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【中学地理】日本の産業の特色の解説:第一次・第二次・第三次産業の特徴と地理的分布

第一次産業、第二次産業、第三次産業のイラスト 中学生
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中学社会の定期テスト対策のために、よく出る問題を一問一答にまとめました。

今回は「日本の産業の特色」です。

  • これからテスト勉強をはじめる人
  • テスト直前のチェックをしたい人

どちらでも活用できます。

社会は丁寧に覚えれば誰でも高得点をねらえます。早めに勉強して、社会を得意にしておきましょう!

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  1. 中学生向け日本の産業ガイド
    1. 日本の産業の基本を理解しよう
    2. テスト対策に役立つ産業の分類と特徴
  2. 第一次産業:自然と共に生きる基盤産業
    1. 農業の特色
      1. 主な作物と地域分布
      2. 農業の課題と未来
    2. 林業:森林資源の活用と保護
      1. 主要な森林地域と利用状況
      2. 持続可能な林業の取り組み
    3. 漁業:海の恵みと地域経済
      1. 主要な漁場と漁獲物
      2. 漁業の課題と持続可能性
  3. 第二次産業:モノづくりの力
    1. 製造業:日本の工業の中心
      1. 主要な製造業分野と地域
      2. 製造業の現状と課題
    2. 建設業:社会基盤を支える力
      1. 主要な建設業分野と地域
      2. 建設業の現状と課題
  4. 第三次産業:サービスと情報の時代
    1. 商業:流通と消費の中心
      1. 小売業と卸売業の違い
      2. 主要な商業地域と特徴
    2. 金融業:経済の血液
      1. 主要な金融機関と役割
      2. 金融業の現状と課題
    3. 情報通信業:デジタル社会の基盤
      1. 主要な情報通信技術と利用状況
      2. 情報通信業の現状と課題
  5. 日本の産業構造の変化と地域ごとの特色
    1. 産業構造の変遷
      1. 第一次産業から第三次産業への移行
      2. 地域ごとの産業構造の違い
    2. 地域ごとの産業の特色
      1. 北海道:農業と漁業の融合
      2. 東北地方:林業と製造業の強化
      3. 関東地方:商業と情報通信業の中心
      4. 関西地方:製造業とサービス業の融合
      5. 中部地方:自動車産業と製造業の強化
      6. 中国地方:農業と製造業の融合
      7. 四国地方:農業と漁業の強化
      8. 九州地方:農業と製造業の融合
  6. テスト対策:日本の産業に関する重要ポイント
    1. 産業の分類と特徴
      1. 第一次産業、第二次産業、第三次産業の違い
      2. 各産業の主要な業種と地域
    2. 産業構造の変化
      1. 第一次産業から第三次産業への移行の背景
      2. 地域ごとの産業構造の違い
    3. 地域ごとの産業の特色
      1. 各地域の主要な産業と特徴
      2. 地域ごとの産業の強化策と課題
  7. 中学地理の問題:日本の産業の特色
    1. テストで正解しておきたい基本問題
      1. 解答
    2. テストで差がつく応用問題
      1. 解答
    3. 中学地理:工業地帯の問題(太平洋ベルト)
      1. 解答
  8. 工業地帯の覚え方と工業の特徴
  9. 定期テストにおすすめの社会問題集
    1. 『中学教科書ワーク 社会 地理』
    2. 『ニューコース参考書 中学地理』
    3. 『中学 地理 ハイクラステスト』
    4. 『最高水準問題集 社会』
  10. 中学社会のテスト勉強におすすめの通信教育
    1. 月2,178円で受け放題のスタディサプリ
    2. 受講者数No. 1の進研ゼミ
  11. まとめ:日本の産業の特色

中学生向け日本の産業ガイド

日本の産業の基本を理解しよう

日本の産業は大きく分けて 第一次産業・第二次産業・第三次産業 の3つに分類されます。

  • 第一次産業:自然の恵みを利用してモノを作る産業(農業・林業・漁業)
  • 第二次産業:原材料を加工して製品を作る産業(製造業・建設業など)
  • 第三次産業:サービスを提供する産業(商業・金融・情報通信など)

日本は資源が少ないため、工業やサービス業が発展していますが、農業や漁業など第一次産業も地域の特色を活かして続いています。

第一次産業、第二次産業、大三次産業のイラスト

テスト対策に役立つ産業の分類と特徴

  • 分類のポイント
    1. 自然利用型か加工型かサービス型かで分ける
    2. 地域ごとの特色を覚える(例:北海道は酪農、九州は野菜・果物)
  • 覚え方のコツ
    日・本・産」で覚えると、日(第一次)、本(第二次)、産(第三次)と順番を押さえやすい

