高校国語の中でも、特に伸びにくいと言われるのが現代文です。学校の授業で「なんとなく読んでいる」だけでは入試の得点につながらず、偏差値50の壁を超えられない高校生が非常に多くいます。
この記事では、大学受験の現代文で点が伸びない高校生に向けて、読む順番・解く手順・復習の方法まで具体的に落とし込んだ勉強法を解説します。「センスがない」「文章が読めない」状態からでも、必ず得点できるようになれます。
現代文は「センス不要」|正しい手順で誰でも伸びる

多くの高校生が「現代文はセンスが必要」「読める人と読めない人に分かれる」と思いがちですが、実際には再現性のある“手順”で点数は必ず伸びます。
現代文は国語の中でもっとも“努力が得点に直結しやすい科目”です。なぜなら、大学入試の現代文は「文章そのものの解釈」ではなく、「設問に沿って根拠を押さえる技術」を問う科目だからです。
重要なのは、
・何を読むか(どの文を精読すべきか)
・どの順番で情報処理するか
・選択肢をどう吟味するか
といった「読解の作業手順」を確立することです。
この手順を身につければ、
- 文学的センス
- 語彙力の豊富さ
- 作家の深い思想理解
などは必要ありません。偏差値50台でも、正しい読み方を習得すれば短期間で60〜65に到達することも十分可能です。
「読解力」ではなく「読解手順」

現代文の勉強で最も多い勘違いが、「読解力を鍛える」という抽象的な目標を立てることです。
しかし、大学入試は感想文の試験ではなく、論理的に答えを一つに絞る試験です。
現代文で必要なのは、「読解力」という曖昧な力ではなく、次のような具体的な作業手順です。
(参考:愛知教育大学附属高等学校『論理的読解のパターン化』(愛知教育大学学術情報リポジトリ)など)
読解手順の基本フロー
- 設問を読む(どの箇所を読むべきかの見当をつける)
- 本文を読む(傍線部までの論理展開を把握)
- 根拠となる文を特定する(本文の“答えがある範囲”を探す)
- 選択肢を消去する(本文とズレのある選択肢から削る)
- 本文と一致する選択肢を選ぶ
つまり、読む前から「何を探すか」を意識することで、読解は驚くほどラクになります。
「抽象⇄具体」の往復が鍵
評論や小説を読む際、文章は
- 抽象的主張
- 具体例
- 作者の意図
の往復で構成されています。
これを見破れれば、「何を言っている文章なのか」が構造的に理解できます。
本文構造をつかむ=現代文の90%を攻略したも同じです。
文章を理解しなくても点は取れる理由
「文章の内容がよく分からなかったけど正解した」という経験はありませんか?
これは偶然ではなく、現代文は“本文の一部の情報だけ”で答えを出せる仕組みになっているからです。
現代文は“全文理解”を前提にしていない
大学入試の現代文は、次の制約のもと作られています。
- 正解に必要な根拠は、本文中に明示されている
- 試験時間内に「全文精読」することを前提にしていない
- 採点者が迷わないよう“根拠が一点に収束する”ように作られている
つまり、文章全体を“理解しようとする”必要はないのです。
理解すべきなのは「傍線部の前後」や「設問が指示する範囲」だけ。
部分理解でも得点できる仕組み
例えば、「傍線部Aの理由を答えよ」という設問があった場合、
- 傍線部周辺
- 理由を説明している直前直後
- 抽象化された主張の部分
に答えがあり、それ以外は読まなくても解けます。
したがって、
“問題に必要な場所だけ読む”という発想に切り替えた瞬間、得点率は大きく変わります。
時間をかけて勉強しても伸びない高校生の共通点
現代文の勉強は「時間をかければ伸びる」タイプの科目ではありません。
実際に、毎日長文を読んでいるのに偏差値が50前後で停滞する高校生には、次の共通点があります。
①「本文を理解する」ことが目的になっている
多くの人が「読めるようになりたい」と考えますが、入試で必要なのは
“問題に正解すること”であって、本文を完全に理解することではない
という点を忘れがちです。
目的がズレると、どれだけ時間をかけても点数には結びつきません。
②根拠を取らずに“感覚で選ぶ”
選択肢を「なんとなく良さそう」で選ぶ癖がある人は、永遠に安定した点数が取れません。
点数が伸びる高校生は、1つ1つの選択肢に必ず根拠をもって判断しています。
根拠がない選択肢は絶対に選ばない、という姿勢が必要です。
③復習をしていない
現代文の復習は、英語や数学よりも圧倒的に重要です。
解いたあとに、
- どの選択肢が本文のどこに対応していたか
- なぜ間違えたのか
- どの手順が抜けていたか
を確認しないと、読み方がまったく定着しません。
④語彙力・背景知識を軽視している
語彙力が乏しいと、そもそも論理構造をつかむのが難しくなります。
文部科学省の学習指導要領(国語)でも語彙の重要性が強調されており、これまで以上に語彙の量や理解の深さが求められています。
国語科の内容は,〔知識及び技能〕及び〔思考力,判断力,表現力等〕から構成している。
文部科学省『高等学校学習指導要領解説 国語編』より引用
・・・語彙は,全ての教科等における資質・能力の育成や学習の基盤となる言語能力の重要な要素である。
・・・今回の改訂では,語句の量を増すことと,語句についての理解を深めることの二つの内容で構成している。
ただし、語彙は「知識として覚える」ことができるため、対策すればすぐに改善できます。
※なお、語彙力の伸ばし方について、以下の記事で詳しく解説しています。
【保存版】大学入試で差がつく語彙力の鍛え方|現役講師が教えるおすすめ問題集と学習法
入試現代文の出題形式と配点
