中学生にとって、ノートの選び方や活用法は学習の効率を大きく左右します。勉強の成果を最大限に引き出すためには、ただノートを取るだけでなく、どのように選び、どのように使うかが重要です。
そこでこの記事では、教科ごとに適したノートの選び方や、勉強効率をアップさせるためのノート活用法を解説します。
ノート選びのポイントを押さえ、テストで高得点をねらいましょう!
ノート選びの基本は、サイズと罫線の種類です。それぞれくわしく説明します。
ノートのサイズは、「持ち運びやすく、授業中に使いやすいB5サイズ」がおすすめです。
B5は教科書と大きさが近いため、一緒に持ち歩く際にも便利です。机に教科書とノートを広げるときにも幅をあまりとらず、字を書きやすいです。
逆に、それ以上に小さいサイズのノートにすると書き込みにくく、見にくくなるリスクがあります。
罫線の種類も重要です。罫線というのはノートに印刷されている行などの線です。20行、30行など、ノートによって行の数が異なります。
以下に、罫線の種類とメリットをまとめました。
実際にノートを使ってみて、どちらのほうが自分にとって使いやすいかを選びましょう。
また、理科や社会のような図を多用する教科には方眼ノートも適しています。
適切な罫線を選ぶと、見やすく、書きやすくなるため、学習の効率が上がります。自分の字の大きさや記述スタイルに合わせた罫線を選ぶことがポイントです。
教科ごとにノートの適した種類を選ぶと、内容の整理がスムーズになります。5教科に分けて説明します。
国語や英語のノートでは、余白があるものを使うのが効果的です。英語・国語は、授業中にたくさんメモを取ったり、後から文法の説明や語彙のメモを追加したりすることが多いため、書き込みスペースに余裕があるノートが便利です。
特に国語では、物語の要約や登場人物の分析など、内容を深く掘り下げることが多いため、余白が多いノートを使うことで、あとから補足を書きやすくなります。
余白を活用したノートの取り方として、ページの端や行間に追加情報を書き込む「余白メモ」があります。
ノートの右下あたりににあらかじめ四角い枠をエンピツやボールペンで書いておきます。授業中や問題演習の際に気づいたポイントや、後で復習しておきたい内容をその枠のなかに書き込んでおきます。
この方法で書き込みを増やすと、テスト前の復習時に内容の理解が深まります。また、英語の場合も、単語の意味や文法の補足を余白に書き込むことで、見返すたびに学習が補強されます。
数学には、方眼罫のノートが最適です。
方眼ノートは、計算や図形を書く際に非常に便利で、特に正確さが求められる数学の問題に適しています。方眼の枠を利用すると数字や記号を整然と配置でき、見やすく、ミスを減らすことにもつながります。
また、図形問題やグラフを書くときにも、方眼をガイドに使うことで正確に描くことができるため、図形が多い単元にも適しています。
さらに、方眼ノートを使うと、複雑な式やステップを整理しながら書き進めることができます。
例えば、等式や計算過程を1つずつ枠に分けて書くことで、途中で計算ミスをしても確認がしやすく、後から振り返るときにも理解しやすい形で内容がまとまります。
定期的にノートを見返して練習問題を解きなおす際も、方眼のおかげで視覚的に整理された状態で復習が進みます。
ちなみに、英語・国語でおすすめした「余白メモ」は数学でも使えます。
分数の計算や符号の間違いなど、「自分のしやすい計算ミスのパターン」を余白にメモしておきます。そして、問題を解いた後にそのメモを見ながら「計算ミスしていないかな?」とチェックします。
これで、計算間違いもぐんぐん減らしやすくなります!
理科や社会のノートには、ページを複数に分割して使えるタイプが便利です。理科や社会は、用語や実験結果、図表やグラフなど、情報量が多く、種類もさまざまです。
そのため、ページをいくつかのセクションに分けられるノートを使うとポイントを整理しやすくなり、見やすくなるというメリットがあります。
たとえば、理科では、ページの左側に実験の手順や観察結果を記録し、右側に考察や結論を書くといった分け方が役立ちます。
社会では、地理や歴史の内容を扱うときに、地図や年表、重要な出来事をページごとに分けることで視覚的にまとめやすくなります。また、トピックごとにページを使い分けると、後から確認しやすくなり、復習時の効率も向上します。
自分に合うノートを選べたら、そのノートを上手に使えるようにしましょう。ここでは、代表的なノートの取り方を紹介します。
ノートは「見やすく」「わかりやすく」書くことで、復習しやすくなり、学習内容の定着にもつながります。特に、見出しや重要なポイントを太字や色で強調するのは効果的な方法です。
たとえば、見出しを黒の太字で書き、重要な単語や公式を色分けすると、目に留まりやすくなります。この記事でも、見出しは字が大きく太いです。そのほうが見やすいです(よね)。
色分けは科目ごとに異なる色を使うとさらに便利です。数学なら青、英語なら赤などと決めておくと、科目ごとの内容が頭に残りやすくなります。
塾用教材で有名な『ウィニング』も、表紙の色が英語は赤で、数学は青です。印象に強く残ります。
要点を箇条書きにしたり、矢印や図を使って内容を視覚的に表現するのも効果的です。
特に理科や社会では、関連する事象やデータの関係性を矢印やフローチャートで示すと理解しやすくなります。自分なりの書き方やレイアウトを工夫することで、ノートが見やすくなり、必要な情報をすばやく見つけることができるようになります。
例えば歴史の教科書には、「御恩と奉公(鎌倉時代の幕府と御家人の関係性)」を以下のように図で示されています。
また、以下の記事では理科や社会のテストによく出る重要ポイントを解説しています。(たくさんあるので、一部を載せています。)
