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歴史的仮名遣い変換の使い方と解説【中学生向け】正しい変換方法と例(まうす、やうすなど)

古文の仮名文字 中学生
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古文では歴史的仮名遣いが登場します。「けふ」が「きょう」、「よろづ」が「よろず」になるなど、現代とは異なる仮名遣いです。

ルールを知って使い慣れれば、定期テストや高校入試で全問正解を目指せます。

そこで、中学生向けに古文の歴史的仮名遣いの一覧と、現代仮名遣いに変換するルールの解説と練習問題101問を用意しました。

たくさん練習して、古文を得意にしましょう!

※関連記事:高校入試によく出る古文単語

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歴史的仮名遣いとは?

歴史的仮名遣いとは古文に出てくる「昔の字の書き方」です。

読み方が分かるだけで意味を推測できるものもあり、定期テストで得点を取りやすくなります。

歴史的仮名遣いの変換一覧

中学生が知っておきたい(間違いやすい)歴史的仮名遣いの変換を一覧にしました。一部の古語には現代語訳や漢字表記をつけています。

歴史的仮名遣い現代仮名遣い
あをあお(青)
あづまじあずまじ(京都より東=東国へ行く道)
あはせるあわせる
あはれあわれ(趣がある。上品でオシャレ。)
あふあう(会う)
あふぎおうぎ(扇)
あぢさゐあじさい
いづれいずれ
いとほしいとおし(かわいそう)
いはくいわく(曰く。~がおっしゃるには)
いひけるいいける(言いける)
いふいう(言う)
いほりいおり(庵。草ぶきの小屋で、僧や世捨て人の仮ずまい)
いむいん(射ん。矢を射ようとする)
いわふいわう(祝う)
ゐたりいたり
ゐどいど
うつくしううつくしゅう(かわいらしい)
うつすらうっすら
うへうえ(上)
うゑうえ(植え)
ゑくぼえくぼ
おとなふおとのう(音をたてる)
おはすおわす(いらっしゃる)
おふおう(追う・負う)
おほかたおおかた(大体)
おもひておもいて(思いて)
おもふおもう(思う)
をがむおがむ(拝む)
をさめおさめ
をしへおしえ
おそはるおそわる
をとこおとこ
をかしげおかしげ(可愛い)
をとめおとめ(乙女)
をんなおんな
をととひおととい
をるおる(折る)
をはりおわり
かほかお(顔)
かほりかおり
かかへかかえ
かかはりかかわり
かげろふかげろう
かはづかわず(蛙)
かはるかわる
かへすかえす(返す)
かむなづきかんなづき(神無月。旧暦の10月、現代の11月)
きそふきそう(競う)
くわしかし(菓子)
くわじかじ(火事)
くれなゐくれない
けふきょう(今日)
こゑこえ(声)
こほろぎこおろぎ
こたへこたえ
~さへ~さえ
さうざうしそうぞうし(あるべきものがなくて物足りない)
さぶらふさぶろう(仕える)
しはすしわす(師走。12月)
しほしお(潮、塩)
しづかしずか
じふにひとへじゅうにひとえ(十二単。女官の正装)
すゑすえ(末)
すなはちすなわち(すぐに)
そなへそなえ(備え)
たたかはむたたかわん(戦わん。戦おうとする)
たとへたとえ
ちうちゅう(宙)
ぢしんじしん(地震)
つはものつわもの(兵士)
つひについに(最後に)
てふてふちょうちょう(蝶々)
なほなお(やはり)
なほすなおす
なはなわ(縄)
にはとりにわとり
にほふにおう(非常に美しい)
ねがふねがう(願う)
はぢはじ(恥)
はづかしはずかし(素晴らしい)
ひきゐるひきいる
ほほゑむほほえむ
まゐるまいる
まうすもうす
まうでけりもうでけり(詣でけり)
まじはるまじわる
まづまず
まへまえ(前)
みづみず(水)
むかふむかう
もちゐるもちいる(用いる)
もよほすもよおす(催す)
もみぢもみじ(紅葉)
ゆふぐれゆうぐれ(夕暮れ)
ゆゑゆえ(故。理由)
やうすようす
やうやうようよう(少しずつ)
やむごとなきやんごとなき(高貴である、放っておけない)
よろづよろず(いろいろなこと)
わづかわずか

