明治時代になると覚えることが矢継ぎ早に出てきて、流れが分かりにくくなる中学生は多いのではないでしょうか。
この記事では、「明治時代の年表」を使って、テストで高得点を獲得するための5つのステップと、定期テスト頻出ポイントを解説します。
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明治時代の年表
1868年 | ・戊辰戦争がはじまる ・五箇条の御誓文が発表される |
1869年 | 版籍奉還が実施される |
1871年 | ・郵便制度が開始する ・廃藩置県が実施される(封建制度の終了) ・日清修好条規がむすばれる(対等な条約) ・岩倉使節団が派遣される(不平等条約の改正と海外視察) |
1872年 | ・学制の公布 ・新橋―横浜間で鉄道が開通 ・富岡製糸場が操業開始 |
1873年 | ・太陽暦開始 ・徴兵令の公布 ・地租改正条例の公布 ・岩倉使節団帰国 ・征韓論争に敗れた西郷隆盛と板垣退助が下野する |
1874年 | 板垣退助らが愛国公党を設立し、民選議院設立の建白書を出す (自由民権運動のはじまり) |
1875年 | ・日本とロシアの間で樺太・千島交換条約が締結 ・朝鮮海岸で江華島事件が起こる |
1876年 | 日朝修好条規がむすばれる(朝鮮側にとって不平等な条約) |
1877年 | 西南戦争がおこる (最後の大規模な反乱。以降、言論による運動が中心となる) |
1881年 | ・国会開設の勅諭が出される ・板垣退助らが自由党を結成 |
1882年 | 大隈重信らが立憲改進党を結成 |
1885年 | 伊藤博文が初代内閣総理大臣となる |
1886年 | ノルマントン号事件がおこる |
1889年 | ・大日本帝国憲法の発布 ・直接国税を15円以上納めた25歳以上の男子に選挙権が与えられる |
1890年 | ・第1回衆議院議員選挙実施 ・第1回帝国議会開催 |
1891年 | 田中正造の運動により足尾銅山鉱毒問題が取り上げられる |
1894年 | ・領事裁判権が「撤廃」される ・日清戦争がおこる |
1895年 | ・日清戦争終結(下関条約) ・三国干渉により、日本は遼東半島を返還する |
1901年 | 八幡製鉄所が操業開始 |
1902年 | 日英同盟が締結 |
1904年 | 日露戦争がおこる |
1905年 | 日露戦争終結(ポーツマス条約) |
1910年 | 大逆事件(幸徳秋水ら社会主義者が処刑) |
1911年 | 関税自主権を「回復」する |
年表を活用した明治時代の定期テスト対策の仕方
明治時代は約40年つづいており、武士中心の近世から殖産興業と富国強兵を行い近代へと転換する時代でした。
年表を活用すると、いつ・何が起こったのかを把握して効率よく勉強できるようになります。
まずは明治時代の年表を活用したテスト勉強法を紹介します。
明治時代の大まかな流れを理解しよう
明治時代は日本が大きな変革を遂げた時期であり、その出来事は多岐にわたります。
最初にするべきは、全体像をつかむこと。維新から初期、中期、終末にかけての流れを頭に入れましょう。
これにより、テストの問題に対する理解が深まります。
各時期の重要な出来事をピックアップしよう
全体像が理解できたら、次に各時期の重要な出来事をピックアップしましょう。
特に、明治維新、日清戦争、日露戦争などの重要な出来事はテストで頻出です。これらの出来事やそこに至るまでの経緯に焦点を当て、詳細に覚えることがポイントです。
年表を視覚的に整理しよう
年表を視覚的に整理することで、情報の整理がしやすくなります。
教科書やこの記事の後半に掲載している年表を使い、色分けしたりマークをつけたりして視覚的な整理を行いましょう。
人物名と出来事を色分けするだけでも、「誰が(誰に)」「何をしたか(何があったか)」を脳に印象付けることができ、覚えやすさが向上します。
キーワードを活用しよう
キーワードは歴史上の人物名や出来事を覚えやすくするためのカギです。
各出来事に関連するキーワードを考え、それを活用して覚えましょう。
例えば、「征韓論」というキーワードからは「西郷隆盛」や「板垣退助」などの人物が関連しています。それぞれ下記のようにキーワードがつながっていきます。
