中1地理の「南アメリカ州」は、地図問題や気候・農業・文化など、幅広いテーマが出る重要単元です。
そこで本記事では、定期テストでよく出るポイントを分野ごとにくわしく解説。
教科書・ワーク・過去問の出題傾向をもとに、確実に点が取れる内容をまとめています。
後半では、復習に最適な「一問一答・記述問題対策編」へのリンクも用意しているので、テスト直前の総仕上げにもぴったりです。
はじめに
この記事は「中学1年生の地理の定期テスト対策」を目的としており、教科書範囲でテストに出るポイントを効率よく押さえられるよう、「短時間で確認できる使い方」と「出題されやすいポイント」を中心にまとめています。
本文では「読む → 地図で確認 → 一問一答でチェック」の流れで学べるよう設計しているので、定期テスト直前のラスト確認にも向いています。
※なお、一問一答は以下の記事に多数掲載しています。
【中学地理】南アメリカ州の一問一答問題
この記事の使い方
目的別の使い方
- 直前確認(30分〜1時間):この記事の「重要ポイントまとめ」と「一問一答(要点50問)」だけを先に読む。地図(教科書の地図)を開いて、本文で示した地形・国名を指でたどりながら確認する。
- じっくり復習(数日〜1週間):各見出しごとに本文を読み、例題に答す。間違えた箇所はノートにまとめ、翌日に再確認する。
- 暗記・定着(毎日10分):「1日10分まとめ復習プラン」を使って、分野を小分け(地形/気候/産業/用語)にして回す。
具体的な手順(テスト直前の30分)
- まず「重要ポイントまとめ」(本文冒頭か巻末)を読む:要点を1分で把握。
- 教科書の地図を開き、アンデス山脈・アマゾン川・ブラジルの位置などを指でたどる:5分。
- 一問一答の15〜20問にトライ:10分。正解できなかった問題を赤でマーキング。
- マークした重要語句(例:セルバ、パンパ、メスチーソ)を声に出して3回復唱:3分。
- 2分で「今日の間違いノート」を作成(短いメモ)。これで終了。
定期テスト・一問一答でよく見るテーマ
定期テストや一問一答形式で特に出やすいテーマを列挙します。ここを優先的に覚えれば、点数につながりやすいです。
地形・河川
- アンデス山脈(位置、特徴、高地農業の例:じゃがいも栽培・段々畑)
- アマゾン川(流域の広さ、熱帯雨林=セルバ)
- パンパ(アルゼンチンの草原、家畜・小麦)
- ブラジル高原(ブラジル中部の台地)

※セルバ・パンパ・カンポの位置や特徴、覚え方について以下の記事で詳しく解説しています。
南アメリカの中学地理テスト必出!セルバ・パンパ・カンポの違いや場所を語呂&地図で徹底マスター!
気候・植生
- 熱帯雨林気候(赤道付近、降水多い)
- サバナ気候(乾季と雨季の差)
- 高山気候(アンデスの高地)
- 温帯(南端の地域)
国・位置・言語
- ブラジル=ポルトガル語、他の多くの国=スペイン語
- 国の位置(太平洋側/大西洋側、赤道付近など)
農業・産業・資源
- コーヒー・大豆・サトウキビ(ブラジル)
- 銅(チリ)、鉄鉱石(ブラジル)、石油(ベネズエラ)
- プランテーション農業とパンパの牧畜・混合農業の違い
文化・歴史用語
- インカ帝国(アンデス高地が中心)
- 植民地支配の結果(言語の普及、国境の成立)
- メスチーソ、ムラートなどの混血に関する語句
問題形式での頻出ポイント(まとめ)
- 「地図で位置を示す」「正誤問題」「語句の説明」「一語選択」「短い記述」の組み合わせで出題される。
- 「理由を説明させる」形式(なぜその作物がそこで多く作られるのかを地形・気候の観点で答えさせる)も狙われやすい。
まとめ(優先順位)
- 教科書地図で位置確認(国名・山脈・川)を最優先。
- 地形と生活(農業・産業)の結びつきを覚える。
- 重要語句(セルバ、パンパ、アンデス、プランテーション、メスチーソ)を暗記。
- 短い記述テンプレを覚えて、理由説明に慣れる。
- 最後に一問一答で弱点チェック(間違った問題だけ復習)。
※Z会について下記記事でくわしく紹介しています。
【中学生向け】Z会タブレットコースの進め方:成績上位を取って難関校に合格する方法を解説
