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語彙力とは?小・中・高校生別にわかる重要性と伸ばし方|親子で学べる語彙力アップ完全ガイド

国語辞典とエンピツ 中学受験の勉強法
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「語彙力が大事」とよく言われるけれど、それって一体どういうこと?

語彙力とは、言葉を知り、使いこなす力のこと。文章を読んだり、話したり、考えたりするすべての場面で、土台となるとても大切な力です。

そこでこの記事では、小学生・中学生・高校生の各年代ごとに語彙力の特徴や伸ばし方を詳しく紹介。音読や辞書の使い方から、入試対策に役立つ語彙教材まで、親子で楽しみながら語彙力を育てる実践法が満載です。

教育現場や文部科学省の資料も参考に、信頼性の高い内容でお届けします。
「語彙力=一生使える武器」を今から一緒に育てていきましょう!

※なお、小学生におすすめの国語辞典を以下の記事で紹介しています。
小学生におすすめの国語辞典

  1. 語彙力とは?意味と重要性をわかりやすく解説
    1. 語彙力の定義|「語彙」と「語彙力」はどう違う?
    2. 語彙力がある人の特徴とは?
    3. なぜ語彙力が大切なのか?【文部科学省の資料から読み解く】
      1. 読解力・表現力・思考力すべてに関わる
      2. 学力・入試・社会生活での影響
    4. 語彙力チェック|家庭でできる簡単な見極め方
      1. 語彙力チェックリスト(親子で確認)
    5. まとめ
  2. 小学生にとっての語彙力の重要性と伸ばし方
    1. 小学生期の語彙の特徴|吸収力が最も高い時期
      1. 特徴的なポイント
    2. 家庭でできる語彙力アップ法
      1. 音読と読み聞かせの効果
      2. 「ことばかけ」や日常会話の工夫
      3. 語彙ノート・ことばカードの活用
    3. おすすめ教材・ドリル・アプリ【漢検・文科省資料から厳選】
      1. 漢検 10級~8級の語彙を活用しよう
      2. 文科省「学習指導要領」に対応した語彙例
    4. まとめ:小学生期にこそ、ことばの力を育てよう
  3. 中学生に必要な語彙力とは?思考力を高める言葉の力
    1. 抽象的な語や多義語への対応が必要な時期
    2. 語彙力と定期テスト・入試の関係
      1. テストでの語彙力の影響
      2. 高校入試でよく出る語彙例(国語)
      3. 国語以外の教科でも必要とされる語彙力
    3. 語彙力を伸ばす習慣と学習法
      1. 新聞コラム・ニュースの活用
      2. 語彙マップ・語の分類で語彙を広げる
      3. 意味調べだけで終わらせない辞書活用法
    4. おすすめ教材・ツール【三省堂・進研ゼミ・スタサプなど】
      1. おすすめ教材・アプリ
    5. まとめ:語彙力が「考える力」を支える
  4. 高校生の語彙力|大学入試・将来のための「武器」になる
    1. 大学入試や小論文で問われる語彙力
      1. 大学入試で問われる語彙の特徴
      2. 「語彙不足」が思考力・表現力に直結する
    2. 日々の読書とアウトプットがカギ
      1. 要約トレーニング・ディベート・エッセイで語彙を定着
    3. 語彙力強化のための教材・参考書
      1. キーワード語彙集(入試頻出語)・語彙問題集
      2. 志望校別に異なる語彙レベルとは?
    4. まとめ:語彙力は大学入試・将来に直結する「知的武器」
  5. 保護者のための語彙力サポート法|年齢別の関わり方
    1. 子どもの語彙力を伸ばす家庭環境の作り方
      1. 読書習慣を自然に根付かせる方法
      2. 言葉のズレに気づき、共に考える対話力
    2. 学年別おすすめ語彙教材の選び方
      1. 家庭学習との相性を見るポイント
    3. 語彙力を伸ばす子育て支援制度・外部リソース
      1. 図書館・教育委員会の取り組み紹介
    4. まとめ:語彙力は家庭での関わりがカギ
  6. 語彙力アップのために今日からできる10のアクション
    1. 「今日はどんな言葉を覚えた?」と毎日聞く
    2. 家族で「言葉しりとり」「意味しりとり」をする
    3. 食卓で「今日の言葉クイズ」を出し合う
    4. テレビやニュースで聞いた言葉をメモする
    5. 短い新聞記事を一緒に音読する
    6. 調べた言葉を「自分の言葉」でノートにまとめる
    7. 語彙マップ(言葉のつながり図)を作る
    8. おすすめ語彙アプリを使って隙間時間に学習
    9. 同じ意味・反対の意味の言葉を考えてみる
    10. 読んだ本や見た映画の感想を言葉で表す
    11. 家庭で始める習慣化ステップ
      1. ステップ1:時間を固定する(例:朝食前・寝る前など)
      2. ステップ2:親子で一緒にやる
      3. ステップ3:小さな変化を記録する
    12. 語彙の「見える化」で成長を実感
      1. おすすめの「見える化」アイデア
    13. 継続のコツとモチベーション維持法
      1. 継続のコツ
      2. モチベーション維持のアイデア
  7. まとめ|語彙力は一生の武器。親子で楽しく育てよう

