中学受験は、小学4年生から6年生までの各学年で「やるべきこと」が大きく異なります。にもかかわらず、すべての子が同じペースで進めばよいわけではありません。
むしろ、学年ごとの成長段階や理解力に合わせた勉強法をとることで、無理なく、着実に合格へ近づけます。
この記事では、小4・小5・小6のそれぞれの時期における最適な学習法を、「家庭学習」と「通塾」のバランスもふまえて徹底解説。つまづきやすい壁や、保護者ができるサポート法、志望校合格までのステップも詳しくご紹介します。
「うちの子に今必要な勉強って何だろう?」と迷ったときの保存版ガイドとして、ぜひお役立てください。
中学受験は「学年別戦略」で差がつく!
中学受験は「小6からが勝負」と思われがちですが、実際の合格者の多くは小4から計画的に学習を進めています。なぜなら、各学年ごとに子どもの理解力や集中力、勉強への姿勢が大きく変化するため、同じ勉強法では効果が出にくいからです。
そのため、学年ごとの発達段階に合った戦略的な学習計画を立てることが、合格への近道になります。
参考:中学受験ナビ | これだけは押さえておきたい! 難関校合格に近づく3つのポイント
なぜ学年ごとに勉強法を変えるべきなのか?
子どもは年齢とともに、「集中できる時間」「抽象的な思考力」「自己管理能力」などが少しずつ伸びていきます。
- 小4では「学習習慣」や「読み書きの正確さ」が中心
- 小5では「応用力」や「知識の定着」にシフト
- 小6では「志望校対策」「過去問演習」「時間配分」など実戦力が必要
このように、同じ「勉強」でも求められる力が年々変わっていくため、学年別に適切な学習法を取り入れることが必須なのです。
合格者に共通する「段階的ステップアップ法」
合格者の多くに共通して見られるのが、以下のような段階的な学習ステップです。
- 小4:学習習慣の定着+基礎力育成
- 小5:科目ごとの応用問題にチャレンジ+弱点克服
- 小6前半:総復習と実戦形式の演習でアウトプット力強化
- 小6後半:志望校別の過去問対策と時間感覚のトレーニング
「急に難しい問題に取り組む」のではなく、着実に基礎から応用、そして実戦へとステップアップする学習スタイルが、最も高い成果を生みます。
学年ごとに現れる「つまづきの壁」とその乗り越え方

中学受験の準備は一律ではなく、学年ごとにぶつかる“壁”が異なります。それぞれの時期に起こりがちな課題を事前に知っておくことで、子どもがつまづいたときに慌てず、的確なサポートができるようになります。
小学4年生の壁|「勉強の習慣が定着しない」
原因とよくある兆候
小学4年生は中学受験のスタート地点。いきなり高度な学習を求めるよりも、まずは「机に向かう習慣づくり」が第一の課題です。ですが、以下のような兆候が見られるときは要注意です。
- 宿題に取りかかるまでに時間がかかり、ダラダラしてしまう
- 集中が続かず、すぐ席を立ったり遊びに逃げる
- 勉強を「やらされている」と感じ、イヤイヤ始める
乗り越え方
この時期は、「学力アップ」よりも「勉強との距離を近づける」ことが大切です。
- タイマー学習や15分単位のスモールステップにして、取り組みやすいハードルに設定
- 「終わったらごほうび」よりも、「頑張れたね」「前より速くできたね」と達成感に注目した声かけを意識する
- 毎日同じ時間・同じ場所で学習するルールを決めることで、行動のリズムが整い、習慣化しやすくなります
参考:ベネッセ教育情報サイト | 小4の壁、9歳の壁・10歳の壁とは?乗り越えるための保護者のサポートや対処法
小学5年生の壁|「応用問題で手が止まる」
原因とよくある兆候
5年生になると学習内容が一気に難しくなり、「考える力」や「応用力」が問われるようになります。ここで苦戦しはじめる子も少なくありません。
- 難問に出会うと、すぐに「無理」と諦めてしまう
- 正解の解説を読んでも、なぜその答えになるのか納得できない
- 模試の偏差値がなかなか伸びず、自信をなくしてしまう
乗り越え方
5年生の壁を乗り越えるには、「わかる」までの道のりを見える形で整理することが大切です。
- 復習ノートを一緒に作り、間違えた問題を可視化・定着
- 解き方を覚えるのではなく、「なぜそう考えたの?」と思考のプロセスを言葉で説明させる習慣をつける
- 小さな「できた」を積み重ねて、「できる自分」に対する自信を育てることが継続の原動力になります
小学6年生の壁|「不安と焦りで集中力が乱れる」
原因とよくある兆候
