「英検®4級は合格した。次の3級も子どもにさせたいけど、どうしたらいいかわからない」
「英語入試に使うために英検®3級を取っておきたい。しっかりした対策方法を知りたい」
こういうご希望をお持ちの保護者の方は多いのではないでしょうか。
英語は生涯にわたって役立ちますし、中学入試・高校入試・大学入試でも英検®資格で優遇措置を受けられる場合が増えてきています。
3級は中学受験の英語入試で必要とされる英語力です。簡単ではありませんが、英語入試を受ける小学生や高校入試を控える中学生に必要なレベルです。
また、中学英語の学び直しをされる方にとっては最終段階です。
そこで、英検®3級を目指される方に向けて、
を例文付きで、詳しく解説します。この記事1つで対策方法は完璧になるはずです。
※関連記事:【英検3級】一次試験対策の演習問題(リーディング・ライティング)
※関連記事:英検3級の問題集
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英検®の正式名称は「実用英語技能検定」で、国内最大級の英語資格試験です。公益財団法人の「日本英語検定協会」が主催し、文部科学省が後援しています。
英語の試験を受けて合格したら受験者の英語技能の証明書が発行されます。この証明書は生涯有効で、履歴書にも書けますし、中学入試・高校入試・大学入試にも使えることが多いです。
試験は年に3回あり、試験会場は全国にあります。学校で受けることも可能で、総志願者数は250万人を超えています。
ほかの英語資格検定(TOEIC、TOEFLなど)が留学やビジネスなど限定された範囲の英語試験なのに対して、英検®の試験範囲は幅広く、日常生活から大学やビジネスまで多岐にわたります。
合格すると認定される級があり、1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級の7つです。
受験者は自分のレベルに合いそうな級を自分で選んで申し込みます。5級を飛ばして4級から受けることも可能です。
英検®は年3回、毎年同じ時期に開催されています。個人で申し込む際の試験日程を下記の表にまとめています。
受付期間 | 1次 | 2次 | |
第1回 | 3月15日~5月2日 (書店は4月19日締切) | 6月2日(日)本会場 | (A日程)7月7日(日) (B日程)7月14日(日) |
第2回 | 7月1日~9月6日 (書店は8月30日締切) | 10月6日(日)本会場 | (A日程)11月10日(日) (B日程)11月17日(日) |
第3回 | 11月1日~12月16日 (書店は12月6日締切) | 2025年1月26日(日)本会場 | (A日程)2025年3月2日(日) (B日程)2025年3月9日(日) |
英検は4技能を測るテストです。
一次試験でリーディング・ライティング・リスニングの3技能を測り、それにパスした人のスピーキング技能を二次試験で測ります。
各級で測定される技能は下記のとおりです。
・1級~3級:リーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの4技能
・4級と5級:リーディング・リスニングの2技能
※4級・5級は、受験者自身のパソコン・スマホ・タブレットなどの端末でスピーキングテスト(録音方式)を受けられます。合否には関係しません。
2015年以前はライティングやリスニングが苦手でも、リーディングでがんばれば合格しやすい試験でした。例えば、ライティングが0点でもリーディングとリスニングが満点なら準1級の一次試験は合格でした。
2016年から技能ごとの配点が同じになったため、特定の技能の点数で合格を取るのはかなり困難になっています。
また、配点も統計処理されて決められるため、試験回ごとに代わります。30問中27問正解したから9割の得点になる、というわけではないのです。
英検®の全体像がわかったところで、
英検®3級のレベルと、合格するにはどれくらいの点数が必要なのか確認します。
日本英語検定協会によると、3級のレベルは「中学卒業程度」(中学3年生程度)です。
家族のこと、趣味やスポーツなど身近な話題が出題されます。
また、審査領域は下記のように公表されています。
読む:身近なことに関する内容を理解することができる。
日本英語検定協会-各級の審査基準より引用
聞く:身近なことに関する内容を理解することができる。
話す:身近なことについてやりとりすることができる。
書く:身近なことについて書くことができる。
2000年代以降、日本の中学生の英語力は伸びてきています。
平成19年の調査では英検®3級取得済の中学校3年生は19.0%で、英検®3級相当の実力を持っている子は33.7%でした(文部科学省「「国際共通語としての英語力向上のための5つの提言と具体的施策」参考資料(1)」)。
文部科学省は英検®3級相当の実力を持つ中3を50%以上にするという目標を掲げていました。
下記の表は2021年度に中学校3年生を対象に調査した結果です。