語彙力とは?意味と重要性をわかりやすく解説

「語彙力(ごいりょく)」という言葉は、子どもの学力や入試、さらには社会人のビジネススキルまで、あらゆる場面で注目されています。
でも、そもそも語彙力とは何を指すのでしょうか?なぜそれほどまでに重要だと言われているのでしょうか?

この章では、語彙力の意味と大切さについて、文部科学省などの資料を参考にしながら、子どもにも保護者にもわかりやすく解説します。

語彙力の定義|「語彙」と「語彙力」はどう違う?

まず「語彙(ごい)」とは、ある言語で使われる言葉の集まりを意味します。たとえば、「小学生が知っている語彙」と言えば、その年代で一般的に理解して使える単語の集合のことです。

一方、「語彙力」とは、この語彙を理解し、使いこなす能力のことを指します。
参考:三省堂「語彙力とは何か」

用語意味
語彙言葉の集まり(知っている単語・表現)
語彙力言葉を理解し、適切に使う力(読み・書き・話す・聞く力)

単に言葉を「知っている」だけでなく、「使いこなせる」ことが語彙力には求められます。

語彙力がある人の特徴とは?

語彙力が高い人には次のような特徴があります:

  • わかりやすく話したり書いたりできる
    → 状況に応じた言葉選びができるため、相手に伝わりやすい。
  • 読解力が高く、文章を深く理解できる
    → 知っている言葉が多いと、長文も読みこなせる。
  • 感情や考えを的確に表現できる
    → 「イライラする」「楽しい」などの漠然とした言葉を、具体的な言葉に置き換えられる。
  • 相手の気持ちや意図をくみ取るのがうまい
    → 多様な語彙を知っていることで、行間を読む力が育つ。

なぜ語彙力が大切なのか?【文部科学省の資料から読み解く】

文部科学省は、語彙力の重要性について、「言語活動の充実」を図る観点から強調しています。2020年度から完全実施された新学習指導要領では、国語を中心にすべての教科で「言葉の力」が基礎になると示されています。

読解力・表現力・思考力すべてに関わる

語彙力は、以下の3つの力と密接に関係しています。

  • 読解力(読む力)
    知っている語彙が多いほど、文章の内容を正確に理解できる。
  • 表現力(話す・書く力)
    自分の考えや気持ちを適切な言葉で伝える力がつく。
  • 思考力(考える力)
    言葉を使って考えるため、語彙力が思考の深さにも直結する。

たとえば、「悲しい」という感情でも、「悔しい」「虚しい」「残念だ」など細かく言い分けられるとより正確に伝えることができます。

文部科学省の方針でも、語彙を正しく身につける重要性が指摘されています。

小学校では,「話す・聞く」に加えて「読む・書く」の「繰り返し練習」により,国語力の基礎となる知識を確実に身に付けさせることが重要である。特に,「読み」の学習を先行させることで,言葉の知識(特に「語彙力」)を増やすことに重点を置くべきである。

