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一次関数の傾きと切片:傾きや切片の求め方と一次関数の式の求め方を解説(練習問題つき)

数学を勉強中の手元 中学生
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「一次関数の傾き、切片が良く分からない」
「一次関数の式を求めなさいという問題の解き方が分からない」

このように感じる中学生は少なくないのではないでしょうか。

中2で習う一次関数の式には傾きや切片が出てきます。傾き、切片の求め方が分かれば一次関数の式の求め方も分かります。

そこで、傾きと切片とは何かを解説し、傾きと切片を求めて一次関数の式を求める方法を説明します。練習問題もつけているので、何度か練習して一次関数を得意にしましょう!

※関連記事:一次関数とは何かを分かりやすく解説

一次関数の傾きと切片とは?基本概念を理解しよう

一次関数には「傾き」「切片」という用語が出てきます。まず、この用語の意味から説明します。

y=ax+bという一次関数の式でいう、aが傾きでbが切片です。

傾きとはグラフの傾きぐあい

傾きとは、グラフの傾きぐあいです。前述のように、y=ax+bのaにあたります。

下記のように、一次関数のグラフはx軸やy軸と並行ではなく傾いています(斜めになっています)。どれだけ傾いているかを示す数字が「傾き」です。

グラフ上に●が2つあります。

左下の●から右上の●まで、右方向に1マス進み、上方向に2マス進んでいます。xが1増えるとyが2増えているということを表しています。

この場合、「傾きは2」になります。

傾きは変化の割合と同じ

一次関数の式で「変化の割合」という言葉も出てきます。変化の割合と傾きは同じ意味で、どちらも「xが1増えるとyはいくつ増えるか」を表しています。

傾き=変化の割合なので、上記のグラフでは傾きが2ですが、変化の割合も2になります。

※関連記事:一次関数の変化の割合の求め方と練習問題

切片とはy軸上の座標

切片とはy=ax+bの式のbにあたります。y軸と一次関数のグラフとの交点です。

上のグラフでは、y軸上に●をつけている点があります。それが切片です。

y軸上で、原点(0)から上に2マス進んだ点なので、切片は2になります。

一次関数の傾きと切片の求め方:公式と手順

中2の一次関数のテストでは、傾きや切片を求めなさいという問題が出てきます。

傾き・切片の求め方には2通りあります。

※関連記事:【一次関数】x・yの増加量の求め方:計算して求める方法や簡単な裏ワザを紹介(練習問題つき)

一次関数の式から求める方法

まず、一次関数の式から求める方法を説明します。

一次関数の式とは、y=ax+bという形の式です。aが傾きでbが切片です。

傾きは以下の公式で求められます。

傾き(変化の割合)=yの増加量/ xの増加量

傾きが分かれば、その数字をy=ax+bのaに代入し、切片を求めます。

例題で学ぶ!切片の求め方の具体例

例題を使って説明します。

【例題】
(1, 2)、(2, 4)の2点を通るとき、この一次関数の式を求めなさい。

【解き方】
(1, 2)、(2, 4)から傾きを求めます。(1, 2)はx=1でy=2、(2, 4)はx=2でy=4という意味です。

yの増加量/ xの増加量
=(4-2)/ (2-1)
=2/1
2
傾きが2と分かったので、y=ax+bのaを2に書きかえます。
y=2x+b
この式にx=1、y=2を代入します。x=2、y=4を代入しても問題ありません。
2=2+b
b=0
切片は0と分かりましたので、y=2x+bにb=0を代入します。
答えはy=2xとなります。

連立方程式にして求めることもできる

傾き(変化の割合)=yの増加量/ xの増加量

この公式がよく分からないという場合は、連立方程式にして傾きや切片を求める方法も使えます。

①y=ax+bにx=1、y=2を代入します
→ 2=a+b
②y=ax+bにx=2、y=4を代入します
→ 4=2a+b
2=a+bと4=2a+bを連立方程式にして計算します。答えはy=2xとなります。

