「日本史は覚えることが多くてどう勉強していいか分からない」
「時代ごとの流れが分からなくて、ややこしくなる」
大学受験の日本史の勉強で、このような悩みを抱えている高校生は多いのではないでしょうか。
原始から近現代まで出題範囲が広いうえに、丸暗記ではなかなか点を取れない科目です。
そこで、高校生向けに日本史の勉強方法を紹介します。苦手な人向けに歴史の流れをつかみやすくする方法もお伝えします。
※関連記事:日本史の参考書
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日本史は覚える内容が多く、どう勉強していいか・どこから手を付ければ良いか困ります。
そこで、日本史を効率よく勉強する方法を紹介します。
日本史のような覚える内容が多い科目では、大→小へと勉強していくと効率よく覚えられます。
まず、歴史の流れを把握しましょう。
いつごろ何があったのか、誰が何をしたのかを大まかに知ります。
教科書を読む、教科書よりくわしい参考書(後ほど紹介します)を読むなどすると、歴史の流れを把握しやすくなります。
乱や変がたくさん出てきて、藤原氏も多数いて、何が何やら…という状態になります。ですが、この時点ではまだ積極的に覚えようとしなくて大丈夫です。
大まかな流れが分かったら、少しずつ暗記をはじめていきます。まずは時代区分の順番を覚えましょう。
時代区分というのは時代の特徴によって分けられたグループのことです。
日本史の場合、大体以下のように分かれます。
原始 | 旧石器時代 |
縄文時代 | |
弥生時代 | |
古代 | 古墳時代 |
飛鳥時代 | |
奈良時代 | |
平安時代 | |
中世 | 鎌倉時代(+建武の新政) |
南北朝時代 | |
室町時代 | |
安土桃山時代 | |
近世 | 江戸時代 |
近・現代 | 明治時代 |
大正時代 | |
昭和時代 | |
現代 | 平成時代・令和時代 |
時代区分を順番に覚えておくと、「何がどう変化していくのか」が分かりやすくなります。
時代バラバラに覚えてしまうと歴史の流れが分かりにくくなり、途中からいくら勉強してもなかなか覚えられなくなったり、ややこしくなってきたりします。
※関連記事:日本史の時代区分と各時代の特徴
時代区分を覚えたら、時代ごとの特徴を細かく覚えていきます。
時代ごとに戦乱や政変、外交で重要な出来事が起こっています。壬申の乱、平安京遷都、承平・天慶の乱、日宋貿易・日明貿易など。
これらの出来事を「いつ」・「なぜ」・「その後の影響」の3点を押さえながら覚えましょう。
※関連記事:日本史年号一覧:覚えやすい語呂合わせと入試によく出る重要な出来事
時代ごとの出来事以外に、主要人物も大切です。政権の権力者、戦乱を起こした人・鎮圧した人、左遷した人・左遷された人など。
出来事と人物をセットで勉強すると、出来事と人物を関連付けながら頭に入れられます。
人物のなかでも、古代では「天皇」と「藤原氏」を必ず覚えておきましょう。
古代では、政治の中心は天皇と有力豪族・貴族です。有力貴族のなかでも藤原氏は他氏排斥によって摂関政治につなげていくという大きな動きをしています。
その間、大きな戦乱を武士が鎮めるという出来事が何度か起こり(承平・天慶の乱、前九年・後三年の合戦、保元・平治の乱)、武士を中心とする時代へとつながっていきます。
この流れの中心にいるのが、古代では天皇と藤原氏です。天皇や藤原氏が多数登場するので、順番と一緒に覚えておきましょう。
※関連記事:日本史で覚えるべき天皇
鎌倉時代の中心は執権・北条氏です。北条氏も北条時政にはじまり、義時、泰時、時頼、時宗、貞時、高時と何名も登場します。
誰のときに何が起こったか(貞永式目の制定、宝治合戦、元寇など)、その出来事の影響を覚えておきましょう。
室町幕府は将軍と有力守護大名によって運営されていました。足利将軍と有力守護大名(三管領・四職、大内氏、鎌倉公方など)を覚えておきましょう。
