「内閣不信任決議ってなに?」「どこで決められるの?」「流れがよくわからない…」そんな疑問を持っている中学生のみなさんへ!
このページでは、内閣不信任決議の意味や流れ、なぜ必要なのかをわかりやすく解説します。中学公民の定期テストや、高校入試でもよく出る重要ポイントを図や例題つきでまとめました。
語句の覚え方やよくある問題の出題パターン、入試対策にも役立つ内容でしっかりサポート!政治がちょっとニガテな人も、これを読めばバッチリです!
内閣不信任決議とは?中学生向けに分かりやすく解説!
内閣不信任決議の「不信任」ってどういう意味?
「不信任(ふしんにん)」とは、かんたんに言うと「信用できない」という意味です。
つまり、「この内閣には、もう政治をまかせられない!」という意思をはっきりと示すのが、内閣不信任決議(ないかくふしんにんけつぎ)です。
たとえば、総理大臣や大臣たちが国民のためにならない行動をしていたり、失敗が続いたりしたときに、「このままではダメだ」と判断されれば、国会で不信任決議が出されます。
ポイント:
- 「信任」は「信用して任せる」という意味
- 「不信任」はその反対で、「信用できない=任せられない」
なぜ内閣不信任決議があるの?目的としくみ
内閣不信任決議は、日本の政治を正しく動かすためにとても大切なしくみです。
このしくみがあることで、国会が内閣のやり方をチェックできるようになっています。
【目的①】内閣が勝手なことをしないようにする
国のトップである内閣が、国民の気持ちを無視して好き勝手に動いてしまうと、政治はうまくいきません。
だから、国民の代表である国会が、「ちゃんとやってる?」と見はりをして、問題があると判断すればストップをかけられるのです。
【目的②】三権分立のバランスをとるため
日本の政治は「三権分立(さんけんぶんりつ)」というルールで、立法(国会)・行政(内閣)・司法(裁判所)に分かれています。
その中で、内閣不信任決議は、国会(立法)が内閣(行政)をコントロールできるしくみの1つなのです。

テストで覚えよう!
- 国会が内閣をチェックする手段
- 国民の意思を反映するための大事なしくみ
どこで決議される?国会との関係を確認しよう
内閣不信任決議は、国会の中の「衆議院(しゅうぎいん)」だけで行われます。
なぜ衆議院だけ?
衆議院は、「より国民の声に近い議院」といわれています。なぜなら…
- 衆議院議員は任期が4年と短く、選挙もよく行われる
- 人数が多く、国民の意見を反映しやすい
そのため、政治に問題があるときは、国民の代表として、まず衆議院が動くべきだと考えられているのです。
内閣と国会の関係まとめ
機関 | 役割 | 不信任決議に関係する? |
---|---|---|
衆議院 | 法律を作る、内閣をチェック | する(不信任決議を出す) |
参議院 | 法律を見直す・意見を出す | 不信任決議は出せない |
内閣 | 国の政治を進める | 不信任される側 |
ここが重要!
- 内閣不信任決議を出せるのは「衆議院だけ」
- 参議院では不信任決議はできない(テストで問われやすい)
内閣不信任決議が出される流れとその後の動き
①内閣に不満がある → ②衆議院で決議される
まずは、内閣に対して「これはおかしい」「もっとちゃんとやってほしい」という不満が出てくるところからスタートします。たとえば…
- 首相や大臣の不正
- 政策の失敗や混乱
- 国民の声を無視する政治 など
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このような問題に対して、衆議院の議員たちが「この内閣にはもう任せられない!」と考えたとき、内閣不信任決議案が提出されます。
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その後、衆議院で話し合いと投票が行われ、**多数の賛成があれば「不信任決議が可決」**されます。
ポイント:
- 決議されるのは衆議院だけ(参議院ではできない)
- 過半数(半分より多い数)の賛成で決まる
決議されたらどうなる?首相の「2つの選択」
内閣が不信任されると、内閣はそのままではいられません。
このとき、首相(総理大臣)には2つの選択肢があります。
「内閣総辞職」とは?内閣がやめるってどういうこと?
「内閣総辞職(そうじしょく)」とは、内閣全体がやめること(=解散すること)を意味します。
- 首相も大臣も全員がその仕事をやめる
- その後、新しい内閣が作られる(新しい首相がえらばれる)
つまり、「国民の声をちゃんと受け止めました。私たちは身を引きます」という形ですね。
テスト用語:
- 「内閣が責任をとって総辞職する」と書かれていたら、内閣がやめるという意味!
