高校生向けに日本史の一問一答問題と解説を用意しました。今回は鎌倉時代の元寇や得宗専制政治(8代目執権・北条時宗、9代目執権・北条貞時のころ)をまとめています。
日本史探求の定期テスト対策、大学入試対策などにご活用ください!
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鎌倉時代の一問一答問題:元寇、得宗専制政治
(1)モンゴルを統一した人物は誰ですか。
(2)チンギス=ハンの孫で、元帝国をつくったのは誰ですか。
(3)元帝国の首都はどこでしたか。①当時の地名と②現在の地名の両方を答えてください。
(4)元は1274年と1281年の二度に渡った日本に襲来しました。この襲来をまとめて何と呼びますか。
(5)元寇のときの執権は誰ですか。
(6)1274年の襲来を何の役と呼びますか。
(7)1281年の襲来を何の役と呼びますか。
(8)元軍は何と呼ばれる火器を使って攻撃してきましたか。
(9)元軍は集団戦法を取り、日本軍は対照的に個人戦でした。この個人戦は特に何という戦い方でしたか。
(10)文永の役の後、日本は博多の警固を固めるため九州の御家人に軍役を課しました。この軍役を何といいますか。
(11)1279年に元軍は中国南部の王朝をほろぼし、中国大陸を統一しました。この王朝は何ですか。
(12)弘安の役では、元軍は二手に分かれて日本に押し寄せました。そのうち、元軍と高麗軍は朝鮮半島を経由してきました。この軍勢を何といいますか。
(13)弘安の役で、南宋軍が中国の寧波から出発して日本に襲来しました。この軍勢を何といいますか。
(14)2度にわたる元寇の後、1293年に鎌倉幕府は九州の御家人を統率する機関を設置しました。何という機関ですか。
(15)多大な出費と恩賞不足もあり、御家人の生活は窮乏していきました。御家人を救済するため鎌倉幕府は1297年に借金帳消しなどの法令を出しました。この法令を何といいますか。
(16)永仁の徳政令の内容について、御家人の土地は売却から何年未満なら御家人に無償で返還しないといけないと定められていましたか。
(17)親から子へ所領が分割相続されていましたが、鎌倉時代後期には惣領が家督とすべての所領を相続する方式へと変化していきました。惣領がすべて相続する方式を何といいますか。
(18)女性にも相続権がありましたが、鎌倉時代後期には本人一代限りの相続が増えていきました。こうした本人一代限り相続される所領を何といいますか。
(19)単独相続によって御家人の血縁的結合は弱まり、代わって家族以外のその土地の御家人どうしのつながりを重視する生活へと変化していきました。こうした、土地のつながりを何といいますか。
(20)元寇によって鎌倉幕府の支配はさらに全国に強まりました。なかでも、北条氏嫡流の当主には権力が集中するようになりました。北条市嫡流の当主のことを何といいますか。
(21)得宗に権力が集まると、得宗の家臣も政治に深く関与して権力を握るようになりました。得宗の家臣を何といいますか。
(22)御内人の筆頭で、得宗家の執事を何といいますか。
(23)9代執権・北条貞時の時代に内管領が有力御家人をほろぼしました。この事件を何といいますか。
(24)霜月騒動のときの内管領は誰ですか。
(25)霜月騒動で平頼綱がほろぼした有力御家人は誰ですか。
(26)畿内周辺では非御家人が荘園領主に武力で対抗するようになりました。こうした非御家人を何と呼びますか。
解答
(1)チンギス=ハン
(2)フビライ=ハン
(3)①大都、②北京
(4)元寇
(5)(8代)北条時宗
(6)文永の役
(7)弘安の役
(8)てつはう
(9)一騎打ち
(10)異国警護番役
(11)南宋
(12)東路軍
(13)江南軍
(14)鎮西探題
(15)永仁の徳政令
(16)20年未満
(17)単独相続
(18)一期分
(19)地縁的結合
(20)得宗
(21)御内人(みうちびと)
(22)内管領
(23)霜月騒動
(24)平頼綱
(25)安達泰盛
(26)悪党
東路軍と江南軍の航路と軍の構成
1281年の弘安の役では、元軍は東路軍と江南軍に分かれて来襲しました。
地図をみて、どちらの軍がどの国の兵士で構成されていたかを覚えておきましょう。
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東路軍と江南軍の兵士の構成
東路軍は元と高麗の兵士が主で、江南軍は元南宋の兵士が主でした。
1279年に元は南宋(中国南東部の王朝)をほろぼしたことで、大軍勢と中国大陸東部を手に入れました。これらの兵士を大動員して2度目の日本襲来を行っています。
鎌倉時代の勉強法
鎌倉時代は朝廷と武家による二元支配になった分岐点的な時代です。人物名や役職名がたくさん出てくるため、苦手に感じる人も多いです。
そこで、鎌倉時代の勉強法を紹介します。
執権・北条氏を中心に勉強する
鎌倉時代では「執権・北条氏」を中心に勉強しましょう。
比企能員の変、承久の乱、宝治合戦、貞永式目の制定、元寇など、大きな出来事が出てくるたびに「このときの執権は誰か」も一緒に覚えます。