受験が現実味を帯びる6年生は、精神的な負荷が急激に高まります。「頑張っているのに伸びない」「合格できるのか不安」という焦りが、かえって学習効率を下げてしまうことも。
- 志望校の過去問で点が取れずに落ち込む
- 「○○くんはもっとできてる」と周囲と比べて自信を失う
- 勉強時間は増えているのに成果が見えず、親子ともにイライラする
乗り越え方
直前期は、心の安定が学力以上に重要になる時期です。
- 「前回より長く集中できた」「毎日決まった時間に始められた」など、点数よりも“行動の成長”に目を向けて声をかける
- 保護者自身が焦らず、普段通りに接することで、子どもに安心感と安定感を与える
- 十分な睡眠・栄養・休息を意識して、集中できる土台(体調・精神面)を支える
小学4年生|中学受験の基礎を作る時期
小学4年生は、中学受験に向けた最初の「土台づくり」の時期です。まだ学習内容自体はそれほど難しくありませんが、「学習習慣」「好奇心」「家庭での関わり方」がその後の伸びに直結します。
学習習慣づくりが最優先
勉強の内容よりもまず重要なのは、「毎日机に向かう」習慣を自然に身につけることです。この段階では、学力そのものよりも「集中して取り組む姿勢」「決めたことを続ける力」を育てることが先決です。
毎日15分から始める成功法
小4でいきなり1時間以上勉強させると、子どもは苦手意識を持ちやすくなります。そこで、
- 最初は1日15分程度の学習を目標にする
- 「できた!」を積み重ねて自信を育てる
- 時間を少しずつ増やして、30分→45分→60分と伸ばしていく
という形で、「小さな成功体験」を積ませることがポイントです。
家庭学習と遊びのバランスのとり方
小4はまだ遊びたい盛り。
「勉強=我慢」にならないよう、遊びの時間も大切にしながら生活リズムを整えることが重要です。
たとえば、
- 学校から帰宅→おやつ→30分だけ学習→外遊びやテレビ→夕食後に10分だけ復習
といったメリハリのある1日のスケジュールを作ると、無理なく習慣化できます。
基礎重視の学習内容とは?
この時期に必要なのは、中学受験レベルの難問に挑戦することではなく、「基礎を徹底すること」です。
国語・算数の土台を作る教材
- 国語:「読解力のつく文章問題集」「漢字・語彙強化のワーク」
→ 短い文章から要点をつかむ練習を中心に。 - 算数:「四則計算」「文章題の基本」「図形の基本概念」
→ 計算ミスを防ぎ、問題文を正確に読む練習を。
教材例:
- 『すらすら解ける魔法ワザシリーズ』
- 『自由自在 小学国語・算数』

中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 算数・図形問題

小学高学年 自由自在 算数:基礎から難関校受験まで/2024年の教科書改訂に対応 (受験研究社)
理科・社会は興味を広げる程度でOK
小4の理科・社会は「受験科目」としての学力よりも、「興味関心」を広げていく時期です。
おすすめの取り組み:
- 昆虫や星座の観察、身近な科学実験
- 社会科見学や地図帳を使った探検遊び
- ニュースや時事ネタを一緒に話題にする
おすすめ教材:
- 『自由自在 小学理科・社会』
- 『論述で覚える最強の社会/理科』が小5以降におすすめ

小学高学年 自由自在 理科:基礎から難関校受験まで/2024年の教科書改訂に対応 (受験研究社)

中学受験 論述でおぼえる最強の理科 増補改訂5版 (YELL books)
小学5年生|本格的な受験対策のスタートライン
小学5年生は中学受験において最も重要な1年といわれています。なぜなら、主要な単元がこの学年でほぼ網羅されるからです。
特に難関校では、小5の段階で「応用問題への対応力」や「思考力を問う記述力」が求められることもあり、単なる暗記やパターン学習では通用しません。
この1年間をどう過ごすかが、小6での仕上げの質や、志望校との距離を大きく左右します。
通塾と家庭学習の両立がカギ
小5になると塾の授業時間や宿題量が大幅に増え、子どもの負担も重くなります。
そこでカギになるのが、塾を軸にしながらも「家庭学習でどれだけ復習・理解を深められるか」という点です。
塾で学んだ内容を家庭で「整理しなおす」「使いこなす」時間を確保することで、知識の定着度が大きくアップします。
平日・休日のおすすめスケジュール例
●平日のスケジュール例(塾がある日)
- 16:00~ 帰宅・軽食
- 17:00~ 塾へ出発
- 17:30~21:00 塾の授業
