「英検1級のライティングが難しくて書けない」
「何を書けば良いか内容が思い浮かばない」
このような悩みを感じている人は多いのではないでしょうか。
1級に合格すれば大学入試で大きな優遇措置を受けられるようになりますし、社会人の資格として非常に大きな武器になります。
1級の試験のなかでもライティングは「きっちり得点を取っておきたいパート」です。
ですが、英検1級はアカデミックな内容のディベートやディスカッションができるレベルが求められており、非常にハイレベルです。
そこで、英検1級のライティングのテンプレートを紹介し、過去問を使って書き方を解説します。
英検1級ライティング試験の内容
英検1級のライティング対策を説明するにあたり、まず試験内容から確認します。
ライティングのテーマ
英検は級によって話題が異なります。
1級のライティングは「社会生活で求められる英語を理解し使用できること」を目標としています。
出題範囲は非常に広く、教育、環境、テクノロジー、労働、文化、医療、紛争、人権などです。
ライティングの問題形式
英検のライティング問題は、英語の質問に対して英語で解答します。
1級は国際社会全体に関わる話題について、受検者自身の意見を書かせるものが多いです。
ライティングの単語数
1級のライティングは200~240語です。準1級にくらべて単語数が2倍近くになるため、むずかしく感じる人も多いかもしれません。
さらに、準1級まであった「POINTS」(ライティングのヒント)もなくなります。
難易度が一気に上がります。
ライティングの問題数
1級のライティングの問題数は1問です。リーディングやリスニングにくらべて1問あたりの配点がかなり大きくなります。
ライティングの配点
1級の一次試験は3400点満点です。そのうちライティングは850点です。
単語や文法の間違いなどがあると減点されていきます。
リーディングやリスニングにくらべて1問あたりの配点が非常に大きいパートです。
ライティングの採点基準
日本英語検定協会が示しているライティングの採点基準を紹介します。
内容
「課題で求められている内容が含まれているか」
英検1級では課題が与えられ、200~240語での解答を求められます。
自分の意見とその理由を3つ明確に書きましょう。3つの理由には、さらにその根拠や具体例を書き、より説得力のあるものになるようにしましょう。
例えば、「便利だから」という理由を書いたら、「どのように便利なのか」を書くと良いでしょう。
構成
「英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか」
「論理的である」とは「相手に伝わりやすい流れ」と言いかえられます。
伝えたい情報の流れや展開を、適切な接続詞や言い回しを使うと伝わりやすい書き方になります。
後述する1級の定型文をそのまま当てはめつつ、具体例を詳しく書きましょう。
語彙
「課題に相応しい語彙を正しく使えているか」
英語では同じ語彙や表現の繰り返しを嫌います。
代名詞や同じ意味の別の表現を使って、自分の意見とその理由を十分伝えられるようにしましょう。
文法
「文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか」
同じような形の文の繰り返しにならないように、「For these reasons」のように多様な表現パターンを適切に使用して、自分の意見とその理由をより効果的に伝えられるようにしましょう。
ライティングの目標点数
1級の一次試験は3400点満点で2028点以上が合格点です。6割が合格ラインです。
ライティングは配点が850点あるので、そのうち500点以上は最低でも取っておきたいです。
英検1級ライティングの解き方(テンプレート)
1級のライティングについて把握したところで、過去問の模範解答を使ってテンプレを紹介していきます。
解答の構成
まず、構成を把握しましょう。
序論→本論(理由①→理由②→理由③)→結論
上記の順に書きます。
これまでの級は本論に理由を2つ書いていましたが、1級は3つ書きます。
日本語で解答を考える
いきなり英語を書くのではなく、まず日本語で解答を考えましょう。
結論(賛成/反対)
理由①
理由②
理由③
各パートの目安語数
序論、本論、結論の語数を意識して書きましょう。
序論→30語程度
本論→理由1つにつき50語程度(合計150語程度)
結論→30語程度
上記の語数を意識して書くと、200~240語の条件に収まりやすいです。
出題例
「人類の抱える課題を解決するのに科学に頼るべきか?」
という質問です。この質問への解答方法を例にして定型文の書き方を説明します。
序論の書き方
この質問では「Yes/ No(頼るべきか否か」を聞いています。
このように、1級では「Yes/ No」や「賛成/反対」を聞かれる質問が多いです。
Yes/ No、賛成/反対のどちらの意見でも採点には関わりません。
まず、序論から書きます。序論には受検者自身の結論を書きます。