中学3年生 | 英検®などの英語検定の受験経験あり | 英検®3級相当の資格を取得 | 英語検定を受けていないが英検3級相当の英語力があると思われる | 英検®3級以上の英語力があると思われる | |
生徒数 | 992,011人 | 451,545人 | 269,498人 | 196,833人 | 466,331人 |
割合 | – | 45.5% | 27.2% | 19.8% | 47.0% |
「中学校3年生で英検®3級相当の実力を持っている子は47.0%いる」
という調査結果になりました。
50%には届きませんでしたが、過去15年間で3級相当の実力者が13%以上も増えたことになります。
ほぼ2人に1人は3級以上の英語力になっています。
では、3級に合格するにはどれくらいの点数を取ればいいのか確認します。
合格点は日本英語検定協会が公表しています。
満点 | 合格点 | |
3級 | 2200点 | 1456点 |
検定で70%くらい取れば3級に合格できます。
4級は65%が合格ラインでしたから、3級はそれよりやや高い点数が必要になります。
3級の合格には2000語程度必要とされています。
4級の必要単語数が1200語ですから、倍近くにふくれ上がります。高校入試も2000-2500語程度必要されていますので、決して多すぎることはありません。
ただ、これだけの数になると、暗記方法を工夫する必要があります。
※関連記事:小学生におすすめの英単語暗記方法
※関連記事:中学生以上におすすめの英単語暗記方法
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前述のように、3級で出題されるのは中学3年生程度です。
3級でよく出題される文法は以下のとおりです。
上記以外にも名詞の使い方など、中学3年生までに習う英文法全般が出てきます。
※関連記事:中学英語の文法一覧
頻出文法から勉強をはじめ、徐々に勉強する範囲を広げていくと時間効率の良い英検3級対策ができます。
文法はどこまで勉強すればいいのか、一覧にしました。
それぞれ例文もつけましたので、参考にしてください。
文法 | ポイント | 例文 |
不定詞 | 主語になるto不定詞 | To play tennis is always fun for her. (彼女にとってテニスをすることはいつでも楽しい。) |
動名詞 | 動詞にingをつける | She likes playing tennis. (彼女はテニスをするのが好き。) |
受動態 | be動詞+過去分詞 | She is known by him. (彼女は彼に知られている。) |
分詞 | 現在分詞と過去分詞の違い | 【現在分詞】 He knows the girl playing tennis. (彼は、テニスをしているその女の子を知っている。) 【過去分詞】 The girl known by him is my younger sister. (彼に知られているその少女は私の妹だ。) |
関係代名詞 | 先行詞の使い方 | The man knows the girl who is playing tennis. The girl who is playing tennis is known by the man. (その男性は、テニスをしているその少女を知っている。) |
現在完了形 | have+過去分詞形 | She has played tennis for ten years. (彼女は10年間テニスをしている。) |
助動詞 | ・助動詞の意味の使い分け ・間違いやすい否定文、疑問文の形と意味 | 【否定文】 She doesn’t have to play tennis. (彼女はテニスをする必要がない。) She must not play tennis. (彼女はテニスをしてはいけない。) 【疑問文】 Does she have to play tennis? Must she play tennis? (彼女はテニスをしなければといけませんか。) |
熟語 | 間違いやすい熟語の使い分け(暗記) | She asked her teacher about English tests. (彼女は先生に英語のテストについて質問した。) She asked her teacher for English tests. (彼女は先生の英語のテストをするようお願いした。) |
※関連記事:重要英文法の解説と勉強方法を下記の記事で説明しています。
be動詞と一般動詞の区別の仕方
不定詞3用法の使い分け
助動詞の一覧と使い分け
前置詞の一覧と覚え方
前述のように、3級は一次試験でリーディング・ライティング・リスニングがあり、二次試験でスピーキングがあります。
一次試験にはじめて「ライティング」が加わります。英作文のことです。
二次試験のスピーキングは4、5級でもありましたが、合否には関係しない「お試し」で希望者のみ受けられるものでした。
また、スピーキングも本格的にはじまります。
