公立中高一貫校は、学力だけでなく自主性や思考力など総合的な力を育む場として注目されています。本記事では、公立中高一貫校に向いている子どもの特徴や学習スケジュールの作り方まで、保護者の方が知りたい情報を分かりやすく解説します。
受験を考える際の参考にしてください。
なお、公立中高一貫校に合格しやすい子にみられる特徴について、以下の記事でくわしく解説しています。
公立中高一貫校に合格する子の特徴
公立中高一貫校の教育方針と適性の基本
公立中高一貫校は、義務教育と高等教育を6年間一貫して行う学校です。地域の特性に合わせた教育を行いながら、学力だけでなく人間力を育むことを目指しています。
その教育方針や適性の基本について詳しく解説します。
公立中高一貫校の特徴とは?
公立中高一貫校は、地元の公立校として学費が比較的安く、多様な教育を提供しています。
6年一貫で独自のカリキュラムを採用し、思考力・表現力・協働力などの育成に力を入れています。
→ 主な特徴: 中高一貫教育、地域密着型、適性検査で選抜。
どんな能力が求められるのか?
適性検査では「思考力」「表現力」「問題解決力」が問われます。適性検査では知識問題だけでなく、記述問題や図表を読み解く問題、実生活に応用する問題もあります。
→ 例: 問題を分析して自分の考えをわかりやすく書ける力。
まとめ
- 公立中高一貫校は学費が安く、独自カリキュラムで総合力を育成。
- 適性検査では知識よりも思考力や表現力が重視される。
- 地域密着型の教育が特徴で、多様性を尊重する。
公立中高一貫校に向いている子の特徴
公立中高一貫校に向いている子には3つの共通してみられる特徴があります。
リーダーシップを取れる(自主性がある)
1つ目は「リーダーシップ」です。
公立中高一貫校は「グローバルリーダーの育成」など、ほかの人を引っ張っていくリーダーシップの育成を教育方針にしているところが多いです。
友だちの意見を聞きつつ上手く誘導してあげているか、行事に積極的に参加してクラスを引っ張っているかなど、日ごろの子どもの様子をみてみましょう。
また、自分で考え自分で行動できるのもリーダーシップの一側面です
他者に対してリーダーシップを発揮するには、自分のことを自主的に行動できるのが最初のステップです。
勉強以外にもがんばっていることがある(好奇心旺盛)
2つ目は「勉強以外にもがんばっていることがある」という特徴です。言いかえると、好奇心旺盛な子です。
好奇心旺盛な子は「やってみたい」「挑戦したい」と、さまざまなことに興味を持って取り組みます。
絵が好き、動画作成が上手、スポーツ熱心など、勉強以外で積極的に行っている活動がある子は公立中高一貫校に合いやすいです。
高校受験がないため、中学3年間はのびのび過ごせます。勉強以外にも自分のやりたいことに向き合える時間がたくさんあります。自発性をみがき、物事への興味や幅広い経験を積むのに十分な時間です。
高校生になったときにその経験があると、卒業後の進路を真剣に考え、自分なりに自主的に取り組めるようになります。
計画性と持続力がある子
3つ目は「計画性と持続力」です。
長期間の目標に向けてコツコツと取り組む力が大切です。一貫校では6年間という長いスパンでの成長を見据えるため、計画性が重要になります。
まとめ
- 自主性があり、自分で課題を解決できる子が向いている。
- 計画性や持続力を持つ子は長期間の学びに適応しやすい。
- 柔軟性と適応力で新しい環境にスムーズに馴染めることも重要。
公立中高一貫校に向いていない子の特徴
逆に、公立中高一貫校に向いていない子の特徴も紹介しておきます。
楽な選択肢に逃げてしまう
まず、楽なほう楽なほうへと逃げてしまう子は公立中高一貫校に向いていません。
前述のように「リーダーシップ」を求める学校が多く、スポーツ大会や海外短期派遣などの機会も多いです。
「これをやってみない?」と聞かれて「面倒だからイヤ」と反応してしまう子は、公立中高一貫校の環境には合わないでしょう。