第一次産業:自然と共に生きる基盤産業

第一次産業は、自然の恵みを活かして生活に必要なものを作る仕事です。日本の食や森林、海の資源を支えています。

農業の特色

日本の農業は、地形や気候に合わせた特徴的な発展を遂げてきました。平野部では稲作が盛んで、特に新潟県や北海道などの地域で多くのお米が作られています。また、都市の周りでは「近郊農業」が行われ、大都市で消費される野菜や果物が栽培されています。

近郊農業とは:都市に近い農家が、新鮮な農産物をすぐに都市に届けられるよう工夫する農業のことです。

さらに、交通網の発達により「抑制栽培」や「促成栽培」が普及しています。

抑制栽培:通常より収穫時期を遅らせる方法で、気温が高い場所で行われることが多い
促成栽培:ビニールハウスなどで収穫時期を早める方法で、気温が低い場所で行われることが多い

また、扇状地(川が山から流れ出る場所に広がる土地)では、果樹栽培が盛んです。日本の農業の課題として、食料自給率の低さや、農業に従事する人の高齢化が挙げられています。

農業の後継者不足が問題となっています。

主な作物と地域分布

  • :東北地方・新潟県・北海道
  • 野菜:北海道(じゃがいも・玉ねぎ)、関東・近畿(レタス・キャベツ)
  • 果物:山梨(ぶどう・もも)、長野(りんご)
  • 豆類・茶:静岡(茶)、北海道(大豆)

地域によって気候や土地の特徴を活かして作物が異なるので、テストでは「作物と地域」をセットで覚えると良いです。

農業の課題と未来

  • 高齢化による担い手不足
  • 田畑の減少・都市化の影響
  • 食料自給率の低さ

未来への取り組み

  • スマート農業(ITや機械の活用)
  • 有機農業や地産地消の推進

林業:森林資源の活用と保護

日本の林業では、安価な輸入木材により一時期、国内産木材の需要が減少しましたが、近年では国内産の材木の品質が見直され、少しずつ回復してきています。

林業には、森の管理や木の伐採が含まれ、山地が多い日本にとって重要な産業の一つです。

主要な森林地域と利用状況

  • 北海道、東北地方、四国山地などが主な森林地域
  • 用途:建材・紙・家具など
  • 日本は輸入木材に頼る部分も多い

持続可能な林業の取り組み

  • 森林の間伐(木を間引くことで健全な森を維持)
  • 植林(伐採した後に新しい木を植える)
  • 地域資源を活かした林業振興(木質バイオマスなど)

漁業:海の恵みと地域経済

漁業については、かつては遠洋漁業や沖合漁業が盛んで、日本各地の港から多くの漁船が出ていました。しかし、漁獲高が安定しないため、現在は魚介類の安定供給を目指して「養殖業」や「栽培漁業」が広がっています。

養殖業:魚や貝を人の手で育てる方法で、安定的に漁獲が可能
栽培漁業:稚魚を海に放流して自然の中で成長させる方法で、資源保護をしながら漁獲ができる利点がある

主要な漁場と漁獲物

  • 北海道・東北地方:イカ、サケ、ホタテ
  • 九州・四国沿岸:カツオ、ブリ、タイ
  • 瀬戸内海:タイ、アナゴ、牡蠣

漁場によって獲れる魚が異なるので、地理では地域と漁獲物をセットで覚えることがポイントです。

漁業の課題と持続可能性

  • 過剰漁獲による資源の減少
  • 高齢化と漁業人口の減少
  • 海洋環境の変化(海水温の上昇など)

取り組み

  • 資源管理型漁業(漁獲量を制限)
  • 養殖業の活用
  • 地域ブランドの魚介類(地域経済と観光の結びつき)

まとめ(テスト対策ポイント)

  1. 第一次産業は「自然を利用する仕事」で、農業・林業・漁業がある
  2. 地域ごとの特色と代表的な作物・漁獲物をセットで覚える
  3. 課題や未来への取り組みも押さえると、記述問題でも得点しやすい

第二次産業:モノづくりの力

第二次産業は、原材料を加工して製品を作る産業です。日本の経済を支える重要な分野で、特に製造業と建設業が中心となります。

日本の工業は、戦後に軽工業(繊維や日用品の製造)から重工業(鉄鋼や機械)へと成長しました。現在では、電子部品やロボット産業といった「先端技術産業」が盛んです。

特に主要な工業地域は「太平洋ベルト」と呼ばれ、関東から九州にかけて広がっており、工場が集まっています。

日本は、原料を輸入し、国内で加工して製品を輸出する「加工貿易」が中心でしたが、貿易摩擦などの影響で、海外に工場を移す企業も増えました。この「工場の海外移転」によって、国内の工場が減り、雇用機会が減少する「産業の空洞化」という現象が起きています。