文部科学省 – 国語力を身に付けるための国語教育の在り方より

学力・入試・社会生活での影響

文部科学省の「国語に関する世論調査」や「学力調査結果」からもわかるように、語彙力は学力全体に強く影響することが明らかになっています。

  • 学力テストで高得点を取る生徒は語彙量も多い
  • 小論文・面接など「表現する入試」にも語彙力は不可欠
  • 社会に出ても、説明力・提案力・交渉力として問われる

つまり、語彙力が低いと、知識があってもそれを伝えられずに損をすることすらあります。

語彙力チェック|家庭でできる簡単な見極め方

語彙力は学校のテストだけでは見えにくいこともあります。家庭で次のような観点から簡単にチェックしてみましょう。

語彙力チェックリスト(親子で確認)

  • 日常会話に「すごい」「やばい」などあいまいな言葉ばかり使っていないか?
  • 本や教科書を読んでいて「意味がわからない」と言う単語が多いか?
  • 自分の気持ちを言葉で説明するのが苦手ではないか?
  • 学校の作文で語彙の幅が狭く、同じ言葉ばかり使っていないか?

チェックのコツ:
子どもが知らない言葉に出会ったときに、その意味を調べる習慣があるかどうかも大切なポイントです。

まとめ

語彙力は、単なる「言葉の数」ではなく、思考力や表現力の土台になる力です。家庭での声かけや学習習慣の工夫によって、誰でも伸ばすことができます。

小学生にとっての語彙力の重要性と伸ばし方

小学生の時期は、語彙力の土台を築くもっとも重要な時期です。語彙力は、国語だけでなく、算数・理科・社会といったすべての教科の理解にも深く関わっています。

ここでは、小学生期に語彙力がなぜ大切なのか、そして家庭でできる具体的な伸ばし方について、文部科学省の資料や漢検の内容を参考にしながら詳しく解説します。

※なお、小学生の語彙力の伸ばし方については、以下の記事でくわしく解説しています。
親子でできる語彙力アップ!小学生の言葉の力を伸ばす家庭での言葉遊び&練習法7選【国語力アップ】

小学生期の語彙の特徴|吸収力が最も高い時期

小学生は、「言葉の黄金期」とも呼ばれるほど語彙を吸収する力が高い時期です。

特徴的なポイント

  • 日常会話・読書・テレビ・ゲームなど、あらゆる場面で新しい言葉を吸収していく
  • 抽象語や比喩など、難しい言葉の理解が進むタイミング
  • 語彙が思考の深さ・表現の豊かさに直結しやすい

この時期に「どれだけ多くの良質な言葉に触れたか」が、今後の読解力・学力を左右します。

家庭でできる語彙力アップ法

小学生の語彙力は、学校だけでなく家庭での働きかけによって大きく伸ばすことができます。以下では、効果的な家庭学習の方法を具体的に紹介します。

音読と読み聞かせの効果

音読のメリット:

  • 声に出して読むことで、語彙を耳と口から定着させやすくなる
  • 文章のリズムや構造を感覚的に理解できる
  • 国語の教科書だけでなく、物語や説明文、詩などジャンルを広げるとより効果的

読み聞かせのメリット:

  • 難しい語彙でも親が補足することで理解しながら吸収できる
  • 心のつながりが深まり、学習意欲も高まる

おすすめ本:『モモ』『エルマーのぼうけん』『学研まんがでよくわかるシリーズ』など

「ことばかけ」や日常会話の工夫

日常の会話も、語彙力を育てる大切な場面です。

会話例の工夫:

  • 「どうだった?」ではなく「何が一番楽しかった?」「どんな気持ちだった?」と具体的な表現を引き出す質問
  • 「すごい」だけで終わらず、「どんなふうにすごいと思ったの?」と掘り下げる

こうした問いかけを習慣づけることで、語彙の選び方や使い方が自然に身についていきます

語彙ノート・ことばカードの活用

語彙ノートの作り方:

  • 新しく出会った言葉を1ページに1語書く
  • 意味・使い方・例文・イラストなども一緒に記録
  • 「一日1語」などルールを決めて継続的に

ことばカード(自作・市販)の活用:

  • 言葉と意味を両面に書き、クイズ形式で学べる
  • ゲーム感覚で家族一緒に楽しめる

親子で「今日のことば」を共有するのも効果的!