「衆議院の解散」とは?国会議員がいったんやめる?
もうひとつの選択は、「衆議院の解散」です。
これは、衆議院の全議員をいったんやめさせて、新しい選挙を行うということ。
- 衆議院議員は全員クビ(議員ではなくなる)
- 新しい選挙が行われ、もう一度「国民の意見」を聞く
「内閣がダメなんじゃない、衆議院の方こそやり直すべきだ」と首相が判断したときに行われます。
注意ポイント:
- 解散後の選挙で勝てば、内閣は続けられる
- 選挙で負ければ、内閣も終わることが多い
高校入試でもよく出る!内閣不信任決議の流れまとめ【図解】
高校入試でよく出るのは、「不信任決議の流れを正しく理解しているか?」です。以下のような図を使って整理しましょう。

定期テストによく出るポイントと覚え方
「内閣不信任決議」に関する問題は、中学公民の定期テストでよく出ます。ここでは、よく出る用語の意味や覚え方、テストに出やすい問題のパターンを紹介します。
この用語は覚えておこう!「不信任」「総辞職」「解散」など
不信任(ふしんにん)
意味:信用できない・まかせられないという判断
- 衆議院が内閣に対して「もう信じられない」と決めること
- 不信任決議は衆議院だけが出せる
覚え方のヒント:
「不=ない」「信任=信じてまかせる」→「信じてまかせることができない!」
総辞職(そうじしょく)
意味:内閣全員がやめること
- 首相も大臣も全員が職を辞める
- 新しい内閣が必要になる
覚え方のヒント:
「総=ぜんぶ」「辞職=やめる」→「内閣ぜんぶがやめる!」
解散(かいさん)
意味:衆議院の全議員をいったんやめさせること
- 新しい選挙が行われ、国民の意見を聞き直す
- その間、国会は開けない
覚え方のヒント:
「解=バラバラにする」「散=ちる」→「いったんバラバラにして選びなおす」
語句穴埋め・選択問題でよく出る例【中学公民】
中学校の定期テストでは、語句の穴埋めや選択肢問題がよく出題されます。以下はその代表例です。
穴埋め問題の例
衆議院が内閣に対して信頼できないと判断し、【 ① 】決議を出した場合、内閣は【 ② 】か、衆議院を【 ③ 】する必要がある。
答え:
① 不信任 ② 総辞職 ③ 解散
選択肢問題の例
内閣不信任決議が可決されたとき、内閣がとるべき行動として正しいものを1つ選びなさい。
A. 国会を解散する
B. 内閣を解散する
C. 参議院を解散する
D. 内閣総辞職または衆議院解散
答え:
D. 内閣総辞職または衆議院解散
流れを一問一答でチェック!よくある問題と解説
流れをしっかり理解していれば、テストでも正解できます。一問一答形式で練習してみましょう。
Q1. 内閣不信任決議を出すことができるのは、どちらの議院?
A:衆議院
Q2. 不信任決議が可決された後、内閣がとれる行動は?
A:10日以内に内閣総辞職か衆議院の解散
Q3. 衆議院を解散したとき、何が行われる?
A:衆議院議員の総選挙(新しく衆議院議員が選挙でえらばれる)
Q4. 総辞職すると、次にどうなる?
A:新しい内閣がつくられる(新しく首相と大臣が任命される)
まとめ:
- 用語は意味+漢字でイメージしながら覚える
- 「誰が」「どこで」「何をするか」に注目
- 流れは図や表で覚えるとテストでも思い出しやすい!
高校入試ではこう出る!よくある出題パターンと対策法
「内閣不信任決議」は、高校入試の公民分野でよく出題されるテーマのひとつです。特に、政治のしくみや内閣のしくみと関連づけた出題が多く、記述力や理解力が問われます。
「内閣の役割」との組み合わせで出ることが多い!
高校入試では、「内閣不信任決議」単体ではなく、内閣のはたらき(行政権)や国会との関係と一緒に出題されることが多いです。
よくある出題パターン(例)
Q:内閣の行った政策に対して、衆議院が不信任決議を可決した。このとき内閣がとれる対応として正しいものを選びなさい。
A: 内閣総辞職するか、衆議院を解散する
ポイント解説:
- 「内閣=行政を行う機関」
- 「国会=立法の機関。特に衆議院は内閣に対して強い権限を持つ」
- この力関係を理解しておくと正解できる!