産業の空洞化:国内での生産が減り、生産力が減少すること

製造業:日本の工業の中心

製造業は原材料を加工して機械・車・電気製品などを作る産業で、日本の輸出や経済成長を支えています。

主要な製造業分野と地域

  • 自動車工業
    • 中部地方(愛知県・岐阜県)を中心に発展
    • トヨタ自動車などの企業が代表
  • 電子機械・精密機械
    • 関東地方(東京都・神奈川県)
    • 半導体・パソコン・カメラなど
  • 鉄鋼・造船
    • 北海道・北陸・九州(福岡県・長崎県)
    • 鉄鋼は重化学工業の基盤
  • 化学工業
    • 大阪・兵庫(阪神工業地帯)
    • 石油化学製品や医薬品

地域ごとの特色として、中部=自動車、関東=精密機械、阪神=化学、北九州=造船などをセットで覚えるとテストで有利です。

製造業の現状と課題

  • 現状
    • 高い技術力で海外にも輸出
    • 国内雇用の中心
  • 課題
    • 人口減少による労働力不足
    • 海外との価格競争
    • 自動化・AI導入による生産体制の変化

建設業:社会基盤を支える力

建設業は道路・橋・住宅・公共施設などの社会基盤を作る産業です。国土の整備や都市開発に欠かせません。

主要な建設業分野と地域

  • 土木建設
    • 道路・橋・ダムなど
    • 全国各地で需要があり、特に都市部と地方のインフラ整備が重要
  • 建築建設
    • 住宅・商業ビル・学校・病院など
    • 大都市圏(東京都・大阪府・名古屋市)が中心

建設業は地域による特徴というよりも、全国的に需要がありますが、都市部ではビル建設、地方では道路・橋・ダム整備が中心となると覚えましょう。

建設業の現状と課題

  • 現状
    • インフラ整備や都市開発に不可欠
    • 就業者数は比較的安定
  • 課題
    • 若年労働者の減少
    • 技術者不足による工期延長やコスト増
    • 自然災害対策の強化(地震・豪雨・台風など)

まとめ(テスト対策ポイント)

  1. 第二次産業は「原材料を加工してモノを作る仕事」で、製造業と建設業が中心
  2. 製造業は中部=自動車、関東=精密機械、阪神=化学、北九州=造船など地域ごとに覚える
  3. 建設業は都市部と地方で施工物の違いに注目
  4. 課題としては「労働力不足」「海外競争」「自然災害対策」などが重要

日本の工業は、戦後に軽工業(繊維や日用品の製造)から重工業(鉄鋼や機械)へと成長しました。現在では、電子部品やロボット産業といった「先端技術産業」が盛んです。

日本の工業地域は「太平洋ベルト」と呼ばれ、関東から九州にかけて広がっており、工場が集まっています。

日本は、原料を輸入し、国内で加工して製品を輸出する「加工貿易」が中心でしたが、貿易摩擦などの影響で、海外に工場を移す企業も増えました。この「工場の海外移転」によって、国内の工場が減り、雇用機会が減少する「産業の空洞化」という現象が起きています。

産業の空洞化:国内での生産が減り、生産力が減少すること

第三次産業:サービスと情報の時代

第三次産業は、サービスや情報を提供する産業です。日本の経済の約7割を占め、都市や生活の便利さを支えています。
テストでは「産業の種類・地域・特徴」を押さえることがポイントです。

商業:流通と消費の中心

商業は、モノを消費者に届ける仕事です。流通の仕組みや販売形態を理解することが大切です。

小売業と卸売業の違い

  • 卸売業
    • 商品を大量に仕入れ、小売業や企業に販売
    • 例:問屋、商社
  • 小売業
    • 消費者に直接販売
    • 例:スーパー、コンビニ、ドラッグストア

覚え方のコツ
「卸=まとめて売る」「小売=少しずつ売る」とイメージすると覚えやすいです。

主要な商業地域と特徴

  • 東京都心部(銀座・新宿・渋谷):高級商業・百貨店・IT店舗
  • 大阪・梅田・心斎橋:商業の中心地、卸売業の流通拠点もあり
  • 地方都市の中心街:日用品や地元商店街が中心

