漢文は国語の中でも最も短時間で得点力を上げやすい分野です。しかし、参考書の選び方を間違えると「やったのに点が取れない」状態になりがちです。
そこで本記事では、高校生向けに漢文参考書を句形・返り点・演習の3ジャンルに分け、偏差値別・目的別に最適な選び方と使い方を解説します。
共通テストから私大・国公立二次試験まで対応できる構成です。
漢文の参考書選びで失敗する人が多い理由
漢文は「やり方」と「順番」を間違えると、勉強量のわりに点数が伸びない科目になりがちです。とくに参考書選びでつまずく高校生は多く、共通テスト・一般入試どちらでも「伸び悩み」の原因になります。
ここでは、実際によくある失敗パターンを3つに分けて解説します。
漢文は「全部読めなくても点が取れる」科目
漢文が苦手な人ほど、
「白文を最初から最後まで正確に読めないとダメ」
と思い込んでいます。
しかし、入試漢文は“完璧な読解力”を求めていません。
なぜ全部読めなくても点が取れるのか
- 出題の中心は
句形・返り点・重要語句・内容一致 - 現代文のような高度な抽象理解はほぼ不要
- 典型パターンを覚えるだけで解ける設問が多い
つまり漢文は、
「読解力」より「知識の再現力」が点数に直結する科目です。
この特性を知らずに、いきなり長文読解型の問題集を選ぶと、
「読めない → 解けない → 嫌いになる」
という悪循環に陥ります。
文法書・読解書をごちゃ混ぜに選んでしまう
漢文参考書選びで最も多い失敗がこれです。
漢文の参考書は役割が違う
漢文の教材は、大きく分けて以下の3種類があります。
- 句形・文法系(インプット)
- 返り点・書き下し特化型
- 演習問題集(アウトプット)
にもかかわらず、
- 句形の説明が薄い読解問題集だけを買う
- 文法書を読んだだけで問題演習をしない
といった役割無視の選び方をしてしまう人が非常に多いです。
正しい順番はこれ
- 句形・返り点を理解する参考書
- 短文〜標準レベルの演習
- 共通テスト・入試形式の問題集
この順番を無視すると、
「参考書をやったのに点が取れない」状態になります。
※詳しい勉強の流れは、
「高校生向けに漢文の勉強法を解説する記事」
で体系的に解説します。
「難関大用」を最初から使う危険性
書店やネットでよく見かけるのが、
「東大・京大・難関大対策」と書かれた漢文参考書です。
結論から言うと、
基礎が固まっていない高校生が最初に使うのは危険です。
難関大用が合わない理由
- 句形・返り点の説明が省略されている
- 既に知っている前提で解説が進む
- 読解量・背景知識の要求が高い
結果として、
- 解説を読んでも理解できない
- 「漢文はセンスがいる」と誤解する
- 途中で挫折する
というケースが非常に多くなります。
共通テスト・一般入試の現実
実際には、
- 共通テスト漢文は基礎句形+定番問題
- 多くの私大・国公立でも標準レベルまでで十分対応可能
つまり、
“基礎〜標準を完璧にする参考書”こそが最短ルートです。
(参考:大学入試センター – 大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針)
難関大用は、
基礎が完成してからの2冊目・3冊目
として選ぶのが正解です。
漢文参考書は3ジャンルで役割が決まる

漢文の参考書選びで迷う最大の原因は、「全部まとめて1冊で何とかしよう」とすることです。
しかし実際の漢文学習は、役割の異なる3ジャンルを正しい順番で使うことで、最短・最小の努力で点数が伸びます。
ここでは、高校生が必ず押さえるべき
①句形 → ②返り点 → ③演習
という3ジャンルの役割と使い分けを、入試目線で詳しく解説します。
① 句形・基礎理解系(最優先)
漢文学習で最優先すべきなのが句形です。
極端に言えば、句形が分かれば漢文は半分以上解けます。
なぜ句形が最優先なのか
- 設問の多くが句形理解を前提に作られている
- 現代語訳・内容一致・理由説明の土台になる
- 共通テストでは句形の意味処理がほぼ必須
返り点や読解よりも先に、意味の判断装置として句形を身につける必要があります。
句形は「構文」ではなく「意味の型」で覚える
句形を
×「この形が出たら、こう返る」
として覚えると、実戦で使えません。
正しい覚え方は、
「この形が出たら、文全体は何を言っているか」
という意味の型で覚えることです。
