中学生の定期テストや高校入試でよく出る「満州事変」。
「難しそう」「用語が多くて覚えられない」と感じる人も多いかもしれません。でも大丈夫!このページでは、満州事変の流れや背景、重要人物、そしてテストでよく出るポイントを、やさしい言葉でわかりやすく解説します。
さらに、一問一答・記述対策・暗記のコツまでバッチリ紹介。この記事を読めば、社会のテストで高得点が狙えるはずです!
満州事変とは?中学生向けにわかりやすく解説

満州事変(まんしゅうじへん)は、1931年に日本の軍隊(関東軍)が中国東北部の「満州」と呼ばれる地域を武力でうばったできごとです。
これをきっかけに、日本は中国との関係が悪化し、のちの日中戦争や第二次世界大戦へとつながっていきました。
いつ起きた? 満州事変の年号ときっかけ
満州事変が起きたのは1931年(昭和6年)です。
きっかけになったのは、1931年9月18日の「柳条湖事件(りゅうじょうこじけん)」です。日本が支配していた満州の鉄道の近くで爆発が起こり、これをきっかけに関東軍が中国軍に攻撃をしかけました。
- 【年号暗記】1931年 → 「いくさ、いち早く」=戦(いくさ)をいち早く始めた
なぜ日本は満州に進出したのか? 背景を簡単に説明
日本が満州に進出したのには、経済的・軍事的な理由があります。
- 資源が豊富だったから
満州は石炭・鉄・農地などがあり、日本の工業や国づくりにとって大切な場所と考えられていました。 - 中国では戦争(内戦)が続いていたから
中国では、当時「国民党」と「共産党」が争っていて、政治が不安定でした。日本はそのすきに入りこもうとしました。 - 日本国内の不景気(世界恐慌の影響)
日本では仕事がなくなった人や貧しい人が増えていたため、政府や軍部は「満州を取れば日本は豊かになる」と国民に宣伝しました。
参考:ベネッセ教育情報「【近現代(明治時代~)】 なぜ満州事変が起きたのか」
柳条湖事件とは? 満州事変の引き金になったできごと
柳条湖事件(りゅうじょうこじけん)は、1931年9月18日に起きた、満州事変のきっかけとなった事件です。
- 日本の軍隊である関東軍は、南満州鉄道(日本が経営していた鉄道)の線路を自分たちで爆破し、
- 「中国軍が鉄道を壊した!」とウソをついて戦争を始めたのです。
この事件は、日本の軍が勝手に計画したもので、政府の命令ではありませんでした。しかし政府はそれを止めることができず、満州事変へと発展していきます。
関東軍の動きと満州国の建国
関東軍(かんとうぐん)は、満州にあった日本の軍隊です。柳条湖事件のあと、関東軍は満州各地を次々と占領していきました。
その後、1932年に日本は、清(しん)の最後の皇帝だった「溥儀(ふぎ)」を元首として、「満州国(まんしゅうこく)」という国をつくります。
でもこれは、日本が作った「見せかけの国」で、実際には日本の言いなりでした。世界中の国々はこの国を正式な国とは認めませんでした。
国際連盟の対応と日本の脱退
満州事変に対して、世界の国々も黙ってはいませんでした。
- 国際連盟(こくさいれんめい)という、世界の平和を守るための組織が調査を行いました。
- 1933年、リットン調査団という調査チームが「日本の行動は正当ではない」と報告しました。
