中学歴史の定期テスト対策のために、よく出る問題を一問一答と記述問題にまとめました。
今回は「鎌倉幕府の仕組みと元寇」です。
- これからテスト勉強をはじめる人
- テスト直前のチェックをしたい人
どちらでも活用できます。
社会は丁寧に覚えれば誰でも高得点をねらえます。早めに勉強して、社会を得意にしておきましょう!
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【中学生向け】Z会タブレットコースの進め方:成績上位を取って難関校に合格する方法を解説
鎌倉幕府の仕組み
鎌倉幕府は1185年に源頼朝が開きました。幕府(源頼朝)に味方をする鎌倉の御家人を中心に役職を割り当てていきました。その仕組みを解説します。
封建制度:御恩と奉公
幕府(将軍)と御家人は「御恩と奉公」と呼ばれる「封建制度」で結ばれていました。
こうした制度のもと、有力御家人は幕府運営のために設置された機関で役職を与えられていました。
執権(しっけん)
執権は将軍の補佐役で、幕府の実質的な政治運営を担いました。特に北条氏がこの地位を独占し、幕府の権力を掌握しました。
※関連記事:鎌倉幕府の執権:17人の執権北条氏の業績や出来事をまとめて紹介(元寇、承久の乱など)
六波羅探題(ろくはらたんだい)
1221年の承久の乱の後に朝廷の監視と西国の治安維持を目的に設置された役職です。京都に置かれ、反乱や不穏な動きを監視しました。
九州探題(きゅうしゅうたんだい)
九州地方の統治と防衛を任され、鎮西(九州)の武士や荘園を管理しました。
侍所(さむらいどころ)
幕府内の警察や軍事を担当し、御家人(ごけにん)と呼ばれる家臣団を管理。侍所の長官は侍所別当(さむらいどころべっとう)と呼ばれました。
政所(まんどころ)
幕府の行政機関であり、財務や地方の統治などの業務を担当。長官は政所別当(まんどころべっとう)です。
問注所(もんちゅうじょ)
幕府の裁判所として、訴訟や領地に関する紛争の処理を行いました。特に領地に関する紛争の処理を行いました。
評定衆:(ひょうじょうしゅう)
3代執権・北条泰時が創設した鎌倉幕府の主要な政務を合議制で決定する機関です。重要な決定や裁判の際に集まり、意見を交わしました。
執権の独裁に対する御家人からの不満を解消するために設置され、幕府の中での重要な政策や法的な問題を審議する役割を果たしました。
引付(ひきつけ)
領地の訴訟が多くなったため、裁判の迅速化を目的として設置された機関です。特に土地紛争や訴訟の際に公正な判決を下す役割がありました。
幕府の中で、民事や刑事の問題を迅速かつ公平に扱うための機関でした。
守護(しゅご)
鎌倉幕府が全国に配置した武士の監督官で、治安維持や犯罪の取り締まり、反乱の抑制を担当しました。主に大きな戦乱時に出陣して地域の秩序を守る役割を果たしました。
地頭(じとう)
領地ごとに配置された武士で、農民から年貢を徴収したり、土地の管理や治安維持を行いました。地頭は自らの領地を守るため、武力を用いることもあり、農民や他の地頭との間で紛争も発生しました。
役職一覧
中央 | 将軍 | 幕府のトップ |
執権 | 御家人のトップで政治の実質的中心 | |
政所 | 政治全般を扱う | |
侍所 | 御家人の統率・軍事を扱う | |
問注所 | 裁判を扱う | |
地方 | 守護 | 国ごとに置かれ、軍事・警察を扱う |
地頭 | 荘園ごとに置かれ、税の取り立てを行う | |
六波羅探題 | 京都に置かれ、京都の治安維持と朝廷と西国の監視を行う |
※なお、以下の記事で「鎌倉幕府の仕組み」を詳しく解説しています。
【中学生向け】鎌倉幕府の仕組み 完全ガイド ― 御恩と奉公、侍所・政所・問注所の違いなどテスト対策
元寇とは
元寇(げんこう)は、鎌倉時代に元帝国が日本に2度にわたって侵攻した戦いです。日本に大きな衝撃と影響を残していった戦いでした。
1274年文永の役と1281年弘安の役