南アメリカ州の位置・国・州の仕組み
この章では、まず「世界の6つの州」全体の中で南アメリカ州がどの位置にあるのかをおさらいし、その上で「南アメリカ州に含まれる主な国」や「地図問題で出やすい位置・海・経度緯度のポイント」を丁寧に解説します。
ここをしっかり押さえることで、地図問題・国名問題・位置関係問題の得点率が一気に上がります。
※参考:帝国書院『社会科 中学生の地理 世界の姿と日本の国土(令和7年度版)』
世界の6つの州のおさらいと南アメリカ州
中学地理では、世界を6つの「州(しゅう)」に分けて学びます。
これは「地理的な地域区分」を学びやすくするための考え方で、各州には自然環境や文化の共通点があります。
| 世界の6つの州 | 主な特徴 | 代表地域・国 |
|---|---|---|
| アジア州 | 世界で最も人口が多い。日本・中国・インドなど | 東アジア・南アジア・中東 |
| ヨーロッパ州 | 工業が発達、歴史の中心 | イギリス・フランス・ドイツなど |
| アフリカ州 | 赤道をまたぐ広大な大陸 | エジプト・ナイジェリア・南アフリカなど |
| 北アメリカ州 | 先進国と広大な農業地帯 | アメリカ合衆国・カナダなど |
| 南アメリカ州 | 熱帯雨林やアンデス山脈など多様な自然 | ブラジル・アルゼンチン・チリなど |
| オセアニア州 | 南半球中心の島々 | オーストラリア・ニュージーランドなど |
南アメリカ州は、赤道より南側に位置し、主に南半球にあります。
世界地図では西経(せいけい)側、つまり日本から見ると地球の反対側にある地域です。
南アメリカ州は、豊かな自然環境(アマゾン川・アンデス山脈)と、多様な文化(先住民+ヨーロッパ系)が共存するのが大きな特徴です。
また、資源が豊富で「南北問題(経済格差)」の例としても取り上げられます。
南アメリカ州に属する主な国(&覚え方)
南アメリカ州には約13の独立国がありますが、定期テストでよく出るのは次の5〜6か国です。
特に「ブラジル・アルゼンチン・チリ・ペルー・エクアドル」は、地図問題での頻出国です。
ブラジル、アルゼンチン、チリ、ペルー、エクアドルなど

| 国名 | 特徴 | 覚え方・語呂合わせ |
|---|---|---|
| ブラジル | 南アメリカ最大の国。公用語はポルトガル語。コーヒー・大豆の輸出が多く、アマゾン川が流れる。 | 「ブラジル=ブラボーな広さ」→南アメリカ最大 |
| アルゼンチン | パンパ草原が広がる。牛の放牧・小麦栽培が盛ん。首都はブエノスアイレス。 | 「あるぜ(アルゼンチン)肉と麦!」 |
| チリ | アンデス山脈と太平洋の間に細長くのびる国。銅の産出量が多い。 | 「チリはチリ(地理)的に細長い」 |
| ペルー | インカ帝国の中心地。アンデス山脈の高地にマチュピチュ遺跡がある。 | 「ペルー=ペルー(古)い文明」 |
| エクアドル | 国名は「赤道(エクエーター)」に由来。バナナの輸出国。 | 「エクアドル=赤道ど真ん中」 |
また、他にも以下の国も覚えておくと完璧です。
- ベネズエラ:石油の産出が多い国。
- コロンビア:コーヒーの産地。
- ウルグアイ・パラグアイ・ボリビア:内陸国として地図問題で出ることあり。
☆語呂合わせで覚える方法(例)
「ブラ・アル・チリ・ペル・エク」=「ブラアルチリペレク」で覚える。
→ 南アメリカの主要国はこの順で地図上に並びます(東のブラジル、西のチリ、中央のペルー、北のエクアドルなど)。
テストでよく出る「位置・海・大西洋・太平洋」の係り
南アメリカ州では、地形・気候・産業が「太平洋側」「大西洋側」で大きく違います。
この地理的な位置関係は、定期テストで「地図問題」や「記述問題」としてよく出題されます。

赤道・緯度・経度・周辺海洋
① 赤道
- 南アメリカ大陸の北部を横切る線。
- 赤道が通る国 → エクアドル、コロンビア、ブラジル。
- 赤道付近は一年中暑く、熱帯雨林気候(アマゾン川流域など)。
➡ テストでよく出る問題:
「赤道が通る南アメリカの国を1つ答えなさい」→ エクアドル(国名の意味が“赤道”!)
