中学受験に向けた勉強を数年つづけ、いよいよこれからという5年生になって受験をやめる決断をする人が多くなります。
その理由と、受験をつづけるための対策を紹介します。
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Z会の通信教育 小学生コース※Z会の中学受験コースのメリットや活用法を下記の記事で紹介しています。
Z会中学受験コースだけで難関中学に合格する方法
中学受験を5年生でやめる人が多い理由
中学受験を5年生の途中でやめる人は多いです。その理由を4つにまとめました。
塾の勉強についていけなくなる
まず、塾の勉強についていくのが大変で受験をやめる人が多いです。
大手中学受験塾では4年生までと5年生からでカリキュラムが大きく変わります。5年生では算数、国語、理科で本格的な内容になります。
勉強がむずかしくなって授業日数が増え、5年生では4人に3人が週3日通塾し、6年生では6割が週4日以上通塾しています(インターエデュより)。
通塾日数が増えると宿題も多くなり、勉強の負担が大きくなります。
勉強のモチベーションが下がる
勉強が大変になると、4年生まではこらえていた子も5年生で一気に勉強のモチベーションが下がります。
毎日2時間も3時間も勉強するのがイヤになり、受験勉強をつづけることがむずかしくなります。
習いごとをつづけたい
5年生になって勉強量が多くなると、、それまでつづけていた習いごとをつづけるかどうかの選択をせざるを得なくなります。野球やダンスなどの習いごとはもちろん、絵画や音楽のように普段は週1回程度で済むものでもつづけられなくなります。
塾によっては「中学受験をするなら習いごとはすべてやめてください」とはっきり言ってくるところもあります。
そうでなくても、周囲の受験仲間は習いごとをやめていくため、「うちも習いごとやめるほうが良いのかも」と悩む時期です。
友だちと遊ぶ時間をけずりたくない
塾の授業回数が増えると、友だちと遊ぶ時間もそれまでより少なくなってしまいます。週2-3回は遊べたのが週1回がやっとになります。
こうした変化で勉強が嫌になる子も多いです。
親の経済的・時間的負担が大きい
5年生で塾の授業日数が増えると、塾代も大きくなってきます。4年生までは年間50万円ほどだったのが5年生では80万円ほどになり、6年生では100万円を超えてきます。かなりの経済的負担になります。
※関連記事:中学受験の塾費用はいくらかかる?:家庭教師・通信教育との費用比較と塾代を抑える方法を紹介
車で塾の送迎をしないといけない場合には、毎週3-4日予定を空けておかないといけなくなります。仕事や介護の都合もあり、親の時間的負担は相当なものになります。
塾が子どもに合わない
勉強の負担増とも関係しますが、塾の先生やカリキュラムが子どもに合わなくなってくるのも5年生が多いです。
4年生までは塾も勉強のプレッシャーを強くかけてきません。ですが、5年生以降は勉強量とともにプレッシャーも強くなります。教科担当の先生もきびしい先生が多くなります。
こうした変化が大きなストレスになり、子どもが勉強をつづけるのがむずかしくなりがちです。
中学受験をやめるかどうかの判断基準
せっかくつづけてきた中学受験の勉強をここでやめてしまっても良いのか、悩みどころです。
そんなときの判断基準を2つ紹介します。
【中学受験のやめどきややめた後にすべきことを以下の記事で紹介しています。
中学受験をやめたいと思ったときのやめどきや見極める基準:受験撤退のときに注意すべきこととは?
