「asの意味がたくさんあって、どう使い分ければ良いか分からない」
「asの品詞はどう見分ければいいの?」
このような疑問を感じている高校生は多いのではないでしょうか。
asは中学から高校まで頻繁に出てくる単語で、出てくるたびに意味が増えていきます。
ですが、ややこしい分、定期テストや大学入試でもよく出てきます。
そこで、asの品詞や意味の見分け方を説明し、asの意味・用法を例文を使って解説します。
asの英文和訳の問題も用意しているので、練習用にお使いください。
※関連記事:前置詞toの意味と使い方
スタディサプリENGLISH(新日常英会話コース)英単語のasとは
英単語のasにはいろいろな意味・用法があります。基本的な内容からおさらいします。
asのコアイメージ
まず、asは「AイコールB」の基本イメージがあります。
(例文)
She works at the school as an English teacher.
(彼女は英語教師としてその学校で働いている。)
上記の例文では「彼女」と「英語教師」をasで結んで、「彼女=英語教師」という組み合わせにしています。
このように、asの基本のイメージ・意味は「イコール」です。
asには接続詞、前置詞、副詞、関係代名詞の4種類ある
asには前置詞、接続詞、副詞、関係代名詞の4種類あります。それぞれさらに意味が複数に分岐していますが、基本の意味は前述のとおり「イコール」です。
接続詞asの意味と使い方
まず、asは接続詞として使われるケースが多いです。接続詞のasの意味・使い方を説明します。
時:~するとき
時を表す「~するとき」という意味でasは使われます。似た意味でwhenもありますが、whenがある程度時間の幅あるのに対して、asは「~してすぐ」というニュアンスになります。
「イコール」という基本の意味があるので、「時間的にイコール」というニュアンスになります。
(例文)
She always listens to music as she studies.(彼女は勉強するときいつも音楽を聞く。)
As he was leaving the house, he remembered he forgot his keys.(彼は家を出るとき、カギを忘れたことを思い出した。)
これらの例文では、何かをしているときに別のことが起こる状況が示されています。「as」を使うと、2つの動作が同時に起こることを表現できます。
変化:~するにつれて
変化を表す「~するにつれて」という意味でasは使われます。時の変化とイコールで別のことが発生しているというニュアンスになります。
(例文)
As the days got longer, the weather became warmer.
(日が長くなるにつれて、天気が暖かくなった。)
As technology advances, our lives become more convenient.
(技術が進歩するにつれて、私たちの生活はより便利になる。)
上記の例文は、何かが進行するにつれて別のことが変化する状況を示しています。「as」を使うことで、一つの変化に伴って別の変化が起こることを表現できます。
原因:~なので
原因を表す「~なので」という意味でasは使われます。
(例文)
As she was feeling tired, she went to bed early.
(彼女は疲れていたので、早く寝た。)
As he had already seen the movie, he didn’t want to watch it again.
(彼はその映画をすでに見たことがあったので、もう一度見たいとは思わなかった。)
上記の例文では、「疲れていた」→「寝た」、「見たことがある」→「もう一度見たいとは思わなかった」のように、理由や原因を示すために「as」を使えます。
「as」を使うことで、前後の文が因果関係にあることを表現できます。
様態:~のように
様態を表す「~のように」という意味でもasは使われます。
(例文)
As you can see, the results are quite impressive.
(ご覧の通り、結果は非常に印象的だ。)
He plays the guitar as a professional would.
(彼はプロのようにギターを弾く。)
これらの文では、ある行動や状況が他のものに似ていることを示すのに「as」を使っています。「as」を使うことで、「~のように」という様態を表現しています。
「like~のように」との違い
「~のように」という意味でlikeもあります。~のようにの意味のasは接続詞で、likeは前置詞です。使い方が異なるので、注意しましょう。
(例文)
He plays the guitar like a professional.
(彼はプロのようにギターを弾く。)
先ほどの例文を、likeを使うと上記のようになります。違いは、asの後は「S + V」ですが、前置詞likeの後は名詞になるという点です。
譲歩:~だが
譲歩を表す「~だが」という意味でもasは使われます。
(例文)
Brave as he was, he couldn’t face the challenge alone.
(彼は勇敢だったが、一人でその挑戦に立ち向かうことはできなかった)
これらの文は、「as」を使って二つの対照的な事実を表わしています。「as A, B」の構造で、「Aという肯定的な事実があるが、それに続く制限や対立であるB」の意味を強調しています。
前置詞asの意味と使い方
「as」には前置詞もあります。前置詞には「後ろの単語が名詞か動名詞」というルールがあるので、前置詞asの後ろも名詞か動名詞になります。
~として
前置詞asには「~として」という意味があります。
(例文)
She works as a teacher in a local school.
(彼女は地元の学校で教師として働いている。)
As a friend, I advise you to take a break.