② 緯度・経度
- 南アメリカ州は主に南緯に位置。
- 経度は西経(日本は東経)なので、地球儀上では日本の反対側。
- 南緯・西経の表記に慣れておくと、地図問題で差がつく。
➡ 例題:
「南アメリカ州の多くの地域は何緯に位置するか」→ 南緯。
「日本は東経、南アメリカは○○経?」→ 西経。
③ 周辺の海洋
南アメリカ州は両側を2つの大洋に挟まれています。
| 方向 | 海の名前 | 特徴 | 出題ポイント |
|---|---|---|---|
| 東側 | 大西洋(たいせいよう) | ブラジル・アルゼンチンが面する。港湾都市が発達。 | 「大西洋側=農業・貿易・人口が多い」 |
| 西側 | 太平洋(たいへいよう) | チリ・ペルーなどが面する。アンデス山脈が近い。 | 「太平洋側=山地・地震・鉱山」 |
➡ 覚え方:「ちり(チリ)ぺる(ペルー)太平洋、ぶら(ブラジル)ある(アルゼンチン)大西洋」。
④ 地形との関係(位置と合わせて出る!)
- 太平洋側(西側)には アンデス山脈。
- 東側(大西洋側)には ブラジル高原・パンパ草原。
- 中央部を アマゾン川 が東へ流れている。
➡ 地図問題例:
「アンデス山脈は南アメリカ大陸のどの側にあるか」→ 西側(太平洋側)。
「アマゾン川はどちらの海に流れこむか」→ 大西洋。
まとめ
| 出題テーマ | 覚えるべきポイント |
|---|---|
| 世界の6州 | 南アメリカ州=南半球・西経・多様な自然と文化 |
| 主な国名 | ブラジル・アルゼンチン・チリ・ペルー・エクアドル |
| 海の位置関係 | 西=太平洋(チリ・ペルー)/東=大西洋(ブラジル・アルゼンチン) |
| 赤道・緯度・経度 | 赤道が通るのはエクアドルなど/南緯・西経を意識 |
| 地図問題対策 | 山脈=西側/川=中央/草原・高原=東側 |
この章をマスターすれば、地図の位置関係・国名・自然環境の基礎が完璧になります。
南アメリカ州の位置・国・州の仕組み — 詳しい解説
この章では「南アメリカ州が世界の中でどんな意味を持つか」「代表的な国と覚え方」「地図問題で必ず問われる位置と海との関係(太平洋/大西洋)」「赤道・緯度・経度のポイント」を、テストで点が取れるようにわかりやすく整理します。
世界の6つの州と南アメリカ州の意味
世界の6つの州(まとめ)
中学地理では世界を次の6つに分けます:アジア州、ヨーロッパ州、アフリカ州、北アメリカ州、南アメリカ州、オセアニア州。各州は自然環境や文化・歴史でまとまりがあるため、学びやすくするための区分です。
南アメリカ州の位置的特徴(テストで覚えるポイント)
- おおむね南半球に位置(北部は赤道より北もある)。
- 西経にある大陸(日本は東経)。
- 西側は太平洋、東側は大西洋に面する。
- 地形の対照がはっきり:西=山地(アンデス)、中央=低地と河川(アマゾン流域)、東=高原や草原(ブラジル高原・パンパ)。
学習上の意味・出題しやすさ
- 地形・気候・農業・資源・歴史(先住民→植民地→独立)が一つの大陸で多く学べるため、地図問題・語句問題・記述問題の素材が豊富。中学1年の定期テストで頻出になります。
南アメリカ州に属する主な国(&覚え方)
南アメリカには独立国が約12〜13か国ありますが、定期テストで特に出る重要国と、短時間で覚えられるコツを示します。
重要国リスト(優先度高)
- ブラジル(最大の国・アマゾン)
- アルゼンチン(パンパ草原・牧畜)
- チリ(細長い・アンデスと太平洋の国)
- ペルー(インカ遺跡・アンデス高地)
- エクアドル(赤道の国、国名の由来)
- コロンビア、ベネズエラ、ボリビア、パラグアイ、ウルグアイなど(覚えておくと地図問題で有利)
覚え方(語呂・地図で覚える)
