25歳以上)の②(男子・男女)に選挙権が与えられた。①②に当てはまる語を選んでください。

(7)女性解放を目指して平塚らいてう(らいちょう)らが結成した団体を何というか。

(8)大正時代に広まった、子どもの自発性・個性を尊重した教育を何と呼ぶか。

(9)『蟹工船』などで知られるプロレタリア文学の作家は誰か。

(10)大正時代に人気となった、洋風の生活様式を取り入れた住宅を何と呼ぶか。

(11)全国水平社が結成された都道府県はどこか。

(12)1918年に日本初の本格的な政党内閣を組織した原敬はどの政党の総裁だったか。

(13)米騒動が起こったのはどの都道府県か。

(14)1923年に発生した地震による混乱のさなか、流言が広まって多くの中国人、朝鮮人、社会主義者が殺された。この地震を何というか。

(15)加藤高明内閣による普通選挙法によって、有権者数は1920年から1928年に約何倍に増えたか。

解答

(1)吉野作造

(2)桂太郎

(3)美濃部達吉

(4)シベリア出兵

(5)平民宰相

(6)①25歳以上、②男子

(7)青鞜社

(8)自由教育

(9)小林多喜二

(10)文化住宅

(11)京都府

(12)立憲政友会

(13)富山県

(14)関東大震災

(15)(約)4倍

大正デモクラシーに関する記述問題

つづけて、大正デモクラシーの範囲でテストによく出る記述問題にもチャレンジしてみましょう。

(1)1925年に制定された普通選挙法ではどのような人たちに選挙権が与えられることになりましたか。

(2)1925年に成立した治安維持法の目的は何ですか。

解答

(1)25歳以上のすべての男性。

(2)社会主義や共産主義の人を取りしまること。

大正デモクラシーの範囲の定期テストで押さえておきたいポイント

大正デモクラシーの範囲では、テスト勉強で以下のポイントを押さえておきましょう。

護憲運動と普通選挙法の目的

護憲運動と普通選挙法の目的や結果をしっかりと理解しておきましょう。

政府が勝手な政策を取らないように、憲法にもとづいた政治が国民が要求しました。その結果、普通選挙法が制定されました。

ただし、国民の期待が一部かなえられた半面、治安維持法が制定されて共産主義の人たちが取りしまられるようにもなりました。

この点を説明できるようにしておくと、記述問題で高得点を狙えます。

1925年の普通選挙法の内容

1925年に制定された普通選挙法は、「25歳以上のすべての男子」に選挙権が与えられました。この内容を覚えておきましょう。

特に、「普通選挙」と言いながら女性には選挙権が与えられていない点と、それ以前までは選挙権をもらえる条件だった「直接国税」が条件から撤廃されている点が重要です。

記述問題や選択問題(普通選挙法の内容を選ぶ問題)でよく問われます。

民本主義や天皇機関説の提唱者を覚える

この時期には吉野作造が民本主義を主張し、美濃部達吉が天皇機関説を提唱しました。何という考え方を誰が提唱したのかをセットで覚えておきましょう。

定期テストの頻出人物の解説

大正デモクラシーの範囲でよく出てくる人物について、以下に解説します。

原敬(はらたかし)

「日本初の本格的な政党内閣」を率いた人物。民衆から支持され、大正デモクラシーの象徴的存在とされています。

加藤高明(かとうたかあき)

第二次護憲運動で内閣を組織した総理大臣。1925年の普通選挙法を制定しています。

美濃部達吉(みのべたつきち)

天皇機関説を提唱した憲法学者。

吉野作造(よしのさくぞう)

民本主義を唱えた人物。主権は「天皇」にあると主張。

西田幾多郎(にしだきたろう)

東洋と西洋の哲学を統一しようとした哲学者。問題文に「哲学者」とあれば、西田幾多郎を選択すれば正解します。

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まとめ

中学歴史の「大正デモクラシー」の範囲で、定期テストによく出てくる問題を一問一答形式でまとめました。

吉野作造:民本主義、天皇機関説・美濃部達吉、原敬・立憲政友会、加藤高明・普通選挙法・治安維持法、米騒動・富山県、全国水平社・京都府、平塚らいてう・青鞜社、大正文化:芥川龍之介・小林多喜二・西田幾多郎・岸田劉生など、定期テストで覚えるべき問題26問と定期テストで差がつく問題23問です。

定期テスト対策や高校入試対策にご活用ください。

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福地 暁です。 20年以上教育に携わり、現在は個別指導の塾を経営しています。 これまで3000組以上のご家庭を担当させていただき、中学受験(灘中・御三家など最難関含む)、高校受験、大学受験(医学部・旧帝大含む)への合格をアシストしてきました。 この記事では中学受験、高校受験、大学受験、英検・TOEIC対策、中学生・高校生の定期テスト対策など、さまざまな学習アドバイスをしています。 みなさまの学びにプラスになる情報をお伝えしていきます! よろしくお願いします。 1男1女の父。 どうやら娘には「甘いパパ」と思われているようで、 アイスやジュースをねだるときは必ずパパのところにきます。

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