特に、将軍足利義満・義持・義教・義政・義材などのときに何の戦乱が起こり、その結果誰が滅びたのかを覚えておきましょう。
安土桃山時代の中心は織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の3名です。鉄砲の伝来によって戦が早く終わるようになりました。大きな戦の名称(小牧長久手の戦いなど)と、3名の大名がキリスト教とどのような関係性を持ったのかを覚えておきましょう。
江戸時代は徳川将軍と四大改革の為政者、元禄文化・化政文化の主要人物を覚える
江戸時代の中心人物は徳川将軍です。初代・徳川家康にはじまり、15代・徳川慶喜まで15名の将軍名を順番に覚えましょう。
ほかに、四大改革を内容と為政者をセットで覚えるのと、元禄文化と化政文化の主要人物(元禄:井原西鶴、化政:歌川広重など)を、「誰が」・「どちらの文化の人で」・「何を創作したか」を覚えておきましょう。
明治時代以降は首相が重要です。伊藤博文にはじまり、黒田清隆、山縣有朋、…現代の首相まで「全員」覚えておきましょう。
また、政治の中心は首相ですが、日清・日露戦争の講和条約の担当者(日本側:伊藤博文・陸奥宗光、清国側:李鴻章など)や在野の中心人物(明六社の構成メンバーや大逆事件で処罰された幸徳秋水など)も覚えておきましょう。
暗記には一問一答も便利です。人物名、出来事、地名など「覚えておかないといけないもの」が大体出てきます。
一問一答を何周もしてすべて覚えておきたいです。
一問一答の勉強では、特に年号の暗記も意識しておきましょう。
入試では整序問題(その出来事が起こった年代順に並び替える問題)がでるので、年号を覚えておくと非常に解きやすいです。
日本史探求の論述参考書を使うと、歴史の流れや関係性を勉強できます。
日本史探求は科目的に「~はなぜ?」から勉強をはじめる特徴があります。そのため、論述問題も「なぜそうなったのか」を問うものが多く、問題と解答をセットで読むだけでも流れを理解しやすくなります。
文化史の勉強も必ずしておきましょう。時間がなくて文化史を飛ばしてしまう現役生もいますが、入試頻出で2-3割ほどの得点を持っていることが多いです。
覚えていないと全く解けない分野なので、勉強しないと入試で2-3割を捨ててしまう結果になりかねません。
文化史の勉強は高3の12月くらいでも良いので、「必ず」勉強しておきましょう。
一問一答問題や基礎演習をくり返したら、過去問に移るまえに入試対策問題集(志望校の難易度と同程度の問題集)で演習しましょう。
基礎レベルの問題集には載っていなかった内容や、一問一答問題集で覚えもれたものも掲載されているので、もれなく覚えられます。
特に難関大学志望者は論述対策も数か月かけて行いましょう。
※関連記事:日本史の論述問題:論述問題の勉強法とおすすめの論述問題集を紹介
ここまでお伝えしたように、大きな分類から細かい内容に「大→小」へと勉強を進めると日本史は勉強がしやすいです。このポイントになるのが「歴史の流れ」であり、同時に日本史を苦手にしている人が詰まってしまうポイントでもあります。
そこで、日本史が苦手な人向けに「歴史の流れを把握しやすくする方法」をお伝えします。
日本史が苦手な人におすすめなのは、まずマンガです。マンガは絵が多く、情報量が少ないのが特徴です。
歴史が苦手な人が多量の文字を載せた冊子で勉強をはじめると、余計に頭に入らなくなります。
例えば、「漢書」地理誌、「魏志」倭人伝、「後漢書」東夷伝のように、古代の日本について書いた中国の書物だけで3種類あります。どの書物が「いつ頃」「どのような内容」について「何と書いてあるか(暗記)」を覚えないといけません。
いきなり↑が出てきたら、乗りこえるのは大変です。最初は取っつきやすいマンガから入り、「古代の日本の王は中国に使者を送ってよろしくしてもらっていたんだな」ぐらいのイメージを持てれば十分です。