Humankind should rely on science to solve its problems, particularly climate change, global food shortage, and world-ending events. These are potentially catastrophic issued threatening humanity’s future that can only be addressed by putting our collective strength into scientific research. (39語)
(人類は課題、特に気候変動、世界的な食糧不足、世界滅亡の危機などを解決するために科学に頼るべきである。これらは人類の未来を脅かす破壊的な問題であり、私たちの総力を挙げて科学研究に取り組むことでしか解決できない。)
「科学に頼るべき?」の質問に対して、模範解答では「賛成」の立場を取っています。
なぜ賛成なのかの理由も序論で簡潔に書きます。
序論に使える表現一覧
I (don’t) think that~ | ~だと考えます |
I believe that~ | |
People should~ | ~すべきです |
Many people believe that~ | 多くの人は~だと考えている |
It is often pointed out~ | よく~という指摘がなされる |
I agree (disagree) with the opinion that~ | ~の意見に賛成(反対)です |
本論①:1つ目の理由の根拠の書き方
序論を書いたら、つづいて1つ目の理由を書きます。
First, the climate crisis continues to escalate. Heat records are broken every year, and the ocean water levels are rising. Dramatically reducing greenhouse gas emissions from fossil fuel-based energy production is vital to combating these issues, and developing new technologies is the only realistic way to accomplish this. (48語)
(第一に、気候危機はエスカレートし続けている。暑さの記録は毎年更新され、海の水位は上昇している。化石燃料によるエネルギー生産から排出される温室効果ガスを劇的に削減することは、これらの問題に立ち向かうために不可欠であり、新技術の開発はこれを達成する唯一の現実的な方法である。)
FirstやFirstly、First of allのような表現を文頭に持ってきます。
序論で気候変動を例として挙げています。そこで、1つ目の理由とその根拠として、「気候変動の問題に対処するのに科学がいかに有効なのか」を本論で説明しています。
本論②:2つ目の理由の根拠書き方
本論では続いて2つ目の理由を書きます。解答例を使ってその書き方を説明します。
Additionally, the global food supply depends on scientific innovation. Considering the limited amount of suited farmland, access to food and water, for example, is fast becoming a serious issue. Science, however, is providing more efficient means of agriculture, such as urban farms and genetic modification, which will be key to avoiding such problems. (53語)
(加えて、世界の食糧供給は科学の革新にかかっている。適した農地が限られていることを考えると、例えば食料や水へのアクセスは深刻な問題になりつつある。しかし、科学は都市型農場や遺伝子組み換えなど、より効率的な農業手段を提供しつつある。)
2つ目の理由の書き出しにはadditionally, second, secondly, moreoverなどを使います。
序論では食糧危機を意見の理由として挙げました。そこで、2つ目の理由の根拠として、食糧危機の回避に科学がどう貢献しているかを説明しています。
本論③:3つ目の理由の根拠の書き方
本論の最後には3つ目の理由とその根拠を書きます。ここでも模範解答を使って説明します。
Finally, as with the extinction of the dinosaurs, apocalyptic events could wipe out humankind. While such threats may be less immediate than others, they cannot be neglected. Aerospace technologies are our only hope of preventing such disasters, and colonization of foreign planets, for instance, is a scientific goal that could provide a lifeboat in the worst-case scenario. (57語)