例で考えると、
- 使役 →「AがBに〜させる」
- 受身 →「〜される」
- 仮定 →「もし〜ならば」
- 反語 →「どうして〜だろうか、いや〜ない」
このように、
現代語の意味パターンごとに瞬時に変換できる状態
を目指します。
これができると、
- 白文でも大意が取れる
- 選択肢問題の処理が速くなる
- 書き下し文で迷わなくなる
という効果が一気に出ます。
文部科学省の学習指導要領(国語-言語文化)でも、語彙の正確な理解に加えて「文脈での判断」も重要とされています。
文章の意味は,個々の文の意味を単に合わせただけのものではなく,文脈の中で形成される
文部科学省 高等学校学習指導要領解説 – 国語より引用
20〜30個で十分な理由
「句形は何個覚えればいいの?」という質問は非常に多いですが、
結論はシンプルです。
【入試で頻出なのは20〜30個程度】
理由は以下の通りです。
- 出題される句形はほぼ固定されている
- 難解な句形は注が付くか、出題されない
- 共通テスト・私大ともに“定番”の繰り返し
つまり、
- 50個・60個を網羅する必要はない
- むしろ覚えすぎると混乱する
「頻出句形を完璧に即答できる」状態を作る方が、
点数には直結します。
② 返り点・書き下し系
句形の次に固めるべきなのが、返り点と書き下しです。
ここが曖昧だと、減点が連鎖します。
返り点が弱いと失点が連鎖する
返り点は「読める/読めない」ではなく、
正確に処理できるかどうかが重要です。
返り点が弱いと、
- 書き下し文が崩れる
- 主語・目的語の関係を取り違える
- 現代語訳がズレる
- 内容一致で誤答する
というように、
1か所のミスが複数の設問に波及します。
逆に言えば、
- 一定のパターンとして処理できるようになると
- 読解に頭を使わず、機械的に進められる
これが漢文で安定して点を取る最大のコツです。
作業として処理できる参考書の条件
返り点・書き下し用の参考書は、
「理解する本」ではなく「慣れる本」であるべきです。
良い参考書の条件は以下の通り。
- 返り点のルールが図解・手順で整理されている
- 白文 → 書き下し → 現代語訳の流れが明確
- 短文中心で量をこなせる
- 1問あたりに時間がかからない
目標は、
考えずに手が動くレベルまで落とし込むこと。
ここで長文や難文に手を出す必要はありません。
③ 演習・実戦系
最後に使うのが、演習・実戦系の問題集です。
多くの人がここを最初にやって失敗します。
演習書は“最後”に使うのが正解
演習書は、
- 句形
- 返り点
- 基本語彙
が揃って初めて効果を発揮します。
基礎が不十分なまま演習を始めると、
- 1問に時間がかかる
- 解説を読んでも理解できない
- 「できなかった」経験だけが残る
結果、学習効率が極端に下がります。
演習書の役割はあくまで、
「できることを確認する」「入試形式に慣れる」
新しい知識を入れる場ではありません。
共通テストと私大・国公立で分けるべき理由
演習書は、入試形式ごとに分けて選ぶ必要があります。
- 共通テスト
- スピード重視
- 大意把握・内容一致が中心
- 選択肢処理の練習が重要
- 私大・国公立(2次)
- 書き下し・現代語訳の正確性
- 記述対応の有無
- 設問の癖への対応
同じ漢文でも、
求められる力が微妙に違うため、
1冊で全部対応しようとすると中途半端になります。
まとめ|3ジャンルを「順番どおり」に使えば漢文は伸びる
- ① 句形・基礎理解(最優先)
- ② 返り点・書き下し(作業化)
- ③ 演習・実戦(仕上げ)
この順番を守るだけで、
漢文は短期間で安定して点が取れる科目に変わります。
偏差値別|漢文おすすめ参考書一覧

ここでは、実際に多くの高校生・受験生が使って成果を出している定番参考書を、
「どの偏差値帯で・何の目的で使うべきか」が一目で分かるように詳しく解説します。
※前提として
- 句形 → 返り点 → 演習
という順番を守ることで、最短で得点力が伸びます。
偏差値40〜50|最短で基礎完成
このレベルの目標はシンプルです。
「漢文がなんとなく分かる」ではなく、「ルールとして処理できる」状態を作ること
『大学受験ムビスタ 岡本のたった3時間で漢文句法』
句形特化のやさしい参考書
この参考書は、漢文がほぼゼロからの人に最適な句形入門書です。
特徴
- 頻出句形を厳選して解説