地域によって、消費者層や販売形態が異なることを押さえておきましょう。

金融業:経済の血液

金融業は、お金の流れをスムーズにし、経済活動を支える仕事です。銀行や証券会社などが中心です。

主要な金融機関と役割

  • 銀行:預金の受け入れ、貸出、送金
  • 証券会社:株や債券の売買を仲介
  • 保険会社:リスクに備えた保障サービス
  • 中央銀行(日本銀行):通貨の発行・金融政策の実施

金融業の現状と課題

  • 現状
    • 企業や個人の経済活動に欠かせない
    • ITやネットバンキングの普及で利便性向上
  • 課題
    • 金利低下や国際競争
    • サイバーセキュリティの強化
    • 少子高齢化に伴うサービス変化

情報通信業:デジタル社会の基盤

情報通信業は、インターネット・スマホ・ITサービスなどの技術を活用して情報を届ける産業です。現代社会の中心となっています。

主要な情報通信技術と利用状況

  • 通信インフラ:光ファイバー網、5G、衛星通信
  • ITサービス:クラウド、SNS、動画配信サービス
  • ソフトウェア開発:アプリやシステムの開発
  • 利用者:一般家庭・企業・学校など、幅広く利用

情報通信業の現状と課題

  • 現状
    • 日本国内でのインターネット普及率は高い
    • 企業や生活の効率化に貢献
  • 課題
    • サイバーセキュリティ対策の重要性
    • 技術の急速な進化への対応
    • デジタル格差(地域や世代による利用差)

まとめ(テスト対策ポイント)

  1. 第三次産業は「サービス・情報を提供する仕事」で、商業・金融・情報通信が中心
  2. 商業は「卸売業=企業向け」「小売業=消費者向け」、地域ごとの特徴も押さえる
  3. 金融業は銀行・証券・保険・日本銀行の役割を理解
  4. 情報通信業はIT技術と社会利用の広がり、課題(セキュリティ・デジタル格差)を覚える

日本の産業構造の変化と地域ごとの特色

日本の産業は長い歴史の中で大きく変化してきました。第一次産業中心だった時代から、製造業やサービス業が発展し、地域ごとに特色ある産業構造が形成されています。

テストでは「産業構造の変化」と「地域ごとの特色」をセットで覚えることが重要です。

産業構造の変遷

産業構造の変化は、社会の発展や技術の進歩に伴って起こります。

第一次産業から第三次産業への移行

  • 戦後の高度経済成長期:
    • 農業や漁業などの第一次産業の割合が減少
    • 工場や製造業などの第二次産業が急成長
    • 都市化が進み、商業・金融・情報通信などの第三次産業が増加
  • 現在:
    • 日本全体の就業者の約70%が第三次産業に従事
    • 第一次産業は地方中心、第二次産業は工業地域に集中

地域ごとの産業構造の違い

  • 北海道・東北:第一次産業が比較的強い
  • 中部・関東・関西:第二次産業・第三次産業が発展
  • 地方都市:地域資源を活かした産業が中心

地域ごとの産業の特色

地域ごとに自然環境や交通網、歴史的背景を活かした産業が発展しています。

北海道:農業と漁業の融合

  • 酪農・畑作(じゃがいも、玉ねぎなど)
  • サケやホタテなどの漁業も盛ん
  • 広大な土地を活かした第一次産業が中心

東北地方:林業と製造業の強化

  • 森林が多く、林業が重要
  • 自動車部品や電子機器などの製造業も発展
  • 地方都市で工業団地が形成されている

関東地方:商業と情報通信業の中心

  • 東京を中心とした都市圏で商業が発展
  • IT・情報通信業や金融業が集中
  • 都市サービス業も多数

関西地方:製造業とサービス業の融合

  • 大阪・神戸・京都などの都市圏で製造業とサービス業が共存
  • 阪神工業地帯で化学・機械工業が発展
  • 商業施設や観光産業も盛ん

中部地方:自動車産業と製造業の強化

  • 愛知県を中心に自動車工業が発展(トヨタ自動車など)
  • 機械・電子・化学などの製造業も集中
  • 第二次産業の比重が高い

中国地方:農業と製造業の融合

  • 米・野菜などの農業が盛ん
  • 広島(自動車)、山口(化学工業)など製造業も発展
  • 地域資源と工業が融合した構造

四国地方:農業と漁業の強化

  • みかん・野菜などの農業が中心
  • 瀬戸内海・太平洋沿岸で漁業も盛ん
  • 第一次産業が中心で、地域資源に依存

九州地方:農業と製造業の融合

  • 米・野菜・果物などの農業
  • 北九州(鉄鋼・化学工業)、福岡(商業・サービス)など製造業も発展
  • 第一次産業と第二次産業がバランスよく存在

まとめ(テスト対策ポイント)