- 語呂例:「ブラ・アル・チリ・ペル・エク」→ ブラジル、アルゼンチン、チリ、ペルー、エクアドル。
- 地図で覚えるコツ:
- 教科書の世界地図を開く。
- 東に大きく張り出すのがブラジル(面積最大)。
- 大陸の西端で長く伸びる細長い国がチリ。
- チリの直東かつ北西部にペルー、さらに北にエクアドルがある。
- 大陸南部の草原地帯がアルゼンチン(首都:ブエノスアイレス)。
よく出るワンポイント(暗記リスト)
- ブラジル=公用語はポルトガル語(他は多くがスペイン語)
- エクアドル=赤道が通る
- チリ=銅(どう)の生産が多い
- ペルー=インカ帝国・マチュピチュ
- アルゼンチン=パンパ(草原)で牧畜・小麦
ブラジル、アルゼンチン、チリ、ペルー、エクアドルなど — ポイント別まとめ
- ブラジル
- 面積・人口ともに南米最大。アマゾン川流域を多く含む。経済的には農産物と鉱物の輸出が多い。
- テスト用語:アマゾン、セルバ(熱帯雨林)、ポルトガル語。
- アルゼンチン
- パンパ草原での牛の放牧と穀物生産が有名。首都はブエノスアイレス。
- テスト用語:パンパ、放牧、牧畜。
- チリ
- 南北に細長く伸びる。アンデス山脈が東に迫り、太平洋に面する。銅の産地。
- テスト用語:細長い国、銅(チリは世界有数の銅産出国)。
- ペルー
- アンデス山脈の高地と、太平洋岸の平地、アマゾンの一部を持つ。インカ文明の跡地(マチュピチュ)。
- テスト用語:インカ、アンデス、段々畑。
- エクアドル
- 国名が示す通り赤道直下にある国。ガラパゴス諸島(生物学的に重要)も含む。
- テスト用語:赤道、ガラパゴス、バナナの生産。
テストでよく出る「位置・海・大西洋・太平洋」のかかわり
テストでは「どの国がどの海に面しているか」「重要河川はどちらの海に注ぐか」「山脈と海の位置関係」を問う問題が多いです。ここでは具体的に押さえるべき点を説明します。
基本原則
- 西側(太平洋側)=アンデス山脈がある → チリ、ペルーが代表的。
- 中央〜東側=アマゾン流域・低地→大西洋へ注ぐ → ブラジル中心部やアマゾン川。
- 東側(大西洋側)=広い平野や高原(ブラジル高原、パンパ) → ブラジル、アルゼンチンが面する。
赤道・緯度・経度・周辺海洋 — 詳細ポイント
赤道
- 赤道は地球を南北に分ける基準線(緯度0°)。南アメリカでは北部を横切る。
- 赤道が通る国の例:エクアドル(国名の由来)・コロンビア・ブラジルの一部。
- 赤道付近は熱帯雨林気候(高温・多雨)が広がる(アマゾン)。
緯度(南緯)と経度(西経)
- 南アメリカの主要部分は南緯(南半球)にあり、表記は「南緯○度」。
- 東西の位置は西経。日本(東経)と反対側の経度であることを意識すると地図問題が解きやすい。
- テストでの典型問題:「日本は東経、南アメリカは○○経?」 → 「西経」。
周辺海洋(太平洋・大西洋)
- 西:太平洋 → チリ・ペルーが面する。太平洋側は山地が近く、沿岸は狭い平地。
- 東:大西洋 → ブラジル・アルゼンチンが面する。大西洋側は広い平野や港が発達。
- 重要な河川の出口:アマゾン川は大西洋へ注ぐ(流れは東へ)。
よく出る典型問題(練習)
- 問:「アンデス山脈は南アメリカのどちら側にあるか」 → 答:「西側(太平洋側)」
- 問:「アマゾン川はどの海に注ぐか」 → 答:「大西洋」
- 問:「エクアドルという国名は何に由来するか」 → 答:「赤道」
- 問:「南アメリカの多くの地域は何緯に位置するか」 → 答:「南緯」
- 問:「ブラジルの公用語は何か」 → 答:「ポルトガル語」
最後に:テストでの効率的な覚え方(チェックリスト)
- 教科書地図で「ブラジル・チリ・ペルー・エクアドル・アルゼンチン」の位置を指でなぞれる。