1回目は1274年の「文永の役」、2回目は1281年の「弘安の役」で、いずれも元軍が海を越えて九州に攻めてきました。
元の大軍が襲来した際、御家人たちは苦戦しました。元軍の集団戦法と「てつはう」などの火器に手こずりました。
2度目の弘安の役では暴風(「神風」)が元軍を壊滅させ、元寇は失敗に終わりました。
元寇の影響
元寇後、鎌倉幕府は防備を強化し、九州の守りを固めました。しかし戦費が増加したため、幕府や御家人の財政が悪化。永仁の徳政令を発布して御家人の借金を帳消ししましたが、事態は良くならず、混乱につながりました。
中1歴史:鎌倉時代の一問一答問題
それでは、鎌倉幕府の仕組みや元寇の概要を把握できたところで、一問一答問題を解いて知識を定着させていきましょう。
「テストで正解したい基本問題」と「テストで差がつく問題」に分けています。
テストで正解したい基本問題
(1)平氏を滅ぼして鎌倉幕府を開いたのは誰か。
(2)源頼朝は奥州藤原氏も滅ぼしたが、奥州藤原氏はどこを本拠地にしていたか。
(3)源頼朝が①地方の国ごとに置いた役職、②荘園や公領ごとに置いた役職は何か。
(4)鎌倉時代の幕府と御家人は、幕府が御家人の先祖伝来の土地を守り、その代わりに御家人が幕府のために働くという関係性だった。こうした主従制度を何というか。
(5)鎌倉時代の封建制度で、①幕府が御家人の先祖伝来の土地を守ること、②その代わりに御家人が幕府のために働くことを何というか。
(6)鎌倉幕府を実質的に動かしたのは北条氏だった。北条氏は何という役職に就いたか。
(7)1221年、幕府から実権を取り戻そうと後鳥羽上皇が挙兵した。この戦乱を何というか。
(8)承久の乱の後、京都を監視するために幕府がおいた役所は何か。
(9)執権・北条泰時は土地に関する裁判の基準を定めた。その法令を何というか。
(10)鎌倉幕府の武士は一族のかしらを中心団結していた。武士の一族のかしらを何というか。
(11)鎌倉時代は農業が盛んになり、1年の間に同じ田で2回農産物を栽培する農業方式もとられた。この農業方式を何というか。
(12)チンギス・ハンがモンゴルを統一してつくった国は何か。
(13)13世紀、日本に2度にわたって攻めてきた国はどこか。
(14)元が二度にわたって日本に攻めてきたことを何というか。
(15)元寇のときの執権は誰か。
(16)借金に苦しむ御家人を救済するために幕府が出した法令は何か。
(17)後醍醐天皇に味方して鎌倉幕府を滅ぼした有力御家人は誰か。
(18)鎌倉幕府をほろぼした後に後醍醐天皇が行った、天皇や貴族中心の政治を何というか。
(19)鎌倉時代に生まれた新仏教で、法然が開祖の仏教は何か。
(20)法然の弟子で、親鸞が開いた仏教は何か。
(21)踊念仏の時宗を開いたのは誰か。
(22)題目を唱えれば救われるとした日蓮宗を開いたのは誰か。
(23)座禅によって悟りをひらこうとした宗派を何というか。
(24)栄西が開いた宗教は何か。
(25)道元が開いた宗教は何か。
(26)東大寺南大門の金剛力士像をつくった2人を答えなさい。
解答
(1)源頼朝
(2)平泉
(3)①守護、②地頭
(4)封建制度
(5)①御恩、②奉公
(6)執権
(7)承久の乱
(8)六波羅探題
(9)御成敗式目(貞永式目)
(10)惣領
(11)二毛作
(12)モンゴル帝国
(13)元
(14)元寇
(15)北条時宗
(16)永仁の徳政令
(17)足利尊氏
(18)建武の新政
(19)浄土宗
(20)浄土真宗
(21)一遍
(22)日蓮
(23)禅宗
(24)臨済宗
(25)曹洞宗
(26)運慶・快慶
テストで差がつく応用問題
(1)平氏が滅んだのは何の戦いか。
(2)壇ノ浦の戦いで平氏を滅ぼしたのは誰か。
(3)鎌倉時代の二毛作でつくられたのは、米と何か。
(4)鎌倉幕府の役所で、武家の統率をつかさどったのはどこか。
(5)鎌倉幕府の役所で、一般政務をつかさどったのはどこか。
(6)鎌倉幕府の役所で、裁判をつかさどったのはどこか。