しかし日本はこの報告に反発し、1933年に国際連盟を脱退しました。
これは、日本が国際社会から孤立し始めた大きなきっかけとなりました。
その後の影響―日中戦争・第二次世界大戦への流れ
満州事変のあと、日本と中国の関係はどんどん悪化していきます。
- 1937年に日中戦争が始まります。
→ きっかけは「盧溝橋事件(ろこうきょうじけん)」。 - その後、アジアや太平洋の国々にまで戦争が広がり、
- 1941年にはアメリカとの戦争(太平洋戦争)が始まり、第二次世界大戦に突入します。
つまり、満州事変は「日本の戦争のはじまり」と言えるとても重要なできごとなのです。
満州事変の重要語句・人物まとめ(覚えておくべきポイント)
テストに出る重要用語一覧
柳条湖事件(りゅうじょうこじけん)
1931年9月18日、日本の関東軍が南満州鉄道を自作自演で爆破し、「中国軍のしわざだ」として戦いを始めた事件。満州事変のきっかけとなった。
関東軍(かんとうぐん)
満州(中国東北部)にいた日本の軍隊。政府の命令を無視して戦争を起こし、満州国をつくった。軍の暴走が問題となった。
満州国(まんしゅうこく)
1932年、日本が満州に建てた国。清の最後の皇帝「溥儀」を元首に立てたが、実際は日本の支配下にあった。国際的には認められなかった。
溥儀(ふぎ)
中国最後の王朝「清(しん)」の皇帝だった人物。満州国の「元首」にされるが、日本に利用された形だった。
国際連盟(こくさいれんめい)
世界の平和を守るためにつくられた国際組織。満州事変に対し、日本の行動を非難し、日本は脱退した。
押さえておきたい人物
石原莞爾(いしわら かんじ)
満州事変を計画した中心人物の一人。関東軍の参謀として、戦争のシナリオを立てた。
板垣征四郎(いたがき せいしろう)
石原と共に柳条湖事件を起こし、満州事変を実行に移した人物。のちに日中戦争にも関与。
溥儀(ふぎ)
上にも記載の通り、清朝最後の皇帝で、満州国の「元首」とされたが、日本の言いなりだった。
定期テストによく出る!一問一答で満州事変をマスターしよう
基本レベル(10問)
- 満州事変が起きた年は?
→ 1931年 - 満州事変のきっかけになった事件は?
→ 柳条湖事件 - 柳条湖事件を起こした日本の軍隊は?
→ 関東軍 - 関東軍が中国東北部につくった国の名前は?
→ 満州国 - 満州国の元首にされた人物は?
→ 溥儀 - 日本が満州事変後に脱退した国際組織は?
→ 国際連盟 - 満州は現在のどの国の地域?
→ 中国 - 関東軍の暴走はどのような問題として見られた?
→ 軍部の独走(政府を無視して戦争を起こした) - 満州事変後、日本と中国の関係はどうなった?
→ 悪化し、のちに日中戦争へと進んだ - 満州事変の影響で、世界の国々との関係は?
→ 日本は国際社会から孤立した
応用レベル(5問)
- 満州国はなぜ国際的に認められなかったのか?
→ 日本が裏で支配していた見せかけの国だったから - 関東軍が勝手に満州事変を起こしたことで、日本政府にはどんな問題が起きたか?
→ 軍が政府の命令を無視する「軍部の独走」が明らかになった - 国際連盟が派遣した調査団の名前は?
→ リットン調査団 - 日本が国際連盟を脱退したのは何年?
→ 1933年 - 満州事変はその後のどんな大きな戦争へとつながったか?
