英語のtoには前置詞と不定詞の2つの単語があります。形が同じなので、区別の仕方で悩む人は多いのではないでしょうか。
そこで、前置詞toとto不定詞の見分け方を意味や用法から説明します。
なお、前置詞のin、on、atの使い分けやfromとofの使い分けについては、以下の記事でくわしく解説しています。※関連記事:前置詞の使い分け:時間・場所・乗り物でのin・on・atの使い分け、fromとofの違いや使い分け
前置詞toの基本的な使い方
前置詞「to」は方向や到達点を示すなど、具体的な場所や範囲を表す際に使われます。
この章では、前置詞toの基本的な使い方を例文とともに解説します。
なお、前置詞toについては以下の記事でくわしく解説しています。
前置詞toの意味と使い方:toのイメージと6つの意味、forとの違いなどを例文を使って解説
動作の方向を示すto
「to」は動作や物事がどこに向かうかを表すときに使います。
例文:
- She went to the park.(彼女は公園に行った。)
- Please send this letter to John.(この手紙をジョンに送ってください。)
この場合、「to」は「~に向かって」や「~へ」という意味を持ち、動作の行き先を明示します。
到達点を表すtoの使い方
「to」は目標地点や終着点を指し示します。
例文:
- The train goes to Osaka.(その列車は大阪に行きます。)
- He climbed to the top of the mountain.(彼は山頂まで登りました。)
この用法では、到達する「地点」や「目標」が明確であり、動作がどこで終わるかを示します。
範囲や時間で使われるto
「to」は時間や範囲の区切りを示します。
例文:
- The shop is open from 9 a.m. to 5 p.m.(その店は朝9時から午後5時まで開いています。)
- The temperature dropped to zero.(気温がゼロまで下がりました。)
この場合、「to」は「~まで」という意味で、時間や量、範囲の終わりを示します。
まとめ
- 動作の方向を示すto: 動作や物事の行き先を表す。
- 到達点を表すto: 動作の終点や目標を示す。
- 範囲や時間で使われるto: 時間や範囲の終わりを表す。
不定詞toの基本的な使い方
不定詞の「to」は、動詞とセットで「~するために」という目的や意図を示します。
この章では、不定詞のtoの基本的な用法について解説します。
なお、以下の記事で不定詞toの3つの用法についてくわしく解説しています。
不定詞の形容詞的用法
不定詞の名詞的用法
不定詞の副詞的用法
不定詞toの役割と特徴
不定詞「to」は、動詞の目的や意図を示すために使われます。
例文:
- She wants to study abroad.(彼女は留学したいと思っています。)
- I decided to join the team.(私はそのチームに参加することに決めました。)
この用法では、「to + 動詞の原形」が基本形となり、名詞的、形容詞的、副詞的な働きをします。
名詞的用法・形容詞的用法・副詞的用法のto不定詞
不定詞には3つの主要な用法があります。
- 名詞的用法: 動詞の目的語などとして使われる。
例: I like to swim.(私は泳ぐのが好きです。) - 形容詞的用法: 名詞を修飾する。
例: I have a report to write.(私は書くべきレポートがあります。) - 副詞的用法: 動詞や形容詞を修飾する。
例: He works hard to succeed.(彼は成功するために一生懸命働いています。)
動詞によって変わるto不定詞の使い方
動詞によって不定詞の「to」を使うかどうかが異なります。
例文:
- toを使う動詞: She hopes to win the prize.(彼女はその賞を取ることを望んでいます。)
- toを使わない動詞: He made me clean my room.(彼は私に部屋を掃除させました。)
特に「make」「let」などは不定詞のtoを省略するため注意が必要です。
まとめ
- 不定詞toの役割と特徴: 動詞と組み合わせて目的や意図を表す。
- 名詞的・形容詞的・副詞的用法: 不定詞は文中で様々な役割を担う。
- 動詞による違い: 動詞の種類によってtoの使用が変わる。
前置詞toとto不定詞の見分け方
前置詞のtoと不定詞のtoを見分けるには2通りの方法があります。それぞれ説明します。
意味で見分ける
1つ目の見分け方は「意味」です。
前置詞のtoは「~に、~へ、~まで」という意味があります。
それに対して不定詞のtoは「~すること、~するために、~するための」といった意味があります。
なお、不定詞の3つの用法の見分け方については以下の記事でくわしく解説しています。
不定詞の用法の簡単な見分け方:和訳や文の要素で見分けるコツを紹介
【前置詞の例文】
I went to school.
(私は学校に行きました。)
この例文では「学校に」と訳しているので、toは前置詞です。
【不定詞の例文】
I went to the park to play tennis.
