高校科目の再編が行われ、2025年度から大学入試が変わります。
数学はⅠAⅡBⅢCの間で単元が一部スイッチされ、情報Ⅰが共通テストで必須化されます。
こうした変化に向けて、2025年度の共通テスト試作問題や国公立大学の入試配点などの一部が発表されています。
この記事では、2025共通テスト試作問題や2023年8月時点で発表されている変更点のなかから、特に高校生にとって重要と思われるポイントを紹介します。
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2025年度からの大学入学共通テスト
2025年度から大学入学共通テストが一部変わります。大きな方針は従前どおりですので、まずこれまでの共通テストの特徴をおさらいします。
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2024年度までの共通テストの特徴
共通テストの特徴をまとめると、下記の4点です。
- 思考力問題が多い
- 資料をみて解く問題が多い
- 日常の題材が多い
- 問題文が長い
定期テストのような、公式に当てはめて解く問題や知識を問う問題は少ないです。公式や単元知識を知っているという前提で、それらを使って解く問題がほとんどです。
試作問題をみると、これらの特徴は2025年以降も引き継がれるようです。
2025年度からの変更点は大きく4つ
2025年度から大きな変更があるのは下記の4科目です。
- 数学:選択問題が変わる
- 国語:大問が1つ増える
- 地歴公民:入試科目の編成が変わる
- 情報Ⅰ:新設され必須になる
それぞれの変更内容を紹介します。
2025年度共通テスト:数学の変更点
2023年度入学者から数学はⅠAⅡBCⅢの構成になりました。そのうち共通テストではⅠAⅡBCが出題範囲になります。
試験時間が60分→70分に増える
数Cが追加になることで共通テストの試験時間は60分から70分に増えます。
もともと共通テストの数学は時間内に解き終えるのが大変な試験です。問題ページ数はセンター試験最終年度の2020年度が14ページで、2021年度の共通テスト初年度は18ページになりました。
2025年度はどうなるかというと、試作問題は22ページあります。
解答時間が長くなっても時間に追われる状況は変わらなさそうです。
文系では「統計的な推測」がほぼ必須になる
共通テストの「数学Ⅱ、数学B、数学C」では以下の4項目から3項目を選択して解きます。
数Cの「平面上の曲線と複素数平面」も選択できますが、もともと数Ⅲに入っていた単元で、非常に難易度が高いです。理系の受験生でないとなかなか選択しないでしょう。
この単元をのぞくと、大半の文系受験生は「数列」「統計的な推測」「ベクトル」の3項目を選択することになりそうです。
つまり、2025年度からは「統計的な推測」という統計の単元がほとんどの受験生にとってほぼ受験必須になります。
二次試験では「統計的な推測」を出題しない国公立大学もある
統計や情報の単元の扱い方については国公立大学で対応がバラバラです。二次試験では出題しない大学も多いです。
せっかくがんばって勉強したのに二次試験に出題されないことを試験当日に知ってしまうとショックです。
数学の出題単元について、志望大学の募集要項を確認するようにしましょう。
「整数」はほかの単元に分かれて出題される
現在数Aで「整数の性質」という単元が出題されています。受験の必須単元で、難易度が高いため苦手にしている受験生は多いです。
この単元が「整数」という名称に変わり、2025年度から共通テストで出題範囲外になります。
入試に出ないわけではなく、「整数の性質」に入っていた内容がほかの単元に吸収されて、その単元で出題される見通しです。
「整数」を二次試験で出題する大学もある
共通テストでは「整数」が出題されませんが、約半数の国公立大学では二次試験に出題すると発表しています。
大学によるので、最新の募集要項で確認するようにしましょう。
2025年度共通テスト:国語の変更点
共通テスト国語の変更点をお伝えします。
試験時間が80分から90分に長くなる
国語の試験時間は2024年度まで80分ですが、2025年度から90分になります。
10分長くなりますが、大問も増えます。
大問数が4つから5つに増える