大学入試の現代文は、「共通テスト」「国公立二次試験」「私立大学」の3つで出題傾向・文章量・求められる力が大きく異なります。
まずはこの違いを理解しないと、効率的な勉強法は組み立てられません。
- 共通テスト:正確な処理速度・情報の切り取り能力
- 国公立二次:論理の把握+記述力
- 私立大学:選択肢処理・語彙・スピード
というように、同じ「現代文」でも求められる能力はまったく別物です。
ここでは、それぞれの形式・配点・特徴を具体的に見ていきます。
共通テスト
共通テストの現代文は、文章量が多く、設問数も多いのが最大の特徴です。
内容は主に以下で構成されます。(参考:大学入試センター – 大学入学共通テスト)
- 評論:現代社会・哲学・文化論が中心
- 小説:人物の心情・描写の変化
配点は国語全体で200点(そのうち現代文は110点)。
選択式が中心で、記述はありません。
共通テストで特に重視されるのは、
「必要な情報を素早く探して、確実に選択肢を絞る力」。
本文の論理構造よりも、処理速度・情報比較がカギになります。
国公立二次試験
国公立二次試験の現代文は、記述問題が中心です。
(参考:東京大学 – これまでの試験問題及び解答等の公表など)
配点は大学によって大きく異なりますが、
- 100点〜150点
- 200点(国語単独で課す大学も)
など、共通テストよりも現代文の影響力が強くなります。
特徴は次のとおりです。
- 抽象度の高い評論が多い
- 文章量も多く、論理構造を正確に読み取る力が必須
- 40〜120字記述が複数出題される場合が多い
記述対策が不十分だと合格ラインに届かないため、
「本文の要点を抽象化し、論理に沿って書き直す力」が最重要になります。
私立大学(文章量・記述量の違い)
私立大学は大学ごとに色があり、配点・文章量・問題形式が大きく変わります。
ただし、共通しているのは以下の3点です。
- 選択式が中心(記述は少なめ)
- 文章量がとにかく多い大学が多い
- 語彙・漢字・文学史がよく出る大学もある
有名私大(MARCH・関関同立・早慶)になると、
- 選択肢の難度が高い
- 違う選択肢同士の比較が複雑
- 文章が専門的で語彙レベルも高い
など、「スピード+正確性+語彙力」が同時に求められます。
特に早稲田・慶應などは、共通テストより体感で2〜3倍の文章量を読む大学もあります。
共通テストの特徴
共通テストはセンター試験から変わり、「思考力」「情報処理力」を重視する形式になりました。
主な特徴
- 資料の読み取り・複数文章の比較が増加
- 文章量が多く、時間が足りなくなる受験生が続出
- 選択肢が長く、細かい比較を求められる
- “文章の構造理解”より“情報の整理力”が得点の差になる
つまり、読む速度+情報を削ぎ落とす能力が問われる試験です。
評論と小説の出題比率の推移
共通テストでは
- 評論 1問
- 小説 1問
- 実用文 1問
が基本。実用問題が加わったことを除くと、構成自体はセンター試験時代と大きく変わりません。
ただし、
- 評論の内容がより社会科学寄りに
- 小説で“心理描写の根拠比較”が増加
- 図表との複合問題が追加
と、文章そのものではなく情報処理要素が強化されています。
評論・小説の比率自体は変わらないものの、難度は確実に上昇しています。
私立大学との違い
共通テストと私立大学の違いは以下のとおりです。
| 項目 | 共通テスト | 私立大学 |
|---|---|---|
| 形式 | 選択式のみ | 選択式中心、大学により記述も |
| 文章量 | 多い(長文+資料) | 大学によってはさらに多い |
| 問われる力 | 情報処理・比較 | 語彙・スピード・精密な選択肢判断 |
| 難度 | 中〜高 | 大学により高難度 |
特に「語彙力」に関しては、私立大学は明らかにレベルが高く、抽象哲学系の用語・社会学用語が多く見られます。
※なお、語彙力の伸ばし方について、以下の記事で詳しく解説しています。
【保存版】大学入試で差がつく語彙力の鍛え方|現役講師が教えるおすすめ問題集と学習法
国公立二次試験との違い
共通テストと国公立二次試験では求められる能力が正反対です。
| 項目 | 共通テスト | 国公立二次試験 |
|---|---|---|
| 形式 | 選択式 | 記述中心 |
| 必要な力 | 情報処理スピード | 抽象化・論理的再構成 |
| 本文の難度 | 中 | 高(専門性あり) |
| 文章量 | 多いが難度は中程度 | 多く、難度も高い |
| 配点の重さ | 相対的に軽い | 非常に重い大学が多い |
国公立二次試験では、「読む力」そのものの質が問われ、
共通テストのように時間勝負というより、
論理構造を理解し、理由を説明できる能力が必要です。
偏差値別|現代文の勉強ロードマップ
現代文は「センス」ではなく段階的に鍛える教科です。
偏差値ごとに伸び悩みの原因が異なるため、レベル別の対策を取ることで効率が大きく変わります。
- 偏差値40〜50:語彙不足が最大の壁。まず“読める状態”にする。
- 偏差値50〜60:読解の“型”を身につける段階。読む順番が重要。
- 偏差値60〜70:難関大レベルの抽象度・論理の深さに対応する段階。
現代文は、土台 → 手順 → 応用という流れで確実に伸びます。
ここでは偏差値別に「何を、どの順でやるべきか」を整理します。
偏差値40〜50:語彙→要点抽出
偏差値40〜50で伸びない原因の約9割は語彙不足です。
評論の単語が理解できず、本文の意味がつかめていない状態が多く見られます。
語彙の不足が9割
現代文が「意味不明」に感じる最大の理由は、本文に出てくる抽象語が理解できないからです。