(私はテニスをするために公園に行きました。)
この例文にはtoが2つあります。1つ目のtoは「公園に(to the park)」の訳なので前置詞のtoです。
2つ目のtoは「テニスをするために(to play tennis)」の訳です。「~するために」と訳しているので、不定詞のtoだと分かります。
このように、和訳からtoが前置詞なのか不定詞なのかを見分けられます。
toの後ろにくる単語の品詞で見分ける
2つ目の見分け方は「用法」です。
前置詞のtoは後ろに名詞・代名詞・動名詞などが来ます。
※関連記事:前置詞の後ろにくる単語は名詞・代名詞・動名詞
それに対して、不定詞のtoの後ろは動詞です。
【例文】
前置詞:I went to the park.(私は公園に行きました。)
不定詞:I studied English hard to become an English teacher.(私は英語の先生になるために英語を一生懸命勉強しました。)
1つ目の例文ではtoの後ろは「the park」という名詞です。ですから、このtoは前置詞だと分かります。
それに対して2つ目の例文のtoは「become(なる)」という動詞です。この点から、to不定詞だと分かります。
このように、「toの後ろにくる単語の品詞」で前置詞か不定詞かを見分けられます。
前置詞toとto不定詞を使い分ける練習問題
前置詞のtoと不定詞のtoは意味と用法で見分けがつきます。
【意味の違い】
前置詞to:~に、~へ、~まで
to不定詞:~すること、~するために、~するための
【用法の違い】
前置詞to:後ろの単語が名詞・代名詞・動名詞
to不定詞:後ろの単語が動詞
これらのポイントを踏まえて、以下の練習問題を解いてみましょう。
並び替え問題
以下の和訳になるように、【 】の単語を並び替えてください。また、文中のtoが前置詞と不定詞のどちらかを答えてください。
(1)彼女は本を読みたがっています。
【wants/ to/ a / read/ she/ book】.
(2)彼は新しい家に引っ越しました。
【moved/ to/ a / he/ new house】.
(3)私の兄はサッカーをすることが好きです。
【likes/ to/ brother/ soccer/ my/ play】.
(4)彼女らは宿題を終える必要があります。
【finish/ to/ homework/ they/ their/ need】.
(5)彼らは先生に話しかけました。
【spoke/ they/ to / teacher/ the】.
解答
(1) She wants to read a book.:不定詞
意味:本を読むこと→~すること
toの後ろ:readという動詞
(2) He moved to a new house.:前置詞
意味:新しい家に→~に
toの後ろ:a new houseという名詞
(3) My brother likes to play soccer.:不定詞
意味:サッカーをすること→~すること
toの後ろ:playという動詞
(4) They need to finish their homework.:不定詞
意味:宿題を終えること→~すること
toの後ろ:finishという動詞
(5) They spoke to the teacher.:前置詞
意味:先生に→~に
toの後ろ:the teacherという名詞
和訳問題
以下の英文を和訳してください。また、英文中のtoが前置詞と不定詞のどちらなのか答えてください。
(1) She went to the store.
(2) She gave a book to her friend.
(3) We plan to visit the zoo.
(4) He wants to be a doctor.
(5) They listened to music.
解答
(1)彼女はそのお店に行きました。:前置詞
意味:そのお店に→~に
toの後ろ:the storeという名詞
このtoはです。
(2)彼女は友だちに本をあげました。:前置詞
意味:友だちに→~に
toの後ろ:her friendという名詞
このtoはです。
(3)私たちは動物園に行くことを計画しています。:不定詞
意味:動物園に行くこと→~すること
toの後ろ:visitという動詞
(4)彼は医者になることを望んでいます。:不定詞
意味:医者になること→~すること
toの後ろ:beという動詞
(5)彼らは音楽を聞きました。:前置詞
意味:~を
toの後ろ:musicという名詞
中学英語の問題集
最後に、中学英文法を練習するのにおすすめの問題集を紹介します。
『英文法パターンドリル』
こちらの問題集は文法の形や使い方をパターン演習で身に付けるものです。
「選択問題→並び替え問題→英作問題」と段階的にレベルアップできるような問題構成です。問題の難易度は基本から標準(公立中学校の定期テストレベル)までです。
中1用~中3用まで学年別に分かれており、定期テストの勉強と並行して進めると使いやすいです。
定期テスト70点くらいまでが目標の人におすすめです。
英文法パターンドリル 中学1年 (中学英文法パターンドリル)
英文法パターンドリル 中学2年 (中学英文法パターンドリル)
英文法パターンドリル 中学3年 (中学英文法パターンドリル)
出版社:文英堂
『ニューコース参考書/問題集』
こちらも中学英文法を学年別にまとめているシリーズです。
参考書と問題集に分かれており、セットで使うと使いやすいです。あるいは学校のワークで分からないところを「参考書」で確認するという使い方も便利です。
基本レベルからやや難しいレベルまで網羅されており、定期テストで60-80点くらいを目指す人におすすめです。
ニューコース参考書 中1英語 (学研ニューコース参考書)
ニューコース参考書 中2英語 (学研ニューコース参考書)
ニューコース参考書 中3英語 (学研ニューコース参考書)
ニューコース問題集 中1英語 (学研ニューコース問題集)
ニューコース問題集 中2英語 (学研ニューコース問題集)
ニューコース問題集 中3英語 (学研ニューコース問題集)
出版社:学研
『最高水準問題集 特進』
最後に紹介するのは最高水準問題集です。難関私立・国立高校志望者向けの問題集で、学校の定期テストよりハイレベルな問題が掲載されています。
基本は分かっている中学生が間違いやすい問題が多数載っているので、定期テストで安定して90点台を取りたい人におすすめです。
最高水準問題集 特進 中1英語
最高水準問題集 特進 中2英語
最高水準問題集 特進 中3英語
出版社:文英堂
まとめ
いかがでしょうか。
中学生向けに、前置詞toと不定詞toの見分け方を説明しました。
意味の違いや用法の違いで前置詞と不定詞のtoを見分けます。
前置詞toとto不定詞を使い分けられるように練習問題も用意しています。並び替え問題と和訳問題です。
記事内で紹介している問題集も使って、前置詞や不定詞の使い分けを得意にしましょう!
コメント