偏差値が40以下
まず、塾の模試で偏差値がずっと40以下だと受験をやめるほうが良いかもしれません。
もし受験の目的が「大学進学」「進学校の学習環境」であれば、偏差値40以下の中学校ではあまり良い成果を得られない可能性が高いです。
それなら地元の公立中学に進学し、高校受験でさらなる進学校を目指すほうが可能性が高くなります。
子どもが勉強をまったくしない
子どもに勉強のやる気がみられず、塾の宿題もやいやい言ってようやく少しするだけ。
こんな状態が半年以上続いていたら、さすがにこれ以上受験を継続するのはむずかしいでしょう。
ただし、このときには「どうして勉強をしたくないか」を子どもにじっくり聞いてみましょう。子どもが何を言ってきても反論したり諭したりせず、じっくり話に耳を傾けます。
この過程で子どもが自分で勉強する目的を見出すケースもあります。そうならなくても、親側も「どうして勉強したがらないのか」が分かります。
小学校低学年までとは違い、子どもにも自我が芽生えてきて、親には言わなくてもその子なりの考え方を持つようになっています。子どもの考え方や好みに向き合える大切な時間になります。
子どもに合う方法で中学受験をつづけるにはどうすればいいか
中学受験をつづけるのがむずかしくなってきても、子どもに合う方法に変えれば受験から撤退しなくて済む場合もあります。
その方法を4つお伝えします。
家庭学習中心に切り替える
塾に通っている人は、家庭学習中心の勉強スタイルに切り替えてみましょう。
家庭学習には大きく分けて3つの方法があります。
通信教育を使う
まず、通信教育を使う方法です。
大手の通信教育には「集団塾同様のカリキュラム」があります。受験でよく出る問題への対策や模試はもちろん、難関中学の実績が多いZ会には「特訓系の講座」もあります。
子どもの主体性がある程度備わっている必要はありますが、時間効率もよく、何より「自分のペースで勉強できる」という大きなメリットがあります。
※関連記事:Z会中学受験コースだけで難関中学に合格する方法
市販の問題集を使う
つづいては、市販の問題集で勉強するスタイルです。
中学受験対策ができる問題集や参考書は世の中にたくさんあります。定番の『自由自在』はもちろん、塾で教えている受験テクニックや差がつく問題を多く載せている『塾技』も便利です。
小学高学年 自由自在 算数:小学生向け参考書/基礎から難関中学受験(入試)まで (受験研究社)
中学入試 算数 塾技100 新装版 (中学入試 塾技)
1教科だけ家庭教師を使う
通信教育や問題集をメインにした受験スタイルの場合でも、1教科だけ家庭教師を使う人も多いです。
算数や国語、理科など、苦手教科をマンツーマン授業で克服するスタイルです。
※関連記事:中学受験で家庭教師を利用して志望校合格する方法:メリット・活用法・選び方の完全ガイド!
転塾する
塾が合わない、塾の勉強がむずかしいと感じる人は、転塾を検討してみましょう。
「塾を変えても受験勉強は同じ」と思うかもしれませんが、環境が変わると「同じ勉強内容」でも子どもの感じ方は変わります。心機一転して勉強に対して前向きになれる子も多いです。
また、実は塾によってカリキュラムが異なります。元の塾で習った単元を転塾先でもう一度教わるケースも5年生だとよくあります。同じ単元を異なる視点から2回教わるので、苦手単元を理解しなおす良いきっかけになります。
※関連記事:中学受験生が6年生で転塾するのは大丈夫か:いつまでならいい?6年の夏、秋はどう過ごせばいい?
志望校をみなおす
受験勉強を大変に感じる場合、志望校を見直すのをひとつの有効手段です。
「どうしても行きたい」と感じる学校にこだわるのも大切ですが、「いくつもの候補を持っておく」のも大切です。正解は1つではありません。目標に幅を持たせると視野が広がって勉強おモチベーションが復活することもよくあります。
※関連記事:6年生で中学受験の志望校を変更して大丈夫?
公立中高一貫校の受検に切り替える
志望校を見直す場合、公立中高一貫も候補に入れてみましょう。
私立中学受験に向けた勉強をしてきた子なら、「勉強する姿勢」や「考えて解く習慣」がある程度ついています。こうした姿勢や習慣はそのまま公立中高一貫の適性検査対策に役立ちます。
ただし、公立中高一貫の適性検査は私立中学の入試問題とかなり傾向が異なります。公立中高一貫受検に切り替えるなら、専用の対策問題集を使って勉強しましょう。
※関連記事:公立中高一貫校の適性検査対策におすすめの問題集
また、東京・神奈川・大阪の公立中高一貫の対策方法を学校別に紹介しています。
【東京】
都立小石川・都立三鷹・都立桜修館・都立南多摩・都立立川国際・都立白鴎・都立大泉・都立武蔵・都立両国・都立富士
【神奈川】
サイエンスフロンティア・平塚中・相模原中・横浜市立南中・川崎中
まとめ
いかがでしょうか。
5年生で中学受験をやめる人が多くなります。その理由は成績不振や勉強のモチベーション低下、親の負担増などです。
中学受験勉強をつづける方法を模索するなら、転塾や通信教育への切り替え、志望校変更が有効な手段です。子どもと一緒に考え、子どもに合う方法を一緒に見つけましょう!
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