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「数学の文章題が嫌い。特に2ケタの整数の問題は解き方が分からない。」
このような声を中学生からよく聞きます。問題文が抽象的で、何を問われているのかを理解しづらい問題です。
ですが、中学数学は問題のタイプがある程度限定されており、解き方のコツさえつかんでしまえば得点源にしやすいです。
そこで、中学生向けに定期テストや高校入試対策用に「2ケタの整数(2ケタの自然数)」の解き方を解説します。よく出る応用問題を例題にして解説しており、練習問題としてもお使いいただけます。
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【中学生向け】Z会タブレットコースの進め方:成績上位を取って難関校に合格する方法を解説
- 十の位と一の位を入れ替える問題の解き方
- 2ケタの整数(自然数)のよく出る問題の解答・解説
- 2桁の自然数がある。十の位を3倍にした数は一の位の数より9大きく、十の位と一の位を入れかえた数は、もとの数より27大きくなる。もとの数を求めなさい。
- 2桁の整数がある。各位の数の和は7で、十の位の数と一の位の数を入れかえた数は、もとの数より27小さくなる。もとの整数を求めなさい。
- 2桁の整数があり、1の位の数と10の位の数を入れ替えた2桁の数は元の数よりも72大きくなる。元の数はいくつか。
- 百の位の数が一の位の数の 2 倍で、各位の数の和が 16 になる 3 けたの整数がある。この整数から 297 をひくと、各位の数の順序が逆になる。この整数を求めなさい。
- 2桁の整数がある。十の位と一の位を入れかえた数は、もとの整数よりも45大きい。また、もとの整数と入れかえた数との和は121である。もとの整数を求めなさい。
- 2けたの自然数xがある。10の位の数と1の位の数を入れ替えるともとの自然数xより63小さい数になる。もとの自然数xが奇数であるとき、xはいくらになるか求めなさい。
- 2けたの正の整数がある。各位の数の和の4倍より3小さく、また、十の位と一の位の数を入れかえた整数は、もとの整数より36大きい。もとの整数を求めなさい。
- 中学数学のおすすめ問題集
- まとめ
十の位と一の位を入れ替える問題の解き方
中学数学のテスト(定期テスト・高校入試)では「2ケタの整数」の文章問題がよく出てきます。特に、十の位と一の位を入れ替える応用問題が出てくることが多いです。
解き方を確認しましょう。
2ケタの整数とは
2ケタの整数とは「ケタが2つある整数」のことです。30や57などです。
なお、整数と小数は異なっており、例えば15.3のような小数を含む数字にはなりません。
十の位と一の位の表し方
2ケタの整数は「10x+y」という式にしましょう。
「10x」が10の位で、「y」が1の位です。
xやy以外の数字でも可能ですが、教科書でそう書かれていることが多いので、定期テストでもxやyを使って書きましょう。
- 十の位→10x
- 一の位→y
3ケタの整数なら100x+10Y+z
問題によっては「3ケタの整数」が出てくる場合もあります。3ケタの整数は「100x+10y+z」の式で表します。
「100x」が100の位で、「10y」が10の位で、「z」が1の位です。
各位の数はxとy
2ケタの整数を「10x+y」と表す以外に、各位の数をx、yでも表します。
問題の条件に合わせて式をつくる
2ケタの整数を、xとyを使って表せたら、あとは問題で示されている条件に合うように式をつくります。
10の位の数と1の位の数を入れ替えると「10y+x」
このタイプの問題では10の位と1の位を入れ替えるという問題がよく出てきます。
もともとは「10x+y」ですが、入れ替えると、「10y+x」になります。
連立方程式で解く
x、yという2種類の文字が出てくる文章問題です。連立方程式で解きましょう。
2ケタの自然数でも解き方は同じ
なお、「2ケタの整数」ではなく「2ケタの自然数」あるいは「2ケタの正の整数」と問題文に書かれていることもよくあります。
このときも前述の表し方とまったく同じです。
自然数=正の整数です。5や7などの整数のことで、-3のようにマイナスがつく数字や小数は違います。
自然数と正の整数は同じ意味
