高校生向けに日本史の一問一答問題と解説を用意しました。今回は飛鳥時代です。
歴史総合や日本史探求の定期テスト対策、大学入試対策などにご活用ください!
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日本史の一問一答問題:飛鳥時代
(1)527年にヤマト政権に対して九州の大豪族が反乱を起こしました。この反乱を何といいますか。
(2)磐井は朝鮮半島のどの国と手を結んでヤマト政権に反乱しましたか。
(3)朝鮮半島の加羅の支配権を百済に割譲したことで失脚した豪族は誰ですか。
(4)蘇我氏は渡来人を抱えてヤマト政権内での地位を大きくしていき、ついに大連のある豪族をほろぼしました。この、蘇我氏にほろぼされた豪族は誰ですか。
(5)蘇我馬子は自身に反感を持つ天皇を暗殺しました。この天皇は誰ですか。
(6)崇峻天皇の暗殺後に即位した女帝は誰ですか。
(7)厩戸王(聖徳太子)は蘇我馬子とともに崇峻天皇を支えました。このとき厩戸王が就いた役職は何ですか。
(8)603年に制定された、役人の人材登用に関する法令は何ですか。
(9)冠位十二階の制では役人の身分を6つの徳目を使ってそれぞれ大・小に分けて12の階層に分けました。このときの6つの徳目を身分の高い順に答えてください。
(10)冠位十二階の制はそれ以前からヤマト政権に存在した、血縁関係や職能で大王に使える体制を打破するためにつくられました。この、血縁関係や職能で大王に使える制度を何といいますか。
(11)604年に制定された、豪族の心得を記した訓戒を何といいますか。
(12)607年、厩戸王は隋に使者を派遣しました。このとき派遣された使者は誰ですか。
(13)小野妹子が拝謁した隋の皇帝は誰ですか。
(14)隋は当時、朝鮮半島のある国への遠征を控えていたため、日本との関係を重視しました。その国はどこですか。
(15)隋の煬帝が返礼使として日本に派遣した使者の名前は何ですか。
(16)608年、小野妹子は南淵請安や①( )、僧の②( )らを同行して再度隋に渡りました。①②に当てはまる人物名を答えてください。
(17)厩戸王は法華経(ほけきょう)・維摩経(ゆいまきょう)・勝鬘経(しょうまんきょう)の注釈書を編纂したと言われています。その注釈書を何といいますか。
(18)飛鳥時代には仏教が盛んで、有名な寺院も建立されました。そのうち、蘇我馬子が奈良県に建立したとされる寺院は何ですか。
(19)飛鳥時代には仏教が盛んで、有名な寺院も建立されました。そのうち、厩戸王が建立したとされる①奈良県にある寺院、②大阪にある寺院は何ですか。
(20)飛鳥時代には仏教が盛んで、有名な寺院も建立されました。そのうち、秦河勝が建立したとされる寺院は何ですか。
(21)仏像の彫刻について、正面からの像が多く、左右対称で力強く、杏仁形の目、仰月形の唇といった特徴を持つ彫刻を(北魏様式/ 南梁様式)といいます。当てはまるものを選んでください。
(22)仏像の彫刻について、側面からの像もあり、柔和で丸みを帯び、変化のある衣の線が特徴の彫刻を(北魏様式/ 南梁様式)といいます。当てはまるものを選んでください。
(23)北魏様式の仏師で有名な人物を答えてください。
(24)飛鳥時代の渡来人で、暦を伝えた人物は誰ですか。
(25)飛鳥時代の渡来人で、絵具や紙・墨を伝えた人物は誰ですか。
(26)乙巳の変で中大兄皇子と中臣鎌足がほろぼした蘇我氏父子の名前を答えてください。
(27)乙巳の変の後に即位した天皇は誰ですか。
(28)大化の改新で内臣(うちつおみ)に任命された人物は誰ですか。
(29)大化の改新で国博士に任命された人物は誰ですか。
(30)646年、中大兄皇子は難波宮で施政方針を発表しました。この方針を何といいますか。
(31)改新の詔で示された、天皇が土地を所有して人民に貸し出す制度を何といいますか。
(32)孝徳天皇の死後に重祚して天皇になった人物は誰ですか。
(33)皇極天皇の死後、中大兄皇子は天皇に即位せずに政治の実権をにぎりました。このように、即位せずに政治を執ることを何といいますか。
(34)663年、百済再興のため日本は軍を朝鮮半島に派遣しましたが、唐と新羅の連合軍に大敗しました。この戦いを何といいますか。
(35)白村江の戦いで日本は敗北し、唐や新羅から侵攻を受ける可能性が高まりました。外国からの侵攻を防ぐために太宰府の北に築いた防御施設を何といいますか。
(36)667年、外国からの侵攻に対応しやすくするため、難波宮から遷都しました。何という都に移りましたか。
(37)668年、天智天皇が制定した行政法などの法典を何といいますか。
(38)670年に作成された日本で最初の全国的な戸籍を何といいますか。
(39)天智天皇の死後、皇位をめぐって内戦が起こりました。この戦いを何といいますか。