例:
- 抽象(=個別の事例から離れて一般化した概念)
- 相対化(=ある立場を別の視点から見直すこと)
- 近代合理主義
- メタファー
- 主体・客体
これらの語彙が理解できないと、文章の骨格がつかめません。
まずは頻出語彙300〜500語を1〜2か月で固めることが最優先です。
語彙を覚えるだけで偏差値は簡単に5〜10伸びます。
※なお、語彙力の伸ばし方について、以下の記事で詳しく解説しています。
【保存版】大学入試で差がつく語彙力の鍛え方|現役講師が教えるおすすめ問題集と学習法
抽象語を具体化する練習
語彙を覚えたら、次は「抽象語を具体例に置き換える練習」をします。
例:
- 「消費社会」→ スマホやファストファッションを次々に買う現代
- 「コミュニケーションの断絶」→ SNSの既読無視
- 「近代的自我」→ 個人としての主体性をもつこと
抽象概念は、具体的な場面として想像できた瞬間に理解の速度が跳ね上がる教科です。
偏差値40〜50の段階では
- 語彙
- 抽象⇔具体の変換
- 一文の意味取り
ができるようになることが最重要。
これだけで文章の「何を言っているか」が見えるようになり、読解が一気に楽になります。
こうした勉強法は、高校で使う現代文の教科書でも取り入れられています。「定期テスト対策」としてだけではなく、大学受験対策としても活用してみましょう。
(参考:東京書籍『現代の国語』)
偏差値50〜60:型で読む
語彙が固まってくると、今度は本文をどう読むか=「読解の型」を覚える段階に入ります。
現代文には確実に点数が取れる読み方の型があります。
評論と小説では重視するポイントが全く違うため、別々に練習しましょう。
評論=論理展開
評論文の得点は「論理の把握」で決まります。
見るべきポイントは次の3つだけです。
- 筆者の主張(結論)
- 主張を支える理由(論拠)
- 反対意見との対比構造
評論は
- 何が問題か(問題提起)
- なぜそう言えるのか(理由)
- 一般論→筆者の評価
という明確な型で書かれています。
この流れを意識するだけで、
「文章が何を言いたいのか」
「設問でどこを探せばいいか」
が分かり、得点が安定します。
小説=人物感情
小説で見るべきは
- 人物の感情の変化
- 描写の意味(なぜその行動・台詞なのか)
の2点です。
特に大切なのは「変化」です。
例:
- Aさんの怒り → 不安 → 諦め
- Bさんの理解 → 共感 → 行動
人物の感情は
- 心情語(悲しい・嬉しい)
- 行動(机を叩く)
- 描写(夕日が滲むように見えた)
から読み取れます。
小説は“筆者の主張”がない分、読者の解釈に見える部分でも、問題は必ず本文の根拠から作られます。
根拠(行動・描写)をつなぐ習慣をつけると、得点が急上昇します。
偏差値60〜70:難関大の読み方
このレベルになると、文章そのものは読めているものの、
「記述で差がつくポイント」
「選択肢の細かい差」
で勝負が決まります。
難関大の現代文で必要なのは
- 抽象的な論点を整理する力
- 文章構造を図式化する力
- 筆者の立場を正確に捉える力
です。
論点の対立を見る
難関大は文章が長く、抽象度が高いですが、
文章は“対立”で書かれていることが圧倒的に多いです。
例:
- 「技術の発展は人間性を奪う vs 人間性を豊かにする」
- 「個人主義 vs 共同体意識」
- 「主体性 vs 受動性」
この“二項対立”をつかむと、
- 本文の構造
- 筆者の立場
- 設問で問われる要点
が一瞬で見えるようになります。
難関大対策は、まず論点整理の訓練がカギです。
比喩・例示の役割を読む
難関大の評論は、「比喩」と「例示」が非常に多く使われます。
ポイントは
「なぜその例を挙げたのか?」
を常に考えること。
例示の役割は主に3つです。
- 抽象論を具体的にするため
- 反対意見を紹介するため
- 筆者の主張を補強するため
これを押さえると、記述も選択肢も一気に読みやすくなります。
小説でも同様で、比喩表現は人物の感情を象徴的に示します。
「夕日が痛いほど赤い」は“焦り・不安”の象徴など、
比喩は感情変化のサインです。
評論文の読み方|論理マップ化

評論文は「論理の流れ」をつかめば、一気に読みやすくなるジャンルです。
現代文で最も差がつくのは、文章全体を“論理マップ”として可視化できるかどうか。
論理マップとは、筆者の主張・対立関係・理由・例示などをつないで「文章の構造」を把握する読み方です。
文章を“なんとなく読む”のではなく、
①何を主張し、②どんな理由を示し、③どんな例で補強しているか
を整理しながら読むことで、設問の根拠が明確になります。
対立・結論・根拠の順番
評論文の基本構造は、たった3つに整理できます。
①対立(問題設定)
②結論(筆者の立場)
③根拠(理由・説明)
多くの高校生が、本文を「最初から順番に」読んでしまいますが、それでは論理がつかみにくくなります。
評論文は、筆者が最初から最後まで一貫して“何かを主張したい文章”です。
そのため、次の順番で読むのが最も効率的です。
◆ステップ1:対立関係をつかむ
- 何と何が対立しているか?
- 筆者が批判している立場はどれか?
対立の理解は「文章全体の方向」を知る作業になります。
◆ステップ2:筆者の結論をつかむ
筆者の結論は本文中に必ずあります。
「〜と考える」「〜べきだ」「〜には限界がある」などの表現をマークすると見つけやすいです。
◆ステップ3:根拠(理由)の流れを見る
- なぜ筆者はそう言えるのか?
- どういう論理で結論へ導いているのか?
- 反対意見をどう処理しているのか?
