日本国憲法には、私たちが安心して暮らすための大切なルールがたくさん書かれています。とくに「三つの基本原則」は、社会科の定期テストや高校受験でもよく出る重要ポイント。
でも、「国民主権って何?」「基本的人権ってむずかしそう…」と思っている中学生も多いはずです。
この記事では、そんな三大原則を図解や語呂合わせを使って、やさしく・しっかり理解できるように解説しています。
さらに、定期テストで差がつく記述問題のコツや、一問一答問題集もついているので、この記事だけでテスト対策がばっちりできます!
日本国憲法の基本原則とは?【中学生向けに分かりやすく】
そもそも「憲法」ってなに?法律とのちがいを簡単に説明
「憲法(けんぽう)」は、国のルールの中でいちばん大切な決まりです。たとえば、みんなが守るべき交通ルールや税金の法律などはたくさんありますが、そのすべての土台になるルールが「憲法」です。
憲法とふつうの法律のちがいをまとめると、次のようになります。
項目 | 憲法 | 法律 |
---|---|---|
作る人 | 国会が「憲法改正案」を出して、国民投票で決まる | 国会が作る |
内容 | 国のあり方、国民の権利など根本的なルール | 日常生活に関するルール(交通、税、教育など) |
優先度 | 法律より上のルール | 憲法に反する法律は作れない |
つまり、憲法は国のルールの「ボス」ともいえる存在なんですね。
日本国憲法ができたのはいつ?どんな目的があったの?
日本国憲法は1947年(昭和22年)5月3日に施行(しこう)されました。つまり、この日から今の憲法が使われるようになったのです。
この憲法がつくられたのには、第二次世界大戦の反省が大きく関係しています。戦争によって多くの命が失われた日本は、「これからは平和な国を目指そう」「国民が主人公の社会を作ろう」という考えのもと、新しい憲法をつくりました。
それまでの「大日本帝国憲法(明治憲法)」は、天皇に強い権力があったのに対し、日本国憲法は国民を中心にした憲法になっていることが最大の特徴です。
覚えておこう!日本国憲法の「三つの基本原則」とは
日本国憲法には、とくに大事にされている三つの基本原則があります。
国民主権|国の主人公はだれ?
「国民主権(こくみんしゅけん)」とは、国の政治を動かす力=主権が国民にあるということです。つまり、日本という国の主人公は私たち国民ひとりひとりです。
国会議員を選ぶ選挙や、住民投票などを通して、私たちが国のルールや政治に関わることができます。
基本的人権の尊重|すべての人が大切にされる社会へ
「基本的人権(きほんてきじんけん)」とは、人が人らしく生きていくために生まれながらに持っている大切な権利です。
たとえば、
- 言いたいことを言う自由
- 好きな仕事を選ぶ自由
- 差別されない権利
などがあります。日本国憲法では、これらの権利をしっかり守ることが大事だとされています。
平和主義|二度と戦争をしない国の誓い
「平和主義(へいわしゅぎ)」は、戦争をしない国を目指す考え方です。
日本国憲法の第9条には、「戦争をしない」「戦力(軍隊)を持たない」「交戦権を認めない」と書かれています。これは、過去の戦争の反省から生まれた、とても大切なルールです。
定期テストによく出る!基本原則の重要ポイントまとめ
各原則に関する頻出キーワード
「主権在民」ってどういう意味?
「主権在民(しゅけんざいみん)」とは、主権が国民にあるという意味で、国民主権を表す大事な言葉です。
テストでは「主権在民とは何か説明しなさい」などの記述問題でよく出ます。答え方の例:
国の政治の最終的な決定権(主権)が国民にあること。
「永久の権利」とはなにか
基本的人権については、憲法第11条・第97条に「侵すことのできない永久の権利」と書かれています。
つまり、この権利は政府でも勝手に取り上げられないし、ずっと続くものです。
テストでは「人権はどのような性質をもっているか」といった問題が出ることがあります。
「戦争の放棄」と「戦力の不保持」の違い
日本国憲法第9条には、
- 「戦争を放棄する」(戦争をしない)
- 「戦力は持たない」(軍隊はもたない)
と書かれています。これは平和主義の大切なポイントです。
違いをまとめると:
表現 | 内容 |
---|---|
戦争の放棄 | もう戦争はしないと決めていること |
戦力の不保持 | 軍隊や兵器などを持たないこと |
テストに出る文章記述対策のコツ
書き方例:「国民主権について説明しなさい」
答えの例:
国民主権とは、国の政治を最終的に決める力(主権)が国民にあるということ。
ポイントは、
- キーワード(主権・国民)をはっきり使うこと
- 簡潔で正確な表現にすること
減点されないためのポイント
- 専門用語を正しく使う:「主権在民」「永久の権利」などを正確に書こう
- 例や理由を入れると高得点に:「選挙で代表を選ぶことで国民の意思が反映される」など
- 漢字のミスに注意:「憲法」「主権」「権利」などはよく出るので漢字で書けるように
覚えやすくする工夫!図解と語呂合わせで理解しよう
三つの原則を図でイメージ化
言葉だけで覚えるのが苦手な人は、図でイメージするとぐっと覚えやすくなります。
日本国憲法の三大原則を「三角形の図」でまとめてみましょう。

暗記に使える語呂合わせ・例え話
覚えにくい用語も、語呂合わせやイメージを使うとスラスラ覚えられます!
「人こくへ」→「人権・国民主権・平和主義」
三つの基本原則は、「人こくへ(人、国、平)」で覚えよう!
