「中学受験に英語が必要って本当?」そんな疑問を持つ保護者の方も増えてきました。
英語はすでに小学校で必修化され、今後ますます早期の英語学習が求められる時代です。
そこで本記事では、幼児期から始める英語学習がなぜ中学受験に有利なのか、その理由と効果的な学習法を徹底解説。
家庭で手軽に取り入れられる5つの勉強法から、英語教室・オンライン英会話の活用法、注意点まで詳しくご紹介します。
今のうちに楽しく英語にふれることで、お子さまの将来の選択肢を広げていきましょう。
なぜ幼児期からの英語学習が中学受験に効果的なのか
言語習得のゴールデンエイジとは?
言語習得には「ゴールデンエイジ(臨界期)」と呼ばれる時期があります。これは、おおよそ0歳〜10歳までの間が、音や言葉を自然に吸収しやすい時期であるという言語学的な考え方です。幼児期の脳は、母語以外の言語も無理なく受け入れる柔軟性を持っています。
この時期に英語に触れることで、発音やリズムをネイティブのように身につけやすく、将来的な英語リスニング力やスピーキング力の基礎が育ちやすくなるのです。中学受験で求められる「聞く・読む・書く・話す」のうち、特に聞く・話す能力の下地作りとして効果的です。
小学校英語必修化と中学受験の関係
2020年度から、小学校の英語が教科化されました。小学3・4年生では「外国語活動」、5・6年生では「教科」として英語が導入されています。これにより、英語に対する慣れや理解の差が中学受験に影響する時代になってきました。
私立中学の中には、英語を入試科目として採用する学校が年々増加しており、英語入試の出題形式も「リスニング+読解+語彙・文法」と多様です。早期から英語に親しんでいる子どもは、自然と「英語に対する抵抗感がない」状態になり、試験でも実力を発揮しやすくなります。
英語に「慣れる力」がアドバンテージになる理由
英語の学習は、知識の積み重ねと同時に、「英語に慣れる=英語を自然に受け入れる力」が非常に重要です。たとえば、リスニングで聞き取れなくても焦らず推測する力や、長文を読みながら意味を想像する柔軟性は、小さい頃から英語に触れている子の方が身につきやすい傾向があります。
また、発音やイントネーション、英語のリズムに早くから親しむことで、中学受験後の英検やスピーキングテストでも有利に働くことが多く、将来まで見据えた学習戦略としても非常に効果的です。
幼児期におすすめの英語勉強法【家庭でできる5つの方法】
① 英語の絵本を読み聞かせる
英語の絵本は、語彙・文法・リズムが自然と身につく最良の教材のひとつです。物語を通して英語を楽しみながら学べるため、幼児でも無理なく継続できます。特におすすめなのは、「繰り返し表現の多い絵本」や「英語の歌絵本」です。
読み聞かせは「聞く→理解する→話す」の流れをつくる初期段階として有効で、日本語を介さず英語のまま理解する習慣を育てられます。

The Very Hungry Caterpillar (with CD)
② 英語の歌や動画を活用する(英語耳を育てる)
幼児は、歌や映像から言葉を真似することが得意です。YouTubeやサブスクサービスで視聴できる英語の歌やアニメは、音のインプット量を飛躍的に増やすのに最適です。
「Twinkle Twinkle Little Star」や「The Wheels on the Bus」などの童謡は、単語・文法・発音を同時に学べる万能素材です。繰り返し聴くことで、「英語耳」が育ち、リスニング力の土台が自然と出来上がっていきます。
③ フォニックスで正しい発音を身につける
フォニックスとは、「英語の文字と音の関係」を学ぶ方法で、英語圏の子どもたちが読み書きを学ぶときにも使われています。たとえば、「C」は「クッ」と発音するというような、英語を音から理解するアプローチです。
幼児期にフォニックスを導入することで、単語を見ただけで発音できたり、聞いた音からスペルを推測できる力が育ちます。これは中学受験の長文読解やリスニング対策において非常に役立ちます。

はじめての英語フォニックスかるた ([かるた])
④ 遊び感覚で英単語を覚える
英語学習は「勉強」よりも「遊び」として取り入れることが、幼児期には重要です。例えば、カードゲーム・英語パズル・色や動物の英単語を使ったおもちゃなどを活用しましょう。
楽しく取り組めると、子どもは自発的に何度も遊ぶようになり、その中で自然と単語やフレーズを覚えていきます。「apple=りんご」といった訳ではなく、appleという音とイメージが結びつくようになるのが理想です。
⑤ 親子で一緒に英語を楽しむ
幼児期の英語学習で最も大切なのは、「親が楽しそうに英語に触れる姿勢」です。子どもは親の影響を強く受けるため、一緒に歌を歌ったり、英語で「Good morning!」と声をかけたりするだけでも効果があります。
家庭内で「英語があるのが当たり前」という環境をつくることで、子どもも自然と英語を受け入れ、継続的な学習習慣につながります。
英語教室・オンライン英会話を使った学習法