- アンデス=西/太平洋側、アマゾン=中央→大西洋へを説明できる。
- 国名と代表産物(コーヒー・大豆・銅・石油など)を国ごとに1行でまとめている。
- 「赤道=エクアドル」「西経=南アメリカ」のセットを覚えている。
- 練習問題(上の5問)を3回解いて基本知識を仕入れよう。
人々・文化・歴史のポイント
南アメリカ州は、自然だけでなく「人々の文化・言語・歴史の成り立ち」が非常に特徴的な地域です。
文部科学省の学習指導要領では、国際的な視野を地理的な見方から養うことが掲げられています。地理と歴史の融合問題の対策にもつながるため、テストでは「インカ帝国」「植民地化」「ラテンアメリカ」「メスチーソ」などの用語問題が頻出します。
社会的事象の地理的な見方・考え方を働かせ,課題を追究したり解決したりする活動を通して,広い視野に立ち,グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎を次のとおり育成することを目指す。
文部科学省「中学校学習指導要領 社会編」より引用
この章では、そうした語句を流れの中で理解できるように整理します。
先住民文明と植民地支配
インカ帝国の栄えた地域(アンデス高地)
南アメリカでは、スペイン人がやってくる前にすでに高度な文明が発展していました。
代表的なのがインカ帝国です。
- 栄えた場所:アンデス山脈の高地(現在のペルー中心)
- 首都:クスコ
- 特徴:
- 石づくりの都市(例:マチュピチュ)
- 太陽を信仰する宗教
- 高地での段々畑(棚田)による農業
- 金・銀などの金属工芸が発達
テストの定番問題例
Q:インカ帝国はどこの山地に栄えたか?
A:アンデス山脈
Q:インカ帝国の遺跡で世界遺産に登録されているのは?
A:マチュピチュ
スペイン人・ポルトガル人の植民地化 → スペイン語・ポルトガル語普及
1500年代になると、ヨーロッパの国々が南アメリカに進出しました。
主な国はスペインとポルトガルです。
- スペイン:ペルー・チリ・アルゼンチンなど西側の多くの地域を支配
- ポルトガル:ブラジルを支配
このため、現在の南アメリカでは以下のような言語分布になっています:
| 国 | 植民地にした国 | 現在の公用語 |
|---|---|---|
| ブラジル | ポルトガル | ポルトガル語 |
| その他多くの国(チリ・ペルー・アルゼンチンなど) | スペイン | スペイン語 |
【覚え方】
ブラジル=ポルトガル語、他はスペイン語!
民族・言語・文化を押さえる
先住民+ヨーロッパ系+アフリカ系+移民 → 混血(メスチーソ/ムラート)
南アメリカの人々は、いろいろな民族が混ざり合ってできた社会です。
主な民族のルーツ
- 先住民(インディオなど)
- ヨーロッパ系(スペイン・ポルトガルなど)
- アフリカ系(奴隷として連れてこられた人々の子孫)
- 移民(イタリア・ドイツ・日本などからの移住者)
これらが混ざって生まれたのが「混血の人々」です。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| メスチーソ(Mestizo) | 先住民+ヨーロッパ系の混血 |
| ムラート(Mulatto) | アフリカ系+ヨーロッパ系の混血 |
【テスト対策】
「南アメリカ州では民族が混ざり合っている」と書けるように。
「メスチーソ」「ムラート」は語句問題でよく出ます。
観光・文化(例:カーニバル、日系移民など)
南アメリカは多様な文化とお祭りが魅力。観光問題でもよく出ます。
- ブラジルのリオのカーニバル
→ 世界的に有名な祭り。音楽・ダンス・衣装が特徴。