一次関数のグラフがどの点を通るかが分かっている場合に、この解き方が使えます。

グラフから求める方法

次に、グラフから求める方法を説明します。

y軸と一次関数のグラフの交点が切片なので、y軸上の●の座標、つまりy=2が切片です。

つづいて傾きは、このグラフにある2つの●を使います。

y軸上にある●(切片)からその少し右上にある●への移動の仕方をクローズアップします。

グラフをみると、切片から右方向に1マス、上方向に2マス進んでいます。xの増加量が1でyの増加量が2なので、傾きは2と分かります。

傾きが2で切片が2なので、y=2x+2が答えです。

傾きや切片を求める問題

それでは、学習した内容を復習できるように、傾きや切片を求める問題を解いてみましょう。

問題(1)

次の1次関数について、傾きと切片を答えてください。

①y=2x+1

②y=-3x-2

③y=1/2x+1/3

④y=-2/3x-1/3

⑤y=2x

解答

①傾き:2、切片:1

②傾き:-3、切片:-2

③傾き:1/2、切片:1/3

④傾き:-2/3、切片:-1/3

⑤傾き:2、切片:0

問題(2)

以下の表は1次関数のxとyの値の関係を示したものです。傾きと切片を答えてください。

x-2-1012
y-3-1135

x-2-1012
y-4-2024

x-2-1012
y35/223/21

解答

①傾き:2、切片:1

表をみると、x=0のときy=1になっているので、切片は1だと分かります。

さらにx=1のときy=3になっているので、xの増加量が1のときyの増加量が2(1→3)だと分かります。つまり、傾きは2です。

②傾き:2、切片:0

表をみると、x=0のときy=0になっているので、切片は0だと分かります。

さらにx=1のときy=2になっているので、xの増加量が1のときyの増加量が2(0→2)だと分かります。つまり、傾きは2です。

③傾き:-1/2、切片:2

表をみると、x=0のときy=2になっているので、切片は2だと分かります。

さらにx=2のときy=1になっているので、xの増加量が2のときyの増加量が-1(2→1)だと分かります。つまり、傾きは-1/2です。

問題(3)

以下のグラフをみて、傾きと切片を答えてください。

解答

①傾き:5/2、切片:5

y軸上の点をみて、切片が5と分かります。さらに、(2, 10)を通っているので、xの増加量が2のときyの増加量が5(5→10)と分かります。

②傾き:1、切片:-1

y軸上の点をみて、切片が-1と分かります。さらに、(1, 0)を通っているので、xの増加量が1のときyの増加量が1(-1→0)と分かります。

③傾き:-1/3、切片:3

y軸上の点をみて、切片が3と分かります。さらに、(3, 2)を通っているので、xの増加量が3のときyの増加量が-1(3→2)と分かります。

一次関数の式を求める問題

つづいて、一次関数の式を求める問題を解いてみましょう。

問題(1)

以下の表は1次関数のxとyの値の関係を示したものです。1次関数の式を答えてください。

x-2-1012
y-3-1135

x-2-1012
y-3/2-1/21/23/25/2

x-2-1012
y-14-9-416

解答

①y=2x+1

表をみると、x=0のときy=1になっているので、切片は1だと分かります。

さらにx=1のときy=3になっているので、xの増加量が1のときyの増加量が2(1→3)だと分かります。つまり、傾きは2です。

②y=x+1/2

表をみると、x=0のときy=1/2になっているので、切片は1/2だと分かります。

さらにx=1のときy=3/2になっているので、xの増加量が1のときyの増加量が1(1/2→3/2)だと分かります。つまり、傾きは1です。

③y=5x-4

表をみると、x=0のときy=-4になっているので、切片は-4だと分かります。

さらにx=1のときy=1になっているので、xの増加量が1のときyの増加量が5(-4→1)だと分かります。つまり、傾きは5です。

問題(2)

次の直線の式を求めてください。

①点(2, 4)をとおり、傾きが2の直線

②点(-1, 3)をとおり、傾きが1/2の直線

③点(3, 1)をとおり、切片が-2の直線

④点(1/2, 4)をとおり、切片が3の直線

解答

①y=2x

傾きが2なので、y=2x+bの式をつくります。この式に(2, 4)を代入します(x=2、y=4)。

②y=1/2x+7/2

傾きが1/2なので、y=1/2x+bの式をつくります。この式に(-1, 3)を代入します(x=-1、y=3)。

③y=x-2

切片が-2なので、y=ax-2の式をつくります。この式に(3, 1)を代入します(x=3、y=1)。

④y=2x+3

切片が3なので、y=ax+3の式をつくります。この式に(1/2, 4)を代入します(x=1/2、y=4)。

問題(3)

