小学生になると、ひらがなやカタカナ、漢字など覚えることが一気に増えます。
「ひらがな、カタカナはとりあえず書けるようになったけど、字が雑…」
「宿題をしはじめるまでに、とっっても時間がかかる…」
「漢字は覚えられるけど、文章読解が苦手…」
国語の読解力はすべての教科の基本ともいわれ、国語を得意にしたいと願う保護者の方はとても多いです。
そこで今回は
を確認していき、子どもへの保護者の方のかかわり方について確認していきます。
この記事は下記の方向けです。
※関連記事:小学校低学年の子どもの勉強に親はどう関わればいいか:親ができる学習サポート
※関連記事:【中学受験】受験勉強はいつから本格的にはじめる?
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※関連記事:Z会小学生コースの進め方:自主性や考える力を伸ばせる問題の特徴を紹介
「小学生は学年×10分勉強しましょう」とよく言われます。
1年生だと1日10分、2年生だと1日20分です。
本当にこれで十分なのでしょうか。一般的に小学生は毎日どれくらい勉強しているものなのでしょうか。
実は、1・2年生は「10-20分」どころか「45分」勉強しています。
下記のグラフをご覧ください。小学校1年生から6年生までを対象に、1日の家庭学習時間を調査した結果です。
となっており、「学年×10分」を大きく越えています。
また、1・2年生の家庭学習時間はほとんど同じですが、3年生になると急に伸びて61.3分になります。
3年生は英語(外国語活動)・理科・社会の授業がはじまりますから、宿題も増えて勉強が忙しくなるのです。
中学受験をする小学1・2年生に関しては、1日1時間以上勉強しましょう。内訳は算数30分以上、国語30分以上です。
上記のように基礎固め(計算、漢字)と文章問題の両方に勉強時間を毎日割くようにしましょう。
中学受験対策のため、3年生から塾に通いはじめる子が多くなります。塾の授業は1回50分あり、加えて宿題も出ます。
授業も宿題も集中して取り組める習慣づくりも兼ねて、1日1時間以上の勉強に慣れておく時期です。
1・2年生の間は、家庭学習が中心というご家庭が多いです。
リビング学習で気をつけておくと良いことを2つお伝えします。
今までできなかったことや知らなかったことを勉強して身につけていくわけですから、時間がかかります。
また、たくさんがんばってもしばらく触れていないと忘れます。
継続的に触れるため、勉強を習慣化しましょう。
家庭学習の習慣をつける方法は2つあります。
習慣化するには、週4日以上(1週間の過半数)は勉強の時間を持てるようにしましょう。
ポイントは、寝る前に歯を磨くのと同じように、同じ時間か同じタイミングに実施することです。
などのタイミングが多いです。どのタイミングが良いかはご家庭の生活スケジュールによります。
「夜ごはんを食べる前」が気持ち的にも、ごはんを食べた後のスケジュール的にも(お風呂、歯磨き、明日の準備、寝かしつけ)都合がいいでしょう。
ただ、習慣ができるまでは親がついていないとできません。「学校から帰ってきたらすぐ」はむずかしい日も当然あります。
その場合は、「夜ごはんを作っている間」にリビングで宿題をさせる方が多いようです。ちょっとハードですけど、音読もできます。
勉強をする場所も固定するほうが習慣化しやすいです。大人も歯磨きをするときに、いつも風呂場でする人もいれば、洗面台派やリビング派もいます。
場所が変わると気分が変わって良い面もありますが、習慣化するときには同じ場所のほうが「いつもどおり感」が早く身につきます。
ちなみに、勉強する場所はやはり圧倒的にリビングが多いようです。
答えがあっているかだけでなく、どう勉強しているかも確認しておきましょう。
たとえば、国語辞典の使い方がわからず戸惑っているかもしれません。国語辞典を日常的に使うと語彙力が増えます。
語彙力は長い文章を読むための基礎的な力です。せっかく国語辞典を持っていても使い方がわからないと、「もう、いいや」とあきらめてしまうかもしれません。
勉強の仕方は大丈夫か、困っていることはないか、どれくらい成長してきているかを確認してあげまよう。
最初は手間がかかりますが、はじめのうちに10の手間をかけておくと、後々、100の手間を省けるようになります。
