「中学受験の英語って、いつから始めればいいの?」「早く始めないと間に合わないのでは…?」
そんな不安を抱える保護者の方は少なくありません。
英語の導入が進む中学入試では、学年によって適切なスタート時期や勉強法が大きく変わってきます。
そこでこの記事では、小学3年生から6年生までの学年別に最適な学習プランや、よくある失敗と成功例をもとに「後悔しない始め方」をわかりやすく解説。
英検や塾・教材の選び方も含め、無理なく続けられる英語学習のポイントを徹底的にご紹介します!
中学受験英語は「いつから」始めるのがベスト?
英語が中学入試の科目として導入される学校が増えている今、「いつから英語学習を始めればよいのか?」という疑問を抱く保護者は多いでしょう。結論から言えば、中学受験に向けた英語の学習は「早すぎず、遅すぎず」が理想です。
英語は短期間で結果が出る教科ではなく、リスニング・語彙・文法・読解・英作文など、複数のスキルを段階的に積み重ねる必要があります。
だからこそ、お子さまの学年や性格に合わせて無理のない学習スケジュールを立てることが成功のカギとなります。
早ければ早いほど有利?英語学習のスタート時期の考え方
一般的に言えば、小学校低学年から英語に触れ始めると、リスニング力や発音の基礎が自然に身につきやすく、アドバンテージになります。耳の感覚が柔軟なうちに、ネイティブ音声に触れておくことで、「聞いてわかる」力を育てられるからです。
また、英語の学習を通じて「楽しい」と思える経験を積むことが、将来の英語力の伸びに直結します。英語絵本や歌、アニメを使った自然なインプットがおすすめです。
ただし、「受験対策」としての英語はある程度の読解力や日本語の論理的思考も必要なため、早すぎる本格的な文法学習はかえって混乱を招くこともあります。
(参考:朝日新聞「「英語を学ぶなら早いほうがいい」第二言語習得論の専門家が早期教育を勧める理由」)
なお、小学校の英語の授業では、中学や高校にくらべて「アウトプット」に重点を置いた指導が行われています。(参考:文部科学省「令和5年度「英語教育実施状況調査」概要」)
先取りしすぎはNG?小学生の英語教育で注意すべきポイント
英語学習を早く始めることはメリットも多いですが、注意点もあります。特に、
- 日本語の文法がまだ不安定な段階で、英語の文法を詰め込みすぎる
- 英語学習が「苦痛」になってしまい、途中で嫌いになる
- 「英検◯級合格」にばかり焦点を当て、入試に必要な読解・作文が疎かになる
といったリスクがあります。
そのため、年齢に応じたバランスのよい英語学習を心がけることが重要です。特に中学受験を視野に入れるなら、「英語を楽しむ時期」と「受験対策に入る時期」を分けて考えるとよいでしょう。
学年別に見る!中学受験英語のおすすめ学習プラン

小学3・4年生から始める場合のメリットと学習内容
この時期から始める英語学習は、基礎的な英語力を「遊び感覚」で身につけることを目指します。受験対策というよりは、「英語に親しみ、興味を持つ」ことが最重要です。
おすすめ学習内容
- 英語の絵本の読み聞かせ
- フォニックス学習(英語の音と文字の関係)
- 英語の歌やアニメ視聴
- 簡単な日常会話のフレーズ練習
- タブレットやアプリを使ったゲーム感覚の英語
この段階で英語に自信を持てれば、後の受験対策にスムーズに移行できます。
小学5年生から本格的に始める場合の対策ポイント
5年生から英語を始める場合は、中学受験英語の出題傾向を視野に入れた学習が必要になります。各中学の過去問題や出題形式に目を通し、必要なスキルを逆算して計画的に取り組むことが大切です。
対策のポイント
- リスニング対策:音声CD・アプリでのシャドーイング練習
- 語彙力アップ:中学レベルの単語帳(英検4級〜3級程度)
- 文法学習:be動詞・一般動詞・疑問文など、基礎をしっかり
- 読解・英作文:簡単な文章で構文に慣れ、アウトプットも意識
5年生はまだ時間的な余裕があるため、じっくり土台を作る絶好のタイミングです。
小学6年生からスタートする場合の短期集中対策
6年生になってから英語を始める場合でも、焦らず戦略的に取り組めば合格は目指せます。ただし、時間が限られるため、得点に直結しやすい分野に絞った「効率重視」の学習が鍵になります。
短期集中対策のポイント
- リスニング強化:毎日音声に触れるルーティンをつくる(シャドーイング・聞き流し)
