「元素記号には何があるのか、中学生はどこまで覚えておけば良いのか分からない」
こうした疑問を持っている人は多いのではないでしょうか。
元素記号は全部で118種類ありますが、中学理科でよく出てくるのはそのうち14種類です。周期表の1~20番については有名な語呂合わせもあるので、その覚え方と一緒に中学生が覚えておくべき元素記号をお伝えします。
※関連記事:銅の元素記号Cu:中2理科の酸化銅、塩化銅、硫化銅の化学式の一覧と実験内容
元素記号とは
元素記号とは、酸素や炭素などの原子・元素を表す記号のことです。
酸素ならO、炭素ならC、水素ならHと、大文字1つか大文字1つ+小文字1つのアルファベットが割り当てられています。
元素記号を覚える重要性
中学生が元素記号を覚えることは、化学の学習において非常に重要です。
元素記号は化学の基本的な知識の一部であり、物質を理解するための基礎となります。例えば、化学式を理解するためには、元素記号を知っていることが前提となります。
水(H₂O)や二酸化炭素(CO₂)などの化学式を見たとき、元素記号を知っていれば、どの元素が含まれているかすぐに理解できます。
日常生活にも登場する
さらに、元素記号は理科だけでなく、日常生活にも役立つ知識です。
例えば、化学に基づいた製品(薬品や食べ物の保存料など)を使用する際に、成分表に記載されている元素記号を読むことができます。
将来的には、化学や生物学、医学などの進学を考える際にも、元素記号の知識は不可欠となります。
中学生は元素記号をどこまで覚えておくと良いか
元素記号は全部で118種類あります。中学生はそのうち14種類を覚えておきましょう。
中学生が覚えておくべき元素記号の一覧
中学理科の酸化・還元の実験で出てくる銅や鉄など、中学生が覚えておくべき元素記号を一覧にしました。
※関連記事:中2理科の酸化銅、塩化銅、硫化銅の化学式の一覧と実験内容
なお、原子番号は覚える必要はありません。元素記号と元素名をセットで覚えておきましょう。
原子番号 | 元素記号 | 元素名 |
1 | H | 水素 |
6 | C | 炭素 |
7 | N | 窒素 |
8 | O | 酸素 |
11 | Na | ナトリウム |
12 | Mg | マグネシウム |
13 | Al | アルミニウム |
16 | S | 硫黄 |
17 | Cl | 塩素 |
20 | Ca | カルシウム |
26 | Fe | 鉄 |
29 | Cu | 銅 |
30 | Zn | 亜鉛 |
47 | Ag | 銀 |
1~20の元素記号の覚え方
中学生が覚えておくべきものだけでも14種類あります。これだけあると覚えるのが大変かもしれません。
1番から20番までは覚えやすい歌があります。
「水平リーベ僕の船、7曲がりシップスクラークか」
原子番号 | 元素記号 | 元素名 |
1 | H | 水素 |
2 | He | ヘリウム |
3 | Li | リチウム |
4 | Be | ベリリウム |
5 | B | ホウ素 |
6 | C | 炭素 |
7 | N | 窒素 |
8 | O | 酸素 |
9 | F | フッ素 |
10 | Ne | ネオン |
11 | Na | ナトリウム |
12 | Mg | マグネシウム |
13 | Al | アルミニウム |
14 | Si | ケイ素 |
15 | P | リン |
16 | S | 硫黄 |
17 | Cl | 塩素 |
18 | Ar | アルゴン |
19 | K | カリウム |
20 | Ca | カルシウム |
実験ごとで覚えておくべき元素記号
理科の実験によって、よく使う元素記号や化学式があります。「元素記号を全部覚えるのは大変…」という人は、実験ごとで覚えておくべき元素記号を先に覚えてみましょう。
なお、中学のテストによく出る化学反応式を以下の記事で紹介しています。
化学反応式の一覧(分解、酸化、還元、化合、沈殿、中和):化学反応式の覚え方も解説
硫化鉄の実験で出てくる元素記号
鉄と硫黄の化合物を加熱すると硫化鉄ができます。この実験では以下の元素が出てきます。
鉄:Fe
硫黄:S
化学反応式は以下のとおりです。
Fe+S→FeS
(鉄+硫黄→硫化鉄)
硫化銅の実験で出てくる元素記号
硫黄の蒸気のなかに加熱した銅線を入れると、硫化銅になります。この実験では以下の元素が出てきます。
硫黄:S
銅:Cu
化学反応式は以下のとおりです。
Cu+S→CuS
(銅+硫黄→硫化銅)
塩化銅の実験で出てくる元素記号
塩素に加熱した銅線を入れると、塩化銅になります。この実験では以下の元素が出てきます。
塩素:Cl
銅:Cu
化学反応式は以下のとおりです。
Cu+Cl2→CuCl2
(銅+塩素→塩化銅)
酸化銅の実験で出てくる元素記号
銅の粉末を加熱すると酸素と結びついて酸化銅(黒色)になります。この実験では以下の元素が出てきます。
銅:Cu
酸素:O
化学反応式は以下のとおりです。
2Cu+O2→2CuO
(銅+酸素→酸化銅)
なお、硫化銅、塩化銅、酸化銅など「銅」を使う実験が理科でよく出てきます。そうした実験の結果や化学反応式を以下の記事でまとめて紹介しています。
銅の元素記号Cu:中2理科の酸化銅、塩化銅、硫化銅の化学式の一覧と実験内容
酸化鉄の実験で出てくる元素記号