※なお、以下の記事で小学生向けに語彙力を伸ばす方法をくわしく解説しています。
親子でできる語彙力アップ!小学生の言葉の力を伸ばす家庭での言葉遊び&練習法7選【国語力アップ】

おすすめ教材・ドリル・アプリ【漢検・文科省資料から厳選】

語彙力を高めるには、信頼できる教材やアプリを選ぶことも重要です。ここでは、漢検・文部科学省が推奨する教材からおすすめのものを紹介します。

漢検 10級~8級の語彙を活用しよう

漢検(日本漢字能力検定)は、語彙力向上に非常に有効です。特に10級(小1程度)~8級(小3程度)は、日常語彙の基礎を網羅しています。

学年別おすすめ活用法:

  • 小1・小2:漢検10~9級の語彙に親しむ
    • 例:「山」「川」「口」「学校」など、身近な言葉が中心
  • 小3・小4:漢検8級の熟語にチャレンジ
    • 例:「自然」「旅行」「図書館」など、語彙の幅が広がる

※漢検公式ドリルやアプリも活用可能(スマホ・タブレット対応)

文科省「学習指導要領」に対応した語彙例

文部科学省の「小学校学習指導要領」では、学年ごとに求められる言語活動と語彙のレベルが示されています。たとえば:

  • 【小学1・2年】:物語文や詩を通じて、情景描写や感情表現の語彙を学ぶ
  • 【小学3・4年】:説明文や意見文に取り組み、論理的語彙(理由・比較・順序など)を強化
  • 【小学5・6年】:「主張と根拠」「情報の整理」といった、抽象的な語彙力が求められる

授業外でもこうした語彙に触れることで、学習効果がさらに高まります。

まとめ:小学生期にこそ、ことばの力を育てよう

小学生は、語彙力を育てる絶好のチャンスです。毎日の読み聞かせや会話、ドリルやカード学習など、家庭でできる工夫を積み重ねることで、子どもの思考力・表現力・学力のすべてが大きく伸びていきます。

※なお、以下の記事で語彙力向上につながる小学生向けのドリルを紹介しています。
小学生におすすめの語彙力ドリル12選|国語力を伸ばす家庭学習の決定版!

中学生に必要な語彙力とは?思考力を高める言葉の力

中学生になると、語彙力は単なる「知っている言葉の数」ではなく、「思考や論理を支える道具」としての重要性が増してきます。
定期テストや高校入試ではもちろん、社会の出来事を理解したり、自分の考えを伝える力にも直結するのが語彙力です。

この章では、中学生にとって必要な語彙力の特徴と、その効果的な伸ばし方を詳しく解説します。

抽象的な語や多義語への対応が必要な時期

中学生になると、扱う文章やテーマの抽象度や複雑さが一気に増します。

  • 【抽象語】正義・自由・権利・責任・進化・可能性
  • 【多義語】「はかる(測る・計る・図る)」「まわす(手をまわす・人をまわす)」

これらの語彙は、国語の文章読解だけでなく、社会や理科の教科書、さらには英語の訳文理解にも関わってきます。

「なんとなく」ではなく、文脈に応じて意味を捉え、正しく使いこなせる力が必要です。

語彙力と定期テスト・入試の関係

中学生の語彙力は、定期テスト・高校入試の成績に直結しています。

テストでの語彙力の影響

  • 記述問題:「自分の言葉で説明しなさい」→ 語彙力があると表現が的確に
  • 国語長文:語彙がわからないと、文章全体の理解がぼやける
  • 英語長文:日本語の意味や文脈把握に語彙力が必要

高校入試でよく出る語彙例(国語)

  • 傍線部の語句の意味:「比喩」「逆説」「具体例」「要約」
  • 抽象語を言い換え:「責任感が強い→約束を守る」「進歩→技術が発展する」

語彙力がないと、「読めるけれど理解できない」「説明はできない」という状態になりやすいのです。

国語以外の教科でも必要とされる語彙力

語彙力=国語だけの問題と思われがちですが、数学・理科・社会・英語すべてで必要とされます。

教科語彙の例語彙力がないと…
数学仮定・証明・誤差・概数問題文の意図が理解できない
理科光合成・酸性・状態変化用語の違いや説明があいまいに
社会権利・義務・市場・景気歴史や公民の文章の理解に苦労
英語responsibility, evolutionなど和訳や英英辞書の理解に支障