(最後に、恐竜の絶滅のように、終末的な出来事が人類を絶滅させるかもしれない。このような脅威は、他の脅威に比べれば緊急性は低いかもしれないが、軽視できない。航空宇宙技術はこのような災害を防ぐ唯一の希望であり、例えば異星を植民地化することは、最悪のシナリオでも救命ボートを提供できる科学的目標である。)
序論では3つ目の理由として、世界滅亡の危機を挙げました。そのため、本論の3段落目には世界滅亡の危険性と科学によって回避できる可能性を論じています。
本論で使える表現一覧
本論の書き出しに使える表現を以下の表にまとめています。
First, | 一つ目に、 |
Firstly, | |
First of all, | |
One reason is that | ひとつの理由は、 |
To begin with, | まずはじめに、 |
In the first place, |
本論で意見の根拠をさらに書くときに使える表現を以下の表にまとめています。
For example, | 例えば、 | 文頭で使う |
For instance, | ||
With~, | ~を使えば、 | |
Moreover, | さらに | |
Also, | また | |
such as~ | ~のように | 文の途中で使う |
like~ |
結論の書き方
最後に結論を書きます。
In this way, science is clearly the most effective tool to deal with colossal problems related to energy, agriculture, and human extinction that the modern world faces. It is, therefore, incumbent upon world leaders to pour more resources into scientific research. (41語)
(このように、科学は明らかに、現代世界が直面しているエネルギー、農業、人類滅亡に関する巨大な問題に対処するための最も効果的な手段である。したがって、世界の指導者たちには、科学研究にもっと多くの資源を投入する義務がある。)
ご覧のように、最初に書いた結論と同じ内容を「表現を変えて」もう一度書きます。
このとき、主語を変えると異なる表現で自然に書けるようになります。
例えば模範解答では、下記のように主語を変えています。
序論:「人類は」科学に頼るべきである。
結論:「世界の指導者たちは」科学に頼るべきである。
主語を変えるだけで、エッセイの論旨展開が自然になります。
序論と結論の表現を変えなくても「同じ内容(意見)」を書いていれば大丈夫ですが、表現を変えることで、さらに高得点を目指せます。
結論に使える表現一覧
I (don’t) think that~ | ~だと考えます |
I believe that~ | |
I’m sure that~ | |
I’m convinced that~ | |
So, | だから、 |
Therefore, | それゆえ、 |
For these reasons, | これらの理由により、 |
These are the reasons why~ | |
In summary, | 要するに(つまり)、 |
I firmly believe that ~ for the above three reasons. | 上記の3つの理由で私は~だと確信しています。 |
Thus, | よって |
As a result, | 結果として、 |
In conclusion, | 結論として、 |
別解(少し簡単な書き方)
上記は日本英語検定協会が発表している解答例で、意見の内容も書き方も極めてハイレベルです。
実際には、ここまで素晴らしい解答を書けなくても合格点に届きます。
同じ意味でもう少しくだけた書き方をすると下記のようになります。
【序論】
I believe that we must rely on science to solve humanity’s problems. I will explain this in terms of climate change, global food shortages, and the threat of human extinction. (30語)
(人類の課題を解決するためには科学に頼るべきだと私は考えている。気候変動、世界的な食糧不足、人類滅亡の危機の観点から説明する。)
【本論】
