シダ植物とコケ植物は、どちらも種子を作らずに胞子で増える植物ですが、構造や生殖方法には大きな違いがあります。
本記事では、それぞれの特徴を詳しく解説し、違いを比較しながら中学理科のテスト対策にも役立つポイントを紹介します。
シダ植物とコケ植物とは?基本の特徴を押さえよう
シダ植物とコケ植物はどちらも種子ではなく胞子で増えるという共通点を持っています。しかし、それぞれの体のつくりや成長の仕方、生息環境には大きな違いがあります。
まずは、それぞれの特徴をくわしく見ていきましょう。
参考:
NHK for School「シダ植物はどうふえる?」
コケ植物はどうふえる?
シダ植物の特徴と代表的な種類
シダ植物は、維管束(いかんそく)という「水や養分を運ぶ管」を持ち、茎・葉・根がしっかりと発達しているのが特徴です。

葉の裏には胞子のう(胞子が入っている袋)があり、ここから胞子を放出して増えます。
シダ植物の特徴
- 維管束があるため、茎がしっかりしており、大きく育つ
- 地下に根を張ることで水分や栄養を効率的に吸収できる
- 葉の裏側に胞子のうを持ち、胞子を飛ばして繁殖する
- 森林や湿った場所に多く生息
代表的なシダ植物
- ゼンマイ(食用としても利用される)
- ワラビ(春の山菜として有名)
- イヌワラビ(日陰の湿った場所に生える)
- ヒカゲノカズラ(森林の地面を這うように生育)
コケ植物の特徴と代表的な種類
コケ植物は、維管束を持たないため、茎や根が発達しておらず、全体的に小さい植物です。
水分を体全体から吸収するため、常に湿った場所に生息します。また、根の代わりに仮根(かこん)と呼ばれる器官を持っていますが、仮根は体を地面に固定するためだけで、水や養分を吸収する働きはありません。

コケ植物の特徴
- 維管束がないため、水や養分を茎や葉から直接吸収
- 根の代わりに仮根を持ち、地面に付着する
- 胞子を作って繁殖するが、シダ植物とは異なる生殖サイクル
- 湿った岩場や森林、川辺などに多く生息
代表的なコケ植物
- スギゴケ(森林の地面を覆うように生育)
- ゼニゴケ(湿った地面や石の上に生える)
- ハイゴケ(庭や屋根の上などにも生育)
まとめ
- シダ植物は維管束があり、茎・葉・根が発達している
- コケ植物は維管束を持たず、小さく水分を体全体で吸収する
- 胞子で増える点は共通だが、胞子のうの場所が異なる
シダ植物とコケ植物の違いを徹底比較!
シダ植物とコケ植物はどちらも胞子で増える植物ですが、見た目の構造・生殖方法・生息環境に大きな違いがあります。
参考:生物の系統|コケ植物・シダ植物の関係がわかりません(ベネッセ教育情報)
見た目・構造の違い(維管束の有無、茎・根の違い)
シダ植物には維管束があり、茎・葉・根がしっかり発達していますが、コケ植物には維管束がなく、根の代わりに仮根を持つだけです。
【主な違い】
項目 | シダ植物 | コケ植物 |
維管束 | あり | なし |
根 | しっかりとした根を持つ | 仮根(体を地面などに固定するためだけで、水分を吸収しない) |
胞子の位置 | 葉の裏側に胞子のうを持つ | 胞子体(胞子を作る器官)が別に存在 |
生殖方法の違い(胞子の作り方・成長の仕組み)
シダ植物とコケ植物はどちらも胞子で増えますが、胞子がつくられる場所に違いがあります。
- シダ植物:葉の裏にある胞子のうで胞子でつくられる
- コケ植物:雌株にできる胞子のうで胞子がつくられる
生息環境の違い(どんな場所で育つのか)
- シダ植物:湿った森林や日陰の多い場所に生息
- コケ植物:水辺や岩の上、森林の地面など湿った場所に生息
まとめ
- シダ植物は維管束を持ち、コケ植物は持たない
- 胞子のうの場所が異なる
- シダ植物は森林の地面、コケ植物は水辺や岩場に多い
中学理科テスト対策!シダ植物・コケ植物の重要ポイント
中学理科では、シダ植物とコケ植物の違いが頻出問題として出題されます。ここでは、よく出る問題と対策を紹介します。
テストによく出る問題
- 維管束を持つ植物はシダ植物、コケ植物のどちらか?
- シダ植物・コケ植物の胞子はそれぞれどこでつくられるか?
- シダ植物とコケ植物に分類しなさい。【イヌワラビ・ゼニゴケ・ゼンマイ・スギナ・スギゴケ】
解答
- シダ植物
- シダ植物:葉の裏の胞子のう、コケ植物:雌株にある胞子のう
- シダ植物:イヌワラビ・ゼンマイ・スギナ、コケ植物:ゼニゴケ・スギゴケ
以下の記事では、もっとたくさんの一問一答問題を用意しています。
【中1理科の一問一答問題】植物の分類:種子植物、シダ植物とコケ植物の違いなどテスト対策
シダ植物とコケ植物を見分けるコツ
- 大きく育つのがシダ植物、小さく密集するのがコケ植物
- 胞子のうが葉の裏にあるのがシダ植物、雌株にあるのがコケ植物
覚えやすいゴロ合わせ・暗記法
「シダシッカリ、コケコッソリ」
- シダは「しっかり」根・葉・茎が発達
- コケは「こっそり」地面にくっつく
まとめ
- シダ植物・コケ植物の特徴は頻出問題!
- ゴロ合わせや表を使って暗記しよう!
- 出題パターンを知って確実に得点しよう!
Q&A:シダ植物とコケ植物に関するよくある質問
Q1. シダ植物とコケ植物の最大の違いは何ですか?
A. 最大の違いは、維管束(えきかんそく)の有無です。シダ植物には維管束があり、茎・葉・根が発達していますが、コケ植物には維管束がなく、仮根で地面に付着するだけです。
Q2. シダ植物とコケ植物のふえ方はどう違いますか?
A. どちらも胞子で増えます。胞子がつくられる場所に違いあり、シダ植物は葉の裏、コケ植物は雌株に胞子のうがあります。
Q3. コケ植物が水辺に多いのはなぜですか?
A. コケ植物は維管束を持たないため、水を体全体で吸収する必要があります。そのため、常に湿った環境でないと生育できません。
Q4. シダ植物の代表的な種類にはどんなものがありますか?
A. ゼンマイ、ワラビ、イヌワラビ、ヒカゲノカズラなどがあります。
Q5. 中学理科のテストで「シダ植物とコケ植物の違い」がよく出るのはなぜ?
A. 両者は胞子で増える植物という共通点を持ちながら、構造や生殖方法に大きな違いがあるため、比較問題が作りやすいからです。
まとめ:シダ植物とコケ植物の違いを理解しよう!
- シダ植物は維管束を持ち、コケ植物は持たない
- シダ植物は根・葉・茎が発達し、コケ植物は仮根のみ
- シダ植物は葉の裏に胞子のうを持ち、コケ植物は雌株に胞子のうを持つ
- 生息環境も異なり、シダ植物は森林、コケ植物は水辺や岩場に多い
- 中学理科のテストでは「違い」「特徴」「生殖方法」などが頻出
- ゴロ合わせや表を活用し、効果的に暗記しよう!
このポイントを押さえれば、テストでもしっかり得点できます!
コメント