(4)元寇のうち、①1回目の1274年の役、②2回目の1281年の役を何というか。
(5)モンゴル帝国の国号を元と定めた皇帝は誰か。
(6)永仁の徳政令は御家人の救済に(効果があった/あまり効果がなかった)。当てはまる語を選びなさい。
(7)足利尊氏らとともに鎌倉幕府と戦った河内の豪族は誰か。
(8)藤原定家らが編さんした和歌集を何というか。
(9)琵琶法師が語り継いだ平氏の物語は何か。
(10)鴨長明が著した随筆記を何というか。
(11)兼好法師が著した随筆記を何というか。
(12)①運慶・快慶らが作成した彫刻を何というか。また、②その彫刻はどこに置かれているか。
(13)浄土宗の開祖は誰か。
(14)浄土真宗の開祖は誰か。
(15)一遍が開いた宗教は何か。
(16)日蓮が開いた宗教は何か。
(17)臨済宗の開祖は誰か。
(18)曹洞宗の開祖は誰か。
(19)寺社の門前などで定期的に開かれた市を何というか。
(20)鎌倉時代後期に、近畿地方を中心に年貢を武力で奪い取る武士は何と呼ばれたか。
(21)鎌倉幕府が滅ぼされたのは何年か。
(22)鎌倉時代の御家人は土地を相続するときに、兄弟でわけあう方式だった。この相続方式を何というか。
解答
(1)壇ノ浦の戦い
(2)源義経
(3)麦
(4)侍所
(5)政所
(6)問注所
(4)①文永の役、②弘安の役
(5)フビライ・ハン
(6)あまり効果がなかった
(7)楠木正成
(8)新古今和歌集
(9)平家物語
(10)方丈記
(11)徒然草
(12)①東大寺南大門金剛力士像、②東大寺南大門
(13)法然
(14)親鸞
(15)時宗
(16)日蓮宗
(17)栄西
(18)道元
(19)定期市
(20)悪党
(21)1333年
(22)分割相続
鎌倉時代の記述問題
テストには記述問題もよく出てきます。以下の問題にもチャレンジしてみましょう。
(1)御恩と奉公とはどのような仕組みか説明してください。
(2)守護の役割を説明してください。
(3)地頭の役割を説明してください。
(4)御成敗式目は何のために制定されましたか。
(5)永仁の徳政令は何のために出されましたか。また、その効果はありましたか。
解答
(1)御恩とは将軍が御家人(武士)に土地を保証し、功績に応じて新たな土地を与えること。奉公とは御家人がその代わりに軍事や警備で将軍に仕えること。
(2)各国の治安維持や御家人の監視を担い、反乱の鎮圧や裁判などを担当した。
(3)各地の荘園や公領で年貢の取り立てや土地の管理を行った。
(4)裁判の基準を定めて武士社会の秩序を保つため。
(5)(目的)御家人の借金を帳消しするため。(効果)あまりなかった。
鎌倉時代のテストによく出る人物の解説
鎌倉時代には源氏や北条氏などたくさん登場します。誰が何をしたのか、テストに向けて何を覚えておけば良いのかをまとめました。
源頼朝(みなもとのよりとも)
何をしたか: 鎌倉幕府を開いた初代将軍。平氏をたおした。
暗記ポイント: 鎌倉幕府の初代将軍、守護と地頭の任命権を朝廷から与えられた。
北条政子(ほうじょうまさこ)
何をしたか: 源頼朝の妻で、幕府内で重要な政治的役割を果たした。
暗記ポイント: 承久の乱で御家人を説得して鎌倉幕府の味方をさせた。
北条義時(ほうじょう よしとき)
何をしたか: 執権として鎌倉幕府の実権を握り、承久の乱で後鳥羽上皇を打ち破り、幕府の権力を強化した。
暗記ポイント: 承久の乱勝利、六波羅探題設置。
北条泰時(ほうじょうやすとき)
何をしたか: 幕府の第3代執権として御成敗式目を制定。また、評定衆を設置して北条氏に対する御家人の不満を解消して合議制で幕府を運営した。
暗記ポイント: 御成敗式目の制定、評定衆の設置
北条時宗(ほうじょう ときむね)
何をしたか: 鎌倉幕府の8代執権で、元寇を乗り切った。
暗記ポイント: 元寇のときの執権
後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)
何をしたか: 幕府に対抗し、承久の乱を起こしたが敗北。隠岐に配流された。