日本英語検定協会によると、3級の出題内容は下記のようになっています。
■リーディング・ライティング(50分) | ||||
形式・課題 | 形式・課題の詳細 | 問題数 | 問題文の種類 | 解答形式 |
短文の語句空所補充 | 文脈に合う適切な語句を補う。 | 15 | 短文 会話文 | 4つの選択肢から解答を1つ選ぶ (選択肢印刷) |
会話文の文空所補充 | 会話文の空所に適切な文や語句を補う。 | 5 | 会話文 | 4つの選択肢から解答を1つ選ぶ (選択肢印刷) |
長文の内容一致選択 | パッセージの内容に関する質問に答える。 | 10 | 掲示・案内 Eメール(手紙文) 説明文 | 4つの選択肢から解答を1つ選ぶ (選択肢印刷) |
英作文 | 質問に対する回答を英文で書く。 | 1 | (問題文なし) | 記述式 |
■リスニング(25分) | ||||
形式・課題 | 形式・課題の詳細 | 問題数 | 問題文の種類 | 解答形式 |
会話の応答文選択 | 会話の最後に発話に対する応答として最も適切なものを補う。 (放送回数1回、補助イラスト付き) | 10 | 会話文 | 3つの選択肢から解答を1つ選ぶ (選択肢読み上げ) |
会話の内容一致選択 | 会話の内容に関する質問に答える。 (放送回数2回) | 10 | 会話文 | 4つの選択肢から解答を1つ選ぶ (選択肢印刷) |
文の内容一致選択 | 短いパッセージの内容に関する質問に答える。 (放送回数2回) | 10 | 物語文 説明文 | 4つの選択肢から解答を1つ選ぶ (選択肢印刷) |
それぞれの出題内容と対策方法を詳細にお伝えします。
リーディングは下記のように3つの大問にわかれています。
大問1、大問2は4、5級でも出てきた形式の問題で、大問3の「長文」は4級から登場しています。
3級からいよいよ英作文が登場します。
3級のリーディングは、単語と文法の正確な知識が問われます。3級の合格率は5割ほどです。5級は8割、4級は7割でしたから、一気に下がっています。
単語数も必要で、文法も正確で実践的な力が必要です。
4級に合格後、6か月程度の勉強期間を見積もっておきましょう。
一次試験の試験時間は50分です。
大問ごとに「時間配分」と「解答のコツ」をお伝えします。
【英検3級】一次試験対策の演習問題(リーディング・ライティング)
問題数は15問あり、不定詞・動名詞や関係代名詞などの文法問題や熟語などの知識問題です。
リーディングの1番のポイントは大問1です。大問1で8割(12/15問)正解できるレベルであれば、英検®3級は高確率で合格できます。
そこまでいかなくても、15問中10問正解できれば大丈夫でしょう。
下記の手順で解きます。
大問1の問題を見ていきましょう。
例えば(1)の問題の赤線を引いた箇所をご覧ください。
The principal gave ( ) to the winner of the speech contest.
(校長先生はスピーチコンテストの優勝者に( )を授与した。)
( )に入る単語を選ぶ問題です。
問題文をみた時点で、どういう意味の単語が入りそうかを予想します。
「principalって何?わからないけど、スピーチコンテストで勝った人に何があげたんだな。コンテストで勝った人がもらえるものって何だろう。トロフィー?賞状?」
principalは「校長先生」という意味ですが、知らない受検者がほとんどだと思います。知らなくても、問題の解答には差し支えありません。
コンテストの勝者ですから、トロフィーか賞状をもらっただろうと予想できます。
ここで、選択肢をみてみます。
1. designs(デザイン)
2. mistakes(間違い)
3. prizes(賞)
4. capitals(資本)
( )に入る語を「トロフィーか賞状」と予想したので、それに近い「3. prizes」を選択します。
prizesを1文目に入れて確かめてみましょう。
The principal gave prizes to the winner of the speech contest.
(校長先生はスピーチコンテストの優勝者に賞を授与した。)
文意が通じました。答えはprizesで良さそうですね。
大問1は1問30秒で解きたいパートです。急いで解かないといけません。
わからないときは消去法で選びましょう。
大問2は5問あります。大問1と違って、「誰か2人」の会話です。
実際の問題をみながら解き方を説明します。
まず、誰と誰の会話なのかを確認します。この問題なら、「Man(男性)」と「Woman(女性)」ですね。
この時点で、男性と女性が会話をしている様子を想像します。
こんな感じです。↓↓↓
男性が女性に言います。
“Have you been to England before?”
(イギリスに行ったことある?)
それに対して女性が返答しています。
Actually, ( ) My family moved to Japan when I was eight.