- 難しい専門用語を使わず、口語的で理解しやすい
- 「なぜこの意味になるのか」を丁寧に説明
おすすめ理由
- 句形を「暗記」ではなく「意味の型」として理解できる
- 1冊を短時間で終えられるため、挫折しにくい
- 漢文への心理的ハードルを一気に下げられる
向いている人
- 漢文が苦手・未履修に近い
- まず全体像をつかみたい
- 分厚い参考書が苦手
参考:大学受験ムビスタ 岡本のたった3時間で漢文句法(Gakken)
『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習』
返り点が丁寧な入門書
句形を理解したら、次に必要なのが手を動かす練習です。
この1冊は、返り点・書き下しを作業として定着させるのに非常に向いています。
特徴
- 短文中心でテンポよく演習できる
- 書き込み式でアウトプット量が多い
- 返り点→書き下し→意味確認の流れが明確
おすすめ理由
- 「分かるけど書けない」を防げる
- 返り点処理が自動化されやすい
- 基礎固めとして完成度が高い
『基礎からのジャンプアップノート 漢文句法 演習ドリル 三訂版』
この段階での仕上げ用
上の2冊で基礎を作ったあと、定着確認用として使うのがベストです。
特徴
- 基礎〜標準レベルの演習が段階的
- 句形と読解を自然につなげられる
- 解説が簡潔で復習しやすい
この段階で避けたい参考書
- 難関大・記述メインの問題集
- 長文中心で解説が薄い演習書
- 共通テスト対策をうたうが基礎説明が省略されているもの
「理解→作業→定着」までをこの偏差値帯で終わらせるのが理想です。
参考:基礎からのジャンプアップノート 漢文句法 演習ドリル 三訂版(旺文社)
偏差値50〜60|安定して得点できる参考書
ここからの目標は、
「漢文を得点源にする」こと
共通テスト対応の標準演習書
『漢文早覚え速答法 共通テスト対応版』
特徴
- 句形・重要語・設問処理を一体化
- 共通テスト頻出パターンに特化
- スピード重視の構成
おすすめ理由
- 「考えすぎて時間が足りない」問題を解消
- 選択肢処理のコツが身につく
- 短期間で点数が安定しやすい
『マーク式基礎問題集 漢文 五訂版』
特徴
- 共通テスト形式そのままの演習
- 問題量が豊富で実戦向き
- 解説が過不足なく読みやすい
おすすめ理由
- 本番形式への慣れが作れる
- ケアレスミスを減らせる
- 国語全体の時間配分が改善する
設問処理が学べる参考書
『Z会 漢文道場 基礎編』
特徴
- 設問ごとの考え方を徹底解説
- 読解プロセスを言語化してくれる
- 難しすぎず、質が高い
おすすめ理由
- 「なぜその選択肢が正解か」を説明できるようになる
- 思考の型が身につく
- 次の難関レベルへの橋渡しになる
偏差値60〜70|難関大・二次試験対応
この段階では、
記述力・説明力・応用読解力
が合否を分けます。
記述・理由説明対応の参考書
『大学入試 全レベル問題集 漢文 3 私大・国公立大レベル 新装版』
特徴
- 記述問題・理由説明が充実
- 標準〜難関レベルの良問を厳選
- 解説が論理的で再現性が高い
おすすめ理由
- 二次試験の答案作成力が身につく
- 漢文を「説明できる」レベルに引き上げられる
- 国公立志望者には特に必須
漢詩・思想文まで網羅できる1冊
『入試精選問題集 漢文 四訂版』
特徴
- 漢詩・思想文・難度高めの文章を網羅
- 出題テーマが幅広い
- 難関大頻出の形式に対応
おすすめ理由
- 難関国公立・最上位私大に対応できる
- 「初見でも対応できる力」が身につく
- 最終仕上げ用として完成度が高い
まとめ|偏差値別・漢文参考書の正しい使い方
- 40〜50:句形・返り点を「処理できる」状態に
- 50〜60:共通テスト・標準入試で安定得点
- 60〜70:記述・難文対応で合格ライン突破
漢文は、
正しい順番 × レベルに合った参考書
を守れば、最もコスパよく点が伸びる科目です。
目的別|漢文参考書の選び方
漢文はただ「分厚い本を買えばいい」という科目ではありません。
自分の弱点・目的に合わせて参考書を選び、必要な力を効率よく伸ばすことが合格への近道です。
ここでは、よくある学習課題ごとに最適な参考書の条件と選び方を詳しく解説します。
句形が覚えられない人向け
こんな人におすすめ
- 句形の意味が何となくしか分からない
