中学歴史の定期テスト対策のために、よく出る問題を一問一答にまとめました。
今回は「室町時代」です。
どちらでも活用できます。
社会は丁寧に覚えれば誰でも高得点をねらえます。早めに勉強して、社会を得意にしておきましょう!
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【中学生向け】Z会タブレットコースの進め方:成績上位を取って難関校に合格する方法を解説
まず、室町時代の流れを簡単に説明します。
室町時代は、1336年から1573年まで続きました(※南北朝統一までの期間も含めています)。
足利尊氏が初代将軍となり、京都に幕府を開いたことから始まります。武士たちが力を持ち、政治や経済に大きな影響を与えました。
南北朝の統一(1392年)
室町幕府の成立当初から、朝廷は以下のように北朝と南朝に分かれていました。
1392年、3代将軍・足利義満によって南朝と北朝が統一されました。この頃が室町幕府の最盛期で、その後、急激に室町幕府は実力を失っていきました。
1467年、京都で応仁の乱という戦乱が起こりました。畠山家の家督争いや室町幕府内の権力闘争が原因でした。
この乱によって、京都の街が破壊され、経済が大きな打撃を受けました。結果としてこれが戦国時代の幕開けとなりました。
下克上とは、身分の低い者が上の者を実力で倒すことです。応仁の乱で幕府の力が弱まり、各国でも軍事力をつけた配下が守護をたおすという現象が起こるようになりました。
下剋上によって武士階級が変化し、地方の権力者が増えていきました。
また、武士だけでなく農民や寺社も経済力や軍事力をつけるようになっていきました。
室町時代には農業技術が発展しました。各国で力をつけた農民や寺社が収入を増やしていきました。
さらに応仁の乱を避けるために京から地方へと多くの貴族が逃れていきました。その貴族たちによって最新の京文化が地方に伝わり、全国的に文化が発展していきました。
茶道や能楽、絵画などの文化も栄え、武士だけでなく、庶民も楽しむことができるようになりました。特に、南北朝時代から続く文化の流れが、より豊かになっていきました。
室町時代は、1573年に足利義昭が織田信長によって追放されることで終わりました。信長の登場は、天下統一と安土桃山時代のはじまりへとつながる重要な出来事でした。
以下は一問一答・記述で頻出する語句。定義(=テストで書くべきこと)と、中学生向けの覚え方をセットで示します。
中学の歴史テストでは、「室町時代=足利氏の時代」として、将軍の名前・政治の特徴・文化・貿易がよく出題されます。
ここでは、テストで頻出する室町時代の人物・集団をランキング形式で紹介します。
一問一答・記述・選択問題のすべてに対応できるよう、「人物+できごと+理由」をセットで覚えましょう。
鎌倉幕府を倒し、1338年に征夷大将軍となって室町幕府を開いた人物。
南朝の後醍醐天皇に一時は味方していたが、のちに対立して「建武の新政」が崩壊した。
Q:足利尊氏が室町幕府を開いた理由を説明しなさい。
A:鎌倉幕府を倒した後、朝廷の政治(建武の新政)に不満をもつ武士をまとめるため。
「尊氏=室町幕府のスタート」
→「幕府の始まりの人物」として再頻出。
室町幕府の第3代将軍。南北朝を統一し、幕府の力を最も強めた人物。政治・貿易・文化のすべてに功績がある。
Q:足利義満が行った重要なことを2つ答えなさい。
A:南北朝の統一と、日明貿易の開始。
「金閣の義満・南北統一の義満」
→「金(きん)」=「義満」のサイン!
室町幕府の第8代将軍。政治の混乱の中で「応仁の乱」が起こり、戦国時代の始まりにつながった。
一方で、文化面では「銀閣(東山文化)」をつくるなど、芸術面で大きな功績を残した。
Q:応仁の乱の結果、日本はどのような時代になりましたか?
A:守護大名が地方で力を持ち、戦国時代に入った。
「銀閣の義政、乱の義政」
→「義満=金閣、義政=銀閣」でペアで暗記!
足利義満の時代から始まった明(中国)との貿易に関わった人々。
特に、遣明船(けんみんせん)に乗った商人や僧侶が登場。
Q:勘合貿易とはどのような貿易ですか?