語彙力を伸ばす習慣と学習法

中学生の語彙力は、「毎日のちょっとした習慣」で伸ばすことができます。以下は効果的な方法です。

新聞コラム・ニュースの活用

新聞のコラム(天声人語・社説)やニュースサイトの記事は、豊富な語彙と論理的な文章の宝庫です。

活用のコツ:

  • 気になる言葉にマーカー→意味を辞書で調べる
  • 要約してみる(「何について、何を述べているか」)
  • 家族で「今日のニュース単語」を一つ共有する

おすすめ:

  • 朝日新聞「天声人語」「声」
  • 毎日小学生新聞(やさしい語彙からステップアップ)

語彙マップ・語の分類で語彙を広げる

語彙マップとは、「言葉同士のつながり」を図で表す学習法です。

例:「成長」を中心に

  • 類語:発展・進化・成熟
  • 対義語:衰退・後退
  • 連想語:努力・成功・挑戦

自分で分類したり、ノートにまとめたりすると、意味を深く理解して使える語彙が増えていきます。

意味調べだけで終わらせない辞書活用法

辞書を引いて「意味だけ書く」だけでは、語彙力は伸びません。

辞書学習のポイント:

  • 例文までしっかり読む
  • 自分の言葉で短くまとめる
  • 使ってみる(例:SNS・作文・メモ)

おすすめ辞書:

  • 『三省堂国語辞典』(中学生でも読みやすく、例文が豊富)
  • 『ことばの辞典シリーズ』(感情語・説明語などテーマ別)

おすすめ教材・ツール【三省堂・進研ゼミ・スタサプなど】

中学生にとって使いやすく、効果的な語彙力向上教材を紹介します。

おすすめ教材・アプリ

ツール特徴
三省堂『例解学習国語辞典』小・中学生向け定番。語義と使い方がセットでわかる
進研ゼミ中学講座「読解力ドリル」入試を意識した語彙問題。文脈の中で語彙を理解する形式
スタディサプリ中学講座長文読解講座や語彙対策動画あり。アプリで手軽に反復学習
ベネッセ「語彙力強化ワーク」定期テストや模試で出る語彙を精選。毎日10分で取り組める

例解新国語辞典 第十一版 オンライン辞書付き オールカラー

スタサプ

進研ゼミ 中学講座

中学生のためのZ会

まとめ:語彙力が「考える力」を支える

中学生にとって語彙力は、学力・思考力・表現力の土台です。知っている言葉が増えるだけでなく、それを正確に理解し、文脈の中で使いこなす力が問われます。

毎日のニュース、辞書の使い方、語彙ノートなどを工夫しながら、コツコツ積み重ねていくことが、入試でも社会に出ても活きる「ことばの力」になります。

高校生の語彙力|大学入試・将来のための「武器」になる

高校生にとって、語彙力は「国語の力」にとどまらず、「思考力」「判断力」「表現力」を支える知的武器です。
大学入試(共通テスト・小論文・面接)において、語彙力が合否を分ける場面は少なくありません。

さらに、語彙力は将来の仕事、プレゼン、議論、情報収集・発信など、社会で活躍するための土台ともなります。

大学入試や小論文で問われる語彙力

大学入試で問われる語彙の特徴

  • 抽象語(例:相対性、主観性、合理性、恒常性)
  • 評論文語彙(例:権威、規範、排他的、普遍)
  • 社会・科学語彙(例:進化論、リベラリズム、情報リテラシー)

これらの語彙を知らなければ、文章の理解は表面的になり、設問の意図にも対応できません。

「語彙不足」が思考力・表現力に直結する

語彙が不足すると、考えが浅くなる・曖昧になる・伝えられないという現象が起こります。

例:
「環境問題についてどう思うか」に対して

  • 語彙力が低い人:「大変だと思う。何とかしないといけない」
  • 語彙力が高い人:「持続可能性の観点から、再生可能エネルギーの導入や消費行動の見直しが必要だと考える」