(実は、( )。私の家族が日本に引っ越したのは私が8歳のころだったの。)
イギリスに行ったことがあるかどうかを聞かれた女性が、8歳のときに日本に引っ越したと言っています。
最近行ったのであれば、「Oh, yes! 」とか元気に答えそうですが、「actually」となんだか答えにくそうな様子です。
行ったことがないのか、日本でイヤな思いをしたのかもしれません。
( )に入る内容を予想したら選択肢をみます。
「1. I don’t have time.」(時間がないの。)
「2. I have an older sister.」(姉がいるの。)
「3. I’ll ask my English teacher.」(英語の先生に聞いてみる。)
「4. I was born there.」(私、そこで生まれたのよ。)
予想では、「行ったことがあるかないか答えているだろうけど、なんだか事情がありそう」という、ちょっと曖昧なものでした。
ピッタリの答えを探すのはむずかしそうなので、消去法で考えましょう。
まず、明らかに違うだろうと思われる選択肢を2つ削除します。
「1. I don’t have time.」(時間がないの。)と、
「2. I have an older sister.」(姉がいるの。)は違うでしょう。会話がつながりません。
では「3. I’ll ask my English teacher.」(英語の先生に聞いてみる。)はどうか。
一見すると会話がつながっていますが、イギリスに行ったことがあるかどうかを英語の先生に聞くなんて、とびっきりの事情がありそうです。
それよりも、「4. I was born there.」(私、そこで生まれたのよ。)のほうがしっくりきます。
その後に「8歳に日本に引っ越した」と言っているので、「イギリスで生まれたんだけどまだ小さかったから覚えていない」ということだろうと想像できます。
だから、「actually」と含むような言い方をしているんでしょう。
というわけで、正解は「4. I was born there.」(私、そこで生まれたのよ。)になります。
このように、「ぴったりな解答」がなくても、消去法で選択できます。
手順をおさらいすると、下記のようになります。
リーディングの大問3は10問あります。長文が3題あるので時間がかかります。
時間をかければ解ける範囲ですから、20分かけてしっかり点数を稼いでおきましょう。
大問3の問題を見ていきましょう。
上記の長文を読み、下記の問題を解きます。
まず、何についての文(掲示・メールなど)なのかを確認します。
この時点ではまだタイトルしか見ません。タイトルで「本屋に新しいカフェがオープンした」ことがわかります。
つづいて、問題を確認します。
問題文をみると、「この掲示は何のお知らせ?」と「本を2冊買うと何をもらえるか」を聞いているとわかります。
その答えを長文から探します。
すると、「new café」「inside the bookstore」とあります。チラシのタイトルにも書いてありますが、新しいカフェが本屋の中にオープンしたというお知らせだとわかります。
また、「If you buy two books, you’ll receive a cup of coffee of tea for free!」(本を2冊買ったら、コーヒーか紅茶を無料で1杯進呈!)と書かれている箇所があります。
この内容に合う選択肢を探します。
(21)は「2」、(22)は「4」が正解だとわかります。
このように、大問3は
という手順で解くと、早く・正確に答えを見つけやすくなります。
ライティングは1問です。形式も解答の仕方も毎回同じです。
書く構成と順番が決まっているので、それに沿って定型表現を使って書きます。
実際の問題をみながら解説します。
まず、質問を確認します。質問は1番下に書かれています。
Do you like eating in parks?
(公園で食事するのは好きですか。)
この質問に対する解答を書きます。
「構成」と「書く順番」は下記のようになります。
結論 → 理由① → 理由②
解答例は下記のとおりです。赤字部分が定型表現です。
<結論>Yes, I do. I have two reasons.
(はい、好きです。理由は2つあります。)
<理由①>First, I like eating while I look at beautiful flowers.
(まず、私はきれいな花をみながらの食事が好きです。)
<理由②>Second, food tastes better when I eat it outside on sunny days.
