中学受験で1番悩むポイントの1つが、「志望校選び」ではないでしょうか。
中高の6年間通いますから、子どもの考え方や生活スケジュールに大きな影響を与えます。
しかも、志望校の選び方次第で合否をわけることもよくあります。
納得のいく志望校選びをしたいですね。
そこで、今回の記事では下記の3点をお伝えします。
これから志望校を選びたい方も、すでに志望校を選択済の方もぜひ参考にしてください。
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中学受験をするご家庭が最初にすることは「志望校選び」だと思います。
12歳~18歳までの貴重な6年間を過ごす学校です。ベストな選択をしたいですね。
志望校の選択時期と選び方をまとめました。
志望校を選ぶにあたり、まず子どもの将来を考えましょう。
ほかにも色々ありますが、子どもに身につけてほしい力や子どもの良さをさらに伸ばしていくなど、方向性を決めます。
中高一貫校にもさまざまな種類があります。
それぞれ説明します。
まず、大学附属の中高一貫校があります。
国立の教育大学に附属している中学校や、
私立大学に附属している中学校です。
私立大学付属中学の場合はそのまま附属大学に進学できるケースが多いです。
有名大学の附属中学であれば、中学入試に合格した時点で有名大学の学歴を半ば手に入れたも同然です。
ただし、国立大附属中学の場合、大学受験をしないといけません。
私立・公立の中高一貫校のなかには、男子校・女子校になっている学校もあります。
それぞれ下記のような特徴があります。
公立の中学と高校が6年一貫となっている中高一貫校です。
公立の学費で私立のような教育環境が手に入るため、人気です。
下記の表のように、私立中にくらべれば学校数はやや少ないです。
公立中学 | 私立中学 | 公立中高一貫校 (連携校除く) | 公立中高一貫校 の割合 | |
学校数 | 9,027校 | 780校 | 143校 | 1.6% |
文部科学省の方針で500校の設置が目標となっており、毎年数校ずつ全国で開校されています。
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宗教法人によって運営されている学校です。キリスト教や仏教、神道など宗教の種類はさまざまです。
その宗教の考え方が学校の基本方針に反映されており、子どもの人格形成に大きな影響を与えます。
宗教色が濃い場合もあれば、礼拝などはあるものの宗教色がほとんどない学校もあります。
気になる学校が出てきたら学校説明会に足を運びます。
合同説明会や他会場で実施している説明会もありますが、学校に直接行くほうがおすすめです。
下記のような内容を知る大きなチャンスだからです。
これらを確認して、入学後のイメージをつかんでおきます。
この時点で、子どもに合わなさそうな学校は候補から外します。
実際、ある調査でも志望校選びの情報源として多いのは学校説明会だったことが分かっています。
また、こうした公式情報以外に友人・知人からの情報も参考にしていることがわかります。
学校説明会に行くと大学進学の話も聞けます。昨年度の高3や卒業生の大学合格実績を知ることができます。
その説明をとおして「将来の進路」をイメージしやすくなります。
学校によって合格実績の公開の仕方はさまざまですが、特にチェックしておきたいのは下記の項目です。
国公立大学 | 最上位3つ |
合格者数の多い大学3つ | |
私立大学 | 最上位3つ |
合格者数の多い大学3つ | |
特定の学部 | 医歯薬・看護など合格者数の多い学部 |
最上位の大学3つくらいを見てみると、「その中高一貫校から合格できる最上位の大学」が分かります。
例えば「東大5名、京大10名、大阪大学15名」であれば、学年で30位以内に入れば大阪大学以上の難関大学に合格できる可能性があると分かります。
ただし、中高一貫校は一部の成績上位者とそれ以外の生徒の学力差が非常に大きいです。
一部の成績上位者のグループに入れなかった場合、どの大学への進学の可能性が高いかも確認しておきます。
それが分かるのが「合格者数の多い大学3つ」です。
また、看護など特定の学部の合格者数の多い中高一貫校もあります。そうした学校では高3で看護受験コースを設けているなど、特定の学部の入試対策に強いことが分かります。
大学附属の中高一貫は人気です。ただし、内部進学の条件を確認しておきましょう。
大学附属だからといって、全員附属大学に内部進学できるとは限りません。
なかには、内部進学のための成績条件を設けているところもあります。
気になる学校の昨年度の入試日程もチェックしておきましょう。
中学受験では複数の学校を併願するのが普通です。
志望校の入試日程が重なることもあります。重なってしまうとどちらか1校しか受けられません。
同じ日に入試があっても、午前と午後で入試が分かれている場合があります。