- 問題をといても、どの句形を使って解いたか自信が持てない
- 覚えたのに本番で忘れてしまう
句形は漢文の核です。
覚えられない場合は、「量を増やす」より「覚え方を変える」ことを優先しましょう。
選び方のポイント
- イメージで理解できる解説
図解・フローチャート・色分けされた説明がある参考書は、視覚的に意味の流れがつかみやすいです。 - 例文中心で反復できる構成
同じ句形を何度も見て、違う用例を通して定着を促すパターンがある教材が向きます。 - 小さく区切られた問題量
「1日3つずつ」など、小さな成功体験を積みやすいドリル形式が効果的です。
具体的に向いているタイプ
- ステップ形式で「読む → 意味を押さえる → 例文処理」のサイクルが回せるもの
- 付箋やノートで整理しやすい配列・ページ構成
勉強のコツ
- 覚えた句形を付箋やノートに書き出し、穴埋め形式で復習
- 本文を見ずに「意味だけ」で句形を説明できるようにする
返り点でつまずく人向け
こんな人におすすめ
- 書き下しが遅い・間違える
- 主語や述語の関係がうまくつかめない
- 白文で意味の流れが見えない
返り点・書き下しは、漢文を「作業」として処理できるかどうかがポイントです。
選び方のポイント
- 返り点のルールが図解で整理されている
文字だけで説明されたものより、線や色分けで処理手順が示されている教材が覚えやすいです。 - パターン練習が中心
同じ返り点ルールでも、文脈を変えた問題で何度も練習できるものを選びます。 - 書き下し→現代語訳の流れが明確
「読める → 意味が取れる → 設問に使える」という流れが一体化していると定着が早いです。
具体的に向いているタイプ
- 白文を「線でなぞる」作業に慣れられる問題集
- 返り点ごとにタイプ別に整理された練習ドリル
勉強のコツ
- 1問ごとに「返り点処理の手順」を声に出して確認
- 書き下しは「句点ごと」に区切って処理する習慣をつける
設問が解けない人向け
こんな人におすすめ
- 単語・句形は分かるが、選択肢を選べない
- 共通テストや入試問題で時間が足りなくなる
- 「正解は何となく分かるが根拠が説明できない」
設問が解けない人は、漢文のルールは分かっていても、入試の問われ方に対応できていないことが多いです。
選び方のポイント
- 設問ごとに“考え方のプロセス”が示されている
解答に対して「どこを根拠にするか」が丁寧に書かれている教材が良いです。 - パターン別の設問練習が豊富
内容一致・理由説明・語句整序・内容説明などバランスよく入っているものを選びます。 - 図や表で比較ができる
選択肢比較や誤りの理由を明確に示している教材が、思考を鍛えるのに向きます。
具体的に向いているタイプ
- 正答だけでなく“必ず正答に至る思考プロセス”が書いてある問題集
- 漢文読解の「根拠発見 → 選択肢との照合 → 消去法」を練習できる教材
勉強のコツ
- 必ず「正答根拠」をノート化する
- 間違えた設問は、解説を丸写しではなく「自分の言葉で」説明できるように整理する
共通テストだけ対策したい人向け
共通テストは、難関大二次とは異なるスピード勝負 × 大意重視の形式です。
短時間で対策したい人は、共通テスト特有の力を培う教材を選ぶことが重要です。
短時間学習に向く参考書の条件
共通テスト対策の参考書を選ぶ際は、以下の条件を満たすものが最適です。
☑ 頻出パターンがまとまっている
- 大意把握(要旨把握・内容一致)の頻出パターンがコンパクトに整理されている
- 「第1問〜第5問までどう解くか」が見える構成
☑ 設問形式を網羅
- 内容一致・語句選択・理由説明・適語補充など、共通テストで実際に出題される形式が揃っている
- 「共通テスト型」の設問練習ができる
☑ 時間配分を意識した構成
- 60分で何問解くべきか、時間管理のコツまで触れている教材が理想的
- 本番形式のセット練習がある
☑ 丁寧な根拠解説
- 解答だけでなく「正答の根拠」「誤答の理由」を明確に示している
おすすめの使い方
- 共通テスト対応テキストで問題形式と出題パターンを理解
- 過去問演習で「時間配分」「設問処理感覚」を体感
- 間違えた問題を、句形・返り点理 合わせて復習
まとめ|弱点別・最適な参考書選びのコツ
| 学習課題 | 重要な選び方のポイント |
|---|---|