英語教室とオンラインの違い
英語教室とオンライン英会話にはそれぞれメリットとデメリットがあり、目的や子どもの性格によって適した方法は異なります。
英語教室の特徴:
- 対面でのレッスンにより、先生の表情や動きが見やすい
- 他の子どもと一緒に学べるため、協調性や発言力も育つ
- 教室によっては、英語での遊び・イベントなどの体験型プログラムも豊富
オンライン英会話の特徴:
- 自宅で気軽に受けられ、送迎不要で時間の融通がきく
- 先生が外国人講師である場合、発音やリアルな英語に触れられる
- マンツーマンのため、子どものレベルや性格に合わせて柔軟に対応可能
家庭環境や通学の負担、学習目的に応じて、教室とオンラインを組み合わせて活用することも有効です。
幼児向けオンライン英会話の選び方と注意点
幼児向けのオンライン英会話を選ぶ際は、以下のポイントを重視しましょう。
1. 子ども専門かどうか:
子どもに特化したサービスは、歌・絵・動作を取り入れたレッスンが中心で、集中力が続きやすい設計になっています。
2. 日本語フォローの有無:
英語初心者には、日本語でサポートできる講師やサポート体制があると安心です。
3. レッスン時間の長さ:
幼児は集中力が短いため、1回15〜25分程度の短めレッスンがおすすめです。
注意点:
- 保護者のサポートが前提になることが多い(機材・マイクの準備やサポート)
- 子どもが画面越しに飽きることもあるため、レッスン前後の声かけや雰囲気づくりが重要

効果的なレッスンプランの立て方
幼児期の英語学習では、継続が最も重要な要素です。無理なく続けられるスケジュールと、楽しさを重視したプランを立てましょう。
おすすめのレッスンプラン例(週3日程度)
- 月・水・金:オンライン英会話15〜25分
- 火・木:英語絵本の読み聞かせ、英語の歌で遊ぶ(各15分程度)
- 土日:英語のアニメを一緒に見る、親子英会話ごっこ
ポイント:
- 目標は「できるようになる」ではなく、「英語が日常にある状態を作る」
- 英検やテストは目標にせず、「子どもが毎回笑って終われるか」を優先
幼児期の英語学習で気をつけること
詰め込みすぎないことが大事
英語を早く覚えさせたい気持ちから、つい詰め込み型の学習になってしまうことがあります。しかし、幼児期の学習は「習得」ではなく「親しむ」が基本です。
- 「毎日やらなければ」と思うと親子ともにストレスになります
- 子どもの様子を見ながら「今日はおやすみ」も大切
英語学習はマラソンです。無理をせず、楽しみながら継続できる方法を見つけましょう。
日本語とのバランスを意識する
日本語の発達が未熟なうちに英語ばかりに偏ると、母語の形成が不十分になるリスクもあります。バランスよく両言語を育てる意識が大切です。
- 普段の生活は日本語でしっかりコミュニケーションを取り、絵本や会話を通して語彙力を育てる
- 英語は遊びや娯楽の一部として取り入れると、両方の言語が自然に伸びやすくなります
子どもが「楽しい」と思える工夫を
子どもにとって「楽しい」があることが、最大のモチベーションです。
おすすめの工夫:
- お気に入りのキャラクターが出てくる英語アニメを活用する
- 英語で名前を呼ばれたら「Yes!」と返すルールを遊びにする
- ご褒美シールやスタンプで毎日の英語時間を可視化する
親が楽しそうに参加することが、子どもにとって最高の教材になります。
中学受験にどうつなげる?小学生以降の英語学習の進め方
小学校低学年からのステップアップ方法
幼児期の英語慣れを活かすためには、小学校低学年からの段階的なレベルアップが効果的です。
例:
- 小1〜小2:英語絵本の自読・フォニックスの強化・英会話教室
- 小3〜小4:英検5級〜4級レベルの語彙と文法(文の構造理解)
- 小5〜小6:リスニング強化と中学受験の問題演習、長文読解練習
中学受験に対応するには、「英語に慣れているだけ」から「問題が解ける」への移行が必要になります。
英検対策と中学受験の英語対策の違い
英検対策:
- 検定形式に沿った学習が中心(語彙、文法、リスニング、スピーキング)
- 出題傾向や時間配分に慣れる練習が多い
中学受験の英語:
- 学校独自の問題(リスニング+読解+英作文など)
- 教科としての英語力+思考力・速読力・読解力も問われる
英検で力をつけつつ、中学受験特有の出題パターンへの対策も併行して進めることが重要です。
リスニング・スピーキング力の強化法
1. リスニングの強化法:
- 1日5分でも毎日英語音声を聞く習慣
- 内容のある絵本CD、英語ニュース(子ども向け)、英語のストーリー動画が効果的
- 英語を英語のまま理解する「シャドーイング」も小学生から導入可能
2. スピーキングの強化法:
- オンライン英会話で週1〜2回外国人講師と会話
- 自宅で親子英語タイムを設ける(例:「What’s this?」「It’s a cat!」)
- 発表会・スピーチの機会がある英語教室を選ぶと効果的
※なお、中学受験の英語入試対策法については、以下の記事でくわしく解説しています。
中学受験の英語入試に合格するための勉強法|リスニング・文法・長文対策を徹底解説
【迷ったら必見】中学受験の英語はいつから始めるべき?学年別の始め方と成功のコツを解説!
まとめ
幼児期からの英語学習は、中学受験での英語力アップにつながる大切な土台作りです。早い段階で楽しく英語に触れることで、自然な英語の耳と発音を身につけられます。
家庭での絵本の読み聞かせや歌、ゲームなどの遊びを通じて英語に親しむことがポイント。無理なく続けることで、子ども自身の英語への興味や自信も育まれます。
中学受験に向けては、基礎的な単語やフレーズを覚え、簡単な英語でのやり取りができる力を早めに養うことが大切です。
今からできる取り組みをコツコツ積み重ねて、英語力をしっかり伸ばしていきましょう。
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