この3ステップを押さえると、文章のフレームが簡単に見抜けるようになります。
“何を言っている文章か分からない”という悩みの大半は、この枠組みで解決します。
「例=抽象→具体」に注目
評論文に必ず登場するのが「例(具体)」と「抽象(主張・一般論)」の往復です。
これは文章の最重要ポイントで、例示が理解できると文章構造の把握が一気に楽になります。
◆例示の基本ルール
例は必ず“抽象的な主張”を説明するために存在する。
つまり、
例=抽象を具体化するツール
です。
◆例示を読むときの手順
- 例の前後にある抽象文をチェックする
例は単独で読んでも意味が分かりません。
「何の説明なのか?」を前後の抽象文から必ず確認します。 - 例と抽象のつながりをつかむ
例が示しているのは
- 筆者の主張の補強
- 反対意見の紹介
- 問題点の具現化
などのどれかです。 - 例示の“役割”を判断する
例が
- 論の補足- 主張の裏付け
- 読者へのイメージ喚起
のどれに当てはまるかを把握します。
例示は記述問題でもよく問われるため、
抽象⇔具体のつながりを意識できると得点力が大きく上がります。
段落ごとの役割
評論文は段落ごとに「役割」が決まっていることが多いです。
文章を読むとき、段落の役割に注目すると、全体構造が一気に見えるようになります。
◆代表的な段落の役割パターン
次のどれが当てはまるかを考えながら読むと、内容を整理しやすくなります。
- 問題提起(何が問題なのか)
- 主張・結論(筆者の立場)
- 理由説明(なぜそう言えるのか)
- 例示(主張や問題の具体化)
- 反論の紹介(別の立場)
- 反論への反論(筆者による批判)
- まとめ・再主張(結論の強化)
難関大の評論は段落構造が長く複雑になりますが、
この役割を押さえておけば、どれだけ長くても「迷子」になりません。
評論文の読解手順(実践編)
全体の時間配分(目安)
- 共通テスト型(1題あたり)…読む+設問処理:12〜18分
- 二次/私大の長文(1題あたり)…精読+記述:25〜40分
※大学・問題形式で差があるので目安として調整してください。
メモの取り方
短時間で論理構造を把握・再現できるメモ法を紹介します。紙・マークシートどちらでも応用可。
基本ルール(速く・軽く・意味あるメモ)
- 読む前に設問を先読み(1分)
→ 何を探すかが決まり、余分な箇所を飛ばせる。 - 段落ごとに一行メモ(キーワード+役割)
例:P1「問題提起:個人主義の弊害」/P2「反論紹介」/P3「筆者立場」 - 記号は統一する(短縮のため)
- 主張(結論)=★
- 理由=→(矢印)
- 例=[]
- 反論=✖ or R
- 要注意語(抽象語)=〇で囲む
- 傍線部は必ず要約1行(そのまま解答に使えるレベル)
例:傍線部A=「〜はXのためにYが成り立つと述べる」 - 重要文を丸ごと書かない:短いフレーズで意味が再現できるようにする。
実際のメモ例(右ページに簡潔に)
P1 問題提起:個人主義の拡大で◯◯が弱体化
P2 反論:個人主義は自由を拡大すると主張
P3 ★ 筆者結論:個人主義は△△を促すが、□□が必要 → 理由A(社会的結束)、例[スマホ文化]
傍線A要約:「〜はXとYを両立し得ない」と主張
設問との対応
設問を「型」で分類し、それぞれ対応する本文の読み方を示します。
設問タイプ別の探し方
- 傍線部説明(理由・意図)
- 傍線部の直前直後をまず確認。
- メモした「傍線部要約」と照合して選択肢を当てはめる。
- 要旨(本文全体)
- 「段落ごとの役割メモ」を縦につなげて1文に要約。
- 対立→結論→根拠の順で要旨を作ると外れにくい。
- 指示語(これ・その・前者・後者)
- 指示対象は直近の名詞句か、段落レベルで探す。
- 記述(40〜120字など)
- メモの★(結論)+主な根拠1つを文章化。字数を逆算して要素を調整。
- 語句の意味(文脈解釈)
- その語が属する文の抽象⇔具体関係を見て、最も本文に合う解釈を選ぶ。
設問処理の手順(1問あたり)
- 設問を読んで「何を答えるか」をメモ(1行)
- 本文の該当箇所へ行く(設問先読みで行き先がほぼ決まる)
- 傍線/段落要約と設問メモを照合
- 選択肢を比較して根拠で消去(次章参照)
- (記述なら)解答文を一文で構成 → 文字数調整
選択肢の絞り方
選択肢を素早く正確に絞ることが合否を分けます。以下は強力な消去ルール。
消去法(順番に行うと効率的)
- 本文と矛盾するものは即✕
- 本文に反する記述は即排除。
- 話題の範囲外(スコープ外)は✕
- 筆者が扱っている範囲(時間・対象・対象の観点)と合わない選択肢は✕。
例:本文が「近代技術」についてなら、選択肢が「古代の事例」なら除外。
- 筆者が扱っている範囲(時間・対象・対象の観点)と合わない選択肢は✕。
- 極端表現(常に・全て・絶対に)は怪しい
- 原文が限定的・条件付きなら、絶対化した選択肢は高確率で✕。
- 部分的に一致(部分真)→要注意
- 一部だけ本文と一致する選択肢は、本文の主旨全体と照らして不十分なら✕。
- 言い換えチェック(パラフレーズ)
- 正解は本文の言い回しを変えた形で出ることが多い。キーワードを言い換えて合致するか確認。
- 対立関係を崩すものは✕
- 筆者が設定した対立(A vs B)を取り違える選択肢は✕。
- 最終的に2つで迷ったら「根拠の強さ」で決める
- どちらが本文に直接対応するか(具体的文や接続詞で結ばれているか)で選ぶ。
慣用テクニック(瞬時チェック)
- 選択肢に本文と同じ因果接続詞(だから・したがって・しかし)があるか?→あれば根拠と近い可能性大。
- 選択肢に本文にない新情報(作者の名前、独自概念など)が入っているか?→入っていればアウト。
- 選択肢が「評価」か「記述」かを区別する(例:「〜は良い」とあるが本文は中立的なら✕)。
記述問題への備え(実践テンプレ)
記述で点を取るための骨子テンプレ(40〜60字向け)。
- 結論1行(筆者の立場):〜と筆者は主張する。
- 理由1文(根拠):その理由は〜だからである。
- 結び1節(限定・まとめ):したがって〜である。
例(50字)
「筆者は技術進展は利便を生むが社会的結束を損ねると主張する。理由は〜という具体例で示される。したがって対策が必要だ。」
書き出しをテンプレにすると字数管理がしやすく、採点者に読みやすい答案になります。
実戦でよくある失敗パターンと対処法
- 全文精読して時間足りない → 設問先読み+段落要約で読む箇所を絞る。
- 選択肢を感覚で選ぶ → メモした根拠と1対1で照合する癖をつける。
- 記述で字数オーバーor足りない → まずテンプレで骨子を書き、余白で調整。
- 語彙でつまる → 抽象語の「自前用語集」を作り、例を一つ書いておく。
チェックリスト(解答直前)
- 設問が本当に「要旨」か「傍線説明」か確認したか?
- 傍線/段落要約と設問のキーワードが一致するか確認したか?
- 否定語・範囲語(すべて・一部・しばしば)を見落としていないか?
- 選択肢は本文のどの文に対応するかメモで示せるか?