| 句形が覚えられない | 視覚的な説明・反復しやすいドリル型 |
| 返り点でつまずく | 図解・段階的処理・パターン練習 |
| 設問が解けない | 解答プロセスの解説が丁寧・入試形式になれている |
| 共通テストだけ対策 | 出題形式を網羅・時間配分意識・頻出パターン整理 |
漢文は目的に合わせて教材を選ぶことで、最短で得点力が伸びる科目です。
自分の課題を明確にして、最も効果のある教材から始めましょう。
漢文参考書の正しい使い方
漢文は「どの参考書を使うか」以上に、どう使うかで結果が決まる科目です。
ここでは、現場で多くの高校生を見てきた指導経験に基づき、点数に直結する3周構成の使い方を具体的に解説します。
(※学校・模試・共通テストで再現性が高い方法のみを厳選しています)
1周目|句形と意味を即答できるか
目的:知識の“理解”ではなく“即答化”
1周目でやるべきことはシンプルです。
句形を見た瞬間に、意味が日本語で出てくるか。
具体的な進め方
- 句形ごとに
- 形
- 意味(現代語)
- 典型例文
をセットで確認
- 書き下し・設問はまだ解かない
- 「読んで分かる」では合格ライン未満
合格ラインのチェック
- 句形を隠して
- 形 → 意味
- 意味 → 形
が即答できる
- 1文に出てきた瞬間、意味の型が頭に浮かぶ
× よくある失敗
- マーカーを引いて満足
- 解説を読んで「分かった気」になる
1周目は“暗記”ではなく“反射”を作る段階です。
2周目|返り点と書き下しを作業化
目的:考えずに手が動く状態を作る
2周目では、返り点・書き下しを
思考ではなく作業として処理できるか
を徹底しましょう。
具体的な進め方
- 白文を見たら、まず返り点処理だけに集中
- 書き下し文を
- 文節単位
- 句点ごと
に区切って処理
- 意味理解は「最低限」でOK
合格ラインのチェック
- レ点・一二点・上下点で迷わない
- 書き下し文を一定の型で書ける
- 1文あたりに時間がかからない
× よくある失敗
- いきなり現代語訳まで完璧にやろうとする
- 長文ばかり解いて処理が雑になる
2周目は「正確さ × スピード」の土台作りです。
3周目|設問処理だけを確認
目的:入試で点になる動きを身につける
3周目では、
設問をどう処理すれば点になるか
だけに集中しましょう。
具体的な進め方
- 本文は「精読」しない
- 設問 → 根拠箇所 → 句形・語句
の流れを固定化 - 内容一致は
- 主語
- 否定
- 因果
を重点チェック
合格ラインのチェック
- 正答の根拠を本文中で指摘できる
- 「なんとなく」ではなく説明できる
- 時間配分を意識して解ける
× よくある失敗
- もう一度最初から読み直す
- 設問ごとに解き方がバラバラ
3周目は“本番の動作確認”です。
誤答ノートと併用する方法
誤答ノートは、作り方を間違えると逆効果になります。
ポイントは「原因だけを書く」ことです。
正しい書き方(例)
- × 間違えた問題全文を書く → 不要
- 〇
- 間違えた理由
- 句形の意味勘違い
- 返り点処理ミス
- 根拠箇所の見落とし
- 正しい判断基準(1行)
- 間違えた理由
効果的な使い方
- 3周目終了後にまとめる
- テスト前は
→ 誤答ノートだけを高速で見返す
これにより自分専用の「落とし穴集」が完成します。
「やった気」で終わらせないチェック表
最後に、参考書学習が自己満足で終わっていないかを確認するチェック表です。
学習チェックリスト
- ⬜ 句形を見て、意味を即答できる
- ⬜ 返り点処理で手が止まらない
- ⬜ 書き下し文を型で書ける
- ⬜ 正答の根拠を本文中で示せる
- ⬜ 間違いの原因を説明できる
⬜がすべて埋まっていれば、
その参考書は「点数に変換できている」状態です。
漢文参考書の正しい使い方チェック表(簡易)
| チェック | 確認項目 | できていない場合のサイン |
|---|---|---|
| □ | 句形を見て意味を即答できる | 参考書を見ないと意味が出てこない |
| □ | 返り点を作業として処理できる | 書き下しに毎回時間がかかる |
| □ | 書き下し文を頭の中で再現できる | 語順を目で追わないと理解できない |
| □ | 問題演習では設問だけを解き直している | 本文から読み直してしまう |
| □ | 間違えた理由を一言で説明できる | 「なんとなく違った」で終わる |