- 西郷隆盛→薩摩に帰郷→西南戦争=武力に訴える
- 板垣退助→土佐に帰郷→立志社→愛国社=自由民権運動を起こす
年表中にある同じ人物を追っていくとこうした出来事もつながっていきます。
市販の問題集も活用する
最後に、テスト勉強を効果的に行うには「問題集を複数使うこと」が重要です。
せっかく知識を頭に入れても、テストによく出る問題パターンに慣れていないと正解にたどりつきにくいです。
学校の問題集など「1冊の問題集」だけだと問題パターンに幅がなく、定期テストで少し切り口を変えられると戸惑います。
そこで、市販の問題集も含めて2冊使うようにしましょう。
テストの頻出パターンに慣れやすく、1冊だけだとカバーしきれない知識も2冊でしっかりカバーできます。
明治時代のテスト頻出ポイントを解説
つづいて、明治時代の重要ポイントを解説します。
文明開化
文明開化とは、文字どおり、文明が進化し発展することを指します。
日本は江戸時代の長い眠りから覚め、西洋の先進的な工業力や科学技術を取り入れようとします。
文明開化の背景
日本は江戸時代を経て、長い間外部との交流が制限されていました。
しかし、西洋からの圧倒的な力を目の当たりにし、日本は自らを変革する必要性を感じました。
この時期、多くの新しいアイデアや技術がもたらされ、専門的な人材も多数日本で活躍しました。
このことが日本社会に大きな変化をもたらしました。
新しい技術の導入
蒸気機関や鉄道、電信などの新しい技術が導入され、産業が発展しました。新橋・横浜間に鉄道が開通したのもそのひとつの例です。
洋式の服装や建築の普及
西洋の文化や生活様式が広がり、洋風の服装や建築が一般的になりました。
井上薫外相による鹿鳴館での外交活動がその一例です。
明治維新
江戸時代から明治に入り、政治体制も大きく変わります。
教育の普及
西洋の教育システムが取り入れられ、多くの学校が設立されました。学制の公布、慶應義塾などの学校設立がそのひとつの例です。
これにより、広く一般の人々も教育を受けられるようになりました。
法制度の改革
西洋の法制度が導入され、封建制度が解体されました。四民平等が宣言され、個人の権利や平等が強調されるようになりました。
中央集権化
版籍奉還、廃藩置県を経て、日本は江戸時代の封建制度から中央集権国家へと生まれ変わっていきました。
徴兵制度もはじまり、国家として軍隊を持つようになります。
大日本帝国憲法の制定と帝国議会の開催
さらに、伊藤博文がプロイセンの憲法をもとに天皇を主権者とする大日本帝国憲法を制定しました。
明治初期に、江戸時代に結んだ不平等条約の改正のために岩倉使節団が渡欧しましたが、「憲法を持たない国とは外交交渉をしない」と突っぱねられていたからです。
憲法発布の翌年には帝国議会も開かれました。
文明開化と明治維新の影響
文明開化と明治維新は、日本の社会に大きな変革をもたらしました。
これにより、日本は近代国家としての基盤を築くことができ、世界との交流が活発化しました。
また、個人の権利や平等、技術の進歩が社会全体にポジティブな影響を与えました。
ただ、明治中期ごろまでは「世界の三流国扱い」で、工業力も軍事力も西洋の国々と肩を並べるにはほど遠い状況でした。
日清戦争
この状況が変わる契機となったのは日清戦争でした。
日清戦争は、1894年から1895年にかけて、日本と清(中国)の間で行われた戦争です。この戦争の背景には、台湾と朝鮮半島の支配権を巡る争いや、経済的な利害が絡んでいました。
工業力の向上
この戦争が重要だった一因は、日本の工業力向上に関わっています。
戦争では、新しい兵器や技術が使われました。例えば、当時最新の戦艦や機関銃が投入され、それにより日本は勝利を収めました。
国家としての地位向上
日本が日清戦争に勝利することで、国際的な地位が向上しました。
当時、世界は列強(強国)と呼ばれる国々が力を持っていました。日本が清に勝利したことで国際社会での評価が高まり、アジアのなかで抜きんでた国家と見られるようになりました。
賠償金の獲得と八幡製鉄所の操業
下関で結ばれた日清戦争の講和条約(日本側:伊藤博文・陸奥宗光、清国側:李鴻章)によって、日本は賠償金を手に入れました。
