理科は得点差がつきやすく、基礎知識と応用力が試される科目です。高得点を取ることで、全体の合格ラインに大きく影響します。
限られた時間で効率よく得点力を上げるためには、出題傾向を分析し、裏ワザやコツを活用することが重要です。
そこで、この記事では限られた時間に効率よく得点を取れる裏ワザを紹介します。
高校入試理科で得点アップが求められる理由とは?
ほかの受験生と差がつきやすい
高校入試の対策で、「理科の得点アップ」はとても大切です。高校入試は5教科の配点が同じなので、得意不得意が分かれやすい「英語」「数学」でほかの受験生との差がつきにくいという特徴があるからです。
例えば、以下の表は東京都立高校入試の平均点です。
英語 | 数学 | 国語 | 理科 | 社会 | |
2024年度 | 66.9点 | 61.7点 | 75.9点 | 66.8点 | 55.5点 |
2023年度 | 62.8点 | 57.6点 | 80.8点 | 59.4点 | 55.6点 |
国語以外の科目は、平均点が60点程度です。数学が得意な受験生が7割をとっても、ほかの受験生との差は10点だけです。
もし理科で5割しか取れないと、10点の貯金はあっという間になくなります。
逆に理科で平均点以上を取れると、第一志望校の合格に大きく近づけます!
暗記と理解のバランスが求められる
理科は得点差がつきやすく、基礎知識と応用力が試される科目です。暗記と理解のバランスが重要であり、単なる暗記だけでなく、現象や原理の理解が求められます。
社会は暗記中心で対策がしやすく、数学は計算力、英語は読解力や表現力が問われるのに対し、理科は暗記と理解の両方がバランスよく求められるのが特徴です。
知識を覚えるだけでなく、それを使って問題を解く応用力や、実験や観察の結果から考察する力が必要です。
このように多面的な学力が問われるため、対策の仕方で大きな差がつきます。高得点を取ることで、全体の合格ラインに大きく影響します。
裏ワザを使った効率的な勉強の重要性
限られた時間で効率よく得点力を上げるためには、出題傾向を分析し、裏ワザやコツを活用することが重要です。
まとめ
- 理科は得点差がつきやすい重要科目
- 暗記と理解のバランスが得点に直結する
- 裏ワザやコツで効率的に得点力アップ
高校入試理科の出題傾向と重要単元

参考:
進研ゼミ中学講座
– 東京都の高校入試情報
– 千葉県の高校入試情報
– 大阪府の高校入試情報
出題されやすい分野ランキング
- 物理:力、電気回路、運動の法則
- 化学:化学変化、物質の性質、イオン
- 生物:人体の構造と働き、植物の仕組み(光合成)
- 地学:天体、地層と化石、天気
よく出る公式・重要語句まとめ
- 物理:速度=距離÷時間、電力=電圧×電流
- 化学:酸化・還元反応、イオン式
- 生物:光合成・呼吸の仕組み、遺伝の法則
- 地学:月の満ち欠け、地震の仕組み
効率的に点数を伸ばす裏ワザテクニック

参考:塾探しの窓口「【高校受験】入試理科の勉強法と点数が伸びやすい単元を解説」
計算問題が苦手でも解ける!簡単暗記法と公式の覚え方
公式の単位と関係性を理解し、例題で繰り返し練習することで、計算問題に強くなります。
例題:速度を求める問題
- 問題:100mの距離を20秒で走りました。平均の速さは?
- 解答:速度=距離÷時間 → 100m ÷ 20秒 = 5m/s
作図問題・記述問題の攻略法(ポイントを押さえた解き方)
作図は手順を覚え、記述はキーワードを使って簡潔にまとめる練習が効果的です。
例題:光の反射の作図問題
- 問題:鏡に光が当たるときの反射の様子を描きなさい。
- ポイント:入射角=反射角を正確に作図する。
実験問題はココを見る!頻出パターンの押さえ方
実験の目的・結果・考察に注目し、出題パターンに慣れることが重要です。
例題:酸素の発生実験
- 問題:過酸化水素水に二酸化マンガンを加えると何が発生しますか?
