英語の「受動態の進行形」は、「何かの動作が現在進行中であり、その動作が他者によって行われていることを表現する」ために使われます。
この形を使うことで、動作がまさに行われている途中であることを強調できます。
この記事では、受動態の進行形の作り方をわかりやすく例文を交えて解説しています。最後に練習問題も載せているので、ぜひ練習して使い慣れましょう!
受動態の作り方については以下の記事で詳しく解説しています。「受動態が苦手」という人は以下の記事からがおすすめです。
※関連記事:英語の受動態とは?意味・用法から実際の使い方まで例文つきで徹底解説!無料練習問題付き
受動態の進行形とは
受動態の進行形は、「その動作が今まさに進行中」であり、その動作を受けている対象(主語)があることを表す文法です。
例えば、「車が洗われている」という文では、車が洗う動作を受けていて(車が誰かに洗われていて)、その動作が今進行中だという意味になります。
【例文】
The car is being washed by John.
(車はジョンによって洗われています)
上記例文では「the car」(車)が主語であり、「being washed」(洗われる)という動作の対象になっています。
受動態の進行形の作り方
受動態の進行形は以下の手順でつくります。
主語 + be動詞 + being + 過去分詞 + (by + 動作主)
- 主語(動作を受けている対象)を書く
- be動詞を書く(時制に応じて am/is/are または was/were を使う)
- beingを書く(進行形を示す)
- 動詞の過去分詞形を書く(例: washed, eaten, made)
【例文①】
The cake is being eaten by the children.
(そのケーキは子どもたちによって食べられています)
上記の例文①では、「the cake」(そのケーキ)が主語です。次にbe動詞を書きますが、be動詞は主語によって形が変わります。「the cake」の場合は「is」を使います。
なお、be動詞のam,is,areの使い分け方を以下の記事でくわしく解説しています。
※関連記事:be動詞am、is、areの使い分け:主語によって区別する方法の解説と無料の練習問題
なお、動詞「eat」(食べる)の過去分詞形は「eaten」になります。
【例文②】
The house was being painted yesterday.
(その家は昨日塗られていました)
上記の例文②では、「the house」(その家)が主語です。例文①ではbe動詞が「is」ですが、例文②では「was」になります。
主語はどちらも三人称単数ですが、時制が例文②では「過去」だからです。
なお、be動詞のwas,wereの使い分け方については以下の記事で詳しく解説しています。
※関連記事:be動詞was、wereの使い分け:主語によって区別する方法や意味の違いを解説(練習問題つき)
受動態の進行形を使う場面
受動態の進行形は、動作が今まさに行われていることを強調したいときに使います。
たとえば、何かが現在行われていることや、過去の特定の時点で進行していた動作を説明する際に便利です。
【例文①】
The room is being cleaned by the janitor.
(その部屋は清掃員によって掃除されています)
例文①では、「 今まさに部屋が掃除中であること」を伝えています。
【例文②】
The project was being completed when the power went out.
(そのプロジェクトは停電したときに進行中でした)
例文②では、「過去のある時点で進行中だったこと」を示しています。
このように、現在や過去など何らかの時点で「動作が進行中であること」を強調するときに受動態の進行形を使います。
受動態の進行形と他の時制の違い
前述のように、受動態の進行形はさまざまな時制で使います。ここでは、現在時制・過去時制・未来時制・現在完了時制を比較しながら、それぞれの違いを例文付きで解説します。
なお、一般動詞の過去形については以下の記事で詳しく解説しています。
※関連記事:過去形の一覧(不規則動詞変化表):不規則変化の仕方の解説と動詞活用の練習問題
現在時制と受動態の進行形の違い
現在時制の受動態は、動作がいつも行われることや、完了した状態を表します。
現在進行形の受動態は、動作が今まさに進行中であることを強調します。
【例文】
①現在時制の受動態:
The car is washed every week.(その車は毎週洗われます)
②現在進行形の受動態:
The car is being washed right now.(その車は今まさに洗われています)
例文の①は「習慣的に行われる動作」を表しているので「be動詞+過去分詞形」だけです。一方、例文の②は「今この瞬間に進行中の動作」を示しているので「be動詞+being+過去分詞形」の形になります。
過去時制と受動態の進行形の違い
過去時制の受動態は、動作が過去に完了していることを示します。
過去進行形の受動態は、動作が過去の特定の時点で進行中であったことを示します。
【例文】
①過去時制の受動態:
The car was washed yesterday.(その車は昨日洗われました)
②過去進行形の受動態:
The car was being washed when I arrived.(私が到着したとき、その車は洗われているところでした)
例文①は「過去に完了した動作」を表しており、「過去形のbe動詞+過去分詞形」です。一方、例文②は「過去のある瞬間に動作が進行中であったこと」を表しており、「過去形のbe動詞+being+過去分詞形」になります。
未来時制と受動態の進行形の違い
未来時制の受動態は、その動作が未来に完了することを示しています。
同様に、未来進行形の受動態は、動作が未来のある時点で進行中の予定であることを示しています。
【未来時制の受動態の例文】
The car will be washed tomorrow.