中学生が覚えておくべき元素記号の一覧:覚えやすい語呂合わせ
塩酸の電気分解
【北アメリカ州】
【日本の地域的特色】
【鎌倉時代】
【室町時代】
工業地帯と工業地域の違い
ノートの効果を高めるには、書いた内容をすぐに復習することが大切です。学習した内容を1ページにまとめたら、その日のうちにざっと見直しを行って記憶を定着させましょう。
記憶は時間が経つと徐々にうすれるため、学習直後に復習することで脳が内容を「大切な情報」として認識しやすくなります。
『見直しのポイント』としては、ノートを読み返しながら重要なポイントに注目し、理解が足りない箇所や疑問点をチェックすることです。
さらに、翌日にも再度短時間の復習を行い、理解がしっかり定着しているか確認しましょう。
毎日の復習を習慣化することで、定期テストや模試の前に慌てることなく、少しずつ内容が身につきます。
これまでお伝えしてきたように、ノートを活用するとテスト勉強がしやすくなり、テストで良い点もねらいやすくなります。
特にテスト直前に役立つノート活用法をまとめて紹介します。
テスト前の復習に効率的な「ポイントノート」は、テスト範囲の重要事項やよく出る問題を簡潔にまとめたノートです。
ポイントノートを作る際は、各教科や単元の要点を短いフレーズでノートに書きましょう。短いフレーズのほうが見やすいです。
例えば、数学なら公式や基本的な解法を、英語なら文法の重要ポイントや例文を整理して書き出します。
※数学の覚えておきたい公式をこちらの記事でまとめて紹介しています。
まず教科書や授業ノートから太字の言葉や公式を選び出し、必要に応じて箇条書きや図で要点をまとめましょう。過去のテストや問題集を参考にして、苦手な部分やよくミスする箇所を特に強調して記載すると、見直す際に優先的に学習するべきポイントがわかります。
また、色分けやマーカーを使って重要度を分けることで、テスト前の確認がさらにスムーズに進みます。
ノートを見やすく整理するとテスト前の見返しが簡単になり、学習の理解度も向上します。特に、1単元ごとにノートをまとめておくと、内容の流れが頭に入りやすくなり、復習しやすくなります。
まず、1つのテーマが完結するごとに見出しをつけ、ページごとに単元やトピックが区切りましょう。探している内容をすぐに見つけられるようになります。
また、ノートの最後に「単元別の目次ページ」を作ると、必要な箇所を一目で探せるので便利です。
例えば、ノートにページ番号をつけてその横に内容のタイトルを記載します。すると、復習の際に迷わずに目的の情報にたどりつけます。
さらに、要点を強調するために各単元の重要事項を見返しやすい位置にまとめておくと、学習内容が整理され、頭の中に残りやすくなる効果も期待できます。
ノート選びはテスト勉強にとても大切です。そんなノート選びの注意点をお伝えします。
ノートを途中で変更する場合、いくつかの注意点を意識しておくと、効果的に新しいノートを活用できます。
まず、前のノートとの一貫性を保つことが重要です。途中でノートを変えると書き方やレイアウト、整理方法が異なるため、勉強の仕方が混乱する可能性があります。
そのため、ノートを変える前に、どのように新しいノートを使うか計画を立て、同じように整理できる方法を意識しましょう。
ノートを変えるタイミングは、内容や目的が大きく変わるときにするのが理想的です。
例えば、1学期の内容と2学期の内容が大きく異なる場合や、学年が変わるタイミングです。ノートの内容が断片的になるのを避け、スムーズに学習を続けるためにも、適切なタイミングでノートを変更しましょう。
他の人のノートを参考にすることは、学習のヒントを得るために有効ですが、最も重要なのは「自分に合ったノートのスタイルを見つけること」です。
友達が使っているノートの形式や方法が自分に合っているとは限りません。ノート選びには、自分の学習スタイルや使いやすさを最優先に考えるべきです。
例えば、視覚的に整理されたノートが必要な人もいれば、文字でしっかりと書くことで理解が深まるタイプの人もいます。
友達のノートが付箋やマーカーできれいに色分けされているからと言って、自分も同じ方法を取る必要はありません。大切なのは、内容をしっかりと整理し、復習しやすいノートに仕上げることです。
自分にとって使いやすいノートがどんな形かを実際に試してみて、少しずつ「自分に合った方法」を見つけていきましょう。
ノート選びは一度決めたら終わりではなく、学習を進めるうちに自分に最適なスタイルが見つかることが多いです。色々なノートや方法を試して、自分にとって最も効果的なスタイルを見つけることが成功への近道です。
ノート選びは勉強の土台を作る大事なステップです。教科ごとに適したノートを選ぶことで、より効率的に学習が進みます。
例えば、英語や国語には余白の多いノート、数学には方眼ノート、理科や社会には分割ページのノートが向いています。
また、ノート活用法として、見やすさをアップさせる工夫や毎日の復習に使えるポイントノートの作成が効果的です。
さらに、定期テストや受験対策には、要点をまとめたポイントノートを作成することが役立ちます。ノート選びと使い方の工夫を意識することで、学習効率を大きく向上させることができます。
定期テスト対策について、科目別に以下の記事で解説しています。
【中学生向け】英語の勉強法とおすすめの英語問題集
【中学生向け】数学のテスト勉強法とおすすめの数学問題集
【中学生向け】国語の勉強法とおすすめの国語問題集
中学理科のテストに出やすい問題の一覧と勉強法
【中学生向け】社会の勉強法(暗記のコツ)
また、ノートの取り方についてもっと知りたい方には以下の書籍がおすすめです。
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