室町時代は1336年から1573年までの240年ほどです。出来事も多く、いつ・何が起こったかがややこしくなりがちです。
そこで、高校生向けに室町時代の年表を紹介し、出来事の順番を追いながらどのような時代だったのかを解説します。
日本史探求のテストや共通テストなどの大学入試対策にご活用ください。
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室町時代の年表
室町時代の出来事を順に年表にまとめました。
南北朝時代 | 1334年 | 後醍醐天皇が建武の新政をはじめる |
1335年 | ・中先代の乱が起こる ・足利尊氏が後醍醐天皇に反旗を翻す | |
1336年 | ・足利尊氏が新田義貞、楠木正成らに勝利する ・足利尊氏が建武式目を制定する ・後醍醐天皇が吉野に逃亡する | |
1338年 | 足利尊氏が征夷大将軍に任命され、室町幕府を開く | |
1350年 | 観応の擾乱が起こる(~1352年) | |
1352年 | 半済令が出される | |
1368年 | 足利義満が3代目の将軍に就任する | |
1369年 | 明が倭寇の取り締まりを要求する | |
1390年 | 土岐康行の乱が起こる | |
1391年 | 明徳の乱が起こる | |
室町時代 | 1392年 | 将軍・足利義満が南北朝合一をする |
1404年 | 勘合貿易がはじまる(明との貿易がはじまる) | |
1408年 | 足利義満が死去する | |
1428年 | 正長の土一揆が起こる | |
1429年 | 琉球王国が建国される | |
1438年 | 永享の乱が起こり、鎌倉公方と関東管領が争う | |
1441年 | 嘉吉の乱(変)が起こり、将軍・足利義教が暗殺される | |
1449年 | 足利義政が8代目の将軍に就任する | |
1457年 | コシャマインの戦いが起こる(アイヌとの戦い) | |
1467年 | 京都で応仁の乱が起こる(~1477年) | |
1473年 | 足利義尚が9代目の将軍に就任する | |
1493年 | 明応の政変が起こる(将軍・足利義材が追放される) | |
1495年 | 北条早雲(伊勢早雲)が小田原城に入城する | |
1543年 | 種子島に鉄砲伝来する | |
1549年 | キリスト教が日本に伝わる(フランシスコ・ザビエル) | |
1553年 | ・川中島の戦いがはじまる(~1564年まで5回) ・三好長慶が将軍・足利義輝を京都から追放する | |
1560年 | 織田信長が桶狭間の戦いで今川義元に勝つ | |
1565年 | 将軍・足利義輝が松永久秀らによって暗殺される | |
1568年 | ・織田信長が足利義昭を擁立して京都に入る ・足利義昭が将軍に就任する | |
1570年 | ・織田・徳川連合軍が姉川の戦いで浅井・朝倉連合軍に勝つ ・石山本願寺と織田信長の戦いがはじまる | |
1571年 | 織田信長が比叡山焼き討ちを行う | |
1572年 | 三方ヶ原の戦いで武田信玄が徳川家康に勝利する | |
1573年 | ・武田信玄が死去する ・織田信長が将軍・足利義昭を京都から追放する |
室町時代はどんな時代なのか
室町時代に起こった出来事を振り返りながら、どのような時代だったのかをまとめました。
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南北朝合一
初代将軍・足利尊氏のころに南朝(吉野・後醍醐天皇など)と北朝(京都・光厳天皇など)に分かれました。3代将軍・足利義満の時代に南朝の後亀山天皇が北朝の後小松天皇に譲位する形で統一されました。
有力守護大名の討伐
3代将軍・足利義満は室町幕府の力を強めるため、有力守護大名を次々とほろぼしていきます。
力をたくわえた足利義満は日明貿易(勘合貿易)や日朝貿易も始めます。さらに天皇家を簒奪する寸前までいきましたが、ギリギリのところで病死します。
守護は在京し、守護代が力をつける
守護は原則として京都で幕府に出仕し、任国には代わりの者(守護代)を派遣して領国経営にあたらせます。