(その車は明日洗われるでしょう)
上記は未来時制の受動態の例文です。未来に完了する動作を表しており、「~されるだろう」という意味になります。
未来を表すwillの後にbe動詞+過去分詞形が来ます。
【未来進行形の受動態の例文】
The car will be being washed at 10 AM tomorrow.
(その車は明日の午前10時に洗われている途中でしょう)
上記の例文は未来進行形の受動態です。未来の特定の時点で進行中の動作を表しています。
未来を表すwillの後に「進行形」を表すbe動詞がきて、さらに受動態を表す「be動詞+過去分詞形」がきます。
be動詞が2回つづくので慣れるまで違和感があるかもしれません。
現在完了時制の受動態と現在完了進行形の受動態の違い
現在完了時制の受動態は、「動作が過去に始まり、現在までに完了していること」を表しています。
【現在完了時制の受動態の例文】
The car has been washed.
(その車はすでに洗われました)
上記のように、「have(has)+been+過去分詞形」で現在完了時制と受動態の両方を表します。過去に始まり、現在までにその動作が完了しているという意味になります。
一方、現在完了進行形の受動態は、「動作が過去に始まり、現在も進行中であること」を表しています。
【現在完了進行形の受動態の例文】
The car has been being washed for an hour.
(その車は1時間ずっと洗われています)
上記のように、「have(has)+been+being+過去分詞形」で過去に始まった動作が現在も進行中であることを示しています。
なお、受動態の完了形の作り方については以下の記事で詳しく解説しています。
【英語】受動態の完了形の作り方:高校生が間違いやすい受動態のポイントも解説(練習問題つき)
受動態と受動態の進行形の違い
「普通の受動態」と「受動態の進行形」の違いは、主に動作の進行状況と文の構造にあります。
以下の例文を使って、意味の違いや見分け方を解説します。
【例文】
受動態:The room is cleaned every day.(その部屋は毎日掃除されます)
受動態の進行形:The room is being cleaned right now.(その部屋は今掃除されています)
意味の違い
普通の受動態は「~される」と訳します。「完了」や「習慣的な動作」を示しており、動作がすでに完了しているか、繰り返し行われることを表します。
それに対して受動態の進行形は「~されている」と訳します。「今進行中の動作」を強調する意味になります。
【例文】
受動態:The room is cleaned every day.(その部屋は毎日掃除されます)
受動態の進行形:The room is being cleaned right now.(その部屋は今掃除されています)
「受動態」の例文では掃除が毎日行われるという「事実」を表しており、「掃除が完了しているかどうか」は不明です。
それに対して「受動態の進行形」の例文では、「掃除が進行中でまだ完了していない」ことを表しています。
見分け方
構造上の違いは、be動詞と過去分詞形の間にbeingが入るかどうかです。
「being」が入ると進行形になります。
普通の受動態の構造は以下のとおりです。
主語 + be動詞 + 過去分詞 + (by + 動作主)
それに対して、受動態の進行形は以下のようになります。
主語 + be動詞 + being + 過去分詞 + (by + 動作主)
「being」が入るかどうか、がポイントです。
【例文】
受動態:The room is cleaned every day.
受動態の進行形:The room is being cleaned right now.
能動態から受動態の進行形への書きかえ方
能動態の文を受動態に書きかえる手順は、以下のとおりです。
目的語を主語にする
もともとの能動態の文にある目的語を主語にします。
【例文】
Tom is painting the wall.