問題によって、「2ケタの自然数」と書いている場合もあります。「正の整数」と「自然数」はどう違うのか迷うかもしれませんが、「同じ意味」です。
どちらも、3や7のような普通の整数のことです。
※関連記事:ある数xを2倍する問題、ある数xを2乗する問題の解き方と練習問題
※関連記事:3つの連続する整数の問題の解き方と練習問題
2ケタの整数(自然数)のよく出る問題の解答・解説
それでは、「2ケタの整数(自然数)」のよく出る問題を練習してみましょう。
それぞれ解答・解説ものせています。
2桁の自然数がある。十の位を3倍にした数は一の位の数より9大きく、十の位と一の位を入れかえた数は、もとの数より27大きくなる。もとの数を求めなさい。
2桁の自然数がある。十の位を3倍にした数は一の位の数より9大きく、十の位と一の位を入れかえた数は、もとの数より27大きくなる。もとの数を求めなさい。
解答
答え:30
解説
10の位をx、1の位をyとする。
10の位を3倍した数→3x
1の位の数より9大きい→y+9
→ 3x=y+9
→ y=3x-9…①
10の位と1の位を入れかえた数→10y+x
もとの数より27大きい→10x+y+27
→ 10y+x=10x+y+27
→ y=x+3…②
①②の連立方程式を解く。
x=3、y=0
もとの数は10x+yなので、10x+yにx=3、y=0を代入する。
2桁の整数がある。各位の数の和は7で、十の位の数と一の位の数を入れかえた数は、もとの数より27小さくなる。もとの整数を求めなさい。
2桁の整数がある。各位の数の和は7で、十の位の数と一の位の数を入れかえた数は、もとの数より27小さくなる。もとの整数を求めなさい。
解答
答え:52
解説
10の位をx、1の位をyとする。
各位の数の和は7→x+y=7…①
※「和」は「足し算の答え」のこと
10の位の数と1の位の数を入れかえた数→10y+x
もとの数→10x+y
もとの数より27小さい→10y+x=10x+y-27
→ -x+y=-3…②
※もとの数のほうが27大きいので、27小さくしてあげると「入れ替えた数=もとの数」になる
①②の連立方程式を解く。
x=5、y=2
もとの数は10x+yなので、10x+yにx=5、y=2を代入する。
2桁の整数があり、1の位の数と10の位の数を入れ替えた2桁の数は元の数よりも72大きくなる。元の数はいくつか。
2桁の整数があり、1の位の数と10の位の数を入れ替えた2桁の数は元の数よりも72大きくなる。元の数はいくつか。
解答
答え:19
解説
十の位と一の位を入れ替えると72も大きくなる2ケタの整数。方程式ではなく、小学校の算数で考えてみます。
2ケタの整数は11~99までです。十の位と一の位を入れ替えて72も大きくなる数がどのような整数でしょうか。
例えば14を入れ替えると41で、もとの数より27大きくなります。82を入れ替えると28で、もとの数より54小さくなります。
一の位をうんと小さくして十の位をうんと大きくすれば、入れ替えたときにもとの数より大きくなります。そういう数字をいくつか挙げてみましょう。
- 39→93…54大きくなる
- 29→92…63大きくなる
- 19→91…72大きくなる
というわけで、元の数は19だと分かりました。
このように、中学数学を使わない方法で解ける問題も多数あります。
百の位の数が一の位の数の 2 倍で、各位の数の和が 16 になる 3 けたの整数がある。この整数から 297 をひくと、各位の数の順序が逆になる。この整数を求めなさい。
百の位の数が一の位の数の 2 倍で、各位の数の和が 16 になる 3 けたの整数がある。この整数から 297 をひくと、各位の数の順序が逆になる。この整数を求めなさい。
解答
答え:673
解説
10の位の数をx、1の位の数をyとする。
100の位の数は1の位の数の2倍→2y
各位の数の和が 16→2y+x+y=16
→ 3y+x=16…①
「もとの整数から 297 をひく」は以下のように立式
もとの整数→2y×100+10x+y
297をひく→(2y×100+10x+y)-297
各位の数の順序が逆になる→100y+10x+2y
もとの整数から297をひくと各位の数の順序が逆になる
→ (2y×100+10x+y)-297=100y+10x+2y
→ y=3…②
②を①に代入する。
x=7、y=3
もとの数は2y×100+10x+yなので、2y×100+10x+yにx=7、y=3を代入する。