  1. 日本の産業構造は第一次→第二次→第三次へと移行
  2. 地域ごとに産業の中心が異なる:
    • 北海道・四国:農業・漁業
    • 東北:林業・製造業
    • 中部・関西:製造業
    • 関東:商業・情報通信業
    • 九州:中国地方:農業+製造業の融合
  3. 地域ごとの特色を「自然環境+産業の種類」で覚えると記述問題に有利

テスト対策:日本の産業に関する重要ポイント

ここでは、日本の産業を中学生がテストで効率よく覚えられるよう、重要なポイントを整理します。産業の分類、構造の変化、地域ごとの特色を押さえることがテスト対策のコツです。

産業の分類と特徴

日本の産業は大きく 第一次産業・第二次産業・第三次産業 に分けられます。
違いや特徴を理解することで、記述問題でも得点しやすくなります。

第一次産業、第二次産業、第三次産業の違い

産業内容特徴
第一次産業自然の恵みを利用して生産農業・林業・漁業地域の自然環境に依存
第二次産業原材料を加工して製品を作る製造業・建設業工場や都市部で集中、技術力が重要
第三次産業サービスや情報を提供商業・金融・情報通信都市部中心、就業者の割合が最も多い

各産業の主要な業種と地域

  • 第一次産業:北海道(酪農・畑作)、東北(林業)、瀬戸内海沿岸(漁業)
  • 第二次産業:中部(自動車工業)、関東(精密機械)、関西(化学工業)
  • 第三次産業:関東(商業・情報通信)、関西(サービス業・商業)、全国都市部(金融)

産業構造の変化

日本の産業構造は時代とともに変化してきました。戦後の経済発展とともに、産業の比重が大きく変わっています。

第一次産業から第三次産業への移行の背景

  • 高度経済成長期(1950〜1970年代)
    • 工業化・都市化が進み、第二次産業が急成長
    • 農業や漁業の割合が減少
  • 現代
    • 第三次産業が就業者の約70%を占める
    • IT・サービス業の発展で、都市中心の経済構造に

ポイント:人口の都市集中と技術の発展が、産業構造の変化を促しました。

地域ごとの産業構造の違い

  • 北海道・四国:第一次産業中心
  • 中部・関西:第二次産業中心
  • 関東:第三次産業中心
  • 九州・中国地方:第一次+第二次産業の融合

地域ごとの産業の特色

地域ごとに自然条件や歴史的背景を活かして、特色ある産業が発展しています。

各地域の主要な産業と特徴

地域主要産業特徴
北海道農業・漁業酪農、畑作、サケ・ホタテ漁業
東北林業・製造業森林資源活用、自動車部品・電子機器製造
関東商業・情報通信東京中心、金融・IT産業が発展
関西製造業・サービス阪神工業地帯、商業・観光業も盛ん
中部自動車工業・製造業愛知県中心、技術力の高い工業
中国農業・製造業米・野菜栽培と造船・化学工業
四国農業・漁業みかん、野菜、漁業が中心
九州農業・製造業米・野菜、鉄鋼・化学工業も発展

地域ごとの産業の強化策と課題

  • 北海道・四国:農業・漁業の効率化、後継者不足の解消
  • 東北:林業と製造業の技術革新、労働力不足
  • 関東・関西:情報通信・サービス業の競争力維持
  • 中部・中国・九州:製造業の海外競争力強化、地域資源活用

ポイント:地域ごとの課題と取り組みも押さえると記述問題で得点しやすいです。

まとめ(テスト直前ポイント)

  1. 産業分類(第一次・第二次・第三次)の内容と例をセットで覚える
  2. 産業構造の変化は「第一次→第二次→第三次」、都市化・技術発展が背景
  3. 地域ごとの特色は「自然条件+産業の種類+課題」をセットで整理
  4. 表や図にまとめると記憶しやすく、テスト対策に最適