スチールウール(鉄)を燃やすと酸素と結びついて酸化鉄になります。この実験では以下の元素が出てきます。
鉄:Fe
酸素:O
化学反応式は以下のとおりです。
2Fe+O2→2FeO
(鉄+酸素→酸化鉄)
酸化マグネシウムの実験で出てくる元素記号
マグネシウムを加熱すると酸素と結びついて酸化マグネシウムになります。この実験では以下の元素が出てきます。
マグネシウム:Mg
酸素:O
化学反応式は以下のとおりです。
2Mg+O2→2MgO
(マグネシウム+酸素→酸化マグネシウム)
メタンの燃焼の実験で出てくる元素記号
メタン(気体)を加熱すると酸素と結びついて、二酸化炭素と水が発生します。この実験では以下の元素が出てきます。
酸素:O
また、メタン、二酸化炭素、水の化学式は以下のとおりです。
メタン:CH4
二酸化炭素:CO2
水:H2O
化学反応式は以下のとおりです。
CH4+2O2→CO2+2H2O
(メタン+酸素→二酸化炭素+水)
酸化銀を分解する実験で出てくる元素記号
酸化銀を加熱すると酸素と銀に分かれます。この実験では以下の元素が出てきます。
銀:Ag
酸素:O
化学反応式は以下のとおりです。
Ag2O→Ag+O2
(酸化銀→銀+酸素)
木炭を加熱すると炭素と酸素が結びついて二酸化炭素になる実験で出てくる元素記号
木炭を燃やすと、二酸化炭素が発生します。灰もできます。これは、木炭に含まれる炭素が酸素と結びついて二酸化炭素になるからです。
炭素:C
酸素:O
化学反応式は以下のとおりです。
C+O2→2CO2
(炭素+酸素→二酸化炭素)
元素記号を効率的に覚える方法
元素記号を効率的に覚えるためには、いくつかの工夫を取り入れると効果的です。
語呂合わせで覚える
まず、語呂合わせを活用する方法が挙げられます。語呂合わせは、記憶に残りやすく、楽しく覚えられるため、元素記号の覚え方として非常に有効です。
前述の「水平リーベ僕の船」はその一例です。
ほかにも、スポーツやアニメなど、自分の好きな分野の語呂合わせをつくると、すでによく知っている知識と関連づけて覚えられるので、記憶が強化されます。
暗記カードを使って覚える
次に、カードを使った勉強法も効果的です。フラッシュカードや勉強アプリを使って、元素記号とその名前を確認する方法です。カードに元素記号とその名前を書き、表裏を使って繰り返し学習します。
この繰り返しで、視覚的に記憶に定着させることができます。
図や表を使って覚える
さらに、図や表を活用する方法も覚えやすくします。周期表をよく見ながら、グループや周期に注目して、元素をカテゴリー別に覚えることで、関連性が見えてきます。
例えば、同じ族(縦列)の元素は似たような性質を持つため、一緒に覚えることで効率的に記憶できます。
元素記号を覚えるコツ:実践的な勉強法
反復学習する
元素記号を覚えるためには、反復学習が非常に重要です。一度覚えた元素記号を何度も繰り返して学習することで、短期記憶から長期記憶に定着させることができます。
毎日少しずつ復習し、間隔をあけて繰り返すことで、より深く記憶に残ります。
テスト形式で覚える
また、テスト形式で覚える方法も有効です。自分で問題を作り、テスト形式で覚えることで、記憶を確認できます。例えば、元素記号を見てその名前を答える、または逆に名前を見て記号を答えるなど、さまざまな形式で練習することが大切です。
日常生活にある元素をみつける
日常生活で見かける元素を例に取って学ぶ方法も実践的です。身近なものに含まれている元素を意識して覚えることで、記憶が生活に結びつき、自然に覚えやすくなります。
例えば、食塩(NaCl)に含まれるナトリウム(Na)や、空気中の酸素(O)を例に取って、実際に見ることで理解を深めることができます。
日常的に目にするものに関連づけることで、元素記号を覚えやすくなるでしょう。
テストによく出る元素記号の練習問題
元素名から元素記号を答える問題
以下の元素の元素記号を答えてください。
(1)水素
(2)炭素
(3)窒素
(4)酸素
(5)ナトリウム
(6)マグネシウム
(7)アルミニウム
(8)硫黄
(9)塩素
(10)カルシウム
(11)鉄
(12)銅
(13)亜鉛
(14)銀
解答
(1)H
(2)C
(3)N
(4)O
(5)Na
(6)Mg
(7)Al
(8)S
(9)Cl
(10)Ca
(11)Fe
(12)Cu
(13)Zn
(14)Ag
元素記号から元素名を答える問題
以下の元素記号から元素名を答えてください。
(1)H
(2)C
(3)N
(4)O
(5)Na
(6)Mg
(7)Al
(8)S
(9)Cl
(10)Ca
(11)Fe
(12)Cu
(13)Zn
(14)Ag
解答
(1)水素
(2)炭素
(3)窒素
(4)酸素
(5)ナトリウム
(6)マグネシウム
(7)アルミニウム
(8)硫黄
(9)塩素
(10)カルシウム
(11)鉄
(12)銅
(13)亜鉛
(14)銀
まとめ
いかがでしょうか。
中学生向けに、テストまでに覚えておくべき元素記号の一覧と覚え方を紹介しました。
ここで紹介している14種類の元素記号を少なくとも覚えておきましょう。
また、酸化銅や酸化鉄など中2理科でよく出る実験ごとに元素記号や化学式を紹介しているので、元素記号を覚えにくい人は化学式ごと覚えてしまいましょう!
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