「どの模試を受けたら良いのかな?」
「模試の勉強ってどうすれば良いか分からない」
このような疑問を持っている中学生は多いのではないでしょうか。
模試は成績表の見方も活用の仕方も分かりにくく、結果に一喜一憂するばかりになりがちです。ですが、模試は高校入試に向けてとても大切な試験であり、上手く活用できれば効率よく成績を上げられます。
そこで、模試の成績表の見方(どこを見れば良いか)、模試の対策の仕方、模試を受けた後の活用の仕方を紹介します。
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模試のメリット
模試にはいくつかのメリットがあります。
定期テストより広い範囲で現在の学力を把握できる
模試は中1のはじめから習ったすべての単元が試験範囲です。定期テストよりも広い範囲で学力を確認できます。
高校入試は中1~中3までの「全範囲」が出てくるため、定期テストだけでは「入試で問われる実力」は確認できません。
模試を受ければ広い範囲での学力を確認できます。
それまでの勉強の成果を確認して今後の学習計画に活かせる
模試に向ければ、それまで勉強した成果を確認できます。
問題集なら解けていた問題でも、模試になると間違うケースがよくあります。本当に問題を解けるようになったかどうか、制限時間内に速く・正確に解けるかを確認できます。
今の定着状況が分かれば、その後の勉強計画にも活かせます。
例えば以下のように勉強方法を見直すヒントになります。
模試の活用法については、この記事の後半で紹介しています。そちらも参考にしてみてください。
勉強のモチベーションを維持できる
模試を受けると、勉強のモチベーションを高めて維持しやすくなります。
普段からコツコツと勉強する習慣がついている人でも、勉強が惰性になったり(なんとなく作業的に問題を解いているだけになったり)、勉強の工夫をしなくなったりします。
模試を1回受けると、「良かった/悪かった」という自己評価が発生します。その自己評価が次の行動へのモチベーションにつながります。
結果が良ければ励みになりますし、悪ければ「どうすれば良くなるかな」と考え工夫するようになります。
さらに定期的に模試を受けると短中期的な目標ができ、次の模試に向けてほど良い緊張感を持ちながら勉強を続けられるようになります。
模試の成績表の見方
いざ模試を受けると、採点済の答案と一緒に「成績表」が渡されます。学校の成績表よりさまざまな種類の数字が書かれていて、どれを見ればよいのか分かりにくいかもしれません。
ざっと、以下のような項目があります。
このようにたくさん項目がありますが、すべてを見る必要はありません。
偏差値を見る
模試の成績表が渡されたら、まず「偏差値」を見ましょう。偏差値とは、「そのテストを受けた人たちのなかで、自分の成績がどうだったのか」を教えてくれる数字です。
さらに、成績表では「科目別の偏差値」「5教科/4教科/3教科の偏差値」も表示されていることが多いです。
科目別偏差値をみて、「成績の良かった科目」「良くなかった科目」を判断しましょう。
単元や大問別の得点率を見る
科目ごとの偏差値が分かれば、次の単元や大問ごとの得点率を見てみましょう。自身がどの単元で点を稼いで、どの単元で点を取りそこなったのかを具体的に把握できます。
例えば数学の「一次関数」で以下のような結果だったとします。
得点率 | |
自分 | 50% |
他の受験生平均 | 40% |
同じ第一志望の受験生平均 | 60% |
合格者(目安)の平均 | 70% |
「得点率50%」だと、学校の定期テストだと50点なので「良くない結果」と感じるかもしれません。ですがほかの受験生平均が40%なら、それを上回っているので「良い結果」と言えそうです。
ただし、第一志望校が同じほかの受験生平均が60%なら、得点率50%だと「良くない結果」になります。ほかの受験生と結果を比較できるのも模試の強みのひとつです。
では、どこまで一次関数を解けるようにすれば良いかというと、「合格者平均」(上記の表なら70%)を目標の目安になります。
このように、単元ごと(大問ごと)の結果をみて、どの単元をどこまで正解できるようにすれば良いかが、模試の成績表で分かります。
模試の活用法
模試を受け終わったら、早速その後の勉強に活かしましょう。
解きなおす
まず、答えや解説にさっと目をとおしてから解きなおしてみましょう。
試験中は間違えた問題でも、落ち着いて考えてみたら正解できることはよくあります。正しい解き方をくり返しアウトプットすると、脳が正しい解き方を学んでテストでもスラスラと思い出しやすくなります。
脳に正しい解き方を学習させるため、「正解できそうな問題」はすぐ解きなおしておきましょう。
苦手単元を問題集で復習する
解説を読んでもいまいちしっくりこない問題や単元もあるでしょう。そうした苦手単元は問題集を使って集中的に復習しましょう。例えば以下のような単元(範囲)を解けているかどうか、模試の成績表や答案用紙をみて確認してみましょう。
上記はテストでよく出てくる範囲です。苦手なものがひとつでもあれば、まずその範囲を集中的に勉強してみましょう。
以下に、各範囲の勉強に使える記事リンクを貼っています。
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模試の過去問を使って演習する
ひととおり苦手単元を復習しおえたら、模試の過去問を使って演習してみましょう。単元ごとなら解ける問題でも、模試のように広い範囲から出題されると解けなくなってしまうことがよくあります。記憶の定着がまだ不十分だからです。
模試は良問ばかりでつくられており、教材として非常に質が高いです。過去問を繰り返し解けば定着が進み、応用力を伸ばせます。
模試の勉強法
模試に向けて勉強しようと思っても、範囲が広くてどこから手をつければ良いか困りますよね。模試に向けた勉強は以下の順に進めてみましょう。
スタディサプリENGLISH(新日常英会話コース)最近習った単元を解きなおす
まず、最近習った単元の解きなおしからはじめましょう。目安としてここ4か月以内くらいに学校で習った範囲です。
もし9月に模試を受けるなら4-7月の内容を、
2月に模試を受けるなら9-12月の内容を先に復習しましょう。
半年前までに習った範囲で得意単元を解きなおす
最近習った単元の復習が終わってまだ時間がある人は、それより前(半年ほど前まで)に習った範囲の復習に手を付けましょう。特に、「得意単元」から勉強をはじめると良いです。
「苦手克服したい」という人も多いですが、限られた時間の勉強で点を上げるなら得意単元からはおすすめです。点の取りこぼしをゼロにするだけで多くの中学生は10-20点上がります。
半年前まで習った範囲で苦手単元を解きなおす
得意単元の復習も終わってまだ時間のある人は、最後に「苦手単元」に手を付けましょう。
得意が先で、苦手は後です。苦手単元の克服には時間がかかるわりに、模試では基本問題が少なくて点に結びつきにくいからです。
ただし、後ほどお伝えするように、模試が終わればすぐに苦手単元の克服に乗り出しましょう!