A:日本と明との間で、正式な証明書(勘合符)を使って行われた貿易。
「勘合=合印で合格、正式な貿易の証」
室町時代には、農民や商人が力をつけ、団結して行動するようになった。
その代表が惣(そう)と一揆(いっき)。
Q:室町時代に一揆が起こったのはなぜですか?
A:年貢や借金の負担が重く、民衆が団結して要求を通そうとしたから。
「惣は自治、一揆は団結!」
→「みんなで助け合う時代」がテストのキーワード。
以下のような関係図をイメージすると、テストでの「流れ」が一瞬で整理できます。
人物や出来事をつなげてストーリーで覚えましょう。
足利尊氏の子。鎌倉公方(かまくらくぼう)となり、東国(関東地方)を治めた人物。
→ 室町幕府が全国を直接支配できなかった理由(地方分権)に関係。
関東は「鎌倉公方」が治めていたことを問う問題で出やすい。
「足利基氏は鎌倉公方として関東を治め、幕府の地方支配を行った。」
「基(もと)=もと関東の人」と覚えると、すぐ思い出せる!
応仁の乱で西軍を率いた守護大名。細川勝元と対立した。
応仁の乱の原因や、東軍・西軍の対立で必ず登場。
「応仁の乱で西軍を率いたのは?」という一問一答に頻出。
「山名宗全は応仁の乱で西軍の大将となり、細川勝元と戦った。」
「宗全(そうぜん)=西(せい)軍」…“そう”と“せい”で音が似てる!
応仁の乱で東軍を率いた守護大名。山名宗全と対立。
応仁の乱の「東軍の大将」は誰?という定番問題。
また、戦乱が戦国時代の始まりになる流れで登場。
「細川勝元は応仁の乱で東軍の大将となり、西軍の山名宗全と対立した。」
「勝元=勝つ→東軍!」で“勝つ”のイメージと結びつけて覚える。
将軍・足利義教(よしのり)を殺害した守護大名。事件後に討たれた。
将軍の専制政治に対する守護の反乱を示す代表例。
「赤松満祐が起こした事件の名は?」(嘉吉の乱)がよく出る。
「赤松満祐は将軍足利義教を殺害し、嘉吉の乱を起こした。」
「満祐(みつすけ)=みんな助けず(将軍を討った)」で語呂風に!
アイヌの人々を率いて和人(本州から来た人々)に反乱を起こした指導者。
北海道(当時の蝦夷地)での和人との対立・交易の歴史問題で登場。
「アイヌの反乱を指導したのは?」という形で出題。
「コシャマインは15世紀に和人に対して反乱を起こした。」
「コシャマイン=こしゃ(こしゃくな)和人に反乱!」とリズムで覚える。
室町時代の流れが分かったところで、一問一答でテストによく出る知識を覚えていきましょう。
「テストで正解しておきたい基本問題」と「テストで差がつく問題」に分けています。
(1)後醍醐天皇に反対して京都に朝廷を立て、新たに室町幕府を開いた人物は誰か。
(2)1392年に南北朝を統一した将軍は誰か。
(3)室町時代は同じ田畑で米と麦を交互に作る方法が取られた。この生産方式を何というか。
(4)各地で定期的に開かれた市場のことを何というか。
(5)農村では有力農民を中心に1つにまとまって村を自治する方式が取られるようになった。こうした自治組織のことを何というか。
(6)15世紀になると、農民は団結して土倉や酒屋をおそうことが頻発するようになった。こうした実力行使を何というか。
(7)1428年に京都近郊で発生した大規模な土一揆を何というか。
(8)公家や寺社に税を納めて保護を受け、独占的な営業権を獲得していた商工業者の団体を何というか。
(9)交通輸送業者で、水路での輸送を担っていた業者を何というか。
(10)交通輸送業者で、陸路での輸送を担っていた業者を何というか。
(11)加賀(現在の石川県)で浄土真宗の信徒たちが蜂起して守護を追い出し、約100年にわたって自治を行った。この一揆を何というか。
(12)南北朝期より、国内の地侍などの勢力をまとめて独自の支配体制を築く守護が現れてきた。こうした守護のことを何というか。
(13)1467年に京都で起こった大規模な戦乱は何か。