- 出題傾向分析:志望校の英語問題を徹底研究し、必要な力に集中
- 英検対応学習:3級〜準2級レベルの文法や語彙を優先
- 英作文の型を暗記:短文の構成パターンを習得して、記述対策に備える
この段階では、塾やオンライン教材などを活用し、プロの指導で効率よく学ぶのもおすすめです。
※なお、中学受験の英語入試の対策法を以下の記事でくわしく解説しています。
中学受験の英語入試に合格するための勉強法|リスニング・文法・長文対策を徹底解説
学年別に見る!中学受験英語のおすすめ学習プラン
中学受験英語は、スタートする学年によって「重視すべき内容」や「学習のペース」が変わります。無理のない学習計画を立てるために、学年別に適したアプローチを見ていきましょう。
小学3・4年生から始める場合のメリットと学習内容
小学3・4年生から英語を始める最大のメリットは、「英語に対する苦手意識を持たずにスタートできる」ことです。
■ メリット
- リスニング力や発音の基礎を「耳」で身につけやすい
- 英語を“教科”としてでなく“遊び”として楽しめる
- 習慣化しやすく、長期的に安定した力を育てられる
■ この時期におすすめの学習内容
- 英語絵本の読み聞かせ(英語に親しむ)
- フォニックス(発音とつづりのルールを知る)
- 英語アニメや歌で楽しくインプット
- 簡単な英語ゲームやアプリ(英語=楽しいと感じさせる)
この段階では「英語が好きになる」ことが最大の目的。文法や英検などのハードな学習は焦らず、遊びながら自然と英語に慣れることが大切です。
小学5年生から本格的に始める場合の対策ポイント
5年生は中学受験まで約2年。「英語を本格的に勉強するスタートライン」として適切な時期です。
■ この時期に重点を置くポイント
- 文法の基礎定着(be動詞、一般動詞、疑問文、助動詞など)
- 英単語の暗記と活用(英検4〜3級レベルが目安)
- リスニング練習の習慣化(毎日少しずつ聞く習慣をつける)
- 簡単な英文読解に挑戦(主語+動詞+目的語の構文を理解)
■ 使いたい教材
- 子ども向けの文法ドリル(例:Z会、学研)
- 英語アプリ(Duolingo Kids、英語組み立てTOWNなど)
- 英検対応教材(旺文社の英検シリーズなど)

小学英文法 パターンドリル 1 be動詞・一般動詞・疑問詞・canの文 (小学パターンドリル)

英検5級 でる順パス単 書き覚えノート 改訂版 (旺文社英検書)

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この時期からは、中学受験で求められる「読む・聞く・書く」の総合力を意識した学習が必要です。
小学6年生からスタートする場合の短期集中対策
6年生から英語を始める場合は時間が限られているため、短期集中で成果の出やすい学習に絞る必要があります。
■ 対策のポイント
- 志望校の出題傾向を分析し、必要なスキルを明確にする
- 毎日の英語リスニングを習慣に(朝や移動時間を活用)
- 文法と語彙の要点を絞って学習(英検3級レベルを目安)
- 英作文の型を暗記して、短文作成に慣れる
■ 短期で力をつけるコツ
- 英語専門塾や家庭教師、オンライン指導の活用
- 教材を「1冊完璧主義」で仕上げる
- モチベーション維持のために「目に見える成果」(模試・英検など)を設定する
この段階では、「あれもこれも」ではなく、「必要なものを見極めて重点的に取り組む」姿勢が重要です。
スタート時期で変わる!勉強法と教材の選び方
英語学習のスタート時期によって、最適な勉強法と教材は大きく変わります。子どもの学年や性格、英語レベルに応じて、ストレスの少ない教材を選びましょう。
子どもが無理なく進められる教材とは?
子どもが英語に対して苦手意識を持たず、「自分で進めたい」と思える教材こそが最適です。
■ 無理なく続けられる教材の特徴
- イラストや音声付きで視覚・聴覚に訴える
- スモールステップで進められ、達成感を得やすい
- 解説がやさしく、子ども自身でも理解しやすい
- 自動採点・ゲーム性などの「楽しさ」がある(アプリ教材など)
おすすめ教材例
- 「ポピー Kids English」:低学年向けの楽しい音声教材
- 「英語組み立てTOWN」:英作文力も自然と育つアプリ
- 「Z会 小学生向け英語」:受験対策も視野に入れた設計
英検対策と中学受験対策、どちらを重視すべき?