- 記述なら「結論→理由→結び」を満たしているか?(字数確認)
小説文の読み方|人物感情の把握
小説読解で最も大事なのは「人物の感情変化を正確に追うこと」です。
ストーリーそのものより、主人公が“どんな気持ちで”“なぜそう思ったのか”を読み取れるかで点数が決まります。
本文=人物の心の実況中継
小説文は、単なる出来事の羅列ではなく、登場人物の心の動きを“その瞬間”に実況中継した記録と考えるのが正しい捉え方です。
■ポイント①:出来事より「気持ちの変わり目」に注目
- 何があったかではなく、その出来事に対して主人公がどう感じたかを見る。
- 特に、
- 立ち止まる
- 視線が動く
- 振り返る
- 呼吸が変わる
といった描写は、感情変化のサイン。
■ポイント②:行動=心の代弁
人物の行動は「心の間接的な表現」。
例:「手をぎゅっと握った」=不安・緊張・決意のいずれか
→ 前後の文脈から、どれが最適か判断する。
■ポイント③:セリフは“本音”と“建前”を区別する
特に入試小説は、セリフが直接的でないことが多い。
本音は「地の文」や「視線」「しぐさ」に表れる。
比喩表現と心情変化

小説で比喩が出たら、ほぼ確実に人物の心情を説明するためのヒントです。
■ポイント①:比喩は“心の状態の置き換え”
例:「胸の中に冷たい水が流れ込んだ」
→ “ショック・不安・恐れ”などの感情を別の物で説明している。
■ポイント②:比喩の直後に感情変化が起こりやすい
比喩がある段落は、
- 心が揺れた
- 何か決断した
- 相手への印象が変わった
など、物語の転換点であることが多い。
■ポイント③:比喩の“温度・色・光・重さ”に注目
- 「重い影」→ 気持ちの負担・迷い
- 「温かい光」→ 安心・好意
- 「刺すような風」→ 怒り・緊張
こうした感覚語は、そのまま心情を示す。
心理描写の読み取りポイント
心理描写は、小説読解で得点が分かれる最大ポイント。
以下の3つだけ覚えれば、ほとんどの設問が解けるようになります。
■ポイント①:地の文の「短い心理語」を拾う
例:
- 〜と思った
- 〜気がした
- 〜ように感じた
- 〜と気づいた
これらは、すべて“心のメモ”。
ここに人物の本音が書かれている。
■ポイント②:否定形は感情の揺れを示す
例:
「嬉しいはずなのに、素直に喜べなかった。」
→ “嬉しさ”と“迷い・戸惑い”が同時にある状態。
否定形は複雑な心情のシグナル。
■ポイント③:視線・動作・沈黙は“心の方向”
- 見つめる→好意・興味
- 視線をそらす→気まずさ・嘘・不安
- 無言になる→葛藤・怒り・決断前
これらはすべて“心がどちらに向いているか”を示している。
小説の人物感情を読み取るためのチェックリスト
(読解中に本文の余白/メモ欄でチェックして使ってください)
- 設問先読み:この設問は「誰の感情」を問うているか?(主人公/第三者/筆者視点)
- 変化点マーク:段落ごと・行ごとに「感情が変わる箇所」を波線でマーク(→変化)
- キーワード拾い:地の文の心理語(〜と思った・〜気がした・〜感じた)を丸で囲む
- 行動→感情対応:重要な行動(ため息、拳を握る、視線そらす)に短メモで意味を書く(例:「拳=決意」)
- 比喩チェック:比喩表現の直前・直後を注目(比喩が示す心の色を一語でメモ)
- セリフの裏(地の文)確認:セリフだけで判断せず、直前後の地の文を照合
- 否定表現注意:否定形(〜だが、〜とは言えない)は両義的な感情のサイン→両方の可能性をメモ
- 視線・空間・時間の変化:視線の移動・場所の描写・時間の経過が感情の転換を示すかチェック
- 優先根拠の特定:「感情の根拠」として本文のどの文を使うか要約1行で書く(記述問題用)
- 整合性確認:設問の選択肢(または自分の記述)が本文のどの文に対応するか、行数で指示できるか確認
頻出比喩と感情の対応一覧
(多くの問題で当てはまりやすい典型パターン。比喩を見たらまずこの一覧に当てはめる)
- 「胸に冷たいものが流れた」 → ショック・不安・絶望の始まり
- 「胸が温かくなった/心がほっとした」 → 安堵・安心・親近感
- 「風に吹かれる/風が頬を刺す」 → 動揺・緊張・孤独感(文脈で肯定/否定を判断)
- 「光が差す/朝焼けが差し込む」 → 希望・開始・好転の兆し
- 「影が落ちる/空が曇る」 → 重苦しさ・不安・絶望
- 「波にさらわれる/足元が崩れる」 → 突然の喪失感・判断不能・混乱
- 「花が散る/葉が落ちる」 → 喪失・終わり・儚さ(別れ・別時の象徴)
- 「燃えるような熱/胸が焦がれる」 → 強い情熱・嫉妬・焦燥
- 「氷のような沈黙/冷たい視線」 → 疎外感・拒絶・無関心
- 「色が褪せる/世界が灰色に」 → 喜びの喪失・無気力・虚無感
※使い方:比喩を見つけたら「比喩→感情(上の表)→文脈で強めるor弱める」をメモ。例:比喩が「冷たい水」+前文に裏切りの描写がある→「冷たい=裏切りによる絶望」と判断。
選択肢の正しい選び方(小説編)
小説問題の選択肢は「感情」「原因」「順序」「描写の意味」の4つで差がつきます。以下の順でチェックすると早く安定します。
ステップ1:候補を本文の行数で当てはめる
- 選択肢A〜Dそれぞれが本文のどの文に対応しているか行番号で示せるか確認。できないものはまず除外。
ステップ2:感情の“方向”を確認する(+か−か)
- 選択肢にある感情がポジティブかネガティブかを判定し、本文の描写(視線・動作・比喩)と一致するか照合。
ステップ3:因果関係が本文にあるかチェック
- 「〜だから〜した」形式の選択肢は、本文に因果を結ぶ接続があるか(接続詞や前後の説明)で検証。
ステップ4:本音と建前の区別
- セリフで表れた感情は建前である場合がある。地の文に本心のヒントがあるか確認。地の文と矛盾する選択肢は✕。
ステップ5:極端表現を疑う
- 「いつも」「絶対に」「完全に」といった強い断定は、文脈が限定的なら高確率で不正解。
ステップ6:比喩・描写の機能を吟味
- 選択肢が「描写の字面」を説明しているだけか、それとも「描写の役割(心情・象徴)」を説明しているかを区別。入試は後者を問うことが多い。
