高校生向けに日本史の一問一答問題と解説を用意しました。今回は平安時代の律令体制の変化(受領・遥任、荘園整理令、院政のはじまりなど)をまとめています。
歴史総合や日本史探求の定期テスト対策、大学入試対策などにご活用ください!
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平安時代のの一問一答問題:律令体制の変化
(1)平安時代の中期には租税から逃れるために浮浪や逃亡、戸籍をいつわる農民が多数出てくるようになりました。戸籍をいつわることを何といいますか。
(2)朝廷は財源を確保するため、大規模な直営田の経営に力を入れるようになりました。そのうち、大宰府が経営する直営田を何といいますか。
(3)朝廷が畿内で経営する直営田を何といいますか。
(4)天皇家の財源にあてられた直営田を何といいますか。
(5)902年に醍醐天皇は違法な私有田をなくすための法令を出しました。何という法例ですか。
(6)三善清行が醍醐天皇に提出した国家財政窮乏の原因と対策を記した書物を何といいますか。
(7)国司は次第に地元の有力農民に荘園・国衙領の経営を任せるようになりました。経営を任された百姓のことを何といいますか。
(8)田堵が経営を請け負った田を何といいますか。
(9)任国に赴任せずに代わりに目代を派遣する国司のことを何といいますか。
(10任国に赴任して自ら徴税を行う国司を何といいますか。
(11)受領(自ら任国に赴いて徴税する国司)になるのは、上級貴族と下級貴族のどちらのほうが多かったですか。
(12)藤原氏などに賄賂をわたして有力な任国の国司に任命されることを何といいますか。
(13)成功などによって、同じ任国の国司に再任されることを何といいますか。
(14)開発領主が租税や略奪をのがれるために中央の有力者(藤原氏や寺社など)に寄進した土地を何といいますか。
(15)開発領主から寄進された土地はさらに上級の貴族や皇族に寄進されることがありました。このとき、①開発領主から寄進を受けた貴族や寺社、②①の貴族や寺社からさらに寄進を受けた上級貴族・皇族を何といいますか。
(16)荘園領主から荘園の管理を任された人を何といいますか。
(17)寄進地系荘園の税について、田堵が荘官に納める米などの税を何といいますか。
(18)寄進地系荘園の税について、田堵が荘官に納める特産物の税を何といいますか。
(19)寄進地系荘園の税について、田堵が荘官の命令で労役をする税を何といいますか。
(20)荘園にはいくつか特権が認められました。そのうち、税を取り立てられない権利を何といいますか。
(21)荘園の特権のうち、役人の立ち入りを拒否できる権利を何といいますか。
(22)1069年、後三条天皇は1045年以降の新しい荘園を廃止するなど荘園を減らして朝廷の収入を増やす法令を出しました。この法令を何といいますか。
(23)延久の荘園整理令を建議した学者は誰ですか。
(24)延久の荘園整理令では、荘園としての証拠を提出させる機関が設置されました。この機関を何といいますか。
(25)後三条天皇は全国の枡の大きさを統一しました。この統一された枡を何といいますか。
(26)院政を開始した人物は誰ですか。
(27)院政では政治を行う役所が置かれました。この役所を何といいますか。
(28)院庁の役人を何といいますか。
(29)白河上皇は院司に自身の近臣を任命しました。こうした、上皇の近臣を何といいますか。
(30)院庁から出される命令文を何といいますか。
(31)院庁下文に対して、上皇から直接出される命令文を何といいますか。
(32)白河上皇は兵士をかかえて軍事力を持ちました。この兵士を何といいますか。
(33)院に対して仏教勢力はたびたび反抗しました。そのうち、奈良にある仏教勢力を何といいますか。
(34)院に対して強い力を持った仏教勢力について、京都・平安京の北にある仏教勢力を何といいましたか。
(35)南都の中心的な寺院は何ですか。
(36)北嶺の中心的な寺院は何ですか。
(37)白河天皇から近衛天皇にいたるまで、各天皇や中宮の発願によって建立された六つのお寺をまとめて何といいますか。
(38)六勝寺を六つとも答えてください。
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(1)偽籍
(2)公営田(くえいでん)
(3)官田(かんでん)
(4)勅旨田(ちょくしでん)
(5)延喜の荘園整理令
(6)三善清行意見封事十二箇条
(7)田堵
(8)名(名田)
(9)遥任(ようにん)
(10受領(ずりょう)
(11)下級貴族
(12)成功(じょうごう)
(13)重任(ちょうにん)
(14)寄進地系荘園
(15)①領家、②本家
(16)荘官
(17)年貢
(18)公事(くじ)
(19)夫役(ぶやく)
(20)不輸の権
(21)不入の権
(22)延久の荘園整理令
(23)大江匡房
