漢文は「難しそう」「時間がかかりそう」と思われがちですが、実は国語の中で最も短時間で得点力を伸ばせる分野です。
そこで本記事では、漢文が苦手な高校生でも再現できるように、句形・返り点・設問処理に絞った最短ルートの勉強法を解説します。
共通テストから私大・国公立二次試験まで対応できるよう、偏差値別の勉強法と具体的なスケジュールも紹介します。
※なお、大学入試の国語全般の勉強の仕方について、以下の記事で詳しく解説しています。
高校 国語 勉強法|現代文・古文・漢文の入試対策を偏差値別に解説【苦手克服〜難関大】
なぜ漢文は「コスパ最強の得点源」なのか

大学入試の国語(現代文・古文・漢文)の中で、最も少ない労力で点数を伸ばしやすい分野が漢文です。
「難しそう」「白文が読めない」というイメージから後回しにされがちですが、実は正しい勉強順と対策を知っているかどうかで、得点差が最もつきやすい分野でもあります。
共通テスト・国公立二次・私大入試のいずれでも、漢文は
- 出題形式がほぼ固定
- 問われる知識が毎年ほぼ同じ
- 勉強量と得点が比例しやすい
という特徴があります。
つまり、やった分だけ確実に点になる「時間効率の高い科目」なのです。
※なお、古文の勉強法について、以下の記事で詳しく解説しています。
高校生向け古文の勉強法|偏差値40→70を狙うための最短ルートを徹底解説【単語・文法・敬語・読解】
漢文は国語3分野の中で最も範囲が狭い
漢文が「コスパ最強」と言われる最大の理由は、覚えるべき内容の範囲が圧倒的に狭い点にあります。
現代文・古文との比較
- 現代文:語彙力・論理力・背景知識など、積み上げに時間がかかる
- 古文:単語・文法・助動詞・敬語など、暗記量が多い
- 漢文:
- 句形(重要な型)は約30〜40個
- 返り点の読み方は数種類
- 頻出漢字の意味も限定的
つまり漢文は、
「知らないと解けないが、知っていればほぼ解ける」
という非常にシンプルな構造になっています。
特に共通テストでは、漢文の設問は知識+基本的な読解力で完結するため、現代文のような感覚的な読解に左右されにくいのも特徴です。
正しい勉強法なら短期間で安定得点できる理由
漢文は、勉強の順番さえ間違えなければ短期間で得点が安定します。
理由① 出題パターンが固定されている
入試漢文では、ほぼ必ず次の要素が問われます。
- 返り点・書き下し文
- 重要句形(使役・受身・仮定・否定・限定など)
- 内容説明・理由説明
- 登場人物の心情や主張
これらは毎年ほぼ同じ形式で出題されるため、過去問や典型問題で十分に対応可能です。
理由② 「読めない=解けない」ではない
漢文は、全文を完璧に理解しなくても、
- 句形が見抜ける
- 返り点が正しく読める
- 選択肢の言い換えが判断できる
だけで正解できる問題が多くあります。
つまり、読解力よりも「型の知識」が点数を左右します。
理由③ 勉強量が少なく成果が見えやすい
句形を10個覚える → 問題が解ける
返り点を理解する → 書き下しができる
といったように、成果がすぐに実感できるため、モチベーションも維持しやすいのが漢文の強みです。
漢文が苦手な高校生に共通する勘違い
漢文が伸びない高校生には、いくつか共通する「勘違い」があります。
勘違い① 「とにかく書き下し文を丸暗記する」
書き下し文を覚えるだけでは、初見の文章に対応できません。
大切なのは、
- どこが句形か
- なぜその語順になるのか
という構造理解です。
勘違い② 「全部意味を取らないといけない」
漢文は、
全文を完璧に訳す必要はありません。
入試で必要なのは、
- 問われている部分
- 主語・動作・結論
を押さえることだけです。
細かい修飾語にこだわりすぎると、時間と点数を失います。
勘違い③ 「漢字が多くてセンスが必要」
漢文にセンスは不要です。
必要なのは、
- 句形を見抜く知識
- 返り点に従う作業力
むしろ、暗記とルール処理が得意な人ほど有利な分野です。
漢文の入試範囲は「句形・返り点・語句」でほぼ決まり
大学入試の漢文は、見た目こそ難しそうですが、出題範囲は驚くほど限定的です。