歴史的仮名遣い変換のルールと注意点

歴史的仮名遣いを現代仮名遣いへなおすときのルールを紹介します。このルールを知ったうえで、練習問題を繰り返すと歴史的仮名遣いに強くなれます。

語頭以外の「は・ひ・ふ・へ・ほ」→「わ・い・う・え・お」

古語では「は・ひ・ふ・へ・ほ」は「わ・い・う・え・お」に変換します。ただし、単語の最初の「は・ひ・ふ・へ・ほ」はそのままです。

実際の変換例

(例)
ぐれ→ゆぐれ
もよす→もよ

「ゐ・ゑ・を」→「い・え・お」

わ行の「ゐ・ゑ・を」は、「い・え・お」に変換します。かつての日本語には「ゐ・ゑ・を」の発音があったようですが、現在ではこれらの発音がなくなっているためです。

実際の変換例

(例)
ゐど→いど
ゆゑ→ゆえ

「ぢ・づ」→「じ・ず」

「ぢ・づ」は「じ・ず」に変換します。

実際の変換例

(例)
よろづ→よろず
もみぢ→もみじ

「くわ・ぐわ」→「か・が」

「くわ」は「か」に、「ぐわ」は「が」に変換します。

実際の変換例

(例)
くわし→かし(菓子)

「む」→「ん」

「む」は「ん」に変換します。

実際の変換例

(例)
やむごとなき→やんごとなき
かむなづき→かんなづき

ローマ字にしたときに「au」→「ou」

「ア段+う(ふ)」の音は「オ段+う」に変換します。

実際の変換例

(例)
あふぎ→おうぎ(ahugi→ougi)※「ア段+ふ+ぎ」→「オ段+う+ぎ」
さうざうし→そうぞうし(sauzausi→souzousi)※「さ行+ア段+ざ行+ア段+し」→「さ行+オ段+ざ行+オ段+し」

ローマ字にしたときに「iu」→「yuu」

「イ段+う(ふ)」の音は「イ段+ゅ+う」に変換します。

実際の変換例

(例)
ちう→ちゅう(tiu→tyuu)※「た行+イ段+う」→「た行+イ段+ゅ+う」

ローマ字にしたときに「eu」「ehu」→「you」

「エ段+う(ふ)」は「イ段+ょ+う」に変換します。

実際の変換例

(例)
けふ→きょう(kehu→kyou)※「か行+エ段+ふ」→「か行+イ段+ょう」
てふてふ→ちょうちょう(tehutehu→tyoutyou)※「た行+エ段+ふ」→「た行+イ段+ょう」