(次に、晴れた日に外で食事をするとおいしく感じます。)
日本語は結論を後ろに持ってくる傾向があります。「結論を先に書く」というのを覚えておきましょう。
この例では「Yes」で解答していますが、「No」でも大丈夫です。
書く順番や定型表現は同じで、「I have two reasons.」「First,」「Second,」を書きます。
また、「間違えずに書ける単語と文法で書くこと」が大切です。減点を少しでも減らすためです。
字数制限に収めるため以外で関係代名詞を使わないようにしましょう。中1、中2で習う範囲の文法で書くようにします。
また、よく知っている基本英単語だけで書けるように練習しておきましょう。
例えば、「ダッシュする」と書きたくて「dush」と書いてしまったら減点です(正しくはdash)。「run fast」で十分です。
つづいて、リスニングの対策方法を説明します。
リスニングは大問3つにわかれています。
3級のリスニングは4級までと放送回数が変わります。
大問2と大問3はこれまでどおり2回ずつ流れますが、大問1は1回しか流れません。
解答のコツを1つ1つ説明します。
リスニングの大問1は10問あります。下記のイラストのように、男女2人の会話が流れます。必ず男女2人ですから、聞こえてきた放送がどちらの発言なのか迷うことはありません。
①1人目の発言
②2人目の発言
③1人目の発言(2回目)
と音声が流れて、「2人目の2回目の発言として適当な内容」を選択肢から選びます。
下記の手順で解答すると正解しやすくなります。
問題用紙のイラストを見てみましょう。
No. 1のイラストをみると、男性と女性が会話をしています。
ここから得られる情報は少ないです。「ケンカしているわけでも、困っているわけでもない」ということくらいしか分かりません。
放送の原稿は下記のとおりです。
1人目(男性):
I like the book you lent me.
(貸してくれた本、気に入ったよ。)
2人目(女性):
Did you finish it?
(読み終わったの?)
1人目(男性、2回目):
No. Can I keep it longer?
(まだだよ。もうちょっと借りててもいい?)
2回目の発言で「Can I~?」と聞いています。ということは、2人目の解答は「はい/いいえ」になるはずです。
2人目の発言の選択肢を放送で聞きます。
2人目(女性、2回目):
1. Sure, Give it back to me next week.(いいよ、来週返してね。)
2. Yes. I always study hard.(ええ、私いつも一生懸命勉強しているのよ。)
3. OK. It was five dollars.(いいよ。5ドルだったよ。)
選択肢3つとも「はい/いいえ」で答えています。
仕方ないので、会話の流れで判断しましょう。こういうといは消去法が便利です。
「2. いつも一生懸命勉強しているの」はおかしいですね。
「3. 5ドルだったよ」も「お金くれたら貸しておいてあげるよ」という意味にも聞こえますが、「was」と過去形になっているので、会話がつながりません。
結果、解答は「1. いいよ、来週返してね。」になります。
このように、3級では「テクニックで解く方法」が通用しにくい問題が多くなっています。
「会話の流れを追う」という基本的な実力をつける必要があります。
リスニングの大問2も10問あり、今度も会話を聞きます。
1問ずつ選択肢が4つあり、選択肢は問題用紙に印刷されています。
大問2の放送の流れは下記のようになります。
①1人目の発言が流れる
②2人目の発言が流れる
③1人目の発言が流れる(2回目)
④2人目の発言が流れる(2回目)
⑤質問が流れる
下記の手順で解答すると正解しやすくなります。
実際の問題をみながら解説します。
1回目の放送が流れる前にまず、解答の選択肢をみます。
「1. Make a lunch.」(昼食をつくる。)
「2. Eat at a restaurant.」(レストランで食べる。)
「3. Go to a movie.」(映画を観にいく。)
「4. Buy some sandwiches.」(サンドウィッチを買う。)
選択肢をみると、すべて「何をするか」が書かれています。
ということは、この問題は「何をするの?」と聞いているのかなと予想できます。
この予想に基づいて、1回目の放送は「何をするんだろう?」を聞き取ることに集中します。
実際の放送原稿は以下の内容でした。
1人目:
Do you want to go to a movie?
(映画を観にいきたいの?)
2人目:
Sure, Mom. Can we eat lunch first? I’m hungry.
(そうだよ。先にお昼ごはん食べていい?お腹すいた。)
1人目(2回目):
OK. I’ll make some sandwiches.
(いいわよ。サンドウィッチ作るね。)
2人目(2回目):
Great.
(ありがとう!)
質問:
What is the boy’s mother going to do now?