これにより、領国では守護代が軍事的・経済的に力をつけるようになります。
応仁の乱以降は幕府の力が弱まる
3代将軍・足利義満がはじめた日明貿易ですが、朝貢形式であることに反発して息子の4代将軍・足利義持は日明貿易を中断します。6代将軍・足利義教が強権政治の延長上で貿易を再開しますが、1441年の嘉吉の乱で暗殺されます。
その後は室町幕府の力は弱まっていき、貿易も大名(大内氏、細川氏)や商人が行うようになります。
1467年にはじまった応仁の乱では、8代将軍・足利義政が守護大名の家督争いに介入したことで騒ぎが広がり、さらに長引かせてしまいます。これが決定打となり、室町幕府は大きく力を下げてしまいます。
伊勢早雲をはじめとして、朝倉孝景など守護代が守護を領国から追い払う下剋上がはじまります。この流れは民衆にも広がり、山城の一向一揆(1485年)では国人や土民が国を支配し、加賀一向一揆(1488年)では一向宗徒が国を支配するようになりました。
ただし、その後も将軍の「権威」は守護や守護代による領国経営に必要だったため、室町幕府も一定の権威を保ちます。
京文化の地方への広がり
応仁の乱(1467年~1477年)が京都で起こったため、京都に住んでいた貴族が次々に地方へ移住しました。移住先では「御所様」と呼ばれるなど敬われ、貴族の持つ京文化がもてはやされました。
これにより、京都で一部の文化人の間だけで共有されていた和歌や絵画などの文化が地方にも広がっていきました。
また、薩摩の島津氏が桂庵玄樹を招いて薩南学派を興すなど、守護大名の間でも学問熱が高まっていきました。
室町時代の勉強法
鎌倉時代との違いが分かりづらいために、苦手に感じる人も多いです。
室町時代の勉強法を紹介します。
年表を見ながら勉強する
まず、年表をみながら勉強しましょう。室町時代は1336年から1573年まで(諸説あり)です。200年以上におよぶ長い時代ですから、覚えるべき出来事がたくさんあります。
「いつ」「何があったか/誰が・何をしたか」「その後どうなったか」という、出来事の順番や因果関係を把握しながら勉強しましょう。
室町幕府の仕組みを覚える
室町幕府の仕組み(三管領・四識、政所・侍所などの名称と役割)を勉強しましょう。
室町幕府は鎌倉幕府と職制が似ており、どちらがどちらなのかややこしくなりがちです。
同じような機関もありますが、政務のトップが何という役職で、誰がその役職を担当していたのかを区別しましょう。
鎌倉幕府の政務上のトップが「執権・北条氏」なのに対して、室町幕府は「三管領(細川・斯波・畠山)」でその下に「四識(山名・赤松・一色・京極)」もいます。
将軍名と出来事をセットで覚える
室町幕府の将軍名を、その将軍の時代に起こった出来事と一緒に覚えると、流れを整理して覚えられます。
特に以下の将軍と出来事は覚えておきましょう。
応仁の乱の前後で時代の変化に気を付ける
応仁の乱の前後で時代がどのように変わったかを意識しながら勉強しましょう。
室町時代の前半は将軍と幕府機構の権威がある程度機能しており、京都を中心とした文化でした。時代の中心はあくまで京都の将軍と有力守護大名でした。
ところが、応仁の乱以降(室町時代の後半)は京都の文化も下剋上の風潮も日本全国に広まりました。各地域で軍事力をたくわえた勢力が国を支配する群雄割拠の時代になります。
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※関連記事:歴史年表と年号語呂合わせ一覧
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まとめ
いかがでしょうか。
室町時代の年表を紹介し、どのような時代だったのかを解説しました。
室町時代は1336年から1573年までと長い時代で、覚えるべきポイントがたくさんあります。
また、鎌倉幕府の仕組みを一部受け継いでいるため、鎌倉時代との違いがややこしくなりがちです。それぞれの幕府の仕組みや文化を覚え、出来事の順番や因果関係(流れ)を確認しながら勉強しましょう。
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