First, climate change has been a challenge for humanity for the past several decades around the world. It snows in areas where it has never snowed, and record-breaking heat is being set each summer. Scientific efforts are being made to reduce carbon dioxide emissions, like the development of biomass energy. Thus, humanity is trying to stop climate change through the power of science. (63語)
(第一に、気候変動はここ数十年、人類の課題として世界中で取り組まれている。雪が降ったことのない地域で雪が降ったり、夏に記録的な暑さを毎年更新したりしている。二酸化炭素の排出を減らすため、バイオマスエネルギーの開発のように科学的な取り組みがなされている。このように、人類は科学の力で気候変動を食い止めようとしている。)
Second, political leaders around the world are working to avoid a food crisis. They are trying to reduce the number of people suffering from hunger through the power of science, including food tech, which uses the latest technology to develop food in a different way. (45語)
(第二に、世界中の政治的指導者たちは飢餓に苦しむ人の数を減らそうと取り組んでいる。最新のテクノロジーを使ってこれまでとは異なる方法で食品を開発するフードテックなど、科学の力で飢餓をなくそうとしている。)
Third, some researchers believe that humanity will be wiped out by epidemics. In fact, mankind has experienced many times in the past when viruses have killed large numbers of people in a short period of time. There are attempts to deal with this crisis of human extinction through medical research. (50語)
(第三に、人類は疫病によって絶滅すると考える研究者もいる。実際、人類はこれまでに何度も、ウイルスによって短期間に多くの人が亡くなるという経験をしてきた。この人類滅亡の危機に対して医学的研究で対処をしようという試みもある。)
【結論】
In conclusion, humanity is already trying to solve many problems with the help of science. Scientific research requires money, so world leaders should invest more money in scientific research. (29語)
(結論を言うと、すでに人類は多くの課題を科学の力で解決しようとしている。科学的研究にはお金が必要であるため、世界の指導者たちは科学の研究にもっとお金を投入すべきである。)
模範解答と上に示した別解は、主張している内容はほぼ同じです。
違いは単語と文法の難易度です。
模範解答では動名詞を上手に活用することで、主格や目的格が数語程度の長い表現になっています。
使っている単語も、incumbentやapocalyptic eventsなどハイレベルなものがいくつか見られます。
英語ネイティブや英語のレポートを普段から書いている人でない限り、いきなりこの書き方を真似するのはハードルが高いでしょう。
一方、別解では質は多少下がりますが、中学内容の文法・単語を中心に、大学入試の基本単語を少し混ぜる程度で解答を作成しています。
初めて1級を受ける人やライティングに苦手意識のある人は、できるだけ英検準2級くらいまでの単語や文法で書くようにしてみましょう。
書いた後に見直しをする
解答が書けたら必ず見直しをしましょう。
以下の項目をチェックすると間違い(減点)を減らせます。
簡単な単語や文法を使う
ライティング減点方式です。できるだけ簡単な単語や文法を使いましょう。
本論から結論を考える
解答内容を考えるときには本論から考えましょう。
本論を書くのに、単語がわからなかったり文法に自信がなかったりする場合もあります。
その場合は別の内容を考えるか、結論自体を変更して新たに書きやすい理由を考えましょう。
このほうが、時間をかけずに減点されない解答を書けます。
本当の意見を書かなくても良い
ライティングでは「減点されない解答」を書くのが高得点のコツです。従って、受検者自身の本当の意見を書く必要はありません。
意見の良し悪しよりも、質問と解答にずれがないか、単語・文法の使い方に間違いがないかがポイントです。
書きやすいほうの意見・理由を書きましょう。