(この少年のお母さんは今から何をするでしょうか。)
予想どおり、「what(何)」を聞いています。「make sandwiches」と言っていたので、
「1. Make a lunch.」か「4. Buy some sandwiches.」が解答にふさわしそうです。
1回目の放送でここまで聞き取れれば十分です。
2回目の放送で、「make」なのか「buy」なのかを確認しましょう。
また、2回目の放送が終わったらすぐに次の問題の選択肢に目をとおしておきましょう。
リスニングの大問3も問題数が10問あります。問題用紙に選択肢が印刷されています。
英文を聞き、その質問に対する適切な回答を4つの選択肢から選びます。
下記の手順で解答すると正解しやすくなります。
No. 21の選択肢をみてみると、下記のようになっています。
「1. Buy a house in the sea.」(海で家を買う。)
「2. Move to Hawaii.」(ハワイに引っ越す。)
「3. Take swimming lessons.」(水泳の授業を受ける。)
「4. Teach her son how to swim.」(彼女の息子に泳ぎ方を教える。)
選択肢はすべて「何をするか」を説明しています。ということは、「何をする?」と聞く質問が流れるだろうと予想できます。
実際の放送原稿は以下の内容でした。
I can’t swim at all, so I decided to take lessons. In the future, I want to take my son to Hawaii and swim with him in the sea. He loves swimming.
Q. What did the woman decide to do?
(私は泳げません。だから水泳のレッスンを受けることにしました。息子をハワイに連れてって、一緒に海で泳ぎたいのです。息子は泳ぐのが大好きです。
Q. 女性は何をすると決断しましたか?)
やはり、「何をするか?」と聞かれました。
「息子と一緒にハワイで泳ぎたい、でも泳げないから水泳のレッスンを受けることにした」と言っています。
解答は「3. Take swimming lessons.」ですね。
答えが音声の最初のほうに出てきたので、かなり集中していないと聞きもらしてしまいそうです。
英検®3級のリスニングは集中を切らすといけません。最初から最後まで集中してがんばりましょう。
大問ごとの練習が終われば、最後は過去問を1回分ずつ解いてみましょう。
目的は3つあります。
それぞれ説明します。
英検®は時間が限られています。
3級はリーディングとリスニングあわせて75分間で61問解きます。
見直しの時間を含めると、1つの問題で1分もかけられません。
大問が1つ終わるごとに時計をみて時間を確認しましょう。
リーディングの大問1なら8分以内に解きたいところですから、もし大問1が終わって10分経っていたら、大問2は急がないといけません。
などを、時計をみて考える練習をします。
英検®本番でも、時間が足りないことはよくあります。
そういうときに練習で時間配分に慣れていると、あわてずに対処できます。
リーディングは問題を解くスピードを自分でコントロールできます。
ですがリスニングのパートは流れてくる放送にあわせて問題を解かないといけません。
「上手く聞けなかった…」と気になってしまう問題もありますが、次の問題に気持ちを切り替えましょう。
上手くいかなかったときに気にしてしまうと、次の問題に集中できず、また失敗してしまいます。
リスニングはたった25分ですから、「あれよ、あれよ」という間に終わってしまいます。
過去問を使って、1問ずつ集中して解く練習もしておきましょう。
3級はリーディング・リスニングあわせて大問が7つあります。
など、人によって得意・不得意があります。
英検®の採点方式が変わってから、「満遍なく正解を取れる人」が合格しやすくなっています。
不得意なタイプの問題を繰り返し練習して克服しましょう。
また、リーディングの大問1が15問中5問以下の正解になる場合、単語や文法の知識を申少しインプットしなおすほうがいいです。
知識をつければ、ほかのパートの点数もグっと上がってきます。
「自宅で勉強したときは解けるのに、試験の場になると解けない」
こういうこと、ありますよね。慣れた環境や慣れた方法じゃないと、人はなかなか実力を発揮しづらいです。
検定当日に実力を発揮できるようにするには、やはり問題になれる必要があります。
過去問を、時間を計って10回は解くようにしましょう。
同じ試験回のものを2回解いても大丈夫です。過去問は「何点取るか」よりも「解き慣れる」ほうが大切です。
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英検®は出題内容が固定されているので、しっかり対策すれば得点を伸ばしやすい試験です。
前述の大問ごとの対策方法を繰り返しつつ、過去問演習で慣れておくと試験本番でも合格をあわてずに解答しやすくなります。
ただし、4級にくらべて3級は難易度が急激にあがります。注意点と対策方法をお伝えします。
3級の範囲は「小学校5年生から中学3年生までの5年分」です。
覚える範囲がとても広いので、定期的に復習するようにしましょう。