- 21:30~22:00 軽い復習 or 親との会話で授業内容の振り返り
- 22:00 就寝
※塾がない日は、19:00〜20:30に「前日の復習+学校の宿題」を。
●休日のスケジュール例
- 9:00~10:00 前週の復習
- 10:00~11:30 苦手分野の演習(算数の応用など)
- 13:00~14:00 理科・社会の読み物学習やまとめノート
- 15:00~16:30 志望校レベルの問題に挑戦
- 17:00以降 自由時間・習い事など
重要なのは、「やることの目的と優先順位」を明確にした計画を立てることです。
塾任せにしない「復習・定着」の工夫
塾の授業を「聞きっぱなし」にせず、自宅でしっかり復習することで「わかったつもり」→「使える知識」へと定着します。
【家庭学習でおすすめの復習法】
- ノートや教材の要点を自分の言葉でまとめ直す
- 解いた問題を「なぜ間違えたか」を振り返る
- 短時間でも「アウトプット中心」の復習にする(例:口頭で説明、問題を再解)
また、「塾で出た宿題」をただやるだけでなく、「家庭での演習を組み合わせることで知識を活用する練習」を積むのが理想的です。
成績に差が出る「応用力」の育て方
小5になると、基礎力だけでなく応用的な思考力・記述力・問題分析力が求められ始めます。
この「応用力」をどう育てるかが、志望校との距離を縮めるカギです。
※なお、難関中学を志望されている方向けに、難関中受験対策を家庭学習で行う方法を以下の記事でくわしく解説しています。
【最新版】難関中学受験に合格する家庭学習法|通塾あり・なし両対応ガイド
間違えた問題のノート化
「ミスした問題」は学びの宝庫。
解き直して終わりにするのではなく、専用の「間違いノート」を作ることをおすすめします。
【書き方のポイント】
- なぜ間違えたか(読み違い・公式の忘れ・時間不足など)
- 正しい解き方を自分の言葉でまとめる
- 類題を1問追加して練習する
この「自分だけの弱点辞典」が小6での得点力アップに直結します。
単元別の過去問トレーニング
小5の後半からは、少しずつ志望校の傾向に近い問題形式にも触れておくことが効果的です。
【おすすめの取り組み】
- 過去問を単元別に分類して、その単元を学んだ直後に使う
- 「過去問=本番演習」ではなく、「応用問題の素材」として使う
- 難しすぎる場合は「問題文を読むだけ」「図を書くだけ」でもOK
このように、少しずつ「入試を意識した思考」に慣れていくことで、応用力に自然と磨きがかかります。
小学5年生|本格的な受験対策のスタートライン
小学5年生は中学受験において最も重要な1年といわれています。なぜなら、主要な単元がこの学年でほぼ網羅されるからです。
特に難関校では、小5の段階で「応用問題への対応力」や「思考力を問う記述力」が求められることもあり、単なる暗記やパターン学習では通用しません。
この1年間をどう過ごすかが、小6での仕上げの質や、志望校との距離を大きく左右します。
通塾と家庭学習の両立がカギ
小5になると塾の授業時間や宿題量が大幅に増え、子どもの負担も重くなります。
そこでカギになるのが、塾を軸にしながらも「家庭学習でどれだけ復習・理解を深められるか」という点です。
塾で学んだ内容を家庭で「整理しなおす」「使いこなす」時間を確保することで、知識の定着度が大きくアップします。
平日・休日のおすすめスケジュール例
●平日のスケジュール例(塾がある日)
- 16:00~ 帰宅・軽食
- 17:00~ 塾へ出発
- 17:30~21:00 塾の授業
- 21:30~22:00 軽い復習 or 親との会話で授業内容の振り返り
- 22:00 就寝
※塾がない日は、19:00〜20:30に「前日の復習+学校の宿題」を。
●休日のスケジュール例
- 9:00~10:00 前週の復習
- 10:00~11:30 苦手分野の演習(算数の応用など)
- 13:00~14:00 理科・社会の読み物学習やまとめノート
- 15:00~16:30 志望校レベルの問題に挑戦
- 17:00以降 自由時間・習い事など
重要なのは、「やることの目的と優先順位」を明確にした計画を立てることです。
塾任せにしない「復習・定着」の工夫
塾の授業を「聞きっぱなし」にせず、自宅でしっかり復習することで「わかったつもり」→「使える知識」へと定着します。
【家庭学習でおすすめの復習法】
- ノートや教材の要点を自分の言葉でまとめ直す
- 解いた問題を「なぜ間違えたか」を振り返る
