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【高校生向け】動名詞の意味上の主語:動名詞の主語を所有格や目的格で表す方法を例文つきで解説

英語の勉強中のノート 高校生勉強方法
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英文法の参考書には「動名詞の意味上の主語」という言葉が出てきますが、いまいちわかりにくいという高校生は多いのではないでしょうか。

ただでさえ動名詞は不定詞との使い分けがややこしい文法なのに、さらに意味上の主語という聞きなれない言葉まで登場します。

ですが、意味と形さえ分かれば大学入試でも即戦力になる文法なのです。

そこで、主に高校生向けに動名詞の意味上の主語が何を指すのか、どのような場合に使うのかを解説します。最後に練習問題も用意しているので、問題を解いて少しでも定着させておきましょう!

※関連記事:【高校生向け】Z会だけで難関大学に合格する方法:難しい問題ばかりではない大学受験コースの特長を解説

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動名詞とは

まず、動名詞とは「動詞のうしろにingをつけて名詞として扱う単語」のことです。「~すること」と訳します。

高校英語や英検でもよく登場する文法であり、「不定詞との使い分け」がよく問題として出てきます。

また、「前置詞の後ろは名詞か動名詞になる」というルールがあるため、「before having dinner」(夕食を食べるまえに)や「duringとwhileの使い分け」の問題でもよく利用されます。以下の記事でくわしく解説しています。
前置詞の後ろは名詞、代名詞、動名詞:テストに出やすい前置詞の基本ルールの解説と練習問題

【例】

  • Swimming is fun.(主語)
  • I enjoy reading.(目的語)
  • Her favorite activity is painting.(補語)

また、動名詞の意味上の主語を明示したい場合、所有格や目的格を用いるのが一般的です。

【例】

  • I appreciate your helping me.(所有格)

なお、学校のテストでは不定詞と動名詞の使い分けを問う問題がよく出てきます。動名詞を取る動詞、不定詞を取る動詞など、不定詞と動名詞を使い分ける方法を以下の記事でくわしく解説しています。
不定詞と動名詞の違いと使い分け方

【例文付き】動名詞の意味上の主語の使い方

意味上の主語とは、文法上の主語ではないものの、文中で動作を実際に行う主体や意味上の主体を指します。

特に不定詞や動名詞が使われる場合、その動作を誰が行うのかを明確にするために使われます。

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文の主語と動名詞の主語が異なる場合に登場する

その文のメインの主語と動名詞の主語が異なっている場合に「意味上の主語」が登場します。

I’m sure of your( you) winning the next game.
(私はあなたが次の試合に勝つと確信している。)

上記の例文では、「winning」(勝つこと)が動名詞です。この文では、「確信している」と「次の試合に勝つ」の主語がそれぞれ異なっています。

  • 確信している→I
  • 次の試合に勝つ→you

この場合、文の主語は「I」で、「your」は意味上の主語になります。もし、「その試合に勝つ」のも「確信している」のも「私」なら意味上の主語はなく以下のような文になります。

I’m sure of winning the next game.
(私は、私が次の試合に勝つと確信している。)

この例文では、「試合に勝つ」と「確信している」の両方とも主語は「I」です。従って、意味上の主語はありません。

動名詞の意味上の主語は所有格で表す

動名詞の意味上の主語は所有格で表すのが原則です。

「所有格」というのは、中1で習った「I-my-me」の2つ目の単語です。以下の表のような名称です。

 主格所有格目的格
Imyme
あなたyouyouryou
私たちweourus
hehishim
彼女sheherher
彼ら/ 彼女らtheytheirthem

前述の例文は以下のとおりでした。

I’m sure of your winning the next game.
(私はあなたが次の試合に勝つと確信している。)

「winning」が動名詞で、その意味上の主語は「your」です。日本語では「あなたが」と訳しますが、英語で書くときは所有格の「your」と書きます。

ただし、人の名前の場合は主格のままです。

I’m sure of Nancy winning the next game.
(私がNancyが次の試合に勝つと確信している。)

上記の例文のように、「Nancy’s」のような書き方ではなく、「Nancy」になります。

意味上の主語を目的格で書くこともある

意味上の主語は原則所有格ですが、目的格で書かれていることもあります。

We talked about you going to the camp next weekend.
(私たちは、あなたが来週末キャンプに行くことについて話し合った。)