中学地理の問題:日本の産業の特色

それでは、日本の産業の特色について、テストによく出る問題を解いて練習してみましょう。

「テストで正解しておきたい基本問題」と「テストで差がつく問題」に分けています。

テストで正解しておきたい基本問題

(1)日本は鉱物資源が少なく、ほとんど輸入に頼っている。そのうち、石炭や鉄鉱石の最大の輸入相手国はどこか。

(2)エネルギー消費量が多くなると、近年では二酸化炭素などの増加によってある環境問題が大きな問題となっている。何か。

(3)地球温暖化対策として、太陽光や地熱など環境にやさしい自然エネルギーの開発と利用が急がれている。こうした自然エネルギーのことを何と呼ぶか。

(4)三大穀物を3つとも答えよ。

(5)日本の農業は稲作が中心だったため、米作りの量を国主導でコントロールする政策が取られていた。この政策のことを何と呼ぶか。

(6)農家の分類方法として、農業収入がほかの収入よりも多く、農業従事60日以上の65歳未満の者がいる農家を何と呼ぶか。

(7)農家の分類方法として、農業収入よりほかの収入のほうが多く、農業従事60日以上の65歳未満の者がいる農家を何と呼ぶか。

(8)農家の分類方法として、農業従事60日以上の65歳未満の者がいない農家を何と呼ぶか。

(9)大都市の周辺で作った新鮮な野菜を都市部に輸送する形態の農業を何と呼ぶか。

(10)高知平野などで多い、ビニールハウスを利用した農業を何と呼ぶか。

(11)和歌山県や愛媛県で多く生産されている農産物は何か。

(12)りんごの生産量日本一の都道府県はどこか。

(13)ぶどうや桃の生産が日本一の都道府県はどこか。

(14)乳牛を使って乳製品を生産・出荷する畜産業のことを何と呼ぶか。

(15)日本は世界有数の好漁場がいくつもある。そのうち暖流と寒流がぶつかるところを何と呼ぶか。

(16)日本は世界有数の好漁場がいくつもある。そのうち、沿岸部から200海里までの浅くゆるやかな海底を何と呼ぶか。

(17)魚介類を成長するまで人手で育てて収穫する漁業を何と呼ぶか。

(18)人工的にふ化させた稚魚などをある程度まで育ててから放流して、自然の中で収穫する漁業を何と呼ぶか。

(19)かつて日本では繊維工業などの(軽工業/重工業)が盛んだったが、高度経済成長期に(軽工業/重工業)が盛んになった。当てはまる語をそれぞれ選択しなさい。

(20)近年盛んになってきている集積回路などを生産する産業を何と呼ぶか。

(21)かつて日本は原料を輸入して製品化して輸出する貿易方法に依存していた。この貿易方法を何と呼ぶか。

(22)日本の四大工業地帯をすべて答えよ。

(23)四大工業地帯と、京葉工業地域・瀬戸内工業地域などの主要工業地域を含む地域を何と呼ぶか。

(24)他国との貿易額で、輸出額と輸入額で大きな差がある問題を何と呼ぶか。

(25)産業を第一次産業から第三次産業までわけたとき、農林水産業はどれに当てはまるか。

(26)産業を第一次産業から第三次産業までわけたとき、建設業はどれに当てはまるか。

(27)産業を第一次産業から第三次産業までわけたとき、商業・サービス業はどれに当てはまるか。

(28)ICチップなどの輸送手段は主に何輸送が多いか。

(29)石油や自動車などの輸送手段は主に何輸送が多いか。

(30)新幹線や高速道路など、全国各地で整備されている交通網を何と呼ぶか。

解答

(1)オーストラリア

(2)地球温暖化

(3)再生可能エネルギー

(4)米・小麦・トウモロコシ(※順不同)

(5)減反政策

(6)主業農家

(7)準主業農家

(8)副業的農家

(9)近郊農業

(10)施設園芸農業

(11)みかん

(12)青森県

(13)山梨県

(14)酪農

(15)潮目

(16)大陸棚

(17)養殖漁業

(18)栽培漁業

(19)軽工業・重工業

(20)ハイテク産業

(21)加工貿易

(22)北九州・阪神・中京・京浜(※順不同)
※教科書によって北九州工業地帯は工業地域になっています

(23)太平洋ベルト

(24)貿易摩擦

(25)第一次産業

(26)第二次産業

(27)第三次産業

(28)航空輸送

(29)海上輸送

(30)高速交通網

テストで差がつく応用問題

(1)世界で用いられる電力は(火力/水力/原子力)が多く、カナダやブラジルは(火力/水力/原子力)、フランスは(火力/水力/原子力)が多い。当てはまる語をそれぞれ選択しなさい。