実際、共通テスト・国公立二次・私大入試で問われる漢文の力は、次の3つにほぼ集約されます。
- 句形(意味の決まった型)
- 返り点・語順の理解
- 重要語句・背景知識
この3点を体系的に押さえれば、初見の漢文でも安定して得点することが可能になります。
漢文で問われる力は3つだけ
漢文の問題は「読解問題」に見えますが、実態は知識問題+ルール処理問題です。
入試で評価されているのは、次の3つの力だけです。
※このセクションは東京書籍の教科書内容をもとに作成しています。
新編言語文化 | 令和7年度用高等学校教科書・シラバス | 東京書籍
① 句形(意味パターン)
漢文攻略の最重要ポイントが句形です。
句形とは、「この形が出たら意味がほぼ決まる」という定型表現のことです。
よく出る代表的な句形
- 使役:〜をして…させる
- 受身:〜に…される
- 仮定:もし〜ならば
- 否定:〜ない
- 限定:ただ〜のみ
- 反語:どうして〜だろうか、いや〜ではない
入試では、
- 句形の意味を問う
- 書き下し文として正しいものを選ばせる
- 現代語訳として適切な選択肢を選ばせる
といった形で、直接的・間接的に必ず出題されます。
逆に言えば、句形を知らなければ、
「単語の意味が分かっても文の意味が取れない」
という状態に陥ります。
漢文の勉強は、句形を覚えることから始めるのが絶対条件です。
② 返り点・語順
返り点は、「漢文を日本語の語順に直すための記号」です。
ここが曖昧だと、どんなに句形を知っていても点数は伸びません。
入試で問われる返り点のポイント
- レ点・一二点・上下点の処理
- どこまで戻るのか
- 助字(乎・也・矣 など)の読み方
特に共通テストでは、
- 正しい書き下し文を選ばせる
- 語順の違いによる意味の差を問う
といった処理力そのものが問われます。
重要なのは、
返り点は「暗記」ではなく「作業」
だということです。
一定のルールに従って戻るだけなので、練習量=得点力に直結します。
③ 重要語句・背景知識
漢文は中国古典が出典となるため、
意味が決まっている重要語句が頻繁に登場します。
例
- 学・君子・小人・仁・義・礼
- 忠・孝・道・徳
これらは、現代日本語の意味とはズレがある場合も多く、
漢文特有の意味として覚える必要があります。
また、背景知識として、
- 儒教的な価値観
- 君主と家臣の関係
- 学問・修養を重んじる思想
を知っていると、内容説明・理由説明問題が一気に解きやすくなります。
とはいえ、専門的な中国史知識は不要です。
入試レベルでは、定番テーマを押さえておくだけで十分です。
「全文を理解しなくても点が取れる」科目である理由
漢文が「コスパ最強」と言われる最大の理由は、
全文を細かく理解しなくても正解できる問題が多い点にあります。
理由① 問題は「部分理解」で解ける
入試問題は、
- 下線部の意味
- その理由
- 内容に合う選択肢
といった形で、問われる範囲が限定されています。
該当部分の句形・語順・語句が分かれば、全文を読めなくても解答可能です。
理由② 選択肢がヒントになる
現代文と違い、漢文の選択肢は
- 原文の言い換え
- 句形の意味確認
になっていることが多く、消去法が非常に有効です。
理由③ 構造が単純で迷いにくい
漢文は、
- 主張 → 理由 → 結論
- 行動 → 結果
といった論理構造が単純な文章が多く、
流れを大きくつかむだけで設問に対応できます。
漢文の勉強はこの3ステップで完成する

漢文は、やみくもに問題を解いても伸びません。
「覚える → 処理する → 解く」という順番を守ることで、最短距離で得点力が完成します。
結論から言うと、漢文の勉強は次の3ステップだけで十分です。
- 句形を意味ごとに暗記する
- 返り点を正確に処理できるようにする
- 設問を“日本語訳以外”の視点で解く
この順番を崩さないことが、安定得点への最大のポイントです。
特に句形や返り点の知識は欠かせません。文部科学省の学習指導要領でも漢文読解に必要な知識として位置づけられています。
(参考:文部科学省が定める高等学校国語の学習指導要領)