小学生が勉強する内容は、学習指導要領で下記のように定められています。
つまり、1、2年生の間は下記の2つの力を養います。
この2つの力を2段階にわけて養います。具体的には下記のように分かれます。
第1段階:
・ひらがな
・カタカナ
第2段階:
・漢字
第1段階:
・助詞の「は・を・へ」
・主語、述語、句点
第2段階:
・自己紹介や身近なものを紹介する文を書く
・経験したことや観察したことを記録する
・相手に伝えたいことを書く
第1段階:
・説明文を読んで、話の順序を答える
・文学的な文章を読んで、登場人物の行動や事実を追う
・文章を読んで、その内容と自分の体験を結び付けて感想を持つ
第2段階:
・説明文を読んで、重要な言葉や文を書きぬく
・文学的な文章を読んで、登場人物の行動から感情を想像する
・文章を読んで、感じたことを相手に伝える
国語力を伸ばすために低学年のうちにどうすればいいのでしょうか。
学校や塾じゃなく、ご家庭で実践いただけることを紹介します。
国語力の基本は「読む力」と「書く力」です。
読む力は読書できたえられます。読むことで語彙などの知識を習得し、情緒面の発達を促せます。文部科学省でも国語教育のあり方について下記のように提言しています。
小学校段階では,「聞く」「話す」「読む」「書く」のうち,「読む」「書く」が確実に身に付くようにしていくことが大切である。これは,いわゆる「読み・書き」の徹底を図ることが重要であること,情緒力を身に付けるには「読む」ことが基本になること,論理的思考力の育成は「書く」ことが中心になると考えられることによる。今以上に,「読む・書く」の定着を図ることが重要である。
文部科学省「国語力を身につけるための国語教育の在り方」より引用
マホの普及などにより、小学生の読書量は30年前と比べて減っています。
30年前は1か月に約9冊読んでいたそうですが、現在では下記のグラフのようになっています。
図書館や、地域にある子育て支援センターなどで本を借りられます。
最近ではウェブ上で借りたい本を選択して、市役所などで受け取るシステムもあります。
読んでみたい本や、お気に入りのシリーズ本を子どもと一緒に選んでみたり、名作や昔話、数字や英語をテーマにした本などを保護者の方が選んであげると、子どもの世界を広げ、学びを深めるきっかけにもなります。
分からない言葉が出てきたら一緒に国語辞典を調べるようにすると、国語辞典を日常的に使う習慣を無理なくつくることもできます。
※関連記事:国語辞典を使う習慣をつくって語彙力・読解力を伸ばす方法(小学校低学年・高学年)
※関連記事:低学年・高学年におすすめの国語辞典:子どもに合う辞書の選び方や辞書の引き方も解説!
普段の会話で子どもから「どうして?」と聞かれることがたびたびあると思います。
「どうしてだと思う?」と発問してあげると、子どもが自分でも考えるようになります。
あるいは、スーパーに一緒に買い物に行ったときにも子どもに発問する機会はたくさんあります。
こうしたことを発問してあげるます。すると、大人からすれば当たり前と思っている事柄にも、子どもは自ら気づいて「どうしてかな?」と考えるようになります。
読解力の高い子は、「どうして?」と考えながら文章を読んでいます。
「どうして?」を考えながら読むと、その疑問を解消しようとする読み方ができるようになります。
小学校高学年になると、「筆者はなぜこのように考えたのか説明しなさい」といった、「なぜ?どうして?」を答えさせる問題が増えてきます。
そういう問題に正答できるかどうかは、低学年のうちに「どうして?」を考えながら読む力で大きく影響しています。
書く力を鍛えると、論理的思考力が身につきます。相手に伝えられるような書き方を工夫するようになるからです。
良い文章を書き写すことからはじめて、作文、絵本、マンガなど、文章やセリフが発生するものをたくさん書かせてみてください。
学習習慣がついている子なら、書写や作文にも自然に取り組めます。
市販の問題集を使って練習する方法や、
Z会、進研ゼミなどに毎月のように文章を書く通信教材を利用する方法もあります。
※関連記事:小学生向けオススメの通信教育5社を比較!通信教育のメリットや学習習慣をつける方法も解説!