(2)トウモロコシなどの生物資源から作られる再生可能エネルギーを何と呼ぶか。

(3)高知平野や宮崎平野などでみられる、施設園芸農業によってほかの地域より早く旬の農産物を作って各地に出荷する農業方式を何と呼ぶか。

(4)八ガ岳などの寒冷地でみられる、ほかの地域より時期を遅らせて農産物を出荷する農業方式を何と呼ぶか。

(5)北海道と九州で産出額割合の1番高い農業は下記のどれか。
【米・野菜・果実・畜産】

(6)東北地方で多い産出額割合の高い農業を下記から2つ選びなさい。
【米・野菜・果実・畜産】

(7)関東地方で産出額割合の1番高い農業は下記のどれか。
【米・野菜・果実・畜産】

(8)北陸地方で産出額割合の1番高い農業は下記のどれか。
【米・野菜・果実・畜産】

(9)四大工業地帯のなかで1番工業出荷額の多い工業地帯はどれか。

(10)中京工業地帯の工業出荷額のなかで1番多い工業は下記のどれか。
【金属・機械・繊維・食料品・化学】

(11)複数の国に拠点を持って活動している企業を何と呼ぶか。

(12)日本の企業が海外に拠点を移したことで、日本国内の製造業が衰退したことを何と呼ぶか。

(13)産業を第一次産業から第三次産業までわけたとき、日本で最も従事している人の数が多い産業はどれか。

(14)静岡県を中心とする工業地域を何と呼ぶか。

(15)埼玉県や群馬県などを中心とする工業地域を何と呼ぶか。

(16)千葉県を中心とする太平洋沿いの工業地域を何と呼ぶか。

(17)新潟県・富山県・石川県などを中心とする工業地域を何と呼ぶか。

(18)貿易摩擦解消のために、販売先の国に工場を立てて製品をつくることを何というか。

(19)情報通信技術の発達によって近年重要な産業となっているサービス業は何か。

(20)災害などによる影響や放射性廃棄物の処理が問題となっている発電方法は何か。

(21)少子高齢社会に対応して増えてきているサービス業は何か。

(22)航空輸送について、航空機の乗り換えのための拠点としての機能を持つ空港のことを何と呼ぶか。

(23)貿易摩擦などの貿易上の問題を処理するための機関を何と呼ぶか。

(24)太陽光を取り込んでエネルギー化するために屋根などに設置される装置を何と呼ぶか。

解答

(1)火力・水力・原子力

(2)バイオエタノール

(3)促成栽培

(4)抑制栽培

(5)畜産

(6)米・畜産(※順不同)

(7)野菜

(8)米

(9)中京工業地帯

(10)機械

(11)多国籍企業

(12)産業の空洞化

(13)第三次産業

(14)東海工業地域

(15)関東内陸工業地域

(16)京葉工業地域

(17)北陸工業地域

(18)現地生産

(19)情報サービス業

(20)原子力発電

(21)介護サービス

(22)ハブ空港

(23)世界貿易機関(WTO)

(24)ソーラーパネル(太陽光パネル)

中学地理:工業地帯の問題(太平洋ベルト)

(1)以下の赤枠で囲った、鉄鋼や石油化学が盛んな地帯を何と呼ぶか。

(2)以下の地図のA・B・Cの工業地帯の名称を答えてください。

(3)以下のa~fの工業地域の名称を答えてください。

(4)3つの工業地帯のなかで、機械工業の生産額の割合が7割を占める工業地帯はどれか。

(5)3つの工業地帯のなかで、機械工業の割合がもっとも低く、金属工業の割合がもっとも高い工業地帯はどれか。

(6)1970~1980年代にかけて、一定の区画を工業用地として整備し、工場を計画的に集めてつくられた。そのような地域を漢字四文字で何というか。

解答

(1)太平洋ベルト

(2)A:京浜工業地帯、B:中京工業地帯、C:阪神工業地帯

(3)a:北関東工業地域、b:京葉工業地域、c:北陸工業地域、d:東海工業地域、e:瀬戸内工業地域、f:北九州工業地域

(4)中京工業地帯
※トヨタの自動車生産が盛ん

(5)阪神工業地帯
※東大阪の中小工場が盛ん

(6)工業団地

工業地帯の覚え方と工業の特徴

日本の工業地帯として4つ覚えておきましょう。覚え方と各工業の特徴をまとめました。

中京工業地帯部地方にあるから名前に「中」がつきます。
都の真ん中にあるから「中京」という覚え方でもOK。
トヨタが中心→車を生産→機械産業が盛ん
京浜工業地帯と横から一字ずつ取って「京浜」です。大手の出版社や新聞社の本社がある→印刷業が盛ん
阪神工業地帯戸から一字ずつ取って「阪神」です。ロケットやネジなどの中小企業が多い→機械産業が盛ん
北九州工業地帯名前のとおり北九州にあります。
八幡製鉄所を中心に発展した地域です。
・魚を水揚げしてすぐ加工しやすい
・日本と海外の両方に輸出しやすい
→ 食品工業が盛ん

日本には主要な工業地帯が4つ、主要な工業地域が5つあります。それぞれの違いや特色を以下の記事にまとめています。テスト対策用の問題も載せているので、ぜひチャレンジしてみてください。
業地帯と工業地域の違いとは?特徴や工業出荷額の変化を中学生向けに解説