暗記ポイント: 承久の乱
竹崎季長(たけざき すえなが)
何をしたか: 元寇で奮戦し、後に自身の功績を絵巻として残した。
暗記ポイント: 蒙古襲来絵詞(教科書などの資料に載っている「元軍と戦っている武士」)
~の乱・~の変の違い
歴史を勉強していると、「~の乱」「~の変」というのが良く出てきます。
承久の乱・応仁の乱や乙己の変・本能寺の変など。違いはクーデターが成功したか失敗したかです。
- ~の乱:クーデターが失敗した
- ~の変:クーデターが成功した
定期テストにおすすめの社会問題集
定期テスト対策としておすすめの社会の問題集を4冊紹介します。
目標の点数によって下記のように使い分けるのがおすすめです。
- 教科書内容の対策に特化したい(定期テスト平均前後まで)→『中学教科書ワーク 地理』
- 定期テストレベルまでの問題を解けるようにしたい(定期テスト70点くらいまで)→『ニューコース参考書 中学地理』
- 県内トップ高を狙っている→『中学 地理 ハイクラステスト』『最高水準問題集』
※関連記事:社会の定期テスト対策の仕方
『中学教科書ワーク 社会 地理』
学校の教科書に合わせて作成された問題集です。教科書のページ数も記載されているので、「テスト範囲表」をページを確認しながらテスト勉強ができます。
帝国書院はコチラ↓
東京書籍はコチラ↓
教育出版はコチラ↓
日文はコチラ↓
出版社:文理
『ニューコース参考書 中学地理』
前出の『教科書ワーク』と同程度くらい~やや難しいレベルまでを網羅した参考書と問題集です。教科書よりポイントを分かりやすくまとめてくれており、テスト勉強に使いやすいです。
出版社:Gakken
『中学 地理 ハイクラステスト』
定期テストレベルの問題~高校入試レベルまで幅広いレベルの問題が掲載されています。
社会は範囲によって得意・不得意が分かれますから、そのときの自分に合った難易度の問題を選択できます。
出版社:増進堂・受験研究社
『最高水準問題集 社会』
最後に紹介するのは、難関国公私立入試対策の定番である「最高水準問題集」です。
難問をメインに構成されており、学校のテストで80-90点を安定して取れている人が入試に向けてレベルアップをするのに最適です。
「最高水準問題集」と「最高水準問題集 特進」に分かれており、「特進」のほうが難問ぞろいです。
地理↓
地理 特進↓
歴史↓
歴史 特進↓
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高校入試対策用↓
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中学社会のテスト勉強におすすめの通信教育
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まとめ
中学歴史の「鎌倉時代」の範囲で、鎌倉幕府の仕組み(役職)や元寇など定期テストによく出てくる問題を一問一答形式でまとめました。
「鎌倉時代の仕組み(問注所、侍所、政所など)」「元寇」「幕府と御家人の関係(御恩と奉公)」など定期テストで覚えるべき問題28問と定期テストで差がつく問題48問です。
定期テスト対策や高校入試対策にご活用ください。
※関連記事:社会の定期テストの勉強法
※関連記事:高校入試によく出る問題の一問一答
※関連記事:高校入試によく出る問題の記述問題
※関連記事:高校受験社会の対策方法
※Z会について下記記事でくわしく紹介しています。
【中学生向け】Z会タブレットコースの進め方:成績上位を取って難関校に合格する方法を解説
ほかの範囲の問題は下記の記事にあります。
地理:
【世界のすがた】
【日本のすがた】
【世界の地形・環境】
【アジア州】
【ヨーロッパ】
【アフリカ】
【北アメリカ】
【南アメリカ】
【オセアニア】
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