「英検を受けたほうがいい?」「中学受験の英語と違う?」と悩む保護者は多いです。
■ 結論
中学受験英語に直結するなら「受験対策優先」、志望校で英検が評価されるなら「英検対策も並行」がベストです。
■ 違いのポイント
英検 | 中学受験英語 | |
---|---|---|
出題形式 | リスニング・語彙・読解・作文 | 学校ごとに異なる(読解中心、リスニングあり等) |
難易度の基準 | 全国共通 | 学校独自 |
評価方法 | 合否あり(級取得) | 得点換算/加点制が多い |
英検3級・準2級を目指しながら、中学受験の過去問にも触れるのが理想。どちらか一方に偏るのではなく、バランスを見て判断しましょう。
塾・通信・アプリ学習の最適な活用法
教材の種類は多岐にわたりますが、それぞれに役割があります。目的や学年に応じて使い分けるのがポイントです。
■ 各学習法の特徴と活用ポイント
学習法 | 向いている子 | 活用方法 |
---|---|---|
英語塾(対面) | 集団が好き・きちんと管理されたい | 志望校対策や過去問演習に有効 |
通信教育 | 自分のペースで進めたい | 基礎力を家庭でじっくり養う |
オンライン学習 | 映像・音声が得意・地方在住 | 英検対策やリスニング対策に最適 |
アプリ | 遊び感覚で学びたい | 単語や文法の復習、スキマ時間活用 |
特に小学生は集中力が続きにくいため、1日10分でも継続できる教材を選び、「習慣化」することが成功の秘訣です。
よくある失敗と成功事例から学ぶ「始めどき」の判断
中学受験英語は「早ければ早いほどよい」と考えがちですが、実際にはスタート時期とやり方が合っていないと効果が出ないこともあります。
ここでは、失敗例・成功例を比較し、ベストな始めどきを判断するための材料にしていきましょう。
早く始めたのに伸びない?失敗例から学ぶ注意点
「小学2〜3年生から英語を始めたのに、全然伸びなかった」という声は意外に多いです。早期スタートにも落とし穴があることを知っておく必要があります。
■ よくある失敗パターン
- 教科書的な英語に偏りすぎていた
- 文法書や単語帳ばかりを使い、子どもが退屈に感じてしまった
- 「遊び」や「英語に親しむ」段階を飛ばしていた
- 家庭のサポートが続かなかった
- 親が忙しくてフォローできず、子どもが自己流で進めてしまった
- アプリや通信教材を買っただけで満足してしまった
- 目標があいまいだった
- 「英語をやらせたい」だけで、中学受験に直結した目的がなかった
- モチベーションを保つイベント(英検や模試)がなかった
■ 教訓
- 低学年では「楽しむ・慣れる」が中心でよい。焦って成果を求めすぎない
- 保護者が英語力を求めるあまり、子どもにプレッシャーをかけすぎない
- 「継続できる環境」を作ることが何よりも大事
5年生からでも合格した!成功した家庭の共通点とは
「英語を始めるのが遅かったかも…」と不安に感じる方も多いですが、5年生からのスタートでも十分に合格を勝ち取った家庭はたくさんあります。
■ 成功した家庭の共通点
- 目的が明確だった
- 志望校に英語入試がある、英検の加点があるなど「目標設定」ができていた
- 「〇月までに英検3級」「12月に模試を受ける」など短期目標があった
- 家庭と子どもの性格に合った学習スタイルを選んでいた
- 塾に通わず、自宅で通信教材に集中した
- 学校と両立できるようアプリでスキマ学習を工夫した
- 短期間でも「集中力のある期間」を確保できた
- 夏休み・冬休みに集中的に取り組むスケジュールを立てた
- 毎日少しずつでも必ず英語に触れる「習慣化」を意識
■ 成功の秘訣
- 始める時期よりも、「目的の明確さ」と「継続できる仕組み」
- 5年生からのスタートでも、正しい教材とペース配分で十分に追いつける
- 子どもの「やる気スイッチ」が入る時期に合わせたスタートがベスト
まとめ|中学受験英語は“適切な時期”に“無理なく継続”がカギ
最後に、これまでの内容をもとに「中学受験英語はいつ・どう始めればいいのか」をまとめます
■ 中学受験英語の始めどきで大切な3つの視点
ポイント | 説明 |
---|---|
① タイミング | 早ければ良いとは限らない。子どもの性格や理解力、家庭環境に合った時期を選ぶ。 |
② 目的設定 | 「なんのために英語をやるのか(志望校・英検)」を親子で共有しておく。 |
③ 継続可能性 | 継続できる教材・環境を選び、「1日10分の習慣」を守るのが最強。 |
■ 結論
中学受験英語は、「早い=有利」ではなく、「合った時期に、目的に応じて、楽しく続けられるかどうか」が成功のカギです。
焦らず、子どものペースに合わせたスタートと、家庭のサポートが合わされば、何年生からでも合格に近づくことができます。
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