→ 日中戦争、そして第二次世界大戦
用語穴埋め問題形式(5問)
- 1931年、南満州鉄道の近くで起きた爆破事件を( )事件という。
→ 柳条湖 - 満州事変を計画・実行した日本の軍隊は( )軍である。
→ 関東 - 満州国の元首には、清の最後の皇帝である( )が立てられた。
→ 溥儀 - 満州事変を調査するため、国際連盟は( )調査団を派遣した。
→ リットン - 日本は国際連盟を( )年に脱退した。
→ 1933
参考:「ちばのやる気学習ガイド」社会3年生 – 千葉県教育委員会
高校入試にも出る!記述問題の書き方と例文解説
満州事変は、単語だけでなく理由や背景を説明する記述問題でもよく出題されます。記述対策では、「なぜ?」「結果は?」「他国との関係は?」など、原因・結果・影響をセットで考えることがポイントです。
記述で問われやすいテーマ一覧
以下のようなテーマは、高校入試で頻出です。
「日本の満州への進出理由を説明しなさい」
→ 原因を整理して、自分の言葉で説明できるようにしておくことが大切です。
「国際連盟の対応と日本の反応を説明しなさい」
→ 国際社会の反応と、日本がそれにどう行動したかを対比して説明しましょう。
「満州事変がその後の戦争にどうつながったか説明しなさい」
→ 満州事変が日中戦争や第二次世界大戦への入口だったことを意識。
模範解答とワンポイント解説
問題例:日本が満州に進出した理由を説明しなさい。
模範解答:
「日本は、満州が資源の豊富な地域であり、国内の経済不況を打開するために進出した。また、中国の政治が不安定だったことも理由である。」
☑ワンポイント解説:
→ 原因を2つ以上書くと説得力が増します。
→ 「経済不況(世界恐慌)」「中国の内戦状態」「資源が豊か」という3つの視点を押さえましょう。
※なお、世界恐慌については、以下の記事で詳しく解説しています。
【中学生向け】世界恐慌をわかりやすく解説(各国の経済政策の名称や特徴)|定期テスト対策・一問一答つき
入試頻出キーワードを入れた記述例
問題:国際連盟の対応と日本の行動について説明しなさい。
模範解答:
「満州事変に対して、国際連盟はリットン調査団を派遣し、日本の行動は正当ではないと報告した。日本はこの報告に反発し、1933年に国際連盟を脱退した。」
☑解説とポイント:
- 「リットン調査団」→調査の具体的行動
- 「報告」+「反発」+「脱退」→因果関係が明確
- 年号(1933年)も入れると加点されやすい
※なお、もっとたくさん問題を解いて練習したい人向けに、以下の記事に問題を多数掲載しています。
【中学歴史の一問一答】世界恐慌、満州事変、日中戦争など|定期テストの基本問題から応用問題まで
どう覚える?満州事変を簡単に暗記するコツ
ゴロ合わせ・年号暗記法
- 満州事変の年:1931年(昭和6年)
☑覚え方:
「いくさ、いち早く(1931)」→戦(いくさ)をいち早く始めた
「イクサはじめた満州事変!」
年号の語呂とできごとをセットで覚えることが重要です。
関係の深いできごととの関連で覚える方法
五・一五事件とのつながり(1932年)
満州事変の翌年、海軍の青年将校が犬養毅首相を暗殺した事件。理由は「軍部の力をもっと強くしたい」という思い。
→ 満州事変で軍が成功→政治に口を出し始める流れに。
二・二六事件とのつながり(1936年)
陸軍の若い兵士が東京でクーデターを起こした事件。
→ 軍部がますます政治に影響力を持つように。
→ 満州事変 → 五・一五事件 → 二・二六事件 → 日中戦争へというつながりで流れを理解。
☑満州事変は「軍が政治を動かす時代のはじまり」というキーワードで覚えると、流れがつながります。
信頼できる参考資料・学習ツールの紹介
中学校のテストは信頼できる教材・情報源で学ぶことが大事です。
歴史マンガ・映像教材・問題集のおすすめ
Try IT(トライイット)
→ 中学生向け無料映像授業サイト。動画で満州事変の流れがわかりやすく解説されています。
https://www.try-it.jp/
NHK for School
→ NHKが提供する学校向けの動画サイト。信頼性が高く、ビジュアルで理解しやすい。
https://www.nhk.or.jp/school/
集英社の歴史まんが
→ 小中学生でも楽しく読めるマンガ形式の参考書。人物の気持ちや時代の背景をストーリーで理解できるのが特長。
まとめ
満州事変は、日本の軍部が中国の満州を占領し、国際社会との関係が悪化するきっかけとなった重要なできごとです。
テストでは、年号・人物・出来事のつながりに加えて、日本の行動がなぜ問題だったのかを理解することがポイントです。
一問一答や記述問題でしっかり練習し、用語・背景・影響をセットで覚えることで、確実に得点源にできます。ぜひこのページを使って、万全のテスト対策を進めてください!
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