分詞と関係代名詞、不定詞と動名詞など、よく似た使い方をする文法もいくつかあります。
複数の単元をまとめて復習すると、それぞれの文法の違いもわかりやすくなります。
英語の基本は「単語と文法」です。
リーディングやリスニングは大まかな知識でもなんとかなりますが、ライティングは正確な知識が必要です。
単語のつづり(decide?deside?など)や、文法の使い分け(「like swimmingとlike to swimどっちが正しい?」)など、間違えるたびに減点されます。
また、リスニングも「テクニックによる解答選び」ができる問題が減り、「会話の自然な流れ」をわかっているかどうかで判断する問題が増えています。
テクニックに頼り切らず、「英語の実力」をつける勉強も並行して進めましょう。
まず、英単語の暗記方法と注意点をお伝えします。
英検®3級は中学中級程度です。
合格に必要な単語数は約2000語です。4級が1200語なので、4級で英単語をしっかり覚えた人は「あと800語」です。
1日10個ずつ覚えたとして3か月で覚えられますが、覚えた数と同じくらいどんどん忘れていってしまいます。
週末には1週間分の単語をもう1度覚えるようにしましょう。
英検®にはリスニング試験があります。カタカナ発音だと聞き取りづらくなります。
付属のCDやアプリを使うなどして、ネイティブの発音で覚えるようにしましょう。
英検®3級対策用の英単語帳を使えば、効率よく必要な英単語だけを暗記できます。
下記の英単語帳は英検®3級用の単語帳として定番です。これを使って暗記に慣れておくと、この先も同じシリーズで英検®の勉強をしやすくなります。
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英単語はそのまま丸暗記してもいいのですが、アプリを使うと楽しく暗記できます。
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3級の英文法は「理解」と「活用」の両方が大切です。試験範囲の英文法の種類が20を越え、1つの文法を勉強しているうちにほかの文法を忘れてしまったり、文法が混ざってしまったりします。
不定詞と動名詞といった、英文法のメインディッシュのようなものも出てきます。
文法ごとにきちんと理解しなおすことを重視しましょう。合格率が5割なので、難易度の高い試験です。
の4点は必ず押さえておきましょう。
※重要文法の解説や勉強の仕方の説明をこちらの記事でしています。
be動詞と一般動詞の使い分け
不定詞3用法の見分け方
前置詞の意味と覚え方
助動詞の意味と覚え方
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ほかにも下記の記事でおすすめ問題集を紹介しています。
※関連記事:英検®3級対策のおすすめ問題集
3級からはライティングが登場します。英訳・英作練習を毎週するようにしましょう。
ライティングは「減点されない書き方」がポイントです。
上記の2点を意識して練習しましょう。練習しているうちに、「絶対正解だとわかる書き方・表現」を身に付けられます。
書き方がわからない表現や文法は、そのつど勉強すれば知識を補強できます。
問題集を3周以上して、「なじみのある英語表現」を増やすようにしましょう。
※関連記事:英検3級ライティングの書き方
※関連記事:英検3級ライティングの練習問題
英語学習は「繰り返し」が大切です。
繰り返し解説をみる
繰り返し問題を解く
繰り返し英語を使う
大手の通信教育なら英検対策専用講座を準備しており、解説動画を繰り返しみれます。演習問題も繰り返し解けますし、問題の正解・不正解に応じて「もう一度解くべき問題」を提示してくれる機能もあります。
なかでも個別指導を受けられる通信教育を2つ紹介します。
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動画はビジュアル的な理解しやすさを方針としており、テキストでの文字による解説で分かりにくくてもスタディサプリなら分かるという声も多いです。
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いかがでしょうか。
英検3級の文法範囲や対策方法を紹介しました。
英検®は英語学習と中学・高校入試の両方に役立ちます。
3級を取得しておくと、中学入試での加点が大きくなりますし、英語入試を十分に解けるだけの実力がついてきます。
高校入試でも有利になります。英検®と高校入試は出題ポイントが似ていますが、高校入試のほうが、長文が長い傾向にあります。
英検®なら、それほど長い文章は出ません。
英検®資格を計画的に取得しておけば、英語の受験勉強の時間をほかの教科に回せるようになるというメリットもあります。
英語は継続的に学習すればきちんと成果がでる勉強です。英検®という目標があるとモチベーションも保ちやすくなります。
※関連記事:【英検3級】一次試験対策の演習問題(リーディング・ライティング)
※関連記事:英検®3級の二次試験対策(スピーキング)の仕方と当日の流れ
※関連記事:中学・高校・大学入試の英検®優遇制度について下記の記事で紹介しています。
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