執権は全員「北条氏」なので、名前をバラバラに覚えようとすると途中からややこしくなります。
執権のなかでも、初代時政・2代目義時・3代目泰時・5代目時頼・8代目時宗・9代目貞時・14代目高時は順番と一緒に覚えておくと役立ちます。
今回の記事では8代目と9代目を中心にまとめています。
5代目までは日本史の一問一答(鎌倉時代):初代執権北条時政から5代目北条時頼までの武士社会をご覧ください。
「北条家vs.有力御家人」から「得宗家1強」への変化を覚える
鎌倉時代の前期~中期までは、北条家はほかの有力御家人(三浦泰村、和田義盛など)をほろぼして北条家の独裁体制をつくっていました。
他氏排斥が大体完了したところに元軍が攻めてきたため(元寇)、鎌倉幕府は九州の御家人も動員して一斉に共通の敵に当たります。これにより、北条家嫡流の当主(得宗)にさらに権力が集中するようになりました。
その後、9代執権・北条貞時の時代に内管領の平頼綱が霜月騒動で有力御家人をほろぼすという騒動を起こし、一時期専横します。この平頼綱を得宗がほろぼしたことで得宗による専制政治体制はかたまりました。
こうした一連の変化を元寇や他氏排斥の争乱とともに勉強しておくと、鎌倉時代の流れを理解しやすくなります。
幕府と朝廷の関係性を勉強する
幕府と朝廷の関係性も勉強しておきましょう。
古代(平安時代まで)は奈良や京都の天皇・豪族/貴族を中心とした時代でした。鎌倉時代は朝廷と幕府の二元支配体制になります。
承久の乱で幕府が圧勝していますが、幕府と朝廷は持ちつ持たれつの関係性でした。
当初、朝廷と幕府は良好な関係でしたが藤原頼経の下向をきっかけに悪化し、承久の乱に至ります(皇族の下向を望んだ幕府の意向を後鳥羽上皇が拒否)。
ただし、幕府は乱に勝利した後も、全国を支配するのに朝廷の権威を借りるほうが何かと好都合でした。そのため、摂関家や皇族から人を派遣してもらって将軍にすえていました。
ただし、こうした将軍には実権がなく、幕府の政策についての決定権はありませんでした。あくまで「立派なお飾り」としてのみ存在意義を持たされていました。
上記のような構図がそのまま江戸時代までつづくことになります。
日本史の問題集
最後に日本史のおすすめ問題集を紹介します。
※関連記事:日本史文化史の参考書と覚え方
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すべてじっくり読むというより、問題集で問題を解きつつ因果関係が分かりにくいときに参考書として使う人も多いです。
特に、共通テストを受ける人は『文化史』だけでも読んでおくと役立ちます。
金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本【改訂版】 原始・古代史 (東進ブックス 大学受験 名人の授業)
金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本【改訂版】 中世・近世史 (東進ブックス 大学受験 名人の授業)
金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本【改訂版】 近現代史 (東進ブックス 大学受験 名人の授業)
金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本【改訂版】文化史 (東進ブックス 大学受験 名人の授業シリーズ)
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日本史B一問一答【必修版】 (東進ブックス 大学受験 一問一答シリーズ)
日本史一問一答【完全版】2nd edition (東進ブックス 大学受験 一問一答シリーズ)
出版社:ナガセ
『よくわかる高校日本史探究』
学研が出版している「標準レベルまで」の参考書です。教科書よりも解説がくわしく、日本史探求に苦手意識を持っている人も理解しやすいです。
定期テスト対策用の問題ページもあり、定期テスト対策、中堅レベルまでに大学入試対策に便利です。
よくわかる高校日本史探究 (MY BEST)
出版社:Gakken
まとめ
いかがでしょうか。
高校生の日本史の勉強用に、鎌倉時代後期の出来事について8代執権・北条時宗から9代執権・北条貞時までを一問一答にまとめました。
元寇(文永の役、弘安の役)での元軍の戦法や航路。その後の御家人の窮乏と永仁の徳政令の内容。これらと同時並行して鎌倉幕府内で進んだ得宗家への権力集中と内管領平頼綱による霜月騒動と悪党の出現など。
鎌倉幕府滅亡までの流れをしっかり覚えておきましょう!
また、以下の記事では鎌倉幕府の仕組みや鎌倉時代中期までの流れを一問一答にまとめています。
日本史の一問一答(鎌倉時代):初代執権北条時政から5代目北条時頼までの武士社会
日本史の一問一答:鎌倉幕府の仕組み(鎌倉幕府の成立過程、侍所別当、御恩と奉公など)
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