(トムが壁を塗っています)
上記例文では「the wall」が目的語です。受動態に書きかえる際には、「the wall」を主語にします。
be動詞 + being + 過去分詞を使う
主語が決まれば、その次に「be動詞 + being + 動詞の過去分詞形」を書きます。
【例文】
The wall is being painted by Tom.
(その壁はトムによって塗られています)
上記の例文のように、主語(the wall)の後に「be動詞is+being+動詞の過去分詞形painted」がきます。
これで能動態を受動態の進行形に書きかえられます。
テストによく出る受動態の練習問題
それでは受動態の進行形をつくる問題を解いて、練習してみましょう。
能動態を受動態の進行形に書きかえる問題
以下の能動態の文を、受動態の進行形に書きかえてください。
(1)They are cleaning the classroom.
(2)She is writing the report.
(3)The chef is cooking the dinner.
(4)The workers are repairing the road.
(5)The students are taking the test.
(6)He is building a new house.
(7)The mechanic is fixing the car.
(8)The teacher is explaining the problem.
(9)They are organizing the event.
(10)She is painting the picture.
解答・解説
(1)The classroom is being cleaned (by them).
解説: 「They」を主語にしていた文を、受動態に変えて「The classroom」を主語にしています。現在進行形の動作が進行中であることを示します。
(2)The report is being written (by her).
解説: 「She」が「by her」になり、動作を受ける「The report」を主語にしています。
(3)The dinner is being cooked (by the chef).
解説: 料理が進行中であることを示すために、「The dinner」を主語にし、動作が進行している状態を表しています。
(4)The road is being repaired (by the workers).
解説: 「The workers」が動作主で、道路が修理されている途中の状態です。
(5)The test is being taken (by the students).
解説: テストが進行中の動作で、学生がテストを受けている状況を表しています。
(6)A new house is being built (by him).
解説: 「He」から受動態にして、「A new house」を主語にして建築が進行中の動作を表します。
(7)The car is being fixed (by the mechanic).
解説: 車が修理されている途中の状態を表すために、受動態に変えています。
(8)The problem is being explained (by the teacher).
解説: 「The teacher」を動作主として、問題が説明されている途中の状況です。
(9)The event is being organized (by them).
解説: イベントが今まさに準備されている状態を表しています。
(10)The picture is being painted (by her).
解説: 絵が描かれている途中であることを表すために受動態に変えています。
受動態の進行形の英作問題
以下の日本語を、受動態の進行形を使って英訳してください。
(1)車は今、修理されています。
(2)その本は今、読まれています。
(3)テーブルは今、セットされています。
(4)夕食は今、準備されています。
(5)家は今、建てられています。
(6)問題は今、説明されています。
(7)映画は今、撮影されています。
(8)パーティーは今、計画されています。
(9)その橋は今、建設されています。
(10)新しいプロジェクトは今、進行中です。
解答・解説
(1)The car is being repaired now.
解説: 「修理されている」という動作が進行中であることを表すために、is being repaired としています。
(2)The book is being read now.
解説: 「読まれている」という進行中の状態を表すため、is being read を使用しています。
(3)The table is being set now.
解説: 「テーブルがセットされている」という進行中の動作を表現するために、is being set としました。
(4)Dinner is being prepared now.
解説: 「準備されています」を示すために、is being prepared としています。
(5)The house is being built now.
解説: 家が建てられている途中であることを示すために、is being built を使っています。
(6)The problem is being explained now.
解説: 「問題が説明されている」という動作が進行中であることを示すために、is being explained を使います。
(7)The movie is being filmed now.
解説: 映画が撮影中であることを表すために、is being filmed を使用しています。
(8)The party is being planned now.
解説: パーティーが計画されている途中であることを示すために、is being planned を使っています。
(9)The bridge is being built now.
解説: 橋が建設されている途中であることを示すために、is being built としています。
(10)The new project is being developed now.
解説: プロジェクトが進行中であることを示すために、is being developed を使います。
まとめ
いかがでしょうか。
受動態の進行形のつくりかたを解説し、練習用に問題を掲載しました。
普通の受動態は、「動作が完了しているか、繰り返し行われること」を表しており、「be動詞+過去分詞形」になります。
それに対して受動態の進行形は、「動作が進行中である」と表しており、「be動詞+being+過去分詞形」になります。beingを含んでいるかどうかが見極めポイントです。
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