上記の例文では、「going」が動名詞でその意味上の主語は「you」です。「your」という所有格で書くのが原則ですが、目的格の「you」で書くことも可能です。

違いはあまりありませんが、以下のとおりです。

  • 所有格→ややフォーマル
  • 目的格→カジュアル

動詞や前置詞の後ろに来るのは目的格であることが多いため、それにつられて日常用語では目的格で使う場合もあります。

意味上の主語を省略する場合もある

意味上の主語が「世間一般の人」の場合、省略されることもあります。「誰」と特定せず、「一般的に言ってこうだね」と言いたい場合です。

Taking a break is important.
(休息を取ることは重要だ。)

この文では「taking」が動名詞で意味上の主語は「we」(もしくは「you」)です。「休息を取ることは(みんなにとって)重要だ。」という意味になります。

否定のnotはどこにつければ良いか

動名詞が表す動作を否定する文の場合、notは動名詞の直前(意味上の主語の直後)につけます。

I’m sure of your not winning the next game.
(あなたが次の試合に勝てないと私は確信している。)

この例文では動名詞は「winning」で、否定のnotを直前につけて「not winning(勝てない)」という意味にします。

動名詞とthat節の書きかえの仕方

動名詞を使う文はthat節に書きかえることが可能です。意味上の主語がある文では書きかえの難易度が上がるため、テストでたびたび出てきます。

I insisted on going abroad.
(海外に行くことを主張した。)

I insisted that I would go abroad.
(海外に行くことを主張した。)

上記の文はどちらも同じ意味です。文の主語と意味上の主語が異なる場合、以下のようになります。

I insisted on her going abroad.
(私は、彼女が海外に行くことを主張した。)

I insisted that she would go abroad.
(私は、彼女が海外に行くことを主張した。)

文の主語と意味上の主語が異なる場合、上記の例文のように文の主語とthat節の主語を変えます。

動名詞の意味上の主語でよくある間違い方とその防ぎ方

意味上の主語を誤った形で表現してしまう

  • 誤用:
    I appreciate you helping me.(所有格でなく目的格を使う場合、厳密には誤りとされることもある)
  • 正しい形:
    I appreciate your helping me.(所有格を用いるのが正式)
  • 防ぎ方:
    動名詞の前には、所有格を使うのが正式な形だと覚え、目的格を使うのは口語的な場面に限定。大学入試の問題文にはどちらも登場するが、解答には「正しい形」を書くのが無難。

意味上の主語を省略してしまう

  • 誤用:
    It’s important to pass the exam.(誰が試験に合格するのかが不明)
  • 正しい形:
    It’s important for him to pass the exam.(意味上の主語を明示)
  • 防ぎ方:
    不定詞や動名詞で動作主を明確にすることが必要な場合は、省略しない。省略して大丈夫な場合とよくない場合の区別がむずかしいため、大学入試では原則、省略しないほうが良い。

動名詞を使うべき場面で不定詞を使う

  • 誤用:
    He suggested to go to the park.
  • 正しい形:
    He suggested going to the park.(動名詞が正しい)
  • 防ぎ方:
    動名詞を目的語に取る動詞(suggest, enjoy など)のリストを覚える。以下の記事で解説しています。
    目的語に動名詞しか使えない動詞

高校生が押さえるべきポイント3選

所有格と目的格の使い分け

  • 文法的に正確な表現を使うには、動名詞の意味上の主語には所有格を使うのが正式。
  • 試験では所有格を使う形が問われやすい。

動名詞と不定詞の使い分け

  • 一部の動詞(enjoy, avoid, finish)は動名詞を目的語に取る。
  • 一方、decide, hope などは不定詞を取ることを確認。

明確な動作主を示す必要性

主語を明示することが必要な場面では、動名詞は所有格、不定詞は for + 名詞/代名詞を用いる。

テストによく出る「動名詞の意味上の主語」の問題

ここまで解説した内容に関する練習問題を解いてみましょう。

問題を解くよう指示する先生

意味上の主語を選ぶ問題

以下の( )内に入る適切な語をa)~d)から1つ選んでください。

①I don’t mind ( ____ ) playing the piano in front of an audience.

a) me
b) my
c) I
d) mine

②There is no point in ( ____ ) complaining about the weather.

a) they
b) them
c) their
d) theirs

③Do you object to ( ____ ) using your phone in class?

a) he
b) him
c) his
d) himself

④I appreciate ( ____ ) taking care of the project while I was away.

a) you
b) your
c) yours
d) yourself

⑤( ____ ) being late to the meeting was unacceptable.

a) she
b) her
c) hers
d) herself

⑥We discussed ( ____ ) moving to a new office.