語彙の質が、思考と説得力を左右するのです。

特に小論文・面接では、使う語彙が「思考の深さ・教養レベル」を判断される基準になります。

日々の読書とアウトプットがカギ

語彙力は「読む」だけではなく、「使う」ことで定着します。インプットとアウトプットの両方が必要です。

要約トレーニング・ディベート・エッセイで語彙を定着

語彙力アップに有効な活動:

方法内容効果
要約トレーニング評論文や新聞記事を100字でまとめる語彙を「使って構成する」練習になる
ディベート社会問題や倫理問題について議論抽象語・論理語の運用力が鍛えられる
エッセイ・小論文テーマに沿って自分の意見を文章化語彙の使い分け・多様性が育つ

おすすめ素材:

  • 新書(岩波ジュニア新書、ちくまプリマー新書など)
  • 新聞社説・天声人語の要約
  • 「小論文の完全ネタ本」シリーズ(語彙と事例がセット)

語彙力強化のための教材・参考書

受験や進路に応じて、適切な語彙力教材を使うことで、効率的に語彙力を伸ばすことができます。

キーワード語彙集(入試頻出語)・語彙問題集

高校生に人気の語彙教材:

教材名特徴
『現代文キーワード読解』(Z会)抽象語・評論語の理解が深まる。入試頻出語を厳選
『入試現代文へのアクセス』シリーズ(河合塾)語彙を文脈で理解しながら解ける演習形式
『ことばはちからダ!』(三省堂)思考語彙を育てるための読み物。入試・面接対策にも
『読解を深める現代文単語〈評論・小説〉』(桐原書店)難関大志望者向けの抽象語・専門語対策

Z会 現代文キーワード読解[改訂版]


入試現代文へのアクセス (基本編) (河合塾シリーズ)


ことばはちからダ!現代文キ-ワ-ド: 入試現代文最重要キ-ワ-ド20 (河合塾シリーズ)


読解を深める 現代文単語〈評論・小説〉改訂版

志望校別に異なる語彙レベルとは?

語彙力の「レベル」は志望校によって異なります。

大学の種類語彙の難易度出題例
共通テスト(基礎)中学~高校基礎語彙中心「自由」「文化」「情報」など
中堅私立大(GMARCHなど)社会系語彙が多め「市場」「制度」「権利」など
難関国公立(東大・京大・一橋など)抽象語・哲学語彙多数「相対主義」「構造主義」「主体性」など

志望校の過去問を見て、出題されている語彙に合わせて語彙集や問題集を選ぶことが重要です。

まとめ:語彙力は大学入試・将来に直結する「知的武器」

高校生にとって語彙力は、「文章を読む力」だけでなく、「考える力」「伝える力」を支える最強のツールです。
日々の読書、思考的なアウトプット、目的に合った教材を使い、語彙を知識から「使える力」へと高めていきましょう

※なお、大学入試に向けた語彙力の伸ばし方について、以下の記事でくわしく解説しています。
【保存版】大学入試で差がつく語彙力の鍛え方|現役講師が教えるおすすめ問題集と学習法

保護者のための語彙力サポート法|年齢別の関わり方

語彙力は、読み書きの力だけでなく、思考力・表現力・人間関係力にも深く関わります。
そして子どもの語彙力は、学校だけでなく、家庭での関わり方や環境によって大きく左右されることが分かっています。

年齢や学年に応じた適切なアプローチを知ることが、保護者による語彙力サポートの第一歩です。

子どもの語彙力を伸ばす家庭環境の作り方

日常の中で「言葉に触れる機会」と「言葉を使う機会」を豊かにすることが、語彙力の土台になります。

読書習慣を自然に根付かせる方法

以下のように、「無理なく読書が当たり前になる環境づくり」がポイントです。

  • リビングに本棚を置く(親も読んでいる姿を見せる)
  • 時間を決めて読む(例:就寝前の10分読書)
  • 子どもが選んだ本を否定しない(漫画でもOK。まずは文字に親しむ)
  • 図書館通いを習慣化(「行くこと」が楽しい体験に)