ライティングの時間配分
1級の筆記試験は100分です。そのうちライティングは30分以内に解くのが望ましいです。
ライティングの解答までの時間配分は以下のように組み立てると良いでしょう。
全体の構成を考える | 5分 |
本文を書く | 20分 |
見直しをする | 3分 |
合計 | 28分 |
英検1級ライティングの勉強方法
1級ライティングの書き方を把握できたら、次は演習でアウトプットしましょう。
おすすめのライティング勉強法を紹介します。
※関連記事:英検1級リスニングの対策
過去問を解いて傾向を知る
まず、1級の過去問を解いて出題傾向や難易度を把握しましょう。
この時点では解けるかどうかよりも、レベルを感覚的に知るのが目的です。
定型文を意識して書く
つづいて、先に紹介した定型文(テンプレート)を意識して英作しましょう。
ライティング対策次第で準1級の得点は大きく変わります。できれば毎日ライティングの練習をしましょう。
本論には客観的な根拠を書く
ライティングのメインパートは本論です。本論には客観性のある根拠を書きましょう。
1級はアカデミックな題が与えられます。個人の経験や感情に基づいた意見では、自身の見解を客観的に説明できません。
例えば、「私は大学で理系学部に所属しているので、科学的に物事を捉えようとしている」と主張しても説得力が乏しいです。
そうなると、ライティングの評価基準である「構成:英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか」で低い評価となる恐れがあります。
添削してもらう
解答を書けたら誰かに添削してもらいましょう。
参考書を見て1人で添削することも不可能ではありませんが、自分より英語力上位者に添削してもらうほうがはるかに的確で効率が良いです。
特に論理的かの判断は自分では難しいです。誰かに見てもらうほうが勉強が進みやすいです。
1級で使える表現を覚えておく(一覧)
ライティングに使える表現を覚えておけば文の接続を適切に行うことができ、減点を少なくできます。
前述の「使える表現」に追加して、以下の表に1級ライティングで使える表現をまとめています。
A has a positive/ negative impact on B | AはBにポジティブな/ネガティブな影響がある |
A leads to B | AはBを引き起こす |
A comes from B | AはBによって起こる |
A can be good for B | AはBに良いかもしれない |
A keep B from ~ing | AはBが~するのを防ぐ |
As a result | その結果/結果として |
As well as | 同様に |
Frequently | 頻繁に |
However | しかし |
I firmly believe that ~ for the above three reasons. | 上記の3つの理由で私は~だと確信しています。 |
It is good/bad/ easy/ difficult for A to B | AにとってBするのは良い/良くない/簡単/むずかしい |
In addition | さらに |
In general | 一般的に |
In other words | 言いかえると |
Moreover | さらに |
Most importantly, | 最も重要なことに |
Not only A but also B | AだけでなくBも |
On the other hand | 一方で |
play an important role in ~ | ~において重要な役割を果たす |
Thus | よって、従って |
This is because~ | これは~が原因/理由である |
To put it another way | 言いかえると |
英英辞典を使って言いかえ表現の知識を増やす
英語は同じ表現の繰り返しを避ける言語です。
For example~. For example~. For example~.と繰り返すと減点対象になります。
同じ意味で別の表現を使えるようにするためには英英辞典が便利です。
単語の意味を調べる際にも日ごろから英英辞典を使うようにしましょう。知識量を大きく増やせますし、単語のニュアンスの違いも把握しやすくなります。
ライティング問題集をやり込む
1級ライティングに使える表現を覚えたら、実際に英作で使って慣れましょう。
過去問集をはじめ、ライティング対策に特化した問題集を使うと効果的に実力をアップさせられます。
模範解答を写す
問題集を解く際には、模範解答を写してみましょう。2級までとは書き方の難易度が格段に上がっています。
1級の書き方に慣れるために、模範解答を写してマネするのも便利です。
日ごろからニュースをみる
1級は社会問題全般について、受検者自身の意見を聞かれます。
社会人ならある程度の知識をすでに備えているでしょうが、小学生・中学生・高校生にはあまりなじみのない話題が多いです。
普段からテレビや新聞でニュースに触れて、社会についての知識を仕入れておきましょう。
ニュースで気になったワードを検索する