今すぐ書写や作文がむずかしいという場合は、絵本やマンガを描くのがおすすめです。子どもは自分の描いた絵本やマンガを保護者の方に読んでほしいと思っていることが多いです。
小学校の学習指導要領にある「相手に伝える」練習を遊びの延長で楽しくできます。
家庭での学習ツールは大きく3つあります。
です。それぞれの選び方を説明します。
市販教材はネットや本屋さんで子どもと一緒に選ぶのがおすすめです。
親が気に入ったものを買って子どもにさせるのも良いですが、子どもがする気になってくれなかったら意味がありません。
「主婦と生活社」の『すみっコぐらしシリーズ』や学研の『ドラゴンドリルシリーズ』など、子どもの興味を引きながら楽しく勉強できるドリル・問題集がたくさんあります。
子どもが気に入ったものを使うと、楽しく勉強に取り組んでくれるようになります。
毎朝5分の学習習慣をつけるためのドリル(『早ね早おき 朝5分ドリルシリーズ』)もあれば、中学受験に向けて思考力や応用力を養う問題集(『トップクラス問題集』)もあります。
学習目的に合わせて選ぶようにしましょう。
※関連記事:低学年向けの市販教材をこちらの記事で学習目的別に紹介しています。
【1年生】
算数のおすすめドリル・問題集
国語のおすすめドリル・問題集
【2年生】
算数のおすすめドリル・問題集
国語のおすすめドリル・問題集
塾に通ってみて上手くいかなければ、通信教育を試してみるのも一つの手です。
移動時間がゼロですし、塾に比べて短時間の1回あたりの勉強が短時間に設計されています。「塾と併用」「通信教育単独」のどちらも選べます。
難関中学、最難関中学(首都圏御三家、灘中学、ラサール中学など)を目指しているならZ会がおすすめです。下記のような特長があります。
※関連記事:Z会中学受験コースだけで難関中学に合格する方法
中学受験対策や苦手克服の通信教育として進研ゼミも多くの受験生に選ばれています。楽しく、自信をつけながら学べるという特徴があります。
勉強が苦手な小学生や、楽しく少しずつ「勉強」に慣れさせたい幼児・小学校低学年には、ゲーミフィケーション(ゲーム性を取り入れたもの)を取り入れたアプリがおすすめです。
国語の漢字、算数の計算をはじめとして、英検対策、中学入試対策に使えるアプリも数多くあります。
ほとんどのアプリは無料で利用できますが、アプリ内課金のあるものや広告表示のあるものもあります。
などのルールを事前に決めておきましょう。
※関連記事:おすすめアプリを下記の記事で紹介しています。
算数のおすすめアプリ
国語のおすすめアプリ
英語のおすすめアプリ
中学受験を予定しているご家庭では、受験に向けた対策を1-2年生からはじめることが多いです。
最近の中学入試の問題は下記のような特徴があります。
ひと昔前なら、大量の知識をインプットして正確にアウトプットする能力の高い子が志望校に合格しやすかったです。
最近では、そうした「処理能力の高い子」よりも「思考力・表現力の高い子」や「明確な学習方針で勉強してきた子」のほうが合格しやすくなっています。
入試問題のタイプの変化だけでなく、難易度も上がっています。
例えば、東京都の御三家の1つである開成中学で30年前に出題された算数の問題が、今では偏差値40〜50くらいの学校で出題されています。
30年前の超難問は、今の標準問題なのです。
対策は早めに・計画的に始めておくほうが良いです。
※関連記事:【中学受験】受験勉強はいつから本格的にはじめる?受験を成功に導く3つの力とは?