(友人として、君に休憩を取ることを勧めるよ。)
これらの文は、「as」を使って人や役割を特定の立場や役割と「イコール」であると説明しています。
1つ目の例文なら「彼女=教師」で、2つ目の例文なら「私=友人」という構造になっています。
~のように
前置詞asには「~のように」という意味もあります。
(例文)
He spoke as though he were an expert on the subject.
(彼はそのテーマについて専門家であるかのように話した。)
これらの文は、「as」を使って何かが他のものに似ていることや同じ方法であることを示しています。
例文では「彼」と「専門家」をasでつないで「彼が専門家であるかのように」と表現しています。
副詞asの意味と使い方
「as」には副詞のとしての働きもあります。「~と同じくらい」という意味です。よく出てくるのは「as~as…」で「…と同じくらい~」という文です。
(例文)
This book is as interesting as the one I read last week.
(この本は先週読んだ本と同じくらい面白い。)
上記の例文では「この本」と「先週読んだ本」を、「as~as」を使って同じくらい面白いと表しています。このasも「イコール」という基本の意味から来ています。
関係代名詞asの意味と使い方
「as」を関係代名詞のようにする使い方もあります。
ちなみに、関係代名詞とは2つの文をつなげて1つの文にする単語で、普通はwhich、who、thatが使われます。
(例文)
This is the same book as I read last week.
(これは先週私が読んだのと同じ本だ。)
上記の例文では、asを関係代名詞whichと同じように使っています。これを疑似関係代名詞といいます。
もとは以下のような2つの文です。
これら2つの文を、「the same 名詞 as~:~と同じ名詞」の表現を使って1つにまとめています。
ほかにも「such(名詞) as~」で「~するような(名詞)」の表現もあります。
(例文)
She enjoys reading such books as inspire her imagination.
(彼女は彼女の想像力を刺激するような本を読むのが好きだ。)
「books」が先行詞になり、「as」が主格の関係代名詞として「想像力を刺激する」という文につながっています。
なお、疑似関係代名詞はほかにbutやthanもあります。
入試によく出るasを使うイディオム
ここまで、「as」の意味や使い方を説明してきました。意味が幅広いため、大学入試でもよく出題されます。
特によく出るasのイディオムを紹介します。
as to:~について
「as to」で「~について/~に関して」という意味があります。
(例文)
As to your question, I will need some time to find the answer.
(あなたの質問に関しては、答えを見つけるのに少し時間が必要だ。)
上記のように「as to」の後ろに名詞がきて、「(名詞)について、…だ」という構文になります。
「about」も「~について」という意味があり、ほぼ代用可能です。ただし、「as to~」のほうが「~」の内容を強調しているニュアンスを持ちます。
as for:~について
「as to」とよく似た意味で、「as for」もあります。「as for」も「~について」という意味です。
(例文)
As for your suggestion, I think it’s a great idea.
(あなたの提案に関しては、素晴らしいアイデアだと思う。)
この文のように、「as for」を使って「~に関して言うと」や「~については」という意味を表すことができます。
as to、as forの違い
「as to」「as for」にはどちらも「~について」という意味があります。違いが分かりにくいですが、「~について」の「~」の内容に違いがあります。
as well:~もまた
「~もまた」や「同様に」という意味で「as well」というイディオムも入試によく出てきます。
(例文)
She speaks French fluently and can understand Spanish as well.
(彼女はフランス語を流ちょうに話し、スペイン語も理解できる。)
We should consider the environmental impact as well.
(環境への影響も考慮するべきだ。)
1つ目の例文のように、andを使って「~と、さらに…も」と言い表せますし、2つ目の例文のようにandを使わずに「~も」と表すことができます。
どちらの場合も、「~も同様に」という意味になります。肯定文で使われることが多く、何かを「追加」で「できる」「好きだ」「すべきだ」という使われ方をします。
as well as:~と同様に
「as well」によく似た表現で「as well as」という表現もあります。「~と同様に」や「~も」という意味になります。「A as well as B」で「AだけでなくBも」という構文になります。
(例文)
She speaks English as well as Spanish.
(彼女は英語と同様にスペイン語も話します。)
例文のように、文の途中で「~だけでなく…」と2つをつなげます。肯定文で使われることがほとんどで、「追加」で「好き」「できる」の意味になります。
andとas well asの違い
「as well as」は「~だけでなく…」と2つの名詞をつなげる働きをするので、「and」とよく似ています。違いは「and」が単に「~と…」と並列しているだけなのに対して、「as well as」は「~だけでなく、さらに…」と「追加」のニュアンスが強いです。
(例文)
She speaks English and Spanish.
She speaks English as well as Spanish.