テストでの歴史的仮名遣いの変換問題の注意点

中学校のテストでは歴史的仮名遣いの変換をする問題がよく出てきます。その際の注意点をまとめました。

現代語と古語の違いを理解する

歴史的仮名遣いでは、現代語と古語に使い方の違いがあります。

例えば、「い」を「ゐ」、「え」を「ゑ」に変えるのが基本的な変換ルールです。現代語の「行く」を歴史的仮名遣いにすると「行く→ゆく」と変換する場合もあります。

これらの違いをしっかり理解しておくことが大切です。

送り仮名に注意する

歴史的仮名遣いでは、現代語と違った送り仮名の使い方があります。

「食う」のように、現代の「食べる」が「食ふ」と表現されることもあります。送り仮名を正しく使うことが求められるため、意味が異ならないように注意が必要です。

例外に気をつける

歴史的仮名遣いには例外が多いため、細かい変換ルールに気をつける必要があります。

例えば、「お」を「を」と書く場合がありますが、動詞に関しては「を」を使わないことが多いです。例外に関しては、過去の例をよく確認し、注意深く変換しましょう。

歴史的仮名遣いの問題

歴史的仮名遣いの変換ルールが分かったところで、練習して解きなれましょう。

以下の歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに変換してください。

(1)         あを

(2)         あづまじ

(3)         あはせる

(4)         あはれ

(5)         あふ

(6)         あふぎ

(7)         あぢさゐ

(8)         いづれ

(9)         いとほし

(10)       いはく

(11)       いひける

(12)       いふ

(13)       いほり

(14)       いむ

(15)       いわふ

(16)       ゐたり

(17)       ゐど

(18)       うつくしう

(19)       うつすら

(20)       うへ

(21)       うゑ

(22)       ゑくぼ

(23)       おとなふ

(24)       おはす

(25)       おふ

(26)       おほかた

(27)       おもひて

(28)       おもふ

(29)       をがむ

(30)       をさめ

(31)       をしへ

(32)       おそはる

(33)       をとこ

(34)       をかしげ

(35)       をとめ

(36)       をんな

(37)       をととひ

(38)       をる

(39)       をはり

(40)       かほ

(41)       かほり

(42)       かかへ

(43)       かかはり

(44)       かげろふ

(45)       かはづ

(46)       かはる

(47)       かへす

(48)       かむなづき

(49)       きそふ

(50)       くわし

(51)       くわじ

(52)       くれなゐ

(53)       けふ

(54)       こゑ

(55)       こほろぎ

(56)       こたへ

(57)       ~さへ

(58)       さうざうし

(59)       さぶらふ

(60)       しはす

(61)       しほ

(62)       しづか

(63)       じふにひとへ

(64)       すゑ

(65)       すなはち

(66)       そなへ

(67)       たたかはむ

(68)       たとへ

(69)       ちう

(70)       ぢしん

(71)       つはもの

(72)       つひに

(73)       てふてふ

(74)       なほ

(75)       なほす

(76)       なは

(77)       にはとり

(78)       にほふ

(79)       ねがふ

(80)       はぢ

(81)       はづかし

(82)       ひきゐる

(83)       ほほゑむ

(84)       まゐる

(85)       まうす

(86)       まうでけり

(87)       まじはる

(88)       まづ

(89)       まへ

(90)       みづ

(91)       むかふ

(92)       もちゐる

(93)       もよほす

(94)       もみぢ

(95)       ゆふぐれ

(96)       ゆゑ

(97)       やうす

(98)       やうやう

(99)       やむごとなき

(100)     よろづ

(101)     わづか

解答

(1)         あお(青)

(2)         あずまじ(京都より東=東国へ行く道)

(3)         あわせる

(4)         あわれ(趣がある。上品でオシャレ。)

(5)         あう(会う)

(6)         おうぎ(扇)

(7)         あじさい

(8)         いずれ

(9)         いとおし(かわいそう)

(10)       いわく(曰く。~がおっしゃるには)

(11)       いいける(言いける)

(12)       いう(言う)

(13)       いおり(庵。草ぶきの小屋で、僧や世捨て人の仮ずまい)

(14)       いん(射ん。矢を射ようとする)

(15)       いわう(祝う)

(16)       いたり

(17)       いど

(18)       うつくしゅう(かわいらしい)

(19)       うっすら

(20)       うえ(上)

(21)       うえ(植え)

(22)       えくぼ

(23)       おとのう(音をたてる)

(24)       おわす(いらっしゃる)

(25)       おう(追う・負う)

(26)       おおかた(大体)

(27)       おもいて(思いて)

(28)       おもう(思う)

(29)       おがむ(拝む)

(30)       おさめ

(31)       おしえ

(32)       おそわる

(33)       おとこ

(34)       おかしげ(可愛い)

(35)       おとめ(乙女)

(36)       おんな

(37)       おととい

(38)       おる(折る)

(39)       おわり

(40)       かお(顔)

(41)       かおり

(42)       かかえ

(43)       かかわり

(44)       かげろう

(45)       かわず(蛙)

(46)       かわる

(47)       かえす(返す)

(48)       かんなづき(神無月。旧暦の10月、現代の11月)

(49)       きそう(競う)

(50)       かし(菓子)