→ カトリックの伝統+アフリカ系文化が融合。 - 日系移民の活躍(ブラジル)
→ 20世紀初めに日本から多くの人が移住。現在では100万人以上の子孫がブラジルに住んでいる。
→ コーヒー農園・自動車産業などで活躍。
【テスト例】
Q:ブラジルで行われる有名な祭りは? → A:リオのカーニバル
Q:南アメリカに多く住む日本人の子孫を何と呼ぶか? → A:日系人
テストで狙われる記述・語句
「ラテンアメリカ」「メスチーソ」「ムラート」など用語
重要語句まとめ
| 用語 | 意味・ポイント |
|---|---|
| ラテンアメリカ | 南アメリカ+中アメリカをまとめた呼び方。スペイン語・ポルトガル語など「ラテン系言語」が使われているため。 |
| メスチーソ | 先住民とヨーロッパ系の混血。南アメリカに多い。 |
| ムラート | アフリカ系とヨーロッパ系の混血。ブラジルなどに多い。 |
| インディオ | 南アメリカの先住民の呼び方。 |
【定期テストでよく出る記述例】
「南アメリカ州では、スペイン語やポルトガル語が使われ、民族が混ざり合っている。このような地域を( )という。」
→ 答:「ラテンアメリカ」
なぜ言語がヨーロッパ系なのか、理由を簡潔にまとめる
理由まとめ:
- 1500年代にスペイン人・ポルトガル人が植民地支配をしたため。
- その後、現地の人々(先住民やアフリカ系の人々)もヨーロッパの言葉・文化を使うようになった。
- その影響が今も残り、南アメリカのほとんどの国でスペイン語・ポルトガル語が使われている。
【テスト記述対策】
「南アメリカ州でスペイン語やポルトガル語が多いのはなぜか。」
→ 「昔、スペインやポルトガルがこの地域を植民地にしたから。」
まとめチェックリスト(テスト直前用)
| チェック | 内容 |
|---|---|
| [ ] | インカ帝国がアンデス高地にあったことを説明できる |
| [ ] | スペイン・ポルトガルの支配→言語の普及がわかる |
| [ ] | 「メスチーソ」「ムラート」の違いを言える |
| [ ] | 「ラテンアメリカ」がどこを指すか理解している |
| [ ] | カーニバルや日系移民など文化の例を1つ挙げられる |
南アメリカ州の農業・工業・資源と発展
南アメリカ州では、豊かな自然環境と多様な気候を生かした農業や、豊富な鉱産資源をもとにした工業が発展しています。
ここでは、定期テストでよく問われる「農業・工業・資源」のポイントをわかりやすく整理しています。
農業・くらしの特色
南アメリカの農業は、地域ごとの気候や地形のちがいが大きく関係しています。特にプランテーション農業と草原の大規模農業がよくテストに出ます。
プランテーション(例:コーヒー豆、さとうきび)=“モノカルチャー経済”
- プランテーション農業とは、広い農園でコーヒー豆・さとうきび・バナナなど、輸出用の作物を1種類中心に栽培する農業のことです。
- 特にブラジルでは、世界最大級のコーヒー生産国として知られています。
- こうした1種類の作物にたよる経済のことを「モノカルチャー経済」といい、天候や価格変動の影響を受けやすいという課題があります。
【テストに出る!】
「南アメリカ州では何を中心にしたモノカルチャー経済が行われていますか?」
→ 答え:コーヒー豆やさとうきびなどのプランテーション農業
パンパ草原での小麦・トウモロコシ・肉牛放牧(アルゼンチン)
- 南アメリカ南部のアルゼンチンには、「パンパ草原」と呼ばれる広い平原があります。
- この地域では、小麦・トウモロコシの栽培や肉牛の放牧が盛んです。
- 気候が温暖で平らな地形が広がるため、大規模農業が発展しました。
【覚え方のコツ】
パンパ草原 → 「パン(=小麦)」+「パ(=牧畜)」で覚えよう!