次の一次関数の式を求めてください。

①点(2, 4)をとおり、y=2x+3に平行な直線

②点(-2, 3)をとおり、y=-3x+1に平行な直線

③2点(-1, 3)(1, 7)をとおる直線

④2点(1, 1)(4, 2)をとおる直線

解答

①y=2x

y=2x+3に平行な直線なので、傾きは2になります。
y=2x+bとし、この式にx=2、y=4を代入します。

②y=-3x-3

y=-3x+1に平行な直線なので、傾きは-3になります。
y=-3x+bとし、この式にx=-2、y=3を代入します。

③y=2x+5

xの増加量が2のとき(-1→1)、yの増加量は4になるので(3→7)、変化の割合は2です。
y=2x+bとし、この式にx=1、y=7を代入します。

④y=1/3x+2/3

xの増加量が3のとき(1→4)、yの増加量は1になるので(1→2)、変化の割合は1/3です。
y=1/3x+bとし、この式にx=1、y=1を代入します。

一次関数の切片や傾きを求める問題の勉強法

中学生向けに一次関数の切片や傾きを求める勉強法を紹介します。一次関数の問題を得意にして、テストで高得点をねらいましょう!

授業で自信を持って手を挙げる中学生

基本を理解する

切片(y切片)は、グラフがy軸と交わる点で、式の形ではy=ax+by = ax + by=ax+bのbの部分です。このbが切片になります。まずはこの基本的な意味を覚えましょう。

公式の使い方を覚える

切片の公式を使って実際に計算する練習をしましょう。例えば、y=2x+3y = 2x + 3y=2x+3なら切片は3になります。定義を使って繰り返し解いてみることで慣れていきます。

例題を解く

実際の問題を解き、どのように公式を使うかを練習しましょう。y軸との交点を見つけたり、式から直接bの値を読み取ったりする問題が多いです。

グラフを描いて確認する

グラフを描くと視覚的に理解できます。切片がグラフのどこに位置するかを確認しながら、式とグラフの関係を学びましょう。

    中学数学の問題集

    最後に、中学数学のおすすめ問題集を紹介します。

    『中学10分間復習ドリル 数学2年』

    数学を基本からコツコツ復習したい人に向いているドリルです。

    1日10分から基本問題の演習ができます。


    中学10分間復習ドリル 数学2年:サクサク基礎トレ! (受験研究社)

    出版社:増進堂・受験研究社

    『中学2年 数学 標準問題集』

    基本レベルから応用レベルまで幅広く演習できる問題集です。

    定期テストで平均点前後からスタートして90点くらいまでを目指せます。


    中学2年 数学 標準問題集: 中学生向け問題集/定期テスト対策や高校入試の基礎固めに最適! (受験研究社)

    出版社:増進堂・受験研究社

    まとめ

    いかがでしょうか。

    中2向けに傾きや切片の求め方、一次関数の式の求め方を解説しました。

    y=ax+bの式で傾きはaで、切片はbです。また、傾きは変化の割合と同じ意味です。

    一次関数の式はグラフから求めることも計算で求めることもできます。変化の割合を求める公式(yの増加量/xの増加量)を覚えておくと便利です。

    傾きや切片、一次関数の式を求める問題もつけているので、練習して慣れておきましょう!

    ※関連記事:一次関数の変域:xの変域やyの変域の求め方やグラフのかき方の説明変域の練習問題

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    【中学生向け】Z会タブレットコースの進め方:成績上位を取って難関校に合格する方法を解説

    また、以下のベネッセのページで一次関数の傾きや切片が分数のときのグラフの書き方が解説されています。
    ベネッセ教育情報・【1次関数】傾きと切片が分数であるグラフのかき方

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    福地 暁です。
    個別指導の塾を経営しています。

    これまで3000組以上のご家庭を担当させていただきました。
    中学受験、高校受験、大学受験、英検・TOEIC対策、中学生・高校生の定期テスト対策など、さまざまな学習支援をしています。

    みなさまの学びにプラスになる情報をお伝えしていきます!
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