受験対策をされる場合、約8割の方は塾で対策をされています。
ただ、その8割の方のなかでも利用する塾の種類や方法はさまざまです。
集団指導塾のみだった方が途中から個別指導塾や家庭教師を併用される場合もあります。
6年生の冬(入試直前)に算数や理科でプロ家庭教師を活用して10-20点アップをする場合や、難関中学入試に向けて低学年から家庭教師を利用する場合など、学習手段も多様化しています。
※関連記事:【中学受験】個別指導塾だけで大丈夫!?
※関連記事:【中学受験】個別指導塾併用のメリット
※関連記事:【中学受験】小学生の家庭教師はいつからがいい?
※関連記事:中学受験・高校受験・大学受験でプロの家庭教師の選び方
状況や時期に応じて上手に活用したいですね。
さらに、家庭学習のみで受験対策をされているご家庭もあります。
首都圏で偏差値60以上の中学校に合格されているご家庭でもそうした方が2割ほどいらっしゃいます(ひまわり教育センターより)。
ご家庭の学習方針次第では、「塾なし」でも受験対策ができるような環境ができています。
※関連記事:【中学受験】塾なしは無理?家庭学習のみで志望校に合格できるおすすめの学習方法を紹介します
志望校は3-4年生までに方向性を決めて本格的に動くご家庭が多いです。
1-2年生の間は、「方向性を決めるための情報収集」が必要です。
というのも、少子化が進むにつれて私立中学では学びの多様化が進んできているからです。
など様々です。英語入試を導入する私立中学も非常に多くなっており、英語教育に力を入れているご家庭は将来の選択肢がとても多くなっています。
※関連記事:入試で英検®が使える東京の私立中学一覧
※関連記事:入試で英検®が使える神奈川、埼玉、千葉の私立中学一覧
※関連記事:入試で英検®が使える関西の私立中学一覧
しかも最近では公立中高一貫校が人気です。公立の費用で私立のような6年一貫の教育環境を手に入れられます。
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あまりの人気で、開設時には偏差値50弱だった公立中高一貫校が数年後には偏差値60近くまで上昇しているケースもあります。
作文が必須だったり、複数の教科をまたいだ試験になっていたりと、私立中入試とは全く対策方法が違っています。
※関連記事:人気急上昇中の公立中高一貫校の魅力とは?私立中との入試制度の違いや対策方法を解説します!
受験をする・しないのご検討のためにも、早めに情報収集をしておきましょう。
※関連記事:中学受験するかしないか:私立中・公立中それぞれのメリット、中学受験と高校受験どちらがいいかを解説!
小学校1、2年生の勉強は「読む」「書く」が基本です。
漢字の練習などは学校の宿題でできますので、読書や日常会話をとおして親子だからできることを実践してみてください。
中学受験をお考えのご家庭では、特に書く力を早い段階からしっかり高めておきましょう。
私立中学入試では記述問題が多くなってきていますし、公立中高一貫校入試では必ず作文が出ます。
※関連記事:公立中高一貫校の入試制度の解説とおすすめの対策問題集
まだ勉強を「勉強」と感じていない間に、「読むことは楽しい、書いたことが相手に伝わるのはうれしい」という経験をお子様に積ませてあげると、国語力をしっかりと伸ばしやすくなります。
小学校でも中学入試でも記述は重視されてきています。「読む力」「書く力」の両方を伸ばしていきたいですね。
※関連記事:【中学受験】国語の記述問題の書き方と勉強方法:苦手な記述を得意にするコツを紹介します!
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