古典を読むために必要な語句とは,古文,漢文の作品や文章を読むのに必要な語,慣用句,成句などをいう。古典の内容を的確に読み取るためには,これらの語句の意味や用法を理解し,量を増すことが大切である。
文部科学省「高等学校学習指導要領(国語編)」より引用
ステップ1|句形を“意味ごと”に暗記する
漢文対策の8割は、句形暗記で決まると言っても過言ではありません。
ただし、やり方を間違えると「覚えたのに解けない」状態になります。
句形は「構文」ではなく「意味の型」で覚える
多くの高校生がやってしまう失敗が、
「この形が出たら、こう書き下す」と形だけで覚えることです。
重要なのは、
この句形が出たら「何を言っているのか」
を瞬時に判断できることです。
例
- 可〜乎 → 〜してよいだろうか(反語)
- 未だ〜ず → まだ〜ない
- 何ぞ〜や → どうして〜だろうか、いや〜ではない
書き下し文は“結果”であって、目的は意味理解です。
意味のラベルを貼るように覚えると、初見問題でも対応できます。
頻出句形は20〜30個で十分な理由
参考書には40〜50個の句形が載っていますが、
入試で安定して出るのは20〜30個程度です。
その理由は、
- 同じ意味の句形が複数ある
- 難関大専用の句形は出題頻度が低い
- 共通テスト・私大は定番句形重視
だからです。
まずは、
- 否定
- 使役
- 受身
- 仮定
- 反語
- 限定
といった超頻出句形を完璧にし、
余裕が出てから追加するのが効率的です。
否定・反語・仮定は最優先
句形の中でも、特に失点に直結しやすいのが以下の3つです。
- 否定:不・未・無・非
- 反語:何ぞ〜や・豈〜乎
- 仮定:若し〜ば・苟くも〜ば
これらは、
- 選択肢の意味を真逆にする
- 内容一致問題で致命傷になる
という特徴があります。
最初にここを固めるだけで、漢文の正答率は一気に上がります。
ステップ2|返り点が読めれば文章は崩れない
句形を覚えても、返り点が読めなければ意味は崩れます。
ただし、返り点は最も努力が点に直結する分野です。
レ点・一二点・上下点の役割
返り点は種類ごとに役割が決まっています。
- レ点:1字戻って読む
- 一二点:二まで下り、一に戻る
- 上下点:下まで下り、上に戻る
これ以上、難しいことはありません。
返り点はルール処理なので、理解したらあとは練習あるのみです。
返り点ミスで失点する典型パターン
よくある失点例は次の3つです。
- 戻る位置を勘違いする
- 句形の途中で語順を壊す
- 助字(乎・也など)を無視する
特に多いのが、
「意味を考えながら返り点を読む」
ことです。
返り点処理は意味を考えず、機械的に行うのが正解です。
返り点を「作業化」する練習法
返り点は、次の手順で練習すると定着します。
- まず返り点だけを追って書き下す
- 意味は後から確認する
- 1文ずつスピード重視で処理
「理解しよう」とするより、
手が勝手に動く状態を作ることが目標です。
ステップ3|設問処理は“日本語訳”から考えない
漢文が伸びない最大の原因は、
すべてを日本語訳しようとすることです。
入試漢文では、訳す力より設問を処理する力が問われています。
内容説明・理由説明の解き方
内容説明・理由説明は、
- 主張
- 原因
- 結果
のどれを聞いているかを先に確認します。
そのうえで、
- 句形
- 接続語(而・則・故など)
に注目すれば、全文を訳さなくても正解にたどり着けます。
傍線部問題の正しい処理手順
傍線部問題は、次の順で処理します。
- 傍線部の句形を特定
- 返り点で語順を確認
- 前後1文だけ読む
- 選択肢で言い換えを確認
全文を読む必要はありません。
選択肢は「句形ベース」で切る
選択肢は、
- 句形の意味が合わない
- 否定・反語の処理が違う
ものから切っていきます。
漢文は、
正しいものを探すより、間違いを切る科目
です。
句形を軸にすれば、消去法が非常に強力になります。
※なお、漢文の受験対策におすすめの参考書を以下の記事で詳しく解説しています。
高校生向け漢文のおすすめ参考書|句形・返り点・演習を最短で仕上げる選び方【共通テスト・入試対応】
共通テスト・私大・国公立で漢文対策はどう違う?