国語の大問は2024年度まで4問です。2025年度からは5問に増えます。
国語のなかでどの大問が増えるのか表にしました。
2024年度まで | 2025年度から | |
現代文 | 2題 | 3題 |
古文 | 1題 | 1題 |
漢文 | 1題 | 1題 |
合計 | 4題 | 5題 |
ご覧のように現代文の大問が1つ増えます。
現代文に「実用的な文章」が追加される
現代文で追加される大問は「実用的な文章」という設問です。試作問題では複数の初見の図・グラフが提示され、それらの資料を使ってレポートを作成する場面が設定されています。
これまでも共通テストの国語では複数の資料を読み解く問題が出ていますが、「活用」に一歩踏み込んだ問題になるようです。
資料を「分かる」だけでなく「使う」力も問われる
「実用的な文章」では資料内容を読み解くだけでなく、その内容を活用して問題を解きます。
例えば試作問題では資料内容をレポートに活用する方法を考える問題が出ています。レポートの目次の表現についてのアドバイスが5つ提示され、そのなかからアドバイスとして間違っている選択肢を選びます。
資料内容を理解するだけでなく、どう使えばいいかまで考える必要があります。
資料を活用する学校の授業に一生懸命取り組もう
資料の活用を練習できる市販問題集はまだ非常に少ないです。対策がしづらいです。
共通テストの過去問を使う以外に、旺文社やZ会などが使いやすい問題集を今後出版してくれるでしょう。1年経つごとに便利な問題集や過去問が増えていきます。
ほかにも、高校でプレゼンなどの発表をする授業に有効活用しましょう。
単位を取るため、評定を上げるためだけでなく、取り組み方次第で受験勉強にもなります。
- その資料が作成された目的は何か
- 資料のどの部分をみれば何が分かるか
- なぜ資料が示す結果になったのか
これらの点を考えながら取り組んでみてください。特に3点目の「なぜ資料が示す結果になったのか」を考えるようにすると、共通テストだけでなく国公立二次試験の記述問題を解く力にもつながります。
2025年度共通テスト:地歴公民の変更点
2025年度より共通テストの地歴公民は科目名と選択方法が変わります。下記の表をご覧ください。
地理歴史 | 「地理総合、地理探究」 「歴史総合、日本史探究」 「歴史総合、世界史探究」 | 「地理総合、歴史総合、公共」 |
公民 | 「公共、倫理」 「公共、政治・経済」 |
これまでは地歴と公民で科目が完全に分かれていましたが、「地理総合、歴史総合、公共」という地歴と公民にまたがった科目が新たにつくられました。
「地理総合、歴史総合、公共」も含めて、文系学部では地歴公民から2科目選択します。
文系の場合は事実上、「地理(地理総合、地理探求)」「日本史(歴史総合、日本史探求)」「世界史(歴史総合、世界史探求)」の中から1科目と、「公共、倫理」か「公共、政治・経済」のどちらかを選択することになります。
試験時間は60分のまま
共通テストの地歴公民の試験時間は2024年度まで1科目60分です。この試験時間に変更はなく、2025年度以降も1科目60分のままです。
「地理総合、歴史総合、公共」を選択できない大学もある
「地理総合、歴史総合、公共」が追加されますが、入試科目として採用しないと決定している大学も少なくありません。
旧帝大では全7大学で「地理総合、歴史総合、公共」は利用不可です。ほかにも東京外大や神戸大などの難関大でも利用不可が決まっています。
※正確な入試科目は各大学のHPでご確認ください
リード文がさらに長くなる
共通テストになってから全科目でリード文が長くなりました。
地歴公民に関してはページ数が31ページあります。定期テストは数ページ程度ですから、31ページは相当長いです。
2025年度に向けた試作問題をみると、39ページもあります。設問数は従前どおりのようですが、リード文がさらに長くなります。
2025年度共通テスト:情報Ⅰのポイント
2023年度高校入学者から「情報」がはじまりました。2025年度の共通テストで「情報Ⅰ」の試験がはじまります。
情報Ⅰが共通テストで必須
情報Ⅰは共通テストの必須科目です。2024年度までは数学の1分野で「情報関係基礎」ですが、2025年度からは独立した科目で必須になります。
共通テストに向けて復習が必要