模試対策用の問題集の選び方
模試に向けて勉強するには、適切な問題集を選ぶと勉強が効率よく進みます。問題集の選び方(ポイント)を紹介します。
【家庭教師のトライ】今の自分の学力に合うものを選ぶ
まず、今の自分の学力に合う問題集を選びましょう。簡単すぎるもの、むずかしすぎるものを使って勉強しても成果につながりにくいです。
基礎からしっかり勉強したいから基礎レベルのものを選んだところ、簡単すぎてスラスラ解けてしまった。難関校を志望しているから難問ぞろいの問題集を選んだら、解説を読んでもむずかしくて理解しきれない。といったことがよくあります。
大抵の問題集は問題のレベルが3段階に分かれています。1段階目は解けそう、3段階目はむずかしそうに感じるぐらいがちょうど良いです。
解説がくわしいものを選ぶ
問題の解説がくわしいものを選ぶようにしましょう。
解説がうすいものを選ぶと、公式が省略されていてなぜその解き方になるのか分からないこともあります。
公式やポイントを分かりやすく提示してくれているものや、途中式を省略せずに書いてくれているものを選ぶとひとりでも勉強しやすいです。
中学 自由自在問題集 理科: 基礎から難関校突破まで自由自在の実力をつけるスーパー問題集 (受験研究社)
実力アップ問題集 中3理科 (中学実力アップ問題集)
演習量が多いものを選ぶ
模試対策としては、問題量の多いものがおすすめです。問題量が少ないコンパクトなものもありますが、「分かったつもり」で終わってしまいがちです。
さまざまなパターンの問題が掲載されている問題集を選べば、応用問題にも早く慣れられます。
中学 自由自在問題集 理科: 基礎から難関校突破まで自由自在の実力をつけるスーパー問題集 (受験研究社)
苦手単元の克服には定期テスト対策用を使う
苦手単元があり、その克服をしたい場合には定期テスト対策用の問題集もおすすめです。
解説が丁寧で、基本的な知識や問題から勉強できます。
例えば以下のような問題集が定番です。
中学教科書ワーク 理科 3年 東京書籍版 (オールカラー,付録付き)
中学定期テスト 得点アップ問題集 中2理科 改訂版
難関校対策には私立過去問集を使う
難関高校を目指している人は、私立高校対策用の問題集を使うと役立ちます。
公立入試では必ずしも必要ではない細かい知識や解法も学べるので、結果的に応用問題の正答率が上がります。
最高水準問題集 高校入試 理科
どの模試を受ければ良いか
中学生向けの模試は何種類もあります。業者模試だけでなく、大手の塾が実施している模試もあります。どの模試を受けるのが良いか、説明します。
地域ごとの業者模試を受けよう
ベストなのは地域ごとの業者模試です。業者模試というのは、民間の会社が独自に実施している模試で、文部科学省が実施している全国学力調査とは別です。
どの都道府県にも、その地域で昔から実施されている業者模試があります。例えば首都圏なら「Wもぎ」や「Vもぎ」、大阪府なら「五ツ木模試」や「Vもし」です。
業者模試をおすすめする理由は「模試を受験する生徒に偏りがないから」です。
塾内模試は「その塾に通っている生徒」だけが受けるため、学力や勉強の状況(範囲や難易度)にどうしても偏りが出ます。
偏差値が極めて低く出てしまって自信を失う、
模試の問題が難問ばかりで基礎力の定着状況が分からない、
公立高校が第一志望なのに模試が私立高校の入試傾向に合わせた内容になっている、など。
それに対して業者模試は基本問題から応用問題まで満遍なく問題が配置されていますし、受ける人の学力にも偏りがありません。ですので、塾しばりのない模試を受けるほうが「本当の自分の立ち位置(学力状況)」が分かります。
中1~中2は塾内の模試でもOK
ただ、中1や中2は塾内の模試のほうが便利なこともよくあります。以下のような理由があるからです。
これらの理由が当てはまる地域や塾に通う人たちは、中2までは塾内模試を受けておくほうが良いでしょう。
ただし、中3になればやはり業者模試に切り替えるほうが良いです。特定の学力の生徒ばかりが受ける塾内模試よりも、幅広い学力層の生徒が受ける業者模試のほうが志望校選びにも役立ちます。
まとめ
いかがでしょうか。中学生向けに、模試の活用の仕方を紹介しました。
模試を受ける前の勉強の優先順位、模試対策用の問題集、成績表の見方、模試後の勉強の仕方について説明しています。
模試は実力把握だけでなく、模試後の勉強に活用できるというメリットがあります。定期的に受けて高校入試に向けた勉強に活かしましょう!
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