ステップ7:最終絞り(2つになったら)
- 「根拠ボリューム」で決める:どちらが本文の具体的な文(引用可能な文)に密に結びつくかを選ぶ。
- 記述問題で正解になる表現に近いか(語彙レベル・抽象度)があるかも判断材料。
すぐ使える短縮テンプレ(試験場でのメモ)
- 「比喩→感情」を一語でメモ(例:冷水=絶望)
- 「行動→意味」を短く(例:視線そらす=不安/罪悪)
- 「セリフ⇒本音?」でYes/Noを丸(○=本音、×=建前)
- 最後に選択肢は「本文行数を指差しで当てられるか?」で最終判断
現代文の記述対策
記述問題は「センス」ではなく、本文の根拠を整理して論理的に再構成する技術です。
そのため、型に沿って書けば安定して点が取れるようになります。
本文引用→要約→接続詞→結論
現代文の記述問題では、次の4ステップを守るだけで一気に答案を書けるようになります。
【ステップ1:本文の“根拠文”を引用する】
- 設問が問う範囲の前後3〜5行を確認し、
“ここが理由・主張・心情”だと判断できる文を線で囲む。 - 引用はそのまま書かず、「どの部分を根拠として使うか」を特定するだけでOK。
※いきなり書こうとする人は、ほぼ全員失敗します。
記述は“抜き出し→再構成”の作業です。
【ステップ2:引用部分をそのまま写さず「要約」する】
- 本文の言葉を 2〜3語に圧縮 してメモする。
- 抽象語は、文脈に合わせて 少しだけ具体化 するのがコツ。
例:
「人々が互いの立場を理解することで社会が安定する」
→ 「相互理解が社会を安定させる」
【ステップ3:接続詞で論理の“向き”を揃える】
接続詞を入れると、答案に“論理”が生まれます。
- 理由の場合:なぜなら・そのため・だから
- 逆接の場合:しかし・一方で
- 補足の場合:つまり・また
接続詞は1つ入れるだけで、採点者に「論理的に書いている」印象を与えられます。
【ステップ4:設問が求める“結論”を明確に書く】
- 「〜だから、主人公は〜と感じた。」
- 「〜ため、筆者は〜と主張している。」
このように、最後の一文を“締め”にするだけで答案全体がまとまります。
採点基準と部分点の狙い方
大学入試や模試の採点は、以下の3つで構成されています。
① 内容一致(最重要)
本文の根拠を使えているかどうか。
ここが合っていれば6〜7割は取れます。
部分点ポイント
- 本文の重要語(キーワード)を1つ含む
- 比喩・根拠文を正しい方向で解釈している
- 主語と述語のペアが本文と矛盾していない
② 論理展開(接続詞・因果関係)
採点者は、
- 「理由→結論」
- 「対比→主張」
など、構造が本文と同じ流れかを見ています。
部分点ポイント
- 接続詞を正しく使う
- 因果関係の順番を崩さない
③ 表現(語尾・字数・日本語の自然さ)
内容が合っていても、表現が不自然だと減点されます。
部分点ポイント
- 字数の7割以上埋める(空欄は最悪)
- 主語の重複を避ける
- 指示語「これ・それ」を明確に言い換える
得点の取れる答案を書けない人がやってない3つ
記述問題が苦手な生徒には、必ず共通点があります。
以下の3つをやっていない場合がほとんどです。
① 「根拠文探し」をしていない
- いきなり書こうとしてしまう
- “どの文が使えるか”を把握せずに文章を作る
→ 記述は根拠を探す作業が8割です。
② 文の順番を変えてしまう(因果が逆になる)
現代文で最も多いミスは、
「理由→結論」なのに「結論→理由」で書くこと。
→ 接続詞を先に決めるだけでこのミスは激減します。
③ 本文のキーワードを使わない(勝手な要約になる)
- 「自分の言葉で書こう」としすぎて、
本文と関係のない抽象的な表現になる
→ 必ず 本文の語句を1つ以上残す こと。
これだけで内容一致の評価が上がります。
おすすめ参考書・問題集の選び方
現代文は、レベルに合った教材選びをするだけで伸び方が大きく変わります。ここでは、基礎~難関大・私立対策まで、各レベルでどんな種類の教材を使うべきかを軽くまとめます。
※具体的な参考書名・比較・使い方は以下の記事で詳しく解説しています。
高校生向け現代文の参考書おすすめ|レベル別・目的別に失敗しない選び方【共通テスト〜難関大】
基礎
現代文が苦手な人は、まず「読み方の型」を身につけられる基礎レベルの教材から始めます。
- 接続語の理解
- 指示語の対応
- 具体→抽象の読み換え
- 要点のメモの仕方
など、文章の読み方そのものを練習できる教材が最適です。
問題を解きまくるより、まず「読み方」を固めるステップです。
標準
基礎ができている人は、入試の標準レベル(共通テスト~中堅私大)の問題に触れて、読解のスピードと精度を上げます。
- 説明文の論理展開を追う練習
- 小説の心情把握の精度アップ
- 選択肢の切り方を学ぶ
といった総合的な読解力を伸ばす教材が中心。
「基礎の読み方」を、実際の入試レベルに適用する段階です。
共通テスト
共通テスト対策では、
- 制限時間の短さ
- 情報量の多さ
- 選択肢の処理
に特化した問題集が必要です。
共通テスト特有の「文章+図表」「複数資料比較」といった形式に慣れることで、時間切れを防ぎ、得点を安定させることができます。
専用問題集を1冊こなすメリットが大きい分野です。
難関大学
難関大(東大・京大・一橋・東工大など)を狙う場合、高度な抽象文・哲学文・評論文を読み解く練習が必須です。
- 論理の飛躍を補う読解
- 抽象概念の対応付け
- 本文全体の構造把握
- 記述式の論述訓練
といった要素が入った「難関大特化の問題集」で鍛えるのが最短ルート。
扱うテーマの難度が高いため、標準レベルだけでは足りません。
私立対策(早慶・GMARCH・KKDR)
私立大学は大学ごとの“クセ”が強いので、専用の演習が効果的です。
● 早慶
- 抽象度が高く専門的な評論
- 選択肢が極めて精密
- 語彙力・スピードが必要
→ 「早慶レベルのハイレベル問題集」で慣れると一気に安定します。
● GMARCH
- 標準~やや難レベル
- 典型的な現代文の形式が多い