上記の例文では、どちらも「彼女は英語のスペイン語の両方を話す」という事実は同じです。ですが、「and」で」つなぐと「事実を淡々と伝えているだけ」になりますが「as well as」にすると「なんと、両方話せるんだよ!すごいね!」というニュアンスが加わります。
用法は全く変わらないので、長文に出てきたらニュアンスに気を付けましょう。
as long as:~する限り
「as long as」で「~する限り」という意味になります。
(例文)
You can stay here as long as you need.
(必要な限り、あなたはここにいてもいいですよ。)
例文のように、「主語+動詞」の前に置いて「~する限り、…だ」の構文になります。
as if:まるで~かのように
「as if~」で「まるで~かのように」という意味になります。「if」があるので、事実とは異なる様子を表します。
(例文)
He talks to me as if he knows everything.
(彼はなんでも知っているかのように私に話してくる。)
上記の例文では「なんでも知っているかのように」とあるので、彼は実際にはなんでも知っているわけではないという意味も含んでいます。
asを使う英文和訳の問題
「as」にはたくさんの意味があります。英文和訳の問題と解いて、asの意味の選び方に慣れましょう。
(1) He is such a good teacher as everyone respects.
(2) As time went by, they became good friends.
(3) As she was feeling tired, she went to bed early.
(4) Difficult as the task may be, we must complete it on time.
(5) He spends money as if he were a millionaire.
(6) As the days got longer, the weather became warmer.
(7) He was hired as a consultant for the project.
(8) The cake is as delicious as the one you made last time.
(9) As you requested, I have prepared the report.
(10) They are looking for such candidates as have strong leadership skills.
(11) There were differing opinions as to how the project should be managed.
(12) As for John, he will be arriving later this evening.
解答
(1) 彼はみんなが尊敬するような良い先生です。
(2) 時間が経つにつれて、彼らは良い友達になった。
(3) 彼女は疲れていたので、早く寝ました。
(4) その仕事は難しいが、期限内に完了しなければなりません。
(5) 彼はまるで大金持ちであるかのようにお金を使います。
(6) 日が長くなるにつれて、天気が暖かくなりました。
(7) 彼はそのプロジェクトのコンサルタントとして雇われました。
(8) このケーキは前回あなたが作ったものと同じくらいおいしい。
(9) あなたが頼んだように、レポートを準備しました。
(10) 彼らは強いリーダーシップスキルを持つような候補者を探しています。
(11) プロジェクトをどのように管理すべきかについては異なる意見があった。
(12) ジョンに関しては、彼は今晩遅くに到着する予定です。
英語の文法参考書
もっと英文法の練習をしたい人に向けて、英語の文法参考書・問題集を紹介します。
※関連記事:大学受験英語の参考書
『Next Stage 英文法・語法問題』
1冊目は『Next Stage』です。一般的にネクステと呼ばれています。ひととおり文法の知識をインプットした向けにアウトプット用の問題集です。
問題数が多く、共通テスト8割、GMARCH・関関同立レベルまでこれ1冊で大丈夫です。
解説がややあっさりしていますから、解説を読んでわかりづらい場合は解説のくわしい参考書を併用すると良いでしょう。
Next Stage 英文法・語法問題[4th EDITION]: 入試英語頻出ポイント218の征服
基本編はコチラ↓
Bright Stage[ブライトステージ] 英文法・語法問題
応用編はコチラ↓
POWER STAGE 英文法・語法問題 New Edition
出版社:桐原書店
『英文法・語法 Vintage』
2冊目は『Vintage』(ビンテージ)です。ネクステと並んでよく使われている文法問題集です。
ネクステがGMARCH・関関同立レベルまでなのに対して『Vintage』は早慶レベルまでカバーしています。また、解説がネクステよりも丁寧です。ただし、問題数はやや少なめなので、解説→問題演習の順に勉強すると良いでしょう。
英文法・語法 Vintage 3rd Edition
出版社:いいずな書店
『総合英語Evergreen』
3冊目に紹介するのは『総合英語Evergreen』です。かつては『Forest』という名称でしたが、リニューアルされてEvergreenという名称になりました。
『Next Stage』や『Vintage』が文法問題集なのに対して、『総合英語』は参考書です。解説中心で、演習問題は少なめです。
解説の分量が相当多いので全部読もうとするよりも、文法問題集と併用して分からない箇所だけ参照してみるのがおすすめです。
総合英語Evergreen
出版社:いいずな書店
まとめ
いかがでしょうか。
高校生向けにasの意味や使い分け方を説明しました。asは「イコール」という基本的な意味があり、接続詞、前置詞、副詞、関係代名詞といった幅広い使い方をします。
定期テストや大学入試でもasはよく出てきます。複数の例文をとおして意味・用法を解説しているので、納得できるまで読んでみてください。
asの英文を和訳する問題も12問用意したので、練習してみてください。
※関連記事:【高校生】定期テストで90点以上を取れる勉強方法
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