- 短時間でも「アウトプット中心」の復習にする(例:口頭で説明、問題を再解)
また、「塾で出た宿題」をただやるだけでなく、「家庭での演習を組み合わせることで知識を活用する練習」を積むのが理想的です。
成績に差が出る「応用力」の育て方
小5になると、基礎力だけでなく応用的な思考力・記述力・問題分析力が求められ始めます。
この「応用力」をどう育てるかが、志望校との距離を縮めるカギです。
間違えた問題のノート化
「ミスした問題」は学びの宝庫。
解き直して終わりにするのではなく、専用の「間違いノート」を作ることをおすすめします。
【書き方のポイント】
- なぜ間違えたか(読み違い・公式の忘れ・時間不足など)
- 正しい解き方を自分の言葉でまとめる
- 類題を1問追加して練習する

この「自分だけの弱点辞典」が小6での得点力アップに直結します。
単元別の過去問トレーニング
小5の後半からは、少しずつ志望校の傾向に近い問題形式にも触れておくことが効果的です。
【おすすめの取り組み】
- 過去問を単元別に分類して、その単元を学んだ直後に使う
- 「過去問=本番演習」ではなく、「応用問題の素材」として使う
- 難しすぎる場合は「問題文を読むだけ」「図を書くだけ」でもOK
このように、少しずつ「入試を意識した思考」に慣れていくことで、応用力に自然と磨きがかかります。
小学6年生|志望校別の対策と直前期の過ごし方
小学6年生は、中学受験に向けた仕上げと実戦力強化の年です。前半はまだ応用力を広げる時期ですが、後半になると志望校対策に的を絞った学習と精神面のサポートが不可欠になります。
「何を学ぶか」よりも「どう仕上げるか」が問われる重要な1年です。
前半:志望校の出題傾向を意識した学習へ
6年生の前半(4〜8月頃)は、単元学習の総仕上げと、志望校対策の“導入期”です。
「志望校の傾向を意識した演習」を、通常のカリキュラムの中に徐々に組み込み始めることが大切です。
志望校ごとの出題傾向をどう反映させるか
志望校には、それぞれ出題のクセや求められる力があります。
【例】
- 開成・麻布:記述中心の論理力・思考力
- 桜蔭・女子学院:スピードと正確さ、読解の深さ
- 渋谷幕張:理系の融合問題や図表読解
- 難関公立中高一貫校:資料読解・作文型の記述問題
【対応策】
- 過去問を3〜5年分チェックし、「出題形式・難易度・時間配分」を確認
- 塾の授業や家庭学習に、「その傾向に近い問題」を取り入れる
- 特に苦手な形式(記述・図表問題・長文計算など)は重点強化
模試の結果を家庭学習に活かすコツ
模試は単なる偏差値チェックではなく、家庭学習の調整材料として活用すべきです。
【活用のポイント】
- 点数よりも「できなかった原因」を分析する
- 「ケアレスミス」「理解不足」「解き方のミス」などに分類して対応策を考える
- 間違えた問題を「解き直し→類題演習→ノート化」まで行う
- 時間配分のズレや、記述の書き方の癖なども、親子で振り返る
模試を「復習までセット」で行えば、本番に向けた軌道修正の指針になります。
後半:ラスト3か月でやるべきこと
10月以降の直前期は、これまでの努力を点にするか線にするかが決まる超重要な期間です。
焦らず、でも着実に「合格点に届く勉強」を行う必要があります。
弱点克服の最終チェック法
この時期に新しい問題集を始めるのではなく、「今までやった内容をいかに整理・復習するか」が最優先です。
【おすすめの方法】
- 「弱点リスト」や「できなかった問題ノート」を1冊にまとめる
- 毎週「3つの弱点克服目標」を立てて、繰り返し演習
- 単元ごとに「基礎・応用・入試形式」の3ステップで復習
- 国語は「設問の意図」と「根拠を示す読み方」の反復練習
このように、「1点を取りにいく勉強」に集中することで、合格圏内の安全圏に入る可能性が高まります。
心のコンディションを整えるサポート法
直前期は、学力以上にメンタルが大きな差を生む時期でもあります。
【保護者だからできること】
- 模試や過去問で一喜一憂しすぎず、「プロセスを見て褒める」
- 「合格だけがすべてじゃない」と声をかけ、安心感を与える
- 子どもの口から出る不安やイライラを否定せずに受け止める
- 生活リズム(就寝・起床・食事)を一定に保つことで、体調と精神の安定を支える
とくに冬場は体調管理も大切なので、入試本番と同じ時間帯に過去問を解く練習(起床時間調整)も効果的です。
学年別勉強法を成功させる家庭サポートとは?