→ 標準問題集を仕上げたあと、GMARCH専用演習を数年分こなすのが有効。
● KKDR(関関同立)
- 標準~軽めの抽象文が中心
- 論理的に読む力があれば得点しやすい
→ 語彙力・基本的な読解パターンの習熟がカギ。
日々の学習の進め方|1日30分でOK
現代文は「毎日長時間やらないと伸びない科目」と思われがちですが、実際は1日30分の積み重ねだけで十分に偏差値は上がります。
なぜなら現代文は“思考の習慣化”が重要であり、少量でも 毎日読む → 思考の型が定着する からです。
ここでは、現実的に続けられる「1日30分の最適ルーティン」を紹介します。
語彙(10分)
現代文が苦手な人の9割は、語彙力不足が原因です。
語彙が弱いと「書いてあることは読めるけど、何を言ってるか分からない」という状態になってしまいます。
語彙10分のポイント:
- 日替わりで抽象語を10〜20語だけ確認
- 意味だけでなく「例文」とセットで覚える
- 覚えるより “使えるようにする” を意識
- 既出語彙の反復を徹底(1日5分でOK)
語彙学習は、覚えた量でなく“使える語彙” を増やす意識が最重要です
長文(15分)
長文は毎日やる必要はありませんが、短時間で質の高い1問を解く習慣が最も効果的です。
1日の15分で行う内容:
- 本文を「接続詞・対立・具体例」に線を引きながら読む(8分)
- 設問の該当箇所を本文から探す(5分)
- 正解の理由を1行メモ(2分)
重要なのは「なんとなく読む」ではなく、読む目的を持って15分だけ集中することです。
量より質。これが現代文の鉄則です。
今日の作業(5分)
最後の5分は、その日の学習を記憶として定着させる時間です。
やることは3つだけ:
- 今日覚えた語彙を1回だけ見直す
- 長文で得た「気づき」をノートに1行書く
- 間違えた問題の根拠を本文に戻って確認する
特に「本文に戻って答えの根拠を確認する」作業は、現代文の点数が伸びない人が最もやらない工程です。
この5分が、得点力の差を生むと言っても過言ではありません。
復習サイクル
現代文は復習効果が非常に高いため、復習回数がそのまま得点力につながります。
おすすめのサイクル:
- 1日後に軽く復習
- 3日後に長文をざっくり読み直す
- 1週間後にもう1度同じ問題を「3分で解き直す」
- 1か月後に最後の確認
このサイクルで学習すると、
深い理解 → 長期記憶 → 実戦力
の流れが自然に完成します。
週1長文ペースの理由
多くの高校生が「長文は毎日解くべき」と考えていますが、実は週1〜2回で十分です。理由は3つあります。
① 現代文は“知識”より“考え方”が重要
問題量を増やしても、思考の型が身についていなければ点数は伸びません。
② 復習のほうが効果が高い
現代文は「同じ文章を読み直す」ことで理解が深まり、選択肢を見る目が育ちます。
毎日問題を変えるより、復習の質を上げるほうが効果的。
③ 語彙と論理の土台があれば爆伸びする
語彙と論理の理解が先に固まれば、長文は短期間で一気に得点が安定します。
そのため、週1の長文演習 × 毎日の語彙・復習 が最も効率的な戦略です。
現代文勉強計画表(週次)
◆ 週の基本ルーティン(1日30分×6日)
| 曜日 | 内容 | 時間 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 月 | 語彙10分+長文15分+振り返り5分 | 30分 | 週のスタートは軽めの文章でOK |
| 火 | 語彙10分+知識(接続詞・指示語)10分+復習10分 | 30分 | 「読み方」の型を定着させる日 |
| 水 | 長文演習(標準)15分+復習15分 | 30分 | 週のメイン練習日 |
| 木 | 語彙10分+「論理マップ」作成練習15分+復習5分 | 30分 | 評論の読み方を固める |
| 金 | 小説読解(短文可)15分+選択肢検討10分+振り返り5分 | 30分 | 小説の心情変化のパターン学習 |
| 土 | 週1の「本番レベル」長文1題+ガッツリ復習 | 30分 | 点数アップの最重要日 |
※日曜日は休み or 5〜10分だけ語彙の確認でOK
→ 休息のおかげで記憶が定着しやすくなるため、むしろ効率が良い。
(参考:理化学研究所「学習の記憶を長持ちさせるには適度な休憩が必要」)
◆ 週の総復習(10〜20分)
土曜 or 日曜に必ずやるべきこと:
- 語彙帳で「今週覚えた語」をチェック(10分)
- 間違えた問題を見直し、理由をノートに1行まとめる(5分)
- 先週やった問題のうち1つを“3分で再解答”(5分)
この“超高速で再解答”が、共通テスト・模試での爆伸びに直結します。
■ 現代文勉強計画表(月次)
◆ 月間のサイクル(4週間)
| 週 | 重点テーマ | 内容 |
|---|---|---|
| 第1週 | 語彙・基礎読解の強化 | 語彙強化+読み方の型(接続詞・対立・具体例) |
| 第2週 | 評論の論理把握 | 論理マップ・主張と根拠の把握練習 |
| 第3週 | 小説の心情読解 | 心情変化の読み取り・比喩と心理描写の訓練 |
| 第4週 | 実戦演習+記述(志望校別) | 模試レベルの長文・記述対策・過去問に触れる |
◆ 月間の具体的タスク
第1週:語彙力と基礎の定着
- 語彙:抽象語を中心に30~50語
- 読み方:接続詞の意味・指示語の対応訓練
- 長文:標準レベルを2題
第2週:評論特化の強化期間
- 論理マップを最低4つ作る
- 「筆者の主張」「理由」「対立構造」を見抜く練習
- 長文:評論を中心に2〜3題
第3週:小説の心情パターンを固める
- 心情語チェックリストの暗記(喜・怒・哀・不安など)
- 比喩と心理描写の読み取りを中心に練習
- 長文:小説×2題
第4週:実戦演習(もっとも重要)
- 過去問 or 模試レベルの長文を2〜3題
- 記述問題のテンプレート練習
- 正答率の記録 → 次月の課題設定
■ 月末に必ずやるべき「振り返り」
月末の30〜60分で以下を確認すると、伸びが加速します。
- 語彙:どこまで定着したか?