そのときは両方受験できます。
ただし、移動時間を加味しておきましょう。午前入試の後の移動が間に合わないこともあります。
入試日程を見て、入試日程の戦略を立てます。
第一志望校を受ける日よりも前にほかの中学を受験しておくと「受験慣れ」ができ、第一志望校の入試で実力を発揮しやすくなります。
また、ほかの中学で合格を取ってから第一志望校に臨むような日程にしておけば、弾みをつけられます。
気になる学校がいくつか出てきたら、入試問題の傾向を確認しましょう。
出題傾向が似ている中学を選ぶと受験対策がしやすくなります。
密度の濃い受験対策ができれば、模擬試験の偏差値では足りていなくても合格を勝ち取る可能性が高くなります。
上記のようにいくつかの項目がありますが、1番大切なポイントは「子どもが『この学校に行きたい!』と希望することです。
本人が行きたいと思えなければ、中学受験勉強を乗り越えるのはむずかしくなります。
下記のグラフをご覧ください。中学受験生の平日1日の勉強時間を調査した結果です。
という結果です。学年があがるにつれて勉強時間がどんどん長くなっていきます。
毎日これほど長い時間勉強しつづけるには、子ども自身の「この学校に行きたい」という強い気持ちが欠かせません。
志望校を決めるときは、「子どもは行きたいのかどうか」を重視するようにしましょう。
志望校を選ぶときに見るべきポイントがたくさんあります。
初めて説明会に参加される際のオススメのチェックポイントをまとめました。プリントアウトしてお使いください。
志望校を決めると塾選びがしやすくなります。
塾によって得意な中学はことなります。
塾ごとにターゲットにしている中学があり、その中学入試に合わせて教材をつくっています。教材の難易度のたかい塾もあれば、易しめの難易度の塾もあります。
子どもの学力や生活スケジュールにあう塾を選ぶと、学力も上がりやすくなります。
志望校が決まっていれば、その志望校の得意な塾を選ぶようにしましょう。
※関連記事:中学受験の塾費用はいくらかかる?
※関連記事:中学受験の塾選び:中学受験に強い塾の選び方と選んではいけない塾の特徴を紹介
ではこれまでの中学受験生はいつ志望校を選んでいるでしょうか。
時期と志望校決定までの流れをまとめました。
説明会の参加など、志望校の情報収集を本格的にはじめた時期は3-4年生が6割です。下記のグラフをご覧ください。
「志望校選びに動き始めた時期」を調査した結果です。
3-4年生で6割以上のご家庭が志望校選びのために動き出されています。
3-4年生から志望校の情報を集め出し、最終的に決定したのは5-6年生が多いようです。
3-4年生で志望校選びをはじめて、決定が5-6年生です。2年ほどかけていることになります。
「志望校を決定した理由」も確認しておきましょう。
でした。
後ほど改めて説明しますが、受験校は「チャレンジ校」から「安全校」まで3パターン選択するのが普通です。
第一志望校以外にも2-3校ほど併願校を選びます。
併願校の選択は、学力状況をみながら6年生の夏~秋に決定するのが一般的です。
合同説明会に参加される際は、第一志望校以外にいくつかの学校の個別説明会にも参加しましょう。
「この学校なら行ってみてもいいな」と感じられる併願候補をつくっておいて、受験が近くなったら最終決定します。
志望校を決めるとき、なるべくしないほうがいい決め方も紹介しておきます。
前述のように、子ども自身の「行きたい」という気持ちは必須です。
ですが、親にも当然希望があります。子どもの希望と違う場合もあります。
どもがなぜその中学を希望しているのかを聞き、親がなぜ別の中学を勧めるのかも子どもに伝えたうえで、じっくり相談しましょう。
また、塾の説明会はたいてい土日祝日にあります。仕事が休みの日に子どもを何回か説明会に連れていき、それでも「う~ん、どうしようかな」と子どもが悩んでいると、親はぐったりします。
「もうここで良いんじゃないか」と言いたくもなります。
子どもがその学校でOKなら、「どうしても行きたい!」という強い志望ではなくても、ひとまずその学校に決めてしまっても大丈夫です(後ほどあらためて考えてみる機会はつくりましょう)。
ただ、子どもが乗り気ではないのに強引に決めてしまうと、勉強がきつくなってきたときや模試の成績がよくないときに、「できない言い訳」になってしまいます。
「あのときお父さん/お母さんが勝手に決めた」と言われてしまいます。
塾に通うと、塾の先生からおすすめの中学校を提案されます。
親に提案するときもありますが、むしろ授業中や授業前後に会話のなかで頻繁に特定の中学名をすりこまれます。
「〇〇中学に行きたいなら~ができるようになろう」
「賢い子はやっぱり〇〇中学に行っている」
「キミたちの先輩は〇〇中学に何人合格した。キミたちはきっと先輩を超えられる」
塾で繰り返し言われ、周りの友だちも〇〇中学志望になっていくと、自分も〇〇中学を目指そうという気持ちになります。