使い方のポイント(やった気防止)
- □が3つ以上つかない場合 → まだ「理解したつもり」
- 全部に□がつく → その参考書は一旦クリア
- チェックは週1回がおすすめ
まとめ|漢文は「3周」で完成する
- 1周目:句形と意味を即答化
- 2周目:返り点・書き下しを作業化
- 3周目:設問処理を本番化
この3段階を意識して参考書を使えば、
漢文は短期間で最も安定する得点源になります。
漢文参考書×勉強法の最短ルート
漢文は「時間をかけた人が有利」な科目ではありません。
正しい参考書 × 正しい勉強法 × 適切な時間配分を組み合わせれば、
1日10〜15分でも十分に得点源にできます。
ここでは、
- 既存の漢文の勉強法記事との連携
- 忙しい高校生向けの超短時間学習への落とし込み
- 古文・現代文と並行する際の注意点
を、実践ベースで解説します。
漢文の勉強法記事との連携ポイント
本記事は、以下の
「高校生向けに漢文の勉強法を解説する記事」
とセットで読むことで、最大の効果を発揮します。
役割分担を明確にする
- 勉強法記事
→「何を・どんな順番で・どう考えるか」 - 本記事(参考書編)
→「どの参考書で・どこまで仕上げるか」
この2つを分けて考えることで、
「参考書だけ増えて勉強法が定まらない」状態を防げます。
連携の具体例
- 勉強法記事で
「句形→返り点→演習」の流れを理解 - 本記事で
その役割に合う参考書を1冊ずつ選ぶ
☑ 方法(How)と道具(What)を分離して管理するのがポイントです。
1日10〜15分学習への落とし込み方
漢文は、短時間×高頻度が最も効率的です。
まとまった時間は不要です。
基本ルール
- 1回:10〜15分
- 週:5〜6日
- 内容:1テーマだけ
フェーズ別・具体例
① 句形期(基礎)|10分
- 句形3〜5個を確認
- 意味を即答できるかチェック
- 例文を1〜2文処理
② 返り点期|10〜15分
- 短文2〜3題
- 書き下しだけに集中
- タイムを測る
③ 演習期|15分
- 問題1題
- 設問処理のみ確認
- 正答根拠を1行で説明
☑ 「全部やろうとしない」ことが継続のコツです。
1日10〜15分の漢文学習ルーティン図
| 時間 | 学習内容 | 具体的にやること |
|---|---|---|
| 5分 | 句形確認 | 句形を見て意味を即答できるかチェック |
| 5分 | 返り点処理 | 短文を使って書き下しを作業的に処理 |
| 5分 | 設問チェック | 問題文は読み直さず、設問と根拠だけ確認 |
使い方のポイント
- 1コマ=最大5分で完結させる
- 電車・休み時間・就寝前を想定
- 「今日は1段階だけ」でもOK(継続優先)
やった気防止チェック
- ⬜ 句形で止まらなかったか
- ⬜ 返り点で考え込まなかったか
- ⬜ 設問の根拠を本文中で示せたか
古文・現代文と並行する際の注意点
国語は
- 現代文
- 古文
- 漢文
を同時進行で対策する必要があります。
ここで漢文が重荷になると、全体が崩れます。
注意点① 漢文に時間をかけすぎない
漢文は配点が低めなことが多く、
費用対効果が非常に高い科目です。
- 毎日30分以上 → ❌
- 毎日10〜15分 → ⭕
「最小時間で合格点」を狙いましょう。
注意点② 古文の文法・語彙と混同しない
古文と漢文を同じノートでやると、
- 助動詞
- 敬語
- 文法用語
が混ざり、理解が曖昧になります。
ノート・参考書は必ず分ける
これだけで学習効率が大きく変わります。
注意点③ 現代文の読解力に頼りすぎない
現代文が得意な人ほど、
- 「なんとなく意味で選ぶ」
- 「雰囲気で内容一致を解く」
というミスをしがちです。
漢文はあくまで
句形・返り点・語句が根拠
必ず本文中の根拠に戻る習慣をつけましょう。
まとめ|漢文は“最短ルート”がはっきりしている
- 勉強法記事で「やり方」を理解
- 本記事で「参考書」を選択
- 1日10〜15分で継続
- 古文・現代文と役割分担
この形を守れば、
漢文は最も短時間で点数が伸びる科目になります。
よくある質問(FAQ)|漢文参考書編
漢文の参考書選びについては、受験生から毎年ほぼ同じ質問が出ます。
ここでは特に相談が多いものを11項目にまとめて、すぐ活用できるように答えをまとめました。
漢文の参考書は何冊必要?