(14)応仁の乱をきっかけに、下の者が上の者を実力で倒す風潮が全国に広まりだした。この風潮を何というか。
(15)守護大名に代わって登場した、実力で領国を支配するようになった大名を何というか。
(16)領内の武士をまとめるために戦国大名が出した法令を何というか。
(17)足利義満の保護のもと、観阿弥・世阿弥が猿楽から大成させた演芸を何というか。
(18)足利義満が京都・北山に建てた建築物は何か。
(19)足利義政が京都・東山に建てた建築物は何か。
(20)室町時代に中国を統一してできた王朝は何か。
(21)室町時代に朝鮮半島を統一してできた王朝は何か。
(22)室町時代に現在の沖縄県を支配していた国は何か。
(23)現在の北海道に住んでいた民族を何というか。
(24)明との貿易で、正式な貿易船であることを示すために使われた札を何というか。
(25)勘合符を使ったことから、日本と明との貿易は何と呼ばれるか。
(26)琉球王国は複数の他国との貿易の中継地点として栄えた。こうした貿易方法を何というか。
(1)足利尊氏
(2)足利義満
(3)二毛作
(4)定期市
(5)惣
(6)土一揆
(7)正長の土一揆
(8)座
(9)問
(10)馬借
(11)加賀の一向一揆
(12)守護大名
(13)応仁の乱
(14)下剋上
(15)戦国大名
(16)分国法
(17)能
(18)金閣
(19)銀閣
(20)明
(21)朝鮮国
(22)琉球王国
(23)アイヌ民族
(24)勘合符
(25)勘合貿易
(26)中継貿易
(1)建武の新政を批判した落書を答えなさい。
(2)応仁の乱の後、山城国(現在の京都府南部)で国人などが蜂起して守護大名を追い出し、約8年間自治をした。この一揆を何というか。
(3)戦国大名は自分の城の周辺に家臣や商工業者を住まわせていた。こうしてできた町のことを何というか。
(4)分国法のうち、「喧嘩両成敗」などの法令をつくった戦国大名は誰か。
(5)室町時代の自治都市は、京都・博多のほかにどこがあるか。
(6)金閣に代表される室町時代の文化を何文化というか。
(7)銀閣に代表される室町時代の文化を何文化というか。
(8)寺院の部屋の様式を住居にも取り入れ、書院を中心にした武家の住宅様式を何というか。
(9)水墨画を大成させた人物は誰か。
(10)室町時代を中心に登場した、「一寸法師」「浦島太郎」などの短編物語を何というか。
(11)能の合間に演じられた、民衆の生活や感情を表現した演芸は何か。
(12)関東で多くの武士や民衆が儒学などを学んだ上杉氏の学校を何というか。
(13)茶を飲む習慣から発展した茶の文化は何か。
(14)複数の人が歌をつないでいく形式の和歌を何というか。
(15)京都の禅寺にある庭で、石や木の配置で自然を表現している庭園は何か。
(16)応仁の乱が起こったのは西暦何年か。
(17)日明貿易において、貿易船をおそっていた海賊を何というか。
(18)京都などの都市で金融業を営んでいた業者を何というか。
(19)京都で将軍を補佐した役職を何というか。
(20)関東を統治していた役所を何というか。
(21)寺社の前に人が集まってできた町を何というか。
(22)水路で輸送される荷物の中継地点として栄えてできた町を何というか。
(23)室町時代に、川の水をくみあげるために使われたかんがい設備は何か。
(1)二条河原落書
(2)山城国一揆
(3)城下町
(4)武田信玄
(5)堺
(6)北山文化
(7)東山文化
(8)書院造
(9)雪舟
(10)御伽草子
(11)狂言
(12)足利学校
(13)茶の湯
(14)連歌
(15)龍安寺の石庭
(16)1467年
(17)倭寇
(18)土倉・酒屋
(19)管領
(20)鎌倉府
(21)門前町
(22)港町
(23)水車
室町時代の定期テストでよく出てくる記述問題も作成しました。ぜひ、チャレンジしてみましょう。
(1)守護大名とは何ですか?
(2)日明貿易で勘合符が使われた理由は?
(3)下克上とは何?