(24)記録荘園券契所
(25)宣旨枡(延久宣旨枡)
(26)白河上皇
(27)院庁(いんのちょう)
(28)院司(いんし)
(29)院の近臣
(30)院庁下文(いんのちょうくだしぶみ)
(31)院宣(いんぜん)
(32)北面の武士
(33)南都
(34)北嶺
(35)興福寺
(36)延暦寺
(37)六勝寺
(38)法勝寺、尊勝寺、最勝寺、円勝寺、成勝寺、延勝寺
南都北嶺と六勝寺のまとめ
院に対して仏教勢力はたびたび徒党を組んで自身の荘園を守ろうとしました。これを強訴と言います。強訴をしていた仏教勢力は南都と北嶺に分かれていました。
また、朝廷や院にとっては厄介な存在ですが、同時に天皇も仏教をあつく信仰してお寺を建立していました。このお寺6つをまとめて六勝寺と呼びます。
南都北嶺のまとめ
強訴をする仏教勢力を以下の表にまとめています。
場所 | 中心寺 | 強訴方法 | |
南都 | 奈良 | 興福寺 | 春日神社の神木をかざす |
北嶺 | 京都 | 延暦寺 | 日吉神社の神輿をかざす |
六勝寺のまとめ
南都北嶺に対して、天皇や中宮の発願で建立された六勝寺を以下の表にまとめています。
建立した天皇・中宮 | |
法勝寺 | 白河天皇 |
尊勝寺 | 堀河天皇 |
最勝寺 | 鳥羽天皇 |
円勝寺 | 鳥羽天皇の皇后 |
成勝寺 | 崇徳天皇 |
延勝寺 | 近衛天皇 |
日本史の問題集
最後に日本史のおすすめ問題集を紹介します。
※関連記事:日本史文化史の参考書と覚え方
『金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本 改訂版』
1冊目は日本史参考書の定番、「金谷の日本史」です。古代~近現代まで3冊と文化史1冊の合計4冊に分けて解説してくれています。
内容はオーソドックスで、教科書をさらにくわしく解説してくれています。
すべてじっくり読むというより、問題集で問題を解きつつ因果関係が分かりにくいときに参考書として使う人も多いです。
特に、共通テストを受ける人は『文化史』だけでも読んでおくと役立ちます。
金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本【改訂版】 原始・古代史 (東進ブックス 大学受験 名人の授業)
金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本【改訂版】 中世・近世史 (東進ブックス 大学受験 名人の授業)
金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本【改訂版】 近現代史 (東進ブックス 大学受験 名人の授業)
金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本【改訂版】文化史 (東進ブックス 大学受験 名人の授業シリーズ)
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『日本史B一問一答【必修版】【完全版】』
流れを理解できるようになったら、問題演習をして記憶に定着させる必要があります。
この問題集はそんなときに便利です。
「必修版」と「完全版」に分かれており、現在の学力や志望校のレベルに合わせて選べます。
日本史B一問一答【必修版】 (東進ブックス 大学受験 一問一答シリーズ)
日本史一問一答【完全版】2nd edition (東進ブックス 大学受験 一問一答シリーズ)
出版社:ナガセ
『よくわかる高校日本史探究』
学研が出版している「標準レベルまで」の参考書です。教科書よりも解説がくわしく、日本史探求に苦手意識を持っている人も理解しやすいです。
定期テスト対策用の問題ページもあり、定期テスト対策、中堅レベルまでに大学入試対策に便利です。
よくわかる高校日本史探究 (MY BEST)
出版社:Gakken
まとめ
いかがでしょうか。
高校生の日本史の勉強用に、平安時代の律令体制の変化の一問一答を用意しました。
直営田と寄進地系荘園、田堵、延喜・延久の荘園整理令、白河上皇による院政、南都北嶺、六勝寺など歴史総合や日本史探求のテストに出やすいものをまとめています。
定期テスト対策、大学入試に向けてご活用ください。
平安時代の解説や問題について、下記の記事でも紹介しています。
【日本史の一問一答】平安時代初期(桓武天皇・嵯峨天皇)の問題や解説:三筆、天台宗と真言宗のまとめなど
平安時代の一問一答:薬子の変から後三年の役まで平安時代の変、乱、合戦を総まとめ
日本史の一問一答:平安時代末の保元の乱、平治の乱、治承・寿永の乱まで(源平合戦)の問題と解説
日本史の一問一答:国風文化のまとめ(平安時代中期の文化:三蹟、古今和歌集など)
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