基本は2冊、多くても3冊で十分です。
- ① 句形・返り点の基礎用(インプット)
- ② 共通テスト〜標準レベルの演習用(アウトプット)
これ以上増やすと「やり切れない」状態になります。
漢文は冊数より完成度がすべてです。
学校教材(教科書・ワーク)だけで足りる?
結論から言うと、足りないことが多いです。
理由は、
- 句形が体系的にまとまっていない
- 返り点の説明が簡略的
- 設問処理の練習量が不足しがち
学校教材は「補助」、
参考書がメインと考えましょう。
教科書内容参考:【東京書籍】 教科書教材 国語
直前期に新しい参考書はアリ?
原則ナシです。
直前期にやるべきなのは、
- 既にやった参考書の見直し
- 句形の即答チェック
- ミスした設問の再確認
新しい参考書は不安を増やすだけで、
得点にはつながりにくいです。
句形は暗記だけでいい?
暗記だけでは不十分です。
必要なのは、
- 形 → 意味 → 実際の文での使われ方
特に共通テストでは、
「句形をどう読ませているか」
が問われます。
(参考:大学入試センター – 大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針)
短文・例文とセットで覚えましょう。
返り点は書けるようにする必要がある?
書けるレベルまで必要ありません。
ただし、
- 読んで即座に語順を直せる
- 書き下し文を頭の中で作れる
この状態は必須です。
目的は理解であって作業ではない点に注意しましょう。
白文を読む練習は必要?
共通テスト・一般入試レベルでは、
必須ではありません。
まずは、
- 返り点付き
- 書き下し付き
で、正確に処理できることを優先してください。
漢文が苦手でも共通テストは間に合う?
十分間に合います。
理由は、
- 出題範囲が狭い
- パターンが固定されている
- 勉強量が少なくて済む
正しい参考書を選び、
1日10〜15分を2〜3か月続ければ合格点に届きます。
古文と同じポイントを勉強すればいい?
おすすめしません。
- 古文:文法・助動詞・敬語
- 漢文:句形・返り点・語順
思考が全く違うため、
対策ポイントは必ず分けるのが鉄則です。
漢文単語帳は必要?
基本的には不要です。
漢文の語彙は、
- 句形の中で覚える
- 本文演習で自然に定着
これで十分対応できます。
演習問題集はいつから使う?
目安は、
- 句形を一通り学習した後
- 返り点がある程度読める状態
基礎が固まる前の演習は非効率なので注意してください。
偏差値別に参考書を変えるべき?
漢文は、
- 偏差値40でも70でも
- 基礎の内容はほぼ同じ
違うのは演習量だけです。
まずは標準的な1冊を完璧にすることが最優先です。
まとめ|漢文の参考書は「少数精鋭」が最強
漢文対策で失敗する人の多くは、
- 参考書を買いすぎる
- 途中で変える
- 1冊をやり切らない
という共通点があります。
句形・返り点・演習の役割を分ける
- 句形:意味を即答できる状態
- 返り点:語順処理を作業化
- 演習:設問処理の確認
1冊1役割で考えるのがコツです。
1冊を完璧にすれば十分戦える
漢文は、
- 勉強量が少ない
- 伸びが早い
- 得点が安定しやすい
という、非常にコスパの良い科目です。
「たくさんやる」より
「決めた1冊を完璧に」
これが、漢文で点を取る最短ルートです。
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この記事を書いた人
現役の塾経営者。指導歴25年以上、のべ3,500人以上の小・中・高校生を指導。
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