- 解答:酸素(O₂)が発生する。
まとめ
- 公式は単位と関係性を理解して暗記
- 作図・記述は手順とキーワードを重視
- 実験問題は目的・結果・考察を確認
理科の分野別勉強法&裏ワザ
模試や入試過去問で出題傾向をつかむ
高校入試理科はまんべんなく出題されますが、都道府県によって多少傾向が異なります。
例えば、東京都立、千葉県立、大阪府立の高校入試を比較してみました。出題頻度の高い分野は以下の表のとおりです。
都道府県 | 物理分野 | 化学分野 | 生物分野 | 地学分野 |
東京都立 | 光と音、電気と回路、物体の運動 | イオン、化学変化 | 消化と吸収 | 地層、天気、天体 |
千葉県 | 電流、力、運動とエネルギー | 化学変化 | 動物、植物 | 地層、天体 |
大阪府 | 物体の運動 | 状態変化、化学変化 | 遺伝 | 天体 |
参考:
進研ゼミ中学講座
– 東京都の高校入試情報
– 千葉県の高校入試情報
– 大阪府の高校入試情報
お住いの都道府県の模試や入試問題(過去5年分)を確認し、出題頻度の高い分野から先に勉強してみましょう。
なお、模試の活用法について、以下の記事でくわしく解説しています。
模試の活用法【中学生向け】:模試の対策法や模試を受けた後の成績を伸ばせる勉強の仕方を徹底解説!
【物理】公式暗記+単位変換のコツ
公式の理解と単位変換の練習を積み重ね、速さ・電力・圧力の計算問題を克服します。
例題:圧力の計算
- 問題:10Nの力で2㎡の面積を押すときの圧力は?
- 解答:圧力=力÷面積 → 10N ÷ 2㎡=5N/㎡
なお、理科の計算問題の解き方を以下の記事でくわしく解説しています。
中学理科の計算問題とおすすめの理科問題集:酸化銅、密度、濃度、地震、質量、圧力、物体の運動、仕事など
【化学】化学反応式の覚え方と出題パターン
反応の仕組みとパターンを理解し、重要な反応式を暗記します。
例題:炭酸水素ナトリウムの分解
- 反応式:2NaHCO₃ → Na₂CO₃ + CO₂ + H₂O
なお、中学生が覚えておくべき化学反応式や元素記号を以下の記事でくわしく解説しています。
中学生・高校生が覚えておくべき化学反応式の一覧(分解、酸化、還元、化合、沈殿、中和)
中学生が覚えておくべき元素記号の一覧と覚え方のコツ(覚えやすい語呂合わせとテストによく出る問題付き)
【生物】重要語句の語呂合わせ暗記法
語呂合わせで人体や生態系の用語を楽しく覚えます。
例:「光合成は光で生きる」→光合成は光エネルギーを使って栄養を作る。
【地学】天体・地層の図解問題対策
図やグラフを使って天体・地層の特徴を理解し、図解問題に対応します。
例題:月の満ち欠け
- 問題:満月から次に満月になるまでの期間は?
- 解答:およそ29.5日
なお、地学分野でよく出る地震の計算問題の解き方を以下の記事でくわしく解説しています。
【中学理科】地震の計算問題:震源距離・初期微動の求め方と解き方をわかりやすく解説
まとめ
- 物理は公式・単位変換を重点的に練習
- 化学は反応パターンの理解と暗記が重要
- 生物は語呂合わせで効率よく暗記
- 地学は図解問題への慣れが必要
試験直前に使えるチェックリスト
前日・当日に確認するべきポイント
覚え直しリスト
- 物理:主要公式(速度・力・電力)と単位確認
- 化学:重要な化学反応式とイオンの性質
- 生物:人体の主要器官と働き、植物の光合成・呼吸
- 地学:天体の動き、地震・火山の基本知識
重点チェック項目
- 公式の暗記・理解:例題を用いて使い方を再確認
- 実験の結果と考察:実験の目的・結果・考察を要点で確認
- 作図問題の手順:基本的な作図手順と注意点を確認
持ち物チェックリスト
- 受験票・筆記用具(予備も含む)
- 時計(スマートウォッチ不可)
- 上着やブランケット(寒さ対策)
- 軽食・飲み物(エネルギー補給用)
まとめ
- 試験直前は頻出分野と公式を集中的に確認
- 実験・作図問題のポイントをおさらい
- 必要な持ち物を前日に準備して安心感を得る
コメント