英検1級は本論で理由を3つ書きます。
大きな社会問題について理由を3つ書くには、幅広い知識が必要です。
ニュースで気になったワード(環境破壊、人種差別、AIなど)を使ってネットで検索してみましょう。そのワードに関連する内容が次々と出てきます。
それらの記事をいくつか読んでおけば効率よく知識を蓄えられます。
英検1級のライティングで書く内容が思いつかないときの対策
英検1級は意見の理由とその根拠をアカデミックなスタイルで書きます。
話題自体が高度なので、さらに理由を3つも思いつくのはハードルが高いです。
そんなときの対策法を2つ紹介します。
6つの視点で考える
まずはライティングの王道の対策として、以下に挙げる6つの視点で考えてみましょう。
前述の出題例(人類は課題を解決するのに科学に頼るべき?)にこの6つの視点を当てはめてみると下記の表のようになります。
賛成 | 反対 | |
環境 | 環境に良い物質・悪い物質を科学的に区別できる | – |
平和 | – | 先進国と発展途上国との間で科学力に差があり、意見がまとまらない |
お金 | 科学研究によって新たな商品やサービスが生み出され、ビジネスとして発展する可能性がある | 科学研究はお金がかかるため、商品化に失敗すると継続できない |
健康 | 健康への影響を科学的に検証できる | 科学的に完全に解明されていない物質もたくさんあり、健康被害が起こるリスクがある |
教育 | 理系科目への教育熱が高まる | – |
時間(効率) | 科学研究による成功例が多数生まれてきており、それらを応用すれば短時間でさらに大きな成果を期待できる | 科学研究は成果が出るまでの期間が明確でなく、成果につながらないときもある。 |
6つの視点すべてで内容を考える必要はありません。1つずつ考えてみて、間違わずに書けそうな内容を思いつけばこの作業は終了です。
これなら「内容が思い浮かばない」ということは起こらず、試験中に焦ることも減ります。
小論文のネタ本からライティング知識を仕入れる
1級のライティングには、最近の社会的話題がよく出てきます。英語で意見を述べるにはそれらの知識が必要です。
小論文のネタ本であれば、時事ネタを簡潔に、かつ意見を述べるのに必要な分量をまとめてくれています。
本来は小論文対策用の参考書ですが、英検1級のライティング対策でも非常に効果的です。
英検1級ライティングのおすすめ問題集
英検1級のライティング対策におすすめの問題集を紹介します。
いずれもAmazonのリンクをつけているので、気になるものがあればリンク先で詳細を確認できます。
『英検1級ライティング大特訓』
英検1級の英作文に必要な構成力、アイデア力、語彙力を多量の演習で養えます。間違いやすい文法・語法も頻度順に掲載されており、ライティングの力をかなりアップさせられます。
オリジナル問題も37問掲載されており、かなり練習量を積めます。
英検1級ライティング大特訓
利点:英検1級の試験を越える力が身につくので、本番がやさしく感じられます。
出版社:アスク出版
『英検分野別ターゲット英検1級』
旺文社による分野別の英検準1級対策問題集です。単語・熟語、リーディング、リスニング、ライティングの4つに分かれています。
それぞれ大量の練習問題が掲載されており(リスニング150問、長文41題、英作文13題など)、苦手分野の克服に集中的に取り組めます。
英検分野別ターゲット英検1級英作文問題 改訂版 (旺文社英検書)
利点:基礎レベルからステップバイステップで取り組み、最後は10回分の模擬試験も受けられます。
出版社:旺文社
『最短合格! 英検1級 英作文問題完全制覇』
1級のライティングを徹底的に対策する問題集です。
オリジナル問題30問とその解答60パターン、英文200以上が用意されており、覚えて使って、使って覚えられます。
(MP3音声無料DLつき)最短合格! 英検1級 英作文問題完全制覇
利点:英作文に使えるパーツを多量に覚えられるので短期間にライティングを得意にできます。
出版社:ジャパンタイムズ
『小論文のネタ本』(時事ネタを多量にインプット)
前述のように、英検1級は時事問題を多く扱います。時事問題について「意見を書ける程度に詳しく、かつコンパクトに」まとめている参考書があれば本当に便利ですよね。
そこで役立つのが『小論文のネタ本』シリーズです。
人文系、社会科学系、自然科学系、医療系に分けて時事ネタを多量に、くわしく、でも簡潔に説明してくれています。
1冊2-3日で読み切れる程度の分量なので、読んですぐライティングの練習につかえます。
英検対策の秘密兵器です。
小論文の完全ネタ本改訂版 人文・教育系編
小論文の完全ネタ本改訂版 社会科学系編
小論文の完全ネタ本改訂版 自然科学系編
小論文の完全ネタ本改訂版 医歯薬系/看護・医療系編
利点:1級のライティングに必要な社会知識が網羅されています
出版社:文英堂
英検1級ライティング対策で塾を利用するメリット
ここまでお伝えしてきた英検1級のライティング対策の仕方を実践すれば、独学でもかなり得意になれるはずです。
ただ、本番まで時間がない人や、もっと効果的に対策したい人には英検対策の塾やスクールもおすすめです。
そのメリットを紹介します。