2桁の整数がある。十の位と一の位を入れかえた数は、もとの整数よりも45大きい。また、もとの整数と入れかえた数との和は121である。もとの整数を求めなさい。
2桁の整数がある。十の位と一の位を入れかえた数は、もとの整数よりも45大きい。また、もとの整数と入れかえた数との和は121である。もとの整数を求めなさい。
解答
答え:38
解説
10の位をx、1の位をyとする。
もとの整数→10x+y
10の位と1の位を入れかえた整数→10y+x
入れ替えた整数はもとの整数より45大きい→10y+x=10x+y+45
→ -x+y=5…①
※もとの整数のほうが45小さいので、45足してあげれば「同じ大きさ」になる
もとの整数と入れ替えた整数の和は121→(10x+y)+(10y+x)=121
→ x+y=11…②
※「和」というのは「足し算の答え」のこと
※121は11の2乗。覚えておくと便利です。
①②の連立方程式を解く。
x=3、y=8
もとの数は10x+yなので、10x+yにx=3、y=8を代入する。
2けたの自然数xがある。10の位の数と1の位の数を入れ替えるともとの自然数xより63小さい数になる。もとの自然数xが奇数であるとき、xはいくらになるか求めなさい。
2けたの自然数xがある。10の位の数と1の位の数を入れ替えるともとの自然数xより63小さい数になる。もとの自然数xが奇数であるとき、xはいくらになるか求めなさい。
解答
答え:81
解説
10の位をx、1の位をyとする。
もとの整数→10x+y
10の位と1の位を入れかえた整数→10y+x
入れ替えた数はもとの数より63小さい→10y+x=(10x+y)-63
→ -x+y=-7…①
※もとの数のほうが63小さいので、63足してあげれば「同じ大きさ」になる
もとの数が奇数→yは1、3、5、7、9のいずれか…②
①の式にy=1、3、5、7、9を代入して、もとの数10x+yがいくつになるか計算する。
①にy=1を代入→もとの数は81
①にy=3を代入→もとの数は103
①にy=5を代入→もとの数は125
①にy=7を代入→もとの数は147
①にy=9を代入→もとの数は169
もとの数は「2けたの自然数」なので、もとの数は81だと分かる。
2けたの正の整数がある。各位の数の和の4倍より3小さく、また、十の位と一の位の数を入れかえた整数は、もとの整数より36大きい。もとの整数を求めなさい。
2けたの正の整数がある。各位の数の和の4倍より3小さく、また、十の位と一の位の数を入れかえた整数は、もとの整数より36大きい。もとの整数を求めなさい。
解答
答え:37
解説
10の位をx、1の位をyとする。
各位の数の和→x+y
各位の数の和の4倍より3小さい→4(x+y)-3
2けたの正の整数は各位の数の和の4倍より3小さい
→ 10x+y=4(x+y)-3
→ 2x-y=-1…①
10の位と1の位の数を入れかえた整数→10y+x
もとの整数より36大きい→10y+x=(10x+y)+36
→ -x+y=4…②
①②の連立方程式を解く。
x=3、y=7
もとの数は10x+yなので、10x+yにx=3、y=7を代入する。
なお、「正の整数」は「自然数」と同じ意味。
中学数学のおすすめ問題集
最後に、中学数学の勉強におすすめの問題集を紹介します。
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まとめ
中学生向けに「2ケタの整数(2ケタの自然数)を入れ替える」という数学の文章問題の解き方を解説しました。
2ケタの整数は10x+yとおき、10の位の数と1の位の数を入れ替えると10y+xにします。また、3ケタの整数は100x+10y+zにします。
定期テストや高校入試頻出の応用問題を解答・解説と一緒に載せているので、練習用にお使いください。
数学のテストでよく出るほかのタイプの問題は以下の記事でくわしく解説しています。
高校入試数学のよく出る問題(計算、関数、確率、図形):数学の受験対策やおすすめの数学問題集も紹介
※Z会の中学生コースについて下記記事でくわしく紹介しています。
【中学生向け】Z会タブレットコースの進め方:成績上位を取って難関校に
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