a) us
b) our
c) we
d) ours

⑦I can’t imagine ( ____ ) doing something like that.

a) they
b) them
c) their
d) themselves

⑧Would you mind ( ____ ) borrowing your car for a day?

a) me
b) my
c) I
d) mine

⑨The idea of ( ____ ) starting a business together is exciting.

a) we
b) us
c) our
d) ourselves

⑩I remember ( ____ ) telling me about that last week.

a) he
b) him
c) his
d) himself

解答・解説

①b) my

「私が観客の前でピアノを弾くことを気にしない」という意味で、動名詞「playing」の意味上の主語は「my」です。

②c) their

「彼らが天気について文句を言っても無駄だ」という意味で、「complaining」の意味上の主語は「their」です。

③c) his

「彼が授業中に携帯電話を使うことに反対するか?」という意味で、「using」の意味上の主語は「his」です。

④b) your

「あなたが私の不在中にプロジェクトを引き受けてくれたことに感謝します」という意味で、「taking」の意味上の主語は「your」です。

⑤b) her

「彼女が会議に遅れることは許されない」という意味で、「being」の意味上の主語は「her」です。

⑥b) our

「私たちが新しいオフィスに引っ越すことを話し合った」という意味で、「moving」の意味上の主語は「our」です。

⑦c) their

「彼らがそんなことをするとは想像できない」という意味で、「doing」の意味上の主語は「their」です。

⑧b) my

「私があなたの車を1日借りてもいいですか?」という意味で、「borrowing」の意味上の主語は「my」です。

⑨c) our

「私たちが一緒にビジネスを始めるというアイデアはわくわくします」という意味で、「starting」の意味上の主語は「our」です。

⑩b) him

「彼が先週私にそれを話してくれたことを覚えています」という意味で、「telling」の意味上の主語は「him」です。

動名詞とthat節の文の書きかえ問題

以下の文を、動名詞を使う文か、that節の文に書きかえてください。

①I appreciate your helping me with the project.

that節の文に書きかえ: (   ).

②She insists on his coming to the meeting on time.

that節の文に書きかえ: (   ).

③We regret that they didn’t join us for dinner.

動名詞を使う文に書きかえ:(   ).

④They suggested that I apply for the job.

動名詞を使う文に書きかえ:(   ).

⑤He was surprised that she knew the answer.

動名詞を使う文に書きかえ:(   ).

解答・解説

①I appreciate that you helped me with the project.

和訳:「あなたがプロジェクトを手伝ってくれたことに感謝しています。」

「your helping me」という動名詞構文です。感謝しているのは現在ですが手伝ったのは過去のことなので、過去形の「helped」を使います。

②She insists that he come to the meeting on time.

和訳:「彼が時間通りに会議に来ることを彼女は主張しています。」

「coming」が動名詞で意味上の主語は「his」です。なお、「insist」などの要求や提案を表す動詞では、「that節」の中で動詞の原形が使われることが多いです。

③We regret their not joining us for dinner.

和訳:「彼らが夕食に参加しなかったことを私たちは残念に思います。」

「彼らが夕食に参加しなかった」のは過去時制ですが、動名詞構文にすると「their not joining」となります。また、notをつける場所は動名詞joiningの直前です。

④They suggested my applying for the job.

和訳:「彼らは私がその仕事に応募することを提案しました。」

「提案した」のは過去時制ですが、動名詞構文にすると「my applying」となります。

⑤He was surprised at her knowing the answer.

和訳:「彼女がその答えを知っていたことに彼は驚きました。」

「驚いた」のは過去時制ですが、動名詞構文にすると「her knowing」となります。

まとめ

いかがでしょうか。

動名詞の意味上の主語について解説しました。

文の主語と動名詞の主語が異なっているときに、動名詞の直前に主語をつけます。この主語は所有格で表すのが通例ですが、目的格で表すことも可能です。

「that節」との書きかえの仕方も解説しています。

練習問題も用意しているので、何度か解いて早く使いなれておきましょう!

【参考】
進研ゼミ
トライ

プロフィール
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福地 暁です。
個別指導の塾を経営しています。

これまで3000組以上のご家庭を担当させていただきました。
中学受験、高校受験、大学受験、英検・TOEIC対策、中学生・高校生の定期テスト対策など、さまざまな学習支援をしています。

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1男1女の父。
どうやら娘には「甘いパパ」と思われているようで、
アイスやジュースをねだるときは必ずパパのところにきます。

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