マンガはすきま時間だけでも2-3日もあれば読み切れると思います。マンガにつづいて、やや本格的に歴史の流れを勉強しましょう。
イラストが多めの参考書を使うと、視覚的にも理解しやすくなります。
特に図版を多く載せてくれている参考書がおすすめです。入試では図版資料がよく出てきます。入試にもよく出るような絵画や写真を参考書で見慣れておくと、入試でも役立ちます。
「何が」「いつ」「どの順に」起こったのかを把握すると、歴史の流れをつかみやすくなります。それには年表が便利です。
自分で年表を作成するのも良いですし、そこまで手をかけられないという人は参考書に載っている年表を開きながら問題を解きましょう。
問題集の解答・解説を見るときに年表も一緒に見るようにします。すると、問題に出てきた出来事だけでなくその「前後の出来事」も目に入ってくるので、「前後のつながり」を把握しやすくなります。
例えば、1221年に後鳥羽上皇が鎌倉幕府に対して戦をしかけました。これを「承久の乱」といいます。
ここだけ見ると、「1221年承久の乱」という1つの戦乱名だけで終わります。
ですが、年表をみると以下のように書かれています。
鎌倉幕府成立
↓
承久の乱
↓
六波羅探題設置
つまり、鎌倉幕府の成立後も後鳥羽上皇は政権奪取を考えていて承久の乱を起こした。鎌倉幕府が戦に勝ち、朝廷の監視のために(また乱を起こしたりさせないように)六波羅探題という役所を設置した。
年表で前後の出来事をみると、流れも確認できます。問題集でバラバラに覚えた内容でも、年表をみれば順番やつながりのある「整理された知識」になって頭に残るようになります。
最後に、日本史の勉強におすすめの参考書・問題集を紹介します。
1冊目は日本史参考書の定番、「金谷の日本史」です。古代~近現代まで3冊と文化史1冊の合計4冊に分けて解説してくれています。
内容はオーソドックスで、教科書をさらにくわしく解説してくれています。
すべてじっくり読むというより、問題集で問題を解きつつ因果関係が分かりにくいときに参考書として使う人も多いです。
特に、共通テストを受ける人は『文化史』だけでも読んでおくと役立ちます。
出版社:ナガセ
通常の大学入試問題集・参考書はちょっと苦手かも…という人におすすめなのがこちらの1冊です。
日本史の流れをストーリー仕立てで解説してくれる教科書です。イラストも豊富で、1つのストーリーにまとめてくれているので、楽しく読めます。「歴史の流れが苦手」という人にぴったりです。
出版社:SBクリエイティブ
学研が出版している「標準レベルまで」の参考書です。教科書よりも解説がくわしく、日本史探求に苦手意識を持っている人も理解しやすいです。
定期テスト対策用の問題ページもあり、定期テスト対策、中堅レベルまでに大学入試対策に便利です。
出版社:Gakken
こちらは、大学入試対策で定番シリーズの「レベル別問題集」です。基礎レベル(教科書レベル)から難関国公立大学レベルまで全部で5段階に分かれています。
レベル別に分かれているので、現在の実力に合うレベルからはじめて志望校のレベルまで段階的に対策できます。
日本史に苦手意識のない高校生なら「2 共通テストレベル」からはじめてみるのがおすすめです。共通テストレベルと表紙に書かれていますが、共通テストで4-5割くらい取れそうな実力の人向けです。
中学の歴史から苦手…という人には「1 基礎レベル」がおすすめです。
出版社:旺文社
いかがでしょうか。
高校生向けに日本史の勉強法を紹介しました。各時代の主要人物や重要な出来事をおさえた受験勉強をしましょう。
また、日本史は流れやつながりの理解が大切です。日本史が苦手な人でも流れを把握して効率よく勉強できる方法もお伝えしています。
共通テストや志望大学の入試に向けて、計画的に対策をしましょう!
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