共通テスト・私大・国公立|漢文の出題傾向比較
| 入試区分 | 重視される力 | 問題形式 | 対策ポイント |
|---|---|---|---|
| 共通テスト | 句形の即時判断力 設問処理スピード | 選択式中心 内容一致・理由説明 | 設問先読みを徹底 句形→設問対応を素早く |
| 私大 | 句形・返り点の正確さ 処理の速さ | 選択式+部分訳 短時間処理 | 頻出句形の瞬間判別 返り点ミスをなくす |
| 国公立二次 | 文脈理解力 説明・記述力 | 記述式中心 理由説明・部分訳 | 部分訳で確実に得点 減点されにくい表現を使う |
漢文対策は「一括り」にすると失敗します。
なぜなら、共通テスト・私大・国公立では、評価される力が明確に違うからです。
- 共通テスト:処理力・情報整理力
- 私大:知識の正確さ+スピード
- 国公立:文脈理解+説明力
それぞれに合わせた対策をすることで、無駄な勉強時間を削減できます。
共通テスト漢文の特徴と対策
共通テストの漢文は、「漢文が読めるか」よりも
限られた時間で正確に処理できるかが問われます。
共通テスト漢文の特徴
- 文章量が比較的多い
- 図表・注釈・選択肢が多い
- 言い換え問題が中心
つまり、すべてを丁寧に読むと時間が足りなくなる設計です。
※共通テストの出題傾向は大学入試センター掲載の過去問を参考にしています。
設問先読みが有効な理由
共通テストでは、設問を先に読む戦略が非常に有効です。
理由は以下の通りです。
- どこを読めばいいか分かる
- 不要な部分を読まずに済む
- 注目すべき句形・語句が絞れる
特に、
- 下線部の意味
- 理由説明
- 内容一致
が多いため、問われている箇所だけを重点的に読むことで、正確性とスピードが両立します。
漢詩・思想文の頻出テーマ
共通テストで出やすい漢文テーマは、ほぼ決まっています。
頻出テーマ
- 漢詩:自然・季節・友情・別れ
- 思想文:学問の大切さ・為政者の心得・人としての在り方
これらは、
- 抽象語が多い
- 内容が似通っている
という特徴があるため、テーマを知っているだけで理解が速くなります。
私大漢文:句形+スピード重視
私大漢文は、知識の正確さと処理スピードが最重要です。
私大漢文の特徴
- 設問数が多い
- 制限時間が短い
- 句形・語句の直接問題が多い
そのため、
考える前に「見た瞬間に意味が分かる」
状態を作ることが合格への近道です。
※早い段階で自分の志望校の過去問を確認しておきましょう。
過去の入試問題 – 早稲田大学 入学センター・過去の入学試験問題の公開について(明治大学)など
有効な対策
- 句形を即答レベルまで反復
- 返り点処理を高速化
- 1問にかける時間を決めて演習
私大では、1問で悩むこと自体が失点につながります。
国公立漢文:説明記述と文脈理解
国公立二次試験の漢文は、
「どれだけ正確に説明できるか」が評価されます。
国公立漢文の特徴
- 記述問題が中心
- 選択肢がない
- 部分訳・内容説明が求められる
ここでは、句形暗記だけでは不十分です。
※早い段階で自身の志望大学の入試問題を確認しておきましょう。
これまでの試験問題及び解答等の公表(東京大学)・一般選抜の試験問題等(京都大学)など
減点されにくい記述の書き方
国公立漢文の記述では、
満点を狙うより「減点されにくい答案」を意識することが重要です。
ポイント
- 主語を省略しない
- 句形の意味を明確に出す
- 抽象語は言い換える
多少不自然でも、意味が通じる日本語を書けば部分点がもらえます。
部分訳で評価を取るコツ
全文を訳せなくても、国公立では部分点が取れます。
そのためには、
- 問われている箇所を正確に訳す
- 句形・否定・反語を外さない
- 文脈上の役割(理由・結論)を示す
ことが重要です。
特に、
否定・仮定・反語を外さない
これだけで、致命的な減点は防げます。
偏差値別|漢文の勉強法ロードマップ

漢文は「全員が同じ勉強」をする科目ではありません。
偏差値帯によって、点数が伸びるポイントがはっきり異なります。
ここでは、
- 何から手をつけるべきか
- どこまでやれば十分か
を偏差値別に整理します。
偏差値40〜50:句形と返り点だけでOK
この層で最も多い失敗は、
いきなり読解や背景知識に手を出すことです。
この段階では、
「正しく読める」
ことだけを目標にしてください。
まずは「書き下し文」を安定させる
偏差値40〜50の最大の課題は、
語順がぐちゃぐちゃになることです。
対策はシンプルで、