(4)応仁の乱による文化への影響について、「貴族」「京都」「地方」の用語を使って説明しください。
(1)守護が力をつけて自分の領国を実力で支配するようになった大名。
(2)正式な貿易船と倭寇を区別できるようにするため。
(3)身分の下の者が実力で上の者をたおすこと。
(4)地方に逃れた貴族が京都の文化を伝えた。
中世には名称が似ている、あるいは役割が似ている用語がいくつか出てきます。それぞれの違いをいくつかまとめました。
中世の歴史の問題で、「二毛作」と「二期作」が良く出てきます。名前が似ており、出てくる時代も近いためややこしいですよね。
下記のような違いがあります。
土倉と酒屋はややこしい用語の代表格みたいなものかもしれません。どちらも高利貸しです。下記のような違いがあります。
馬借と問の違いは下記のとおりです。
座と惣の違いは下記のとおりです。
13(いざ)3(さ)8(や) → 「いざ、さぁ(尊)氏!」(印象付け)13(いち)9(く)2(に) → 「いちくに=一国に戻した(統一)」など短く。14(いよ)6(む)7(な) → 「いよ、むな(戦の始まり)」など語呂+イメージで覚える。14(いよ)7(な)7(な) → 「いよ、ななな=長く続いた戦」など。ポイント:語呂は「読みやすさ」と「イメージの強さ」が命。自分だけの語呂(友達と共有できる面白さ)を作ると覚えやすい。
吉野の南(南朝) vs 京都の北(北朝) → 1392で義満がまとめた勘合符=外貨取引の「合格証」惣で団結→年貢減免を要求短いリズムのフレーズ(5〜10語)を作って、朝晩声に出して読むだけで記憶が強くなります。
視覚化はテスト対策で最も効果的。室町時代は200年あまりもつづいた長い時代です。
以下の記事で、その間に起こった重要な出来事や流れ(南北朝の統一、日明貿易、嘉吉の乱、応仁の乱など)を年代順に整理しています。
中学生向けの室町時代の年表:年表を使う定期テスト攻略法とテスト頻出ポイントをわかりやすく解説
定期テスト対策としておすすめの社会の問題集を4冊紹介します。
目標の点数によって下記のように使い分けるのがおすすめです。
※関連記事:社会の定期テスト対策の仕方
学校の教科書に合わせて作成された問題集です。教科書のページ数も記載されているので、「テスト範囲表」をページを確認しながらテスト勉強ができます。
帝国書院はコチラ↓
東京書籍はコチラ↓
教育出版はコチラ↓
日文はコチラ↓
出版社:文理
前出の『教科書ワーク』と同程度くらい~やや難しいレベルまでを網羅した参考書と問題集です。教科書よりポイントを分かりやすくまとめてくれており、テスト勉強に使いやすいです。
出版社:Gakken
定期テストレベルの問題~高校入試レベルまで幅広いレベルの問題が掲載されています。
社会は範囲によって得意・不得意が分かれますから、そのときの自分に合った難易度の問題を選択できます。
出版社:増進堂・受験研究社
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難問をメインに構成されており、学校のテストで80-90点を安定して取れている人が入試に向けてレベルアップをするのに最適です。
「最高水準問題集」と「最高水準問題集 特進」に分かれており、「特進」のほうが難問ぞろいです。
地理↓
地理 特進↓
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くわしくは、スタディサプリ中学講座の特徴と効果的な活用法で紹介しています。
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中学歴史の「室町時代」の範囲で、定期テストによく出てくる問題を一問一答形式でまとめました。
「室町幕府の仕組み(管領、鎌倉府など)」「倭寇」「村―惣、商工業者―座」「農業(二毛作、水車など)」「土一揆、国人一揆」など、定期テストで覚えるべき問題26問と定期テストで差がつく問題23問です。
定期テスト対策や高校入試対策にご活用ください。
※関連記事:社会の定期テストの勉強法
※関連記事:高校入試によく出る問題の一問一答
※関連記事:高校入試によく出る問題の記述問題
※関連記事:高校受験社会の対策方法
※Z会について下記記事でくわしく紹介しています。
【中学生向け】Z会タブレットコースの進め方:成績上位を取って難関校に合格する方法を解説
ほかの範囲の問題は下記の記事にあります。
地理:
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【アジア州】
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