自主性がうすい
公立中高一貫は自主性の高い子は向いているため、逆に自主性のうすい子は向いていません。
高校受験がないため、勉強のプレッシャーが弱いです。そのため、たくさん宿題を出され、強制の補習を毎日何コマも入れられないと勉強しない子だと勉強のサボり癖がついてしまいます。
こうした子は、高校に入って勉強が本格化していくと学校についていけなくなりがちです。
人間関係のストレス耐性が低い
友だちとケンカしたり、いやがらせをされるなどの人間関係のトラブルに弱い子は、公立中高一貫では楽しく過ごせない可能性があります。
中高一貫は6年間同じ生徒と過ごします。特に公立中高一貫は私立の中高一貫に比べて生徒数が少ないため、クラス替えをしてもあまり顔ぶれが変わりません。
中2でモメた友だちが高3までずっと同じクラスになることもあります。
「クラスに誰それがいるから学校に行きたくない」という気持ちになってしまうタイプの子だと、トラブルが解消されてもズルズルとイヤな気持ちを引きずってしまいかねません。
公立中高一貫校を目指す際に注意すべきこと
公立中高一貫校を目指すにあたっては、適性検査だけでなく子どもの性格や家庭のサポート体制も重要です。この章では注意すべきポイントを解説します。
適性検査対策の始めどきと学習スケジュール
適性検査の対策は、早めに始めて計画的に進めることが鍵です。小学校5年生から取り組むと、無理なく基礎を固められます。
→ 例: 毎日30分の読解練習や週末に過去問を解く習慣づくり。
子どもの適性を無理なく伸ばす方法
子どもの性格やペースに合わせた学習法をとりましょう。無理なスケジュールではなく、子どもが興味を持てる教材を選ぶことが大切です。
→ 例: ゲーム感覚で学べる教材やグループ学習の活用。
子どもが興味のあることに取り組ませる
まずは、子どもが興味を持っているものにたっぷり取り組ませてあげましょう。
絵を描くのが好き、読書が好き、生きものの観察が好き、電車が好き、ブロック遊びが好きなど、好きなものが何かひとつあると思います。それに取り組む時間をたくさん取るようにします。
五感の刺激の種類を増やす
人間には五感(「味覚」「聴覚」「嗅覚」「視覚」「触覚」)があります。五感の刺激を豊富に受けると脳が刺激され、物事をより多面的に捉える力を伸ばせます(お受験ナビより)。
読書が好きなら新刊を買って紙のにおいをかいでみる(嗅覚)、本の読み聞かせ動画を聴いてみる(聴覚)など。
キノコの図鑑が好きならキノコ狩りに行ってみると、触覚・味覚の刺激を得られますし、一緒にキノコ狩りに行く大人たちと会話も生まれます。
まとめ
- 適性検査対策は早めに開始し、計画的に進めるのが効果的。
- 子どもの特性を理解し、無理のない学習環境を整えることが大切。
- 保護者のサポートが、受験の成功に大きく影響する。
子どもの興味を引き出すおすすめの図鑑
最後に、子どもの興味を引き出すおすすめの図鑑を紹介します。
『おうちで楽しむ科学実験図鑑』
こちらは自宅でできる科学実験を33種類も紹介している図鑑です。材料も身近なあるものばかりで、すぐできる実験ばかりです。
定番の「ペットボトル空気砲」はもちろん、色水がじわじわと紙を伝ってコップからコップへと移動していく(色が変わっていく)様子は大人も楽しめます。
小学校低学年から高学年まで広く楽しめますが、中学受験をされる方は4年生までに楽しまれておくほうが良いです。
多くの受験塾では5年生で理科を本格的に勉強しはじめます。塩酸に水酸化ナトリウムを加える実験など、多くの実験が出てきます。
何をしたらどうなるのか、なぜそうなるのかを理解するには「何をしているのか」を頭の中で具体的に、正確にイメージする必要があります。
興味を持って科学実験をしたことのある子なら、色の変化の仕方や液体と液体を混ぜて個体が残る様子も、違和感なくイメージできます。
5-6年生の理科にそなえてまずは楽しく・興味を持って科学実験を楽しんでみましょう!