学年別に適した勉強法を実践するには、子どもの成長段階に合わせた保護者の関わり方が欠かせません。ただ単に「勉強しなさい」と言うのではなく、子ども自身が学びに前向きになる環境づくりと声かけが必要です。
学年が上がるにつれて、求められる自立度や学習の質が変わっていくため、親の関わり方も進化させることが成功の鍵です。
保護者の関わり方は学年で変えるべき?
はい、明確に変えるべきです。
- 小4:親主導で「勉強の習慣化」をサポートする時期
- 声かけ、タイムスケジュールの管理、宿題の確認が中心
- 勉強=楽しい・褒められる、というポジティブ体験を増やす
- 小5:共に学びながら「自分で進める」意識を育てる時期
- 計画を子どもと一緒に立て、少しずつ任せていく
- ミスを責めず、「なぜできなかったのか」を一緒に考える
- 小6:親は「聞き役・支え役」に徹するべき時期
- 自主性を尊重しつつ、学習環境の整備やメンタル面の支援に集中
- 過干渉は逆効果。「信じて任せる」が成長を促す
このように、学年に応じた適度な距離感とサポート内容の調整が重要です。
「自走できる子」に育てる伴走術
「自走できる子」とは、自ら課題を見つけ、自分で計画を立て、実行・修正していける子のことです。中学受験はゴールではなく、将来に続く学びの通過点。だからこそ、親のゴールは「合格」ではなく「自立した学習者を育てること」であるべきです。
伴走術のポイント
- 「先回りしない」「口出ししすぎない」
- 困っている様子を見ても、まずは「どうしたい?」「何が難しかった?」と問いかける
- 目標設定を子どもと一緒に考える
- 「次の模試で偏差値○○」より、「毎日15分復習を続ける」など具体的な行動目標が効果的
- 進捗確認の場を「怒る場」にしない
- 毎週1回の振り返りを、コーチングのような時間にする
- 結果ではなく「過程」をほめる
- 点数より「ミスの分析ができた」「計画を立てて実行した」などを評価する
こうした「支配ではなく支援」の姿勢が、子どもの内発的動機を育てます。
注意すべきNGサポート行動
一見サポートに見える行動も、子どものやる気や自立心を削いでしまうことがあります。
代表的なNG例
- 「早くしなさい」「なんでできないの?」と急かす・責める
- プレッシャーが高まり、ミスを恐れて挑戦できなくなる
- 答えや解き方をすぐ教える
- 思考力や試行錯誤の習慣が育たず、「聞けば済む子」になってしまう
- 失敗を許さない態度
- 模試や宿題のミスに過剰反応すると、子どもは「間違う=怒られる」と思い込み挑戦を避ける
- 他の子と比較する
- 自信を失い、「自分はできない子なんだ」と自己評価を下げてしまう
保護者の役割は「できるようになる手助け」であり、「今すぐ正しくできることを求める監督」ではありません。
まとめ|学年別勉強法で、合格までの道を明確に!
お子さんの学年に合った戦略を立てよう
中学受験は「先に進むだけ」ではなく、「今の学年でやるべきこと」を適切にこなしていくことが大切です。
そのためには、
- 小4:勉強習慣の定着と基礎の理解
- 小5:応用力の育成と家庭学習の質向上
- 小6前半:志望校対策の着手と演習
- 小6後半:弱点補強とメンタルケア
といった段階的な戦略が欠かせません。焦らず、でも着実に進めることで、合格への道はしっかりと整います。
迷ったときはプロの手も活用しよう
家庭だけで対応が難しく感じたときは、塾や家庭教師、オンライン指導などのプロの力を借りることも選択肢です。
- 子どもの現状を客観的に分析してもらえる
- 効率的な学習プランを組んでもらえる
- 親子のストレスを軽減し、「教える役」と「支える役」を分担できる
「親が全部背負わなければならない」という思い込みを手放し、適度に外部を頼る柔軟さが、長い受験生活を健やかに乗り越えるカギになります。
コメント