重要なのは、「読ませようとしないこと」。親が楽しんでいれば、自然と興味を持ちます。

言葉のズレに気づき、共に考える対話力

子どもが使う言葉や説明に違和感を感じたとき、それをただ正すのではなく、一緒に考える姿勢が大切です。

例:

  • 子ども:「このケーキ、やばい!」
  • 親:「“やばい”って、どんな感じ? うれしいの? びっくりしたの?」

こうしたやりとりを通じて、語感・文脈・意味の広がりを子ども自身が感じるようになります。
「言葉の使い分け」や「状況に応じた語の選び方」が自然と身につきます。

学年別おすすめ語彙教材の選び方

語彙教材は、年齢や習熟度に合ったものを選ぶことで、学習効果が格段に上がります。

家庭学習との相性を見るポイント

教材選びでチェックすべきポイントは次の通りです。

ポイントチェック例
興味を持てる構成かイラスト・ストーリー仕立て・ゲーム感覚など
レベルは合っているか難しすぎると嫌になる。1~2割わかる語がある程度が◎
繰り返し使える構成か書くだけでなく、クイズ形式、読み上げ練習など
親がサポートしやすいか解説や声かけ例が載っているか

年齢別のおすすめ教材例(目安):

学年教材例特徴
小1~2『ことばパーク』シリーズ(学研)言葉遊びで語彙を楽しく学べる
小3~4『言葉力1100』(旺文社)ドリル形式で使える語彙を段階的に習得
小5~6『語彙力アップトレーニング』(Z会)入試準備にもつながる語彙と文脈理解を育成
中学生『中学国語力を伸ばす語彙1700』(文英堂)思考語彙・抽象語に慣れる練習に
高校生『ことばはちからダ!』(三省堂)小論文・表現力対策に最適

中学国語力を伸ばす語彙1700 (シグマベスト)

語彙力を伸ばす子育て支援制度・外部リソース

公的な教育機関や地域社会にも、語彙力育成を支える取り組みがあります。

図書館・教育委員会の取り組み紹介

公共図書館の活用法

  • おはなし会(幼児~小学生向け)で語彙・想像力アップ
  • 図書館司書による年齢別ブックリスト
  • 読書通帳・スタンプカードなどの読書促進イベント

市区町村の教育委員会による支援例

  • 「家庭学習応援ブック」などの配布(例:横浜市、川崎市など)
  • 地域の読み聞かせボランティア派遣(読み聞かせキャラバンなど)
  • 学校との連携で配布される語彙強化プリントや家庭学習ツール

保育園・幼稚園との連携

  • 絵本貸出制度(園内図書の活用)
  • 語彙育成を意識した「言葉あそびプログラム」の導入

自治体のホームページや、学校・園からの配布物をチェックすると、意外と多くの語彙支援情報が得られます。

まとめ:語彙力は家庭での関わりがカギ

  • 語彙力は「勉強」の一部ではなく、子どもの思考・感情・人間関係すべてに関わる力です。
  • 年齢に合った言葉の刺激や、安心して言葉を使える家庭環境が、何よりの語彙力育成になります。
  • 保護者は「教える」よりも、「気づき・問いかけ・環境づくり」を意識すると効果的です。