おうちで楽しむ科学実験図鑑
出版社:SBクリエイティブ
特徴:
親子で挑戦したくなる! きれいな実験、 おもしろい実験が集結】
私たちの身のまわりには、「科学で説明できる不思議な現象」が実はたくさんあります。材料とは似ても似つかない見た目のお菓子、コマーシャルで見かける謎のシーン、美しく恐ろしい自然の出来事、使いはじめると手放せない便利グッズ……。
そのそれぞれに、おもしろい実験のタネはひそんでいます。そこで本書では、「身近な道具や材料で」「ご家庭のキッチンやリビング、庭先で」できる実験を厳選して紹介。詳しい手順を掲載し、「どうしてそうなるのか」という秘密にも科学的に迫ります。
「おもしろそうでやってみたくなる」「写真を撮って見せたくなる」「自由研究で取り上げたらウケそう」といった実験を中心に取り上げました。子どもに読ませたい、大人も楽しみたい1冊です。
Amazonより引用
『なんでもいっぱい大図鑑 ピクチャーペディア』
この図鑑はタイトルどおり、なんでも教えてくれるウィキペディアみたいなものです。
宇宙、乗り物、動植物、文化、スポーツ、歴史と、ありとあらゆる分野の写真・イラストが1万点も掲載されています。
見て楽しむだけでなく、本棚においておけば勉強中の辞書代わりにもなります。
なんでもいっぱい大図鑑 ピクチャーペディア
出版社:河出書房新社
特徴:
この1冊ですべてがわかるスーパー図鑑。宇宙、乗り物、動植物、文化、スポーツ、歴史までカバーした総合図鑑。図版1万点。世界56万部売れ。8ページを追加し、全面改訂して新登場。
世界16カ国で刊行、累計56万部突破!
あらゆるテーマがギュッと詰まった、
世界で一番美しい百科図鑑!スミソニアン協会完全監修
Amazonより引用
10000点のカラー写真で162のテーマを解説
『すごすぎる天気/植物/地理の図鑑』
初めてみたとき、この図鑑は衝撃的でした。子ども向けにここまで細かく、しかも子どもに分かりやすく写真を載せながら解説してくれる天気・植物の図鑑は初めてでした。
積乱雲には25mプール1万杯の水が含まれているなど、「えっ!そんなに!?」という新鮮でわくわくする発見がたくさんあります。
そしてエルニーニョをしたり顔で解説してくれるわが子。
雲や植物の見つけ方などもやさしく解説してくれているので、低学年のお子様と一緒に読むと外出時に子どもが空を見て雲博士になってくれたりします。
天気↓
空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑
天気 第2弾↓
もっとすごすぎる天気の図鑑 空のふしぎがすべてわかる!
雲↓
すごすぎる天気の図鑑 雲の超図鑑
植物↓
ゆるっと歩いて草や花を観察しよう! すごすぎる身近な植物の図鑑
地理↓
地理がわかれば世界がわかる! すごすぎる地理の図鑑
出版社:KADOKAWA
特徴:
そうなんだ! みんな知らない空と雲と天気のふしぎ78
シリーズ累計40万部! 今、一番売れている天気の本!
雲、雨、雪、虹、台風、竜巻など空(気象)にまつわる、おもしろくてためになる知識をやさしく紹介。映画『天気の子』の気象監修者としても有名な荒木健太郎氏が、天気や気象にまつわるとっておきのネタを教えてくれます。積乱雲の自虐的ともいえる性質、虹は半円形ではないこと、雨滴のてっぺんはとがっていない……などなど、思わず「そうなんだ!」と思ってしまうようなトピックが盛りだくさん。子どもも大人も楽しく読むことができます。近年の豪雨、巨大台風、大雪にまつわる話題も豊富で、「天気・気象のなぜ?」が一気にわかります。
Amazonより引用
まとめ
いかがでしょうか。
幼児や小学生の子どもをお持ちの保護者の方向けに、公立中高一貫校に向いている子の特徴と向いていない子の特徴を紹介しました。
勉強だけでなく学校行事や友だちとの関係でも積極的にリーダーシップを取り、好奇心旺盛な子が公立中高一貫校に向いています。
興味のあることを広げていくと、子どもの積極性は伸びていきます。
お子さまの性格もみながら、良い学習環境をみつけたいですね!
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