- レ点・一二点を正確に処理
- 助字(乎・也など)を落とさない
ことだけを徹底します。
意味が多少分からなくても構いません。
書き下し文が安定すれば、正答率は自然に上がります。
読解は短文中心で十分
長文を読む必要はありません。
- 1〜2文の短文
- 句形が1〜2個入った例文
を使って、
- 句形を見抜く
- 返り点を処理する
この反復だけでOKです。
「長文が読めない」のは、
基礎処理ができていないだけです。
偏差値50〜60:設問処理を磨く
このレベルになると、
- 読めるけれど点が安定しない
- 正解と不正解が半々
という状態になりがちです。
ここからは、
「読む力」より「解く力」を伸ばします。
理由説明・内容一致問題の対策
偏差値50〜60で差がつくのが、
理由説明・内容一致問題です。
対策ポイントは、
- 接続語(故・則・而など)に注目
- 主張と理由を分けて考える
全文を読まず、
「なぜ」「どうして」を聞かれている文
だけを正確に押さえます。
語句知識の補強ポイント
この層で追加すべき語句は、
- 思想語(仁・義・礼・徳)
- 行動評価語(善・悪・賢・愚)
です。
単語帳を増やすのではなく、
出題文の中で意味を確認する形が最も効率的です。
偏差値60〜70:漢詩・思想文で差をつける
このレベルでは、
知識量そのものが差になります。
句形・返り点はすでにできている前提で、
「背景を知っているかどうか」が得点差になります。
儒教・道家・史記の定番テーマ
難関大で頻出のテーマは、ほぼ固定です。
- 儒教:仁・礼・孝・君子
- 道家:無為自然・柔弱
- 史記:人物評価・逸話
これらは、
- 文章展開が予測できる
- 設問の意図が読みやすい
というメリットがあります。
背景知識が得点に直結する理由
背景知識があると、
- 選択肢の言い換えに迷わない
- 記述で言葉が出てくる
- 読解スピードが上がる
という効果があります。
特に国公立・難関私大では、
背景を知らない=時間切れ・失点
につながりやすくなります。
漢文が伸びない高校生のNG勉強法
「漢文を勉強しているのに点が上がらない」場合、
原因は努力不足ではなく、やり方のミスであることがほとんどです。
ここでは、特に多いNG勉強法を4つ取り上げ、
なぜダメなのか/どう修正すべきかを明確にします。
全文を現代語訳しようとする
最も多く、そして最も危険なNGがこれです。
なぜダメなのか
- 時間がかかりすぎる
- 入試で必要ない部分まで訳してしまう
- 設問に関係ない情報に引きずられる
入試漢文は、
「訳せるか」ではなく「問われたことに答えられるか」
が評価基準です。
正しい修正法
- 問われている文だけ訳す
- 句形・否定・反語だけを正確に取る
- 残りは大意把握でOK
全文訳は“勉強用”であって“入試用”ではない
という意識が重要です。
句形をバラバラに暗記する
「句形は覚えているのに解けない」人に多いパターンです。
なぜダメなのか
- 文章中で使えない
- 同じ意味の句形を見抜けない
- 選択肢処理に活かせない
「A=この形」「B=この形」と記号のように暗記すると、
初見の漢文で機能しません。
正しい修正法
- 句形は「意味グループ」で整理
- 否定
- 仮定
- 反語
- 限定
- 見た瞬間に意味が出る状態を作る
句形は、単語帳ではなく“意味ラベル”として覚えましょう。
返り点を感覚で処理する
返り点を「雰囲気」で読んでいる人は、
必ずどこかで失点します。
なぜダメなのか
- 書き下し文が安定しない
- 句形の途中で語順が崩れる
- 記述で致命的ミスになる
返り点は、感覚ではなくルールです。
正しい修正法
- 意味を考えず、記号として処理
- レ点 → 一字戻る
- 一二点 → 二まで下り、一に戻る
返り点処理は、
「読解」ではなく「作業」として練習するのが正解です。
漢文を後回しにしすぎる
「最後にまとめてやればいい」と思われがちな漢文ですが、
実は後回しにすると最も失敗しやすい科目です。
なぜダメなのか
- 句形・返り点は反復が必要
- 短期間では定着しにくい
- 共通テスト直前では間に合わない
漢文は、
一夜漬けが効かないが、少量でも継続すれば確実に伸びる
科目です。
正しい修正法
- 週に2〜3回、短時間でOK
- 古文とセットで進める
- 早めに「最低ライン」を完成させる
早く完成させて、維持する
これが漢文対策の最適解です。
漢文の勉強スケジュール例(超短時間)
漢文は、長時間まとめて勉強する必要はありません。