その中学が本人やご家庭の希望にあう中学ならそれでも何の問題もありません。目線があがってむしろ良いこともあります。
ですが、〇〇中学が保護者の希望とちがっていたり、本人の性格に明らかに合わなさそうな場合は厄介です。
じっくり本人と話し合いつつ、塾の先生にもご家庭の方針を伝えておきましょう。
小学校6年生の秋には受験校を決定し、冬には出願します。
第一志望校に届かなかった場合に備えて、受験校は第一志望校以外に2-3校選んでおきます。
5年生までに、合同説明会などで第一志望校以外の学校にも話を聞いておきましょう。
「ここなら行ってみたい」と感じる学校を4-5校選んでおきます。
そのなかから「チャレンジ校」「本命校」「安全校」を選びます。
選ぶときの基準を説明します。
たいてい、第一志望校より偏差値上位の学校です。
「受からないかもしれないけど、受かったら行ってみたい」
「勉強をがんばってきたらか、せっかくだからチャレンジしてみたい」
というときに受験します。
「チャレンジ受験」とは言いますが、
ダメ元で受けても、しっかり合格を勝ち取る子も毎年少なくありません。
入学後に数学の授業についていけるかどうか心配される場合もありますが、中学生の間はそこまでハイレベルなカリキュラムになっていない学校がほとんどです。
不安があれば、中学準備をしっかりしておいて、最初の定期テストで上位を狙うようにしておきましょう。
中学3年間で平均より上の成績を取っていればその後は心配いりません。
※関連記事:私立中学生が塾に行くのは当たり前!?いつから通う?家庭学習だけではダメ?
たいてい、第一志望校です。チャレンジ校より偏差値は下ですが、油断せずに取り組みましょう。
普通は合格ラインぎりぎりか、合格ラインに少し届かないくらいで受験します。
3人に1人は合格しないと言われるラインです。
本人の偏差値より10-15ポイント下の学校です。チャレンジ校も本命校も受からなかった場合に全落ちを避けるために受験します。
地域によっては国立中学や公立中高一貫校を受ける場合もあります。
※関連記事:中学受験でまさかの全落ち!?子どもはどうなる?そのとき親はどうすればいい?
せっかく何年も努力して進学した中高一貫校が「性格に合わない」「思っていたのと違う」というケースがあります。
非常に残念なケースですが、学校に通えなくなったり、退学する生徒もいます。
もの生徒が、長期欠席状態(不登校)になっています。
不登校になる原因はさまざまですが、高校では出席日数が足りないと進級できない場合もあります。そのままだと高校中退になります。
こうなったときの状況を変えるための手段は大きく2つあります。
2つ目の「別の学校への進学」の場合、地元の公立中学に転校するか、中学3年生であれば外部の高校を受験するという手段を取ります。
中学課程の内容を勉強しなおし、別の高校の入試を受けます。高校入試は「内申点」と「当日の学科試験」の合計で合格を決めます。
欠席日数が多いと内申点が低くなり、公立高校受験は極めて不利になります。
そのため、内申点をあまり重視しない私立高校を受験するか、所属中学の先生の配慮で内申点に下駄をはかせてくれる場合もあります(これは本当に、本当にありがたいです)。
※関連記事:通知表の内申点の出し方・あげ方
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不登校生活が長くつづくと、高校から毎日学校に通うのに不安を感じる子も多いです。
そういう場合は、通信制高校を受けるという選択肢もあります。
有名なN高校以外にも、各都道府県には伝統のある通信制高校がたくさんあります。
一芸を磨く、難関大学を目指すなど進路の選択肢をたくさん用意してくれています。
スクーリングといって、月1回や学期に1回など、定期的に校舎に行って高校の先生と面談する機会もあります。通信制であっても、直接会う機会もつくってくれています。
ご覧のように、受験する前に選んだ志望校が合わなくなる場合もありますが、その後の手立てはいくらでもあります。
決して珍しいことではありません(読売新聞オンライン)。
まずは「行きたい!」と思える学校を探しつつ、
精一杯受験勉強をがんばりましょう。
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中学受験のご家庭向けに志望校の決め方を紹介しました。
第一志望校は小学校3年生から4年生の間に決めた家庭が多いです。
志望校を決めるにはさまざまなポイントがありますが、子ども本人が「行きたい」と思うかどうかを重視しましょう。
また、第一志望校以外の受験校も選んでおくことが普通です。チェックシートも活用して、ご家庭の希望にあう候補を4-5校ほど選んでおきましょう。
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