定型文に沿って指導してもらえる
前述のように、英検1級ライティングは定型文があります。
独学だと「この書き方で良いのかな?」と迷うときもあります。
ですが、英検対策に慣れた塾やスクールなら定型文に沿って、正しい表現で指導してくれます。
苦手の原因を把握できる
ライティングが苦手になる理由は人それぞれです。
単語力が足りないのかもしれませんし、1級によく出る話題のネタをもっと仕入れるほうが良いのかもしれません。
英検対策に慣れた人に見てもらえば苦手の原因をすぐに突き止めて対策ができます。
個別カリキュラムで時間効率の高い指導を受けられる
英検1級は高度な対策が必要です。
合格までのカリキュラムを個別に組んでもらって対策すれば、時間効率の良い勉強ができます。
特に、1級はライティングの書き方だけでなくネタをどう仕入れるかも大きな課題です。
1級取得者に指導してもらえば、その両方の対策を並行して進められます。
添削してもらえる
ライティングは添削が重要です。
問題集の模範解答例を照らしあわせて自身の解答が良いのかどうか判断に迷います。
塾なら専門の講師に添削してもらえるうえに、受講者の実力や性格、年齢に合わせて書きやすい解答パターンも一緒に考えてくれる場合もあります。
時間効率を考えると塾の利用が便利
英検1級を受ける人の多くは高校生・大学生・社会人です。
学校のテスト勉強や仕事と同時並行です。ライティング対策にばかりあまり時間を回せません。
独学でも時間をかければ、「いずれは」合格できるでしょう。ですが、問題は「間に合うかどうか」です。
ここまでお伝えしてきたように、塾を利用すると「時間効率の良い対策」を受けられます。
英検1級対策におすすめのオンライン家庭教師(PR含む)
英検1級の対策ができる塾・オンライン家庭教師は限られています。
そのなかでも、「スモールワールドオンライン英会話」がおすすめです。
英語専門のオンライン塾、オンライン家庭教師で、講師は日本人が多いです。
学校の定期テスト対策や受験対策もしていますが、特に強いのが英検対策です。
小学生でも英検準1級や2級などのハイレベル級に挑戦している生徒が多くいます。
英検1級まで指導可能な講師が多く在籍しているのも強みです。
- 小学生・中学生も対応
- 料金はポイント制(月謝制ではない)で、勉強が順調なときは少なく、試験前は多くできる
- 長文読解特訓も受けられる
英検1級に合格するメリット
英検1級を受ける人は多いです。では、英検1級に合格するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
中学受験の英語入試で有利になる
まず、小学生にとっては中学受験の英語入試対策になります。
受験資格を得られる、入試得点に加点されるなど、いくつもの優遇制度を利用できます。
毎年、1級を受ける小学生はのべ数百人おり、そのうち100人程度合格しています(English Naviより)。
1級を取得できれば難関中学の合格に決定的と言っていいほど有利です。
※関連記事:中学入試で英検®が使える神奈川、埼玉、千葉の私立中学一覧
※関連記事:中学入試で英検®が使える東京の私立中学一覧
※関連記事:中学入試で英検®が使える関西の私立中学一覧
高校入試で優遇される
中学受験を予定していない小学生や中学生にとっては高校入試の優遇が非常に大きなメリットになります。
高校入試では2級に合格できれば大きな優遇を受けられます。首都圏や関西圏などでは、すでに難関高校合格者の多くが英検2級の取得者です。
※関連記事:高校受験の英検優遇制度
高校入試で英検利用を考えている中学生が1級を受けるのはマレですが、合格できればきわめて有利になります。
大学入試で優遇される
大学入試の英検利用のために1級取得を目指す高校生は多いです。
実際、1級を受検する高校生は年間でのべ8000人以上います(English Naviより)。
1級を取得すれば入試に大きく加点されますし、中央大の総合型選抜や関西大学・商学部の公募推薦など、推薦入試で出願資格として英検の取得を義務付けられるところもあります。
全国で半数以上の大学で英語資格を利用しており、そのうち9割以上の大学では英検を利用できます。
※関連記事:大学受験の英検利用:英検取得のタイミングや対策法、注意点を紹介
大学入学後も優遇制度がある
大学入試だけでなく大学入学後も優遇制度を設けている大学が多数あります(日本英語検定協会より)。
単位取得や留学にも使えます。
一生使える資格になる
就職活動や大学卒業後にも英検資格は便利です。
一生使える資格で、履歴書に書いてアピールすることもできます。
もちろん資格としてだけでなく、英語力そのものが伸びるので海外旅行や仕事でも英語でコミュニケーションを取れるようになります。
まとめ
いかがでしょうか。
英検1級を受ける人向けに英検1級のライティング対策について、過去問を例にテンプレートを解説しました。
1級では200~240語の英語で社会問題について受検者自身の意見を書きます。
記事内で紹介している1級で使える表現の一覧を覚え、練習しましょう。
また、書く内容が思いつかないときのコツとして、6つの観点も活用してみてください。
コメント