- 人:基本的人権の尊重
- こく:国民主権
- へ:平和主義
★例え話:
日本という国を、みんなが参加する「サッカーチーム」に例えてみましょう。
- 監督が国民(国民主権)
- 選手一人ひとりが大切にされる(基本的人権の尊重)
- 暴力なしでフェアプレー(平和主義)
と覚えると、よりイメージが湧きやすくなります。
一問一答で理解度チェック!日本国憲法の基本原則【中学生向け問題集】
〇×問題(10問)
- 日本国憲法は1945年に施行された。 →【×】
- 国民主権とは、主権が国民にあるということ。 →【〇】
- 基本的人権は、時代によって自由に制限できる権利である。 →【×】
- 平和主義は、日本が戦争をしないという原則である。 →【〇】
- 憲法はふつうの法律よりも下にあるルールである。 →【×】
- 「戦争の放棄」は憲法第9条に書かれている。 →【〇】
- 日本国憲法の三大原則には、表現の自由は入っていない。 →【〇】(※表現の自由は人権の一部)
- 「主権在民」とは国の最終的な決定権が国民にあること。 →【〇】
- 基本的人権には差別されない権利も含まれる。 →【〇】
- 憲法の改正は、内閣が単独で行える。 →【×】
選択肢問題(5問)
- 日本国憲法が施行された年はいつ?
- ア:1945年
- イ:1947年
- ウ:1950年
→【正解:イ】
- 国民主権をあらわす言葉はどれ?
- ア:三権分立
- イ:政教分離
- ウ:主権在民
→【正解:ウ】
- 「基本的人権の尊重」に関する説明として正しいものは?
- ア:国の命令があれば取り消せる
- イ:生まれながらに持っている権利である
- ウ:選挙でのみ使える権利
→【正解:イ】
- 日本国憲法に関する説明で正しいのはどれ?
- ア:天皇に政治の決定権がある
- イ:国民に主権がある
- ウ:軍隊を持つことが義務付けられている
→【正解:イ】
- 「戦力の不保持」はどの原則に関係している?
- ア:国民主権
- イ:平和主義
- ウ:基本的人権
→【正解:イ】
記述式問題(3問)
- 国民主権とはどのような原則か、簡単に説明しなさい。
→ 国の政治を最終的に決める権利(主権)が国民にあるということ。 - 基本的人権の尊重とは、どのような考え方か。
→ すべての人が生まれながらに持っている人権を大切にし、国がそれを守るべきという考え方。 - 平和主義について、日本国憲法ではどのように定められているか。
→ 戦争を放棄し、戦力を持たず、国の交戦権を認めないと定められている。
すべての解答と解説
※すでに各問題の下に【正解】と簡単な解説を記載済みです。必要に応じて、解説を拡充して表示可能です。
※なお、日本国憲法以外にも、戦後の一問一答を以下の記事にまとめています。
【中学歴史】第二次世界大戦から戦後にかけての一問一答:昭和の日本、冷戦など
まとめ|日本国憲法の三大原則を正しく理解して、テストで得点しよう!
三大原則のふりかえり
- 国民主権:国の主人公は国民!
- 基本的人権の尊重:みんなが大切にされる社会
- 平和主義:戦争のない国を目指す
この三つは、日本国憲法の土台になる考え方です。テストだけでなく、将来社会に出ても大事な知識になります。
定期テストでよくある引っかけ問題の注意点
- 「戦争の放棄」と「戦力の不保持」を混同しないように!
- 「法律」と「憲法」のちがいをあいまいにしない
- 記述では「国民が主権を持つ」などキーワードを正確に書く
中学公民の他の単元とのつながり
- 三権分立(立法・行政・司法)と国民主権の関係
- 人権の種類(自由権・社会権など)は次の単元で詳しく学ぶ
- 憲法の内容は政治のしくみ、選挙、裁判所などとも関係が深い
※なお、基本的人権の内容や種類について、以下の記事で詳しく解説しています。
【中学公民】基本的人権とは?自由権や社会権など種類・違いをわかりやすく解説|定期テスト&入試対策!
参考文献・出典・監修者について
文部科学省の学習指導要領リンク
文部科学省の指導要領に基づいて内容を構成しています。
NHK for School や Gakken Kids.net などの信頼できる教育情報を参照
本記事の内容は、以下の教育機関・教材の情報を参考にしています。
記事監修者
本記事は、教育業界歴25年以上の現役塾講師が監修しています。
- 長年にわたり難関中学・高校・大学受験対策を指導
- 個別指導塾を運営し、日々の指導で中学生の定期テスト対策にも対応
- 授業や教材づくりにおいて、生徒が「わかりやすい!」「点数が上がった!」と実感できることを重視
その実践経験と教育現場での知見をもとに、信頼できる学習記事を提供しています。
まとめ
- 日本国憲法の三大原則は「国民主権・基本的人権の尊重・平和主義」の三つ。
- それぞれの意味を図解や語呂合わせ「人こくへ」でしっかり覚えよう。
- 定期テストでは、用語の意味だけでなく記述問題での説明力も問われる。
- 一問一答や頻出キーワードを活用して、得点アップを目指そう。
三大原則を理解することは、テスト対策だけでなく、これからの社会を生きていく力にもなります。今のうちにしっかり身につけておきましょう!
※Z会について下記記事でくわしく紹介しています。
【中学生向け】Z会タブレットコースの進め方:成績上位を取って難関校に合格する方法を解説
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