- 読解:評論と小説、どちらが弱いか?
- 選択肢:切れなかった理由は何か?
- 記述:テンプレ通りに書けているか?
- 演習量:月間で何題解いたか?
→ 自分の弱点の“見える化”が、翌月の伸びに直結。

よくある失敗と対策
現代文が伸びない高校生の多くは、やり方ではなく「順番」を間違えています。
ここでは、特に多い3つの失敗とその改善方法をまとめます。
問題演習だけ
「とにかく量をこなせば伸びる」と思っているケースが最大の失敗です。
現代文は数学のように“問題数=実力”になりにくい科目です。
理由は、現代文が思考の型(読解手順)を使う科目だから。
失敗例
- 毎日長文を1題ずつ解く
- 解きっぱなしで復習をしない
- 正解しても「なぜ合っていたか」を確認しない
対策
- 週1の本番レベル+徹底復習を優先
- 長文は「読む目的」を持って解く(対立・具体例・論点)
- 解き終わった後、選択肢の消去理由を毎回1行メモ
量より質。現代文で伸びる人の共通点です。
解説を読まない
解説は「答え合わせのため」ではなく、「読み方を学習するため」に存在します。
解説を読まない=独学の最大の機会損失です。
失敗例
- 正誤だけを確認して終わる
- 設問と本文の「対応関係」を見ない
- 論理展開や段落の役割を読み飛ばす
対策
- 解説を読んだら、本文に戻って線を引き直す
- 「なぜこの選択肢がダメなのか?」を理解する
- 解説の文章構造を自分でも論理マップ化する
特に難関大の問題は、解説自体が“最高の教材”です。
語彙の学習を後回しにする
現代文が読めない根本原因のほとんどが、語彙(特に抽象語)の不足です。
失敗例
- 「知らない言葉があっても前後の文脈で推測すればいい」と考える
- 語彙帳をやる時間を減らして長文ばかり解く
- 語彙テストを受けても覚え直さない
対策
- 1日5〜10分の語彙習慣を徹底
- 抽象語は“例文”で覚える
- 書き出すのではなく「使って覚える」意識を持つ
語彙を固めるだけで、偏差値が10近く上がることも珍しくありません。
まとめ|現代文は「読み方」で偏差値10以上上がる
現代文は、他の科目に比べて最も短期間で伸ばせる教科です。
そして伸びる要因の9割は、「読み方(手順)」が身についているかどうか。
最後に、現代文攻略の本質を一度整理します。
センス不要
現代文で必要なのはセンスではなく、
筆者の論理を順番にトレースする技術です。
「文章が難しい」は問題ではなく、
読み方の型がないことが問題。
語彙→読解手順→演習
現代文の正しい勉強の順番は次の通りです。
- 語彙(抽象語)を固める
- 読解の型(接続詞・対立・具体例・論点)を覚える
- 適切なペースで演習+復習
この順番を守るだけで、多くの高校生が大幅に点数を伸ばしています。
復習間隔が最重要
現代文は復習すればするほど点数が伸びる教科です。
- 1日後
- 3日後
- 1週間後
- 1か月後
この“分散復習”を入れると、思考の型が完全に定着し、
選択肢を見る目が急速に鍛えられます。
よくある質問(FAQ)|現代文の勉強法
Q1. 現代文はセンスがないと点数は伸びませんか?
A. いいえ。現代文は「読解の型」と「設問処理の手順」を身につければ、誰でも安定して点数を伸ばせます。センスよりも再現性が重要です。
Q2. 現代文の勉強は何から始めればいいですか?
A. まずは「現代文の読み方(論理構造・接続語・指示語)」を理解し、その後に設問別の解き方を学ぶのが効率的です。
Q3. 偏差値40台と60台では勉強法は違いますか?
A. はい。偏差値40台は「本文の正確な理解」、60台以上は「設問の意図把握と根拠処理」を重視するなど、段階に応じた勉強法が必要です。
Q4. 現代文の問題演習はどれくらいやればいいですか?
A. 量よりも「1題をどれだけ深く復習できるか」が重要です。1日1題でも、根拠確認まで行えば十分効果があります。
Q5. 現代文の復習は何をすればいいですか?
A. 正解・不正解だけでなく、「なぜその選択肢が正しいか」「本文のどこが根拠か」を必ず確認してください。
Q6. 現代文が時間内に終わりません。どうすればいいですか?
A. 本文をすべて精読しようとせず、設問に必要な部分を重点的に読む「設問主導の読み方」を身につけることが大切です。
Q7. 記述問題が苦手です。対策はありますか?
A. 模範解答を写すだけでなく、「本文の言葉を使って要素を整理する練習」を重ねることで、記述力は確実に向上します。
Q8. 現代文の単語(語彙)はどれくらい重要ですか?
A. 非常に重要です。語彙力が不足すると本文理解が浅くなり、選択肢判断にも影響します。語彙集の併用がおすすめです。
Q9. 学校の授業だけで現代文対策は足りますか?
A. 定期テスト対策には有効ですが、入試対策としては不十分な場合が多いため、参考書を使った体系的な学習が必要です。
Q10. おすすめの現代文参考書はいつから使うべきですか?
A. 高1・高2から基礎的な参考書を始め、高3では志望校レベルに合った問題集へ段階的に移行するのが理想です。
Q11. 共通テストと私大・国公立二次で現代文対策は違いますか?
A. はい。共通テストは情報処理力、二次試験は論理的説明力が求められるため、それぞれに対応した対策が必要です。
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この記事を書いた人
現役の塾経営者。指導歴25年以上、のべ3,500人以上の小・中・高校生を指導。
定期テスト対策から中学・大学受験、英検対策まで幅広く対応。
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