(51)       かじ(火事)

(52)       くれない

(53)       きょう(今日)

(54)       こえ(声)

(55)       こおろぎ

(56)       こたえ

(57)       ~さえ

(58)       そうぞうし(あるべきものがなくて物足りない)

(59)       さぶろう(仕える)

(60)       しわす(師走。12月)

(61)       しお(潮、塩)

(62)       しずか

(63)       じゅうにひとえ(十二単。女官の正装)

(64)       すえ(末)

(65)       すなわち(すぐに)

(66)       そなえ(備え)

(67)       たたかわん(戦わん。戦おうとする)

(68)       たとえ

(69)       ちゅう(宙)

(70)       じしん(地震)

(71)       つわもの(兵士)

(72)       ついに(最後に)

(73)       ちょうちょう(蝶々)

(74)       なお(やはり)

(75)       なおす

(76)       なわ(縄)

(77)       にわとり

(78)       におう(非常に美しい)

(79)       ねがう(願う)

(80)       はじ(恥)

(81)       はずかし(素晴らしい)

(82)       ひきいる

(83)       ほほえむ

(84)       まいる

(85)       もうす

(86)       もうでけり(詣でけり)

(87)       まじわる

(88)       まず

(89)       まえ(前)

(90)       みず(水)

(91)       むかう

(92)       もちいる(用いる)

(93)       もよおす(催す)

(94)       もみじ(紅葉)

(95)       ゆうぐれ(夕暮れ)

(96)       ゆえ(故。理由)

(97)       ようす

(98)       ようよう(少しずつ)

(99)       やんごとなき(高貴である、放っておけない)

(100)     よろず(いろいろなこと)

(101)     わずか

中学生向け古文の問題集

最後に、中学生古文の定期テストや高校入試対策におすすめの問題集を紹介します。

『高校入試 とってもすっきり 古文漢文 改訂版』(旺文社)

最初に紹介するのは旺文社の問題集です。

古文文法や歴史的仮名遣いといった基礎的内容の解説と演習にはじまり、最後は読解の練習までできます。

古文を得意にするのに必要な内容が網羅されており、幅広い学力層の生徒におすすめです。


高校入試 とってもすっきり 古文漢文 改訂版

出版社:旺文社

『中学まとめノート 古文:書き込むだけで得点UP!』(増進堂)

つづいては、増進堂・受験研究社の問題集です。

書いて覚える書き込み式で、基礎から入試レベルまで使えます。

書き込み式が好きな人におすすめです。


中学まとめノート 古文:書き込むだけで得点UP! (受験研究社)

出版社:増進堂・受験研究社

『古文完全攻略63選 改訂版』(東京学参)

最後に紹介するのはややハイレベルな問題集です。

読解・文法・語彙・知識・文学史までを完全網羅されており、難関私立・国立入試の記述対策までできます。


古文完全攻略63選 改訂版 (高校入試特訓シリーズAW55)

出版社:東京学参

まとめ

いかがでしょうか。

中学生向けに歴史的仮名遣いの変換ルールを解説し、返還一覧や古文の問題集を紹介しました。

「は・ひ・ふ・へ・ほ」は「わ・い・う・え・お」にする、「ぢ・づ」→「じ・ず」にするといった現代仮名遣いになおすルールを解説し、歴史的仮名遣いの練習問題101問も載せています。

たっぷり練習して古文の定期テストや高校入試で古文を得点源にしましょう!

※関連記事:高校入試によく出る漢字の一覧と問題
※関連記事:高校受験におすすめの漢字問題集

以下のリンクは難関受験に強いZ会の案内です。
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プロフィール
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福地 暁です。
個別指導の塾を経営しています。

これまで3000組以上のご家庭を担当させていただきました。
中学受験、高校受験、大学受験、英検・TOEIC対策、中学生・高校生の定期テスト対策など、さまざまな学習支援をしています。

みなさまの学びにプラスになる情報をお伝えしていきます!
よろしくお願いします。

1男1女の父。
どうやら娘には「甘いパパ」と思われているようで、
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