情報Ⅰは点数の取りにくい科目ではありません。半分は知識問題なので、教科書内容を覚えれば最低50点は取れます。データ分析の問題も、資料を読めれば得点しやすいです。
ただ、高校によっては高1で情報Ⅰの授業が終わっているところもあります。教科書に書かれている知識も、高3になると何割か忘れてしまっている高校生も多いでしょう。
高3になれば早めに情報Ⅰの復習をして思い出しておきましょう。
情報Ⅰを点数化しない大学もある
情報Ⅰがどれだけ合否に影響するか、各大学はまだまだ様子見です。配点は公表していない大学、点数化しない大学もあります。
情報系学部・学科では情報Ⅰを重視する傾向がありますが、二次試験で情報を課さないところもあります。
各大学の募集要項をみながら情報Ⅰの受験勉強をするようにしましょう。
共通テスト対策の仕方
前述のように、共通テストの特徴は下記の4点です。
- 思考力問題が多い
- 資料をみて解く問題が多い
- 日常の題材が多い
- 問題文が長い
これらの特徴を踏まえた勉強方法を紹介します。
高2までに知識のインプットを済ませておく
まず、高1・高2の間は定期テスト対策を中心に勉強しましょう。
共通テストは「知識の活用」がポイントです。活用するにはそもそも知識を頭に入れて、アウトプットに慣れておく必要があります。
そこで役立つのが定期テストです。
定期テストは「最近習った範囲の知識を身につけたかどうか」を問うテストです。定期テストで高得点を取れるように勉強をし、身につけるべき知識をしっかり身につけておきましょう。
※関連記事:【高校生】定期テストで90点以上を取れる勉強方法
長期休みに復習して受験にそなえる
学校の授業が休みになる夏休み・冬休み・春休みは絶好の受験勉強の機会です。
学校の宿題もたくさん出ますが、ごく一部の私立高校をのぞいて、宿題だけで休みがつぶれてしまうほどの量は出ません。「自分の勉強」をする時間を持てるはずです。
毎日少しずつでいいので、基本があやふやになっている範囲や覚えきれていない範囲を復習しましょう。
また、すでに得意になっている範囲が一定程度あれば受験問題を解いてみましょう。
例えば高1で数ⅠAを習い終えます。数学が得意な人なら2010年代のセンター試験や共通テストの過去問を解いてみましょう。
解法がすぐに出てこなかった問題があればその単元を少し復習しておき、よく解けていれば『プラチカ』などの実践系の問題集に手を出してもみても良いですね。
高2で共通テスト同日模試を受ける
高2の共通テスト同日模試を学校で受ける人は多いと思います。1年後に自分がどれくらい点数を取れるか、本番の問題を使って試せる絶好のチャンスです。
高2の1月以降は毎月のように模試があります。
模試→解きなおし→単元ごとの復習→模試で実力確認
というループで勉強すれば、受験に向けて効率よく勉強できます。
Z会などの通信教育を活用する
高1・高2は部活などで忙しく、まとまった時間・期間を受験勉強にあてるのがなかなか難しいですよね。そんなときはZ会がおすすめです。
特に難関大学を目指している人は一度試してみることをおすすめします。
東大・京大の合格者数だけでも年間2,000名を越えており、塾・予備校と併用している人も多いです。
難関大学は記述問題や難問が中心です。対策に時間がかかるため、高3になってからだと間に合わないかもしれません。
高1・高2の間は学校の勉強に並行してZ会で受験勉強を少しずつしておき、
高2終わりか高3から予備校と併用したり、記述対策講座など入試頻出問題の対策講座だけ受けるという方法がおすすめです。
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2025年度共通テストの変更点やポイントを紹介しました。
・数学、国語の試験時間が10分長くなる
・文系は数学の統計的な推測がほぼ必須になる
・現代文に実用的な文章が追加される
・地歴公民の科目編成が変わる
・情報Ⅰが必須化される
これらの変更点を踏まえた共通テスト対策もお伝えしています。早めに受験勉強をはじめておきましょう。
また、推薦入試や後期試験で小論文が入試科目になっていることがよくあります。共通テスト対策をしながらでも小論文の対策も週1~月2くらいではしておきましょう。
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