記述対策:内閣不信任決議が行われた理由を説明しよう
記述問題では、「なぜ不信任決議が行われたのか?」を理由・背景・結果の順に書けるかがポイントです。
よくある記述例と解説
Q:衆議院が内閣に対して不信任決議を出すのはどのようなときか、理由を簡単に書きなさい。
模範解答:
内閣の政治のやり方に問題があり、国会(衆議院)が信頼できないと判断したとき。
書き方のコツ:
- 「内閣が◯◯したから、信頼できないと思われた」
- 「衆議院は国民の代表なので、内閣の失敗に対して行動できる」
【練習問題付き】入試風の過去問レベル問題に挑戦!
最後に、実際の高校入試に近い形式の練習問題にチャレンジしてみましょう。
問題1(選択)
衆議院が内閣に対して不信任決議を出したとき、内閣がとるべき対応として正しいものを1つ選びなさい。
A. 内閣の一部だけを入れかえる
B. 衆議院を解散するか内閣総辞職する
C. 参議院で多数をとりなおす
D. 内閣をそのまま続ける
正解: B
問題2(記述)
衆議院が内閣不信任決議を出すのは、どのような理由からか説明しなさい。
模範解答:
内閣の政策や行動が信頼できないと国会(衆議院)が判断したときに出される。
問題3(流れを問う)
内閣不信任決議が可決された場合、内閣は何日以内にどのような対応をとる必要があるか。
模範解答:
10日以内に内閣総辞職するか、衆議院を解散しなければならない。
対策まとめ
- 内閣の役割と衆議院の関係を理解しておく
- 記述では「理由→判断→行動」の順で書く
- 流れや用語もセットで暗記しよう!
※もっと問題を解きたい人向けに、以下の記事で一問一答問題を多数載せています。
【中3公民の一問一答問題】内閣と行政のしくみ:内閣不信任決議の後の流れ、大きな政府と小さな政府など
さらに理解を深めたい人のためのQ&Aコーナー
政治のしくみは、なかなか一度ではすべてを理解するのはむずかしいもの。ここでは、よくある疑問に答えていきます!
Q. 内閣不信任決議はいつでもできるの?
A. はい、原則として国会(衆議院)が開かれていれば、いつでも提出することができます。
ただし、提出には衆議院議員の50人以上の賛成が必要で、さらに過半数の賛成で可決されます。つまり、「なんとなく不満だから」ではなく、議員たちが話し合い、ちゃんとした理由があるときに出されます。
Q. 衆議院と参議院、どっちで決めるの?
A. 内閣不信任決議は、衆議院だけで決めます。参議院にはその権限はありません。
これは、衆議院がより国民の意思を強く反映しているとされているからです。衆議院の議員は任期が4年で、解散もあるため、選挙によって頻繁に国民の声が反映されやすくなっています。
Q. 実際に内閣不信任決議があった例ってある?
A. はい、何度もあります。たとえば、有名なのは1993年の細川内閣のときや、2012年の野田内閣のときなどです。
- 1993年:宮澤内閣(自民党)に対して不信任決議が可決され、衆議院が解散されました。
- 2012年:野田内閣(民主党)では、不信任決議案は提出されたものの、可決されませんでした。
実際に可決されることは少ないですが、提出されるだけでも政治に大きな影響を与えることがあります。
まとめ|内閣不信任決議のポイントを復習しよう
ここまでの内容をしっかり復習して、テストや入試に備えましょう!
3つの重要語句を確実に覚えよう!
用語 | 意味 |
---|---|
不信任決議 | 衆議院が「内閣は信頼できない」と判断して出す決議。 |
内閣総辞職 | 内閣の全員が辞めること。 |
衆議院の解散 | 衆議院の全議員がいったん辞め、選挙をやり直すこと。 |
この3語はセットで出題されることが多いので、意味と流れをまとめて暗記しよう!
高校入試でも問われるからしっかり理解しておこう
- 「衆議院のはたらき」「三権分立」「内閣の責任」などのテーマと組み合わせて出題されやすい!
- 記述問題では、「なぜ不信任決議が出されたか」や「不信任決議後の対応」が問われることが多い!
- 図や表を使って流れを整理しておくと、記憶に残りやすく、点数アップにつながる!
おさらいチェックポイント
- 不信任決議は衆議院が行う
- 決議が可決されたら、内閣は「10日以内に総辞職」または「衆議院解散」
- 入試や定期テストでは、語句・流れ・理由の3つをバランスよく覚える!
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