この賠償金を使って八幡製鉄所をつくり、国内の重工業を発展させました。
三国干渉と遼東半島の返還
下関条約で台湾や遼東半島を手に入れた日本でしたが、直後にロシア・ドイツ・フランスが遼東半島を清に返還するよう圧力をかけてきます。
これを三国干渉と呼びます。
やむなく遼東半島を手放しますが、これによりロシアへの対抗心を持つようになり、軍備の増強へとつながっていきます
日露戦争
日露戦争は1904年から1905年にかけて、日本とロシアの間で行われた戦争です。
この戦争は日本とロシアによる朝鮮半島の覇権をめぐる争いから生まれ、日本の国際的な地位を大きく向上させる出来事になりました。
背景
背景には、日本とロシアの権益が交錯する朝鮮半島での対立があります。
両国はこの地域における勢力拡大を狙っていました。
日英同盟
さらに1902年、ロシアの南下を防ぎたいイギリスが日本と同盟をします。
日本にとってもロシアに対抗するのに必要でしたが、イギリスの利権もからんで日本とロシアの対立はさらに深まるようになりました。
戦争の経過
戦争は陸海軍を中心に行われ、有名な戦闘としては日本海海戦があります。この海戦で日本は奇跡的な勝利を収め、国際社会で注目を浴びました。
ロシア国内ではクーデターが起こるなど、戦争継続が困難な状態でした。
日本も経済力の限界を迎えており、アメリカの大統領セオドア・ルーズヴェルトの仲介で講和することになりました。
ポーツマス条約 賠償金は得られず
アメリカのポーツマスで講和条約を結び、樺太の南半分を譲り受けることになりました。
ところが、日清戦争とは異なり賠償金を得られませんでした。
このため日本国内では不満が爆発し、暴動も起きました。
なぜ重要か?
日露戦争は、当時の国際社会において驚異的な出来事でした。
日本が列強の一つであるロシアと互角に戦ったことで、アジア諸国に対しても一つの典型となりました。
日露戦争によって、日本の国際的地位が一気に向上しました。
この後、日本は急速に帝国主義化していきます。
明治時代の文化
明治時代には日本文化に海外の文化が融合され、文学や絵画で大きな発展がみられました。
下記の表の文化人・代表作をセットで覚えておきましょう。
夏目漱石 | 『吾輩は猫である』『坊っちゃん』『草枕』 |
森鴎外 | 『舞姫』 |
芥川龍之介 | 『羅生門』『鼻』 |
坪内逍遥 | 『小説神髄』 |
福沢諭吉 | 『学問のすすめ』 |
横山大観 | 「無我」 |
歴史の流れを学べる本・参考書
最後に、歴史の流れを勉強しやすい本や参考書を3冊紹介します。
『中学社会 スーパー歴史年表』
問題集に答えを書き込みながら年表を仕上げていくスタイルです。
自分で書いていくので頭に残りやすいです。
中学社会 スーパー歴史年表 (シグマベスト)
出版社:文英堂
『中学 マンガとゴロで100%丸暗記 歴史年代』
年号を語呂合わせで覚えられる参考書です。
年号を覚えるのが苦手な中学生に人気です。
中学 マンガとゴロで100%丸暗記 歴史年代 (受験研究社)
出版社:増進堂・受験研究社
『中学社会 歴史年表書きこみノート』
こちらも年表に書き込みながら覚える方式です。
秀逸なのが、イラストや資料をふんだんに掲載してくれている点です。
「文字だけだと覚えづらい!」という人も視覚的に覚えられます。
中学社会 歴史年表書きこみノート
出版社:学研プラス
まとめ
いかがでしょうか。
中学生向けに、「明治時代の年表」を効果的に使って定期テストで高得点を獲得するための5つのステップを紹介し、テストの頻出ポイントを解説しました。
大まかな流れを把握
↓
重要な出来事のピックアップ
↓
視覚的に整理
↓
キーワードの活用
↓
問題集でアウトプット
日本は明治維新・文明開化から日清戦争・日露戦争をとおして列強の仲間入りを果たすとともに、帝国主義化していきました。
この流れを把握しておくとさまざまな出来事を関連付けて覚えやすくなります。
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※Z会の中学生コースについて下記記事でくわしく紹介しています。
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