鉱産資源・工業の特色
南アメリカ州は、鉱産資源がとても豊富です。各国によって得意な資源が異なるため、国名と資源名のセットで覚えるのがポイントです。
鉄鉱石(ブラジル)、銅(チリ)、石油(ベネズエラ)など
| 国名 | 主な資源 | 補足ポイント |
|---|---|---|
| ブラジル | 鉄鉱石 | 世界有数の生産国。日本にも輸出される。 |
| チリ | 銅 | 世界一の生産量。アンデス山脈付近で採れる。 |
| ベネズエラ | 石油 | カリブ海沿岸で産出。OPEC加盟国。 |
【テストに出る組み合わせ】
「チリでは何の鉱産資源が豊富ですか?」→ 銅
「ブラジルでさかんな鉱産資源は?」→ 鉄鉱石

輸出と工業化、BRICS参加(ブラジル)など背景
- 資源や農産物の輸出が経済の中心でしたが、近年では工業化も進んでいます。
- 特にブラジルは、自動車・鉄鋼・化学工業が発展しており、
新興経済国グループ「BRICS(ブリックス)」の一員として注目されています。
(BRICS=ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカの頭文字)
【記述問題に注意】
「BRICSに属する南アメリカの国はどこですか?」
→ 答え:ブラジル
時事問題として環境・課題も押さえる
定期テストでは、最近の社会問題とからめた出題も増えています。
特に「環境問題」や「経済の課題」は記述対策として重要です。
熱帯雨林伐採・環境保全問題(ブラジル・アマゾン地域)
- アマゾン川流域の熱帯雨林は、世界最大級の森林地帯です。
- 近年、農地や牧場を広げるための森林伐採が進み、地球温暖化の原因になると問題視されています。
- ブラジル政府や国際機関が、保護のための取り組みを進めています。
【記述で狙われる!】
「アマゾンの熱帯雨林が伐採されると、どんな問題が起きますか?」
→ 答え:地球温暖化が進む/生物多様性が失われる など
経済依存・モノカルチャー経済の課題
- 南アメリカ州の多くの国では、輸出にたよる経済構造が続いています。
- コーヒー・石油・鉱産物など、限られた資源に依存しているため、
国際価格が下がると経済が不安定になりやすいという課題があります。
【まとめのポイント】
- 農業:プランテーション・モノカルチャー
- 鉱業:資源国(ブラジル・チリ・ベネズエラ)
- 環境:熱帯雨林の伐採問題
- 経済:輸出依存・工業化・BRICS
テスト直前の確認チェック!
| テーマ | 出やすい語句 |
|---|---|
| 農業 | プランテーション、モノカルチャー、パンパ草原 |
| 工業・資源 | 鉄鉱石、銅、石油、BRICS |
| 環境 | アマゾン、森林伐採、地球温暖化 |
| 経済 | 輸出依存、工業化、経済格差 |
まとめ・次の学習へ
南アメリカ州の学習では、位置・地形・気候・農業・資源・文化の5つをバランスよく押さえることが大切です。
特に中1の地理テストでは、地図を見て答える問題や、用語の意味を理解して書く問題が多く出題されます。
テスト前チェックポイントまとめ
| 分野 | よく出るキーワード | 覚え方・確認のコツ |
|---|---|---|
| 位置・国 | ブラジル、アルゼンチン、チリ、アンデス山脈 | 「ブラチリ」で南ア覚えよう! |
| 地形・気候 | アマゾン川・アンデス山脈・熱帯・高地 | 川と山が中心、気候は“熱”と“寒” |
| 農業 | プランテーション、パンパ草原、モノカルチャー | コーヒーと小麦・牛がポイント |
| 資源・工業 | 鉄鉱石(ブラジル)、銅(チリ)、石油(ベネズエラ) | 「てっチリせき」でセット暗記! |
| 文化・歴史 | インカ帝国、スペイン語、ポルトガル語、メスチーソ | 植民地支配の影響に注目! |
学習のコツ
南アメリカ州は「地理+歴史+公民」の要素が混ざった分野です。
なぜこうなったのか(理由)を考えると、記述問題でも強くなります。
- なぜスペイン語・ポルトガル語が多いの?
→ 植民地時代に支配していた国の言語だから。 - なぜアマゾンの森林伐採が問題?
→ 地球温暖化につながるから。
理由づけを意識して学ぶと、理解がぐんと深まります。
次のステップ:「一問一答」で定着!
この解説で基本をつかんだら、次は「一問一答+記述対策編」で理解を確認しましょう。
選択問題だけでなく、実際に書いて答える練習をすることで、定期テスト本番に強くなれます。
現役塾講師からのアドバイス
「覚えたつもり」ではなく、地図を見て答えられるか・理由を説明できるかが合格ラインです。
解説 → 一問一答 → 地図確認 の3ステップをくり返せば、90点以上も夢ではありません!
――――――――――
この記事を書いた人
現役の塾経営者。指導歴25年以上、のべ3,500人以上の小・中・高校生を指導。
定期テスト対策から中学・大学受験、英検対策まで幅広く対応。
→ 運営者情報はこちら
――――――――――


コメント