定期テストにおすすめの社会問題集

定期テスト対策としておすすめの社会の問題集を4冊紹介します。

目標の点数によって下記のように使い分けるのがおすすめです。

  • 定期テスト平均前後まで取りたい→『中学教科書ワーク 地理』
  • 定期テストで70点くらい取りたい→『ニューコース参考書 中学地理』
  • 県内トップ高を狙っている→『中学 地理 ハイクラステスト』『最高水準問題集』

※関連記事:社会の定期テスト対策の仕方

『中学教科書ワーク 社会 地理』

学校の教科書に合わせて作成された問題集です。教科書のページ数も記載されているので、「テスト範囲表」をページを確認しながらテスト勉強ができます。

帝国書院はコチラ↓

東京書籍はコチラ↓

教育出版はコチラ↓

日文はコチラ↓

出版社:文理

『ニューコース参考書 中学地理』

前出の『教科書ワーク』と同程度くらい~やや難しいレベルまでを網羅した参考書と問題集です。教科書よりポイントを分かりやすくまとめてくれており、テスト勉強に使いやすいです。

出版社:Gakken

『中学 地理 ハイクラステスト』

定期テストレベルの問題~高校入試レベルまで幅広いレベルの問題が掲載されています。

社会は範囲によって得意・不得意が分かれますから、そのときの自分に合った難易度の問題を選択できます。

出版社:増進堂・受験研究社

『最高水準問題集 社会』

最後に紹介するのは、難関国公私立入試対策の定番である「最高水準問題集」です。

難問をメインに構成されており、学校のテストで80-90点を安定して取れている人が入試に向けてレベルアップをするのに最適です。

「最高水準問題集」と「最高水準問題集 特進」に分かれており、「特進」のほうが難問ぞろいです。

地理↓

地理 特進↓

歴史↓

歴史 特進↓

公民↓

高校入試対策用↓

出版社:文英堂

中学社会のテスト勉強におすすめの通信教育

1人で勉強していると、下記のようなことがあります。

  • 思うように成績があがらない
  • 解説を読んでもいまいち理解できない
  • 1つ1つの解説は理解できるが、問題を解くときに知識をうまく使えない

こういうときにおすすめの通信教育を2つ紹介します。

月2,178円で受け放題のスタディサプリ

スタディサプリは視覚的に理解しやすい授業を特徴としています。何度も受講できるので、説明動画を頭に焼き付けることができます。

また、高品質な授業動画に加えて10万問以上の演習問題があります。

くわしくは、スタディサプリ中学講座の特徴と効果的な活用法で紹介しています。

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受講者数No. 1の進研ゼミ

やはり通信教育といえば進研ゼミです。受講者数No. 1で、昔から高校受験対策に定評があります。

高校入試情報をタイミングよく配信してくれますし、苦手克服から難関校対策まで幅広いレベルに対応しています。解説動画を学校の予習代わりに使って1日15~30分の勉強で高得点をねらうことも可能です。

くわしくは、進研ゼミ中学講座の特徴と効果的な利用法で紹介しています。

まとめ:日本の産業の特色

  1. 産業の分類
    • 第一次産業:自然の恵みを利用する産業(農業・林業・漁業)
    • 第二次産業:原材料を加工して製品を作る産業(製造業・建設業)
    • 第三次産業:サービスや情報を提供する産業(商業・金融・情報通信)
  2. 産業構造の変化
    • 戦後の高度経済成長期に、第一次産業から第二次・第三次産業へ移行
    • 都市化や技術発展により、現在は第三次産業が就業者の約70%を占める
  3. 地域ごとの産業の特色
    • 北海道・四国:農業・漁業中心
    • 東北:林業と製造業
    • 関東:商業・情報通信業の中心
    • 関西:製造業とサービス業の融合
    • 中部:自動車産業・製造業の強化
    • 中国・九州:農業と製造業の融合
  4. テスト対策のポイント
    • 産業の種類と例をセットで覚える
    • 地域ごとの特色と代表的な産業を整理
    • 課題や未来の取り組みも押さえると記述問題で有利

覚え方のコツ

  • 「自然・モノづくり・サービス」で第一次~第三次産業をイメージ
  • 地域ごとの産業は「自然条件+代表的産業+課題」で整理

定期テスト対策や高校入試対策にご活用ください。

Z会 中学生コースの案内

※Z会について下記記事でくわしく紹介しています。
【中学生向け】Z会タブレットコースの進め方:成績上位を取って難関校に合格する方法を解説

※関連記事:社会の定期テストの勉強法
※関連記事:高校入試によく出る問題の一問一答
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