むしろ、短時間を繰り返す方が定着し、得点も安定します。
ここでは、
- 部活・課題で忙しい高校生
- 国語に時間を割きにくい受験生
でも無理なく続けられるスケジュール例を紹介します。
1日10〜15分でできる漢文学習
漢文は、「毎日少し」やるだけで十分です。
ポイントは、「考えすぎない」「迷わない」ことです。
平日:句形チェック+短文
平日は、インプット+軽いアウトプットに絞ります。
具体的メニュー(10〜15分)
- 句形5〜10個を意味で確認(5分)
- 短文2〜3題で返り点処理(5〜10分)
ここでは、
- 全文理解しようとしない
- 設問は解かなくてOK
「見て分かる」「処理できる」状態を維持するのが目的です。
週末:過去問・共通テスト演習
週末は、実戦形式で確認します。
具体的メニュー(30〜40分)
- 共通テスト形式1題
または - 過去問の漢文部分だけ
解く際は、
- 設問を先に読む
- 句形・否定・反語に印をつける
解き終わったら、
間違えた理由が「句形・返り点・処理」のどれか
を必ず確認します。
直前期にやるべきこと・やらないこと
共通テスト・私大・国公立直前期は、
「新しいことをやらない」が鉄則です。
直前期にやるべきこと
- 句形一覧の最終確認
- 否定・反語・仮定の見直し
- 過去に間違えた問題の復習
直前期にやらないこと
- 新しい参考書に手を出す
- 全文現代語訳の練習
- 難関大専用の細かい知識暗記
直前期は、
できることを確実にするフェーズです。
まとめ|漢文は「覚えた人から勝つ科目」
漢文は、才能やセンスよりも、
「正しい順番で覚えたかどうか」で結果が決まります。
句形・返り点・設問処理で得点は完成する
入試漢文で必要なのは、この3点だけです。
- 句形を意味で理解する
- 返り点を正確に処理する
- 設問を日本語訳に頼らず解く
これができれば、
どんな漢文でも安定して点が取れる状態になります。
後回しにせず、短時間で一気に仕上げよう
漢文は、
- 後回しにすると不安が残る
- 早めに仕上げると精神的に楽
という特徴があります。
だからこそ、
「短時間 × 早め完成」
が最強の戦略です。
今日から1日10分、
句形を確認するだけでも構いません。
覚えた人から、確実に差がつく科目が漢文です。
漢文の勉強法Q&A|よくある質問
Q1.漢文はどれくらい勉強すれば点が取れるようになりますか?
A.正しい勉強法なら、1日10〜15分を2〜3週間で安定して得点できるようになります。
漢文は現代文や古文と比べて範囲が非常に狭く、頻出の句形・返り点・設問パターンを押さえるだけで点につながります。特に共通テスト・私大レベルであれば、長時間の演習は必要ありません。
Q2.漢文は全文を現代語訳できないと解けませんか?
A.いいえ。全文を訳せなくても問題ありません。
入試漢文は「句形が分かっているか」「設問に関係する部分を正しく読めているか」が評価されます。むしろ全文を訳そうとすると時間が足りず、失点につながるケースが多いです。
Q3.漢文が苦手でも、句形だけ覚えれば大丈夫ですか?
A.句形+返り点+設問処理の3点セットが必要です。
句形だけでは語順ミスや設問処理で失点します。本記事で解説したように、返り点の処理と設問の読み方をセットで身につけることで、初めて安定得点が可能になります。
Q4.漢文は後回しにしても間に合いますか?
A.直前期でも間に合いますが、「完全放置」は危険です。
漢文は短期間で伸びる反面、未対策だと0点近くになるリスクがあります。英語・数学の合間に、1日10分でもよいので早めに着手するのが理想です。
Q5.共通テストの漢文と私大・国公立の対策は同じでいいですか?
A.基本は同じですが、重点が異なります。
共通テストは設問先読みと処理スピード、私大は句形の即断力、国公立は説明記述への対応が重要です。基礎は共通なので、まずは句形と返り点を固めましょう。
Q6.漢詩は対策しなくても大丈夫ですか?
A.基礎句形ができていれば、最低限の対策で十分です。
漢詩は頻出テーマ(友情・別れ・自然・人生観)と基本表現を押さえれば対応できます。背景知識があると、偏差値60以上では差がつきます。
Q7.おすすめの漢文参考書はありますか?
A.「句形が整理されているもの」「演習量が多すぎないもの」を選びましょう。
1冊を完璧に仕上げる方が、複数冊を中途半端にやるより効果的です。学校配布教材+市販の定番1冊で十分です。


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