語彙力アップのために今日からできる10のアクション

語彙力を育てるのに、特別な教材や多くの時間は必要ありません。日常生活に少し意識を加えるだけで、語彙力は着実に伸びていきます。

ここでは、すぐに取り組める具体的なアクションを10個紹介します。

「今日はどんな言葉を覚えた?」と毎日聞く

一日の終わりに会話を通して、語彙を思い出す=定着につながります。

家族で「言葉しりとり」「意味しりとり」をする

遊び感覚で、語彙と意味の広がりに触れられます。

食卓で「今日の言葉クイズ」を出し合う

例:「“慎重”ってどんな時に使う言葉?」「“挑戦”ってどんな意味?」など。

テレビやニュースで聞いた言葉をメモする

自然な中で出会う語彙の方が、記憶に残りやすくなります。

短い新聞記事を一緒に音読する

リズムに乗せて語彙に慣れ、文章表現にも強くなります。

調べた言葉を「自分の言葉」でノートにまとめる

意味だけでなく、自分なりの説明や例文にすることで、思考力も鍛えられます。

語彙マップ(言葉のつながり図)を作る

例:「感情」→ 喜び/怒り/悔しさ など、テーマ別に広げていく。

おすすめ語彙アプリを使って隙間時間に学習

例:「ことばのパズル」「毎日の言葉ドリル」など、ゲーム感覚のアプリが◎。

同じ意味・反対の意味の言葉を考えてみる

「静か」の反対語は? 類語は?という練習で、語彙の幅が広がります。

読んだ本や見た映画の感想を言葉で表す

感想文やつぶやきでもOK。感じたことを言葉にする力が育ちます。

家庭で始める習慣化ステップ

語彙力は「一夜で伸びる」ものではなく、日々の積み重ねが重要です。以下の3ステップで、無理なく習慣化していきましょう。

ステップ1:時間を固定する(例:朝食前・寝る前など)

  • 決まった時間に語彙に触れると、「やるのが当たり前」な流れが作れます。

ステップ2:親子で一緒にやる

  • 子どもだけに任せず、親も一緒にクイズを出したり、日記を書いたりすることで、自然な学びの時間になります。

ステップ3:小さな変化を記録する

  • 「今日は5語覚えた!」「この言葉、テレビで使われてた!」など、気づきの記録をシール帳やメモで可視化。

語彙の「見える化」で成長を実感

語彙力の変化は目に見えにくいものです。だからこそ「見える化」する工夫が効果的です。

おすすめの「見える化」アイデア

方法内容
語彙ノート覚えた言葉、意味、自分の例文を書く
語彙カード表に言葉、裏に意味と例文を書いて復習
語彙マップカテゴリー別に言葉をつなげて図にする
シール表新しい言葉を覚えたら1枚シールを貼る
ふせんボード新しい語彙をふせんに書いて貼り出す(定期的に張り替える)

成長が「目で見える」状態になると、子ども自身のやる気や達成感がぐっと高まります。

継続のコツとモチベーション維持法

語彙学習は地道ですが、「楽しさ」や「変化」を感じられる仕組みがあれば続けられます。

継続のコツ

  • 完璧を目指さない(1日1語でもOK)
  • 成果より「取り組んだ事実」をほめる
  • 難しい言葉にこだわらず、使える言葉を大事にする
  • 数週間に1回「どれくらい増えたか」ふり返る

モチベーション維持のアイデア

  • 語彙王カードを作成(○語覚えたら進化!)
  • ごほうび読書タイムを設定(10語覚えたら読みたい本が読める)
  • 語彙検定ごっこ(親が先生役になって出題)

重要なのは、「語彙学習=楽しい」「語彙を知る=自信になる」と思える仕掛けを作ることです。

まとめ|語彙力は一生の武器。親子で楽しく育てよう

語彙力は、受験やテストだけでなく、人と関わり、考え、表現するすべての力の土台です。
毎日数分でも言葉に触れる習慣をつくれば、語彙力は必ず伸びていきます。

  • 特別な教材がなくてもOK
  • 家庭での会話や遊びの中に語彙のチャンスはたくさん
  • 成長を「見える化」して、やる気を引き出す工夫を

そして、語彙を育てることは、子どもだけでなく大人にとっても新しい発見や学びにつながります。
親子で一緒に、ことばの世界を楽しみながら育てていきましょう。

プロフィール
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福地 暁です。
20年以上教育に携わり、現在は個別指導の塾を経営しています。

これまで3000組以上のご家庭を担当させていただき、中学受験(灘中・御三家など最難関含む)、高校受験、大学受験(医学部・旧帝大含む)への合格をアシストしてきました。

この記事では中学受験、高校受験、大学受験、英検・TOEIC対策、中学生・高校生の定期テスト対策など、さまざまな学習アドバイスをしています。

みなさまの学びにプラスになる情報をお伝えしていきます!
よろしくお願いします。

1男1女の父。
どうやら娘には「甘いパパ」と思われているようで、
アイスやジュースをねだるときは必ずパパのところにきます。

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