(40)壬申の乱は天智天皇の弟と天智天皇の子との間に起こりました。①天智天皇の弟、②天智天皇の子を何といいますか。
(41)壬申の乱に勝利した大海人皇子は即位して何天皇になりましたか。
(42)天武天皇は即位時に都をどこに移しましたか。
(43)飛鳥浄御原宮に遷都後、天武天皇は新たな律令の作成に入りました。施行されたのは次の持統天皇の時代になりましたが、この律令を何といいますか。
(44)壬申の乱で大豪族がのきなみ滅び、天武天皇は新たに皇族を中心とした身分制度を制定しました。この身分制度を何といいますか。
(45)690年に作成された全国的な戸籍を何といいますか。
(46)庚寅年籍以降、戸籍は何年ごとに作成されることになりましたか。
(47)694年、唐の長安をまねて碁盤の目で新たな都が築かれました。この都を何といいますか。
(48)7世紀後半から8世紀前半の、天武天皇と持統天皇の時代に初唐文化の影響を受けた若々しい文化が日本で発展しました。この文化を何文化といいますか。
(49)白鳳文化の壁画で、中国やインドの壁画に似ており、1949年に焼失したものを何壁画といいますか。
(50)1972年に奈良県で発見され、壁画に四神が描かれた壁画を何壁画といいますか。
(51)白鳳文化の代表的な建築物で、「凍れる音楽」とも称される五重塔を何といいますか。
(52)飛鳥時代の代表的な歌人で、天武天皇に嫁いで十市の皇女の母となった人物は誰ですか。
解答
(1)磐井の乱(筑紫国造磐井の乱)
(2)新羅
(3)大伴金村
(4)物部守屋
(5)崇峻天皇
(6)推古天皇
(7)摂政
(8)冠位十二階の制
(9)徳・仁・礼・信・義・智
(10)氏姓制度
(11)十七条の憲法(憲法十七条)
(12)小野妹子
(13)煬帝
(14)高句麗
(15)裴世清
(16)①高向玄理、②旻
(17)三経義疏(さんぎょうのぎしょ)
(18)飛鳥寺
(19)①法隆寺、②四天王寺
(20)広隆寺
(21)北魏様式
(22)南梁様式
(23)鞍作鳥(くらつくりのとり)
(24)観勒(かんろく)
(25)雲徴(どんちょう)
(26)蘇我蝦夷・入鹿(蝦夷が父、入鹿が子)
(27)孝徳天皇
(28)中臣鎌足
(29)高向玄理と僧旻
(30)改新の詔
(31)班田収授法
(32)皇極天皇
(33)称制
(34)白村江の戦い
(35)水城
(36)近江大津宮
(37)近江令
(38)庚午年籍
(39)壬申の乱
(40)①大海人皇子、②大友皇子
(41)天武天皇
(42)飛鳥浄御原宮
(43)飛鳥浄御原令
(44)八色の姓
(45)庚寅年籍
(46)6年ごと
(47)藤原京
(48)白鳳文化
(49)法隆寺金堂壁画
(50)高松塚古墳壁画
(51)薬師寺東塔
(52)額田王
飛鳥時代の政治体制の解説
飛鳥時代は592年〜710年の間を指します。乙巳の変、壬申の乱を境にその前後で政治体制が大きく変化した時代でした。
起業の学校 WILLFU 社会人講座飛鳥時代の政治体制:前半期
飛鳥時代の前半は、ヤマト政権が強力な中央集権国家を確立し始めた時代です。
ヤマト政権の場所
ヤマト政権は、現在の奈良県のあたりに位置し、後に奈良時代に至るまで日本の中央政府の中心地であり続けました。
天皇制度
飛鳥時代の政治は天皇中心の体制でした。
天皇は政治・宗教の中心的存在であり、神聖な権威を持っていました。政治決定を下し、国の象徴的存在であり、祭祀活動を主導しました。
主に男性が天皇になっていましたが、推古天皇のように初の女性天皇が誕生したのもこの時代です。
豪族との関係
ヤマト政権は、各地の豪族や地方の有力者との関係を重視し、彼らとの同盟や婚姻関係を通じて統治を行いました。
豪族は地域社会のリーダーシップを持ち、地方統治において重要な役割を果たしました。
古墳時代までは天皇(大王)と豪族は「それぞれ」土地と人民を所有していました。豪族はその土地の支配者であり、血縁関係や技能の提供によってヤマト政権に使えていました。
大豪族の蘇我氏と天皇・皇族中心の体制
前半期は豪族のなかでも「蘇我氏」が皇族とともに天皇をささえるという体制でした。
蘇我馬子が物部守屋をほろぼし、豪族の間でライバルのいない圧倒的な力を獲得しました。蘇我馬子は厩戸王とともに推古天皇を支えて政治の中心を担いました。
徐々に蘇我氏が専横するようになり、蘇我氏に反感を抱いていた崇峻天皇は、蘇我氏の手によって暗殺されるほどでした。
十七条憲法
聖徳太子(推古天皇の摂政)によって発布されたとされる『十七条憲法』は、仏教の教えをもととして天皇に豪族がどのように仕えるべきかを示しています。
飛鳥時代の政治思想や倫理観を示すものとして重要です。蘇我氏や厩戸王は「天皇中心」「仏教」の政治体制を目指していました。
飛鳥時代の政治体制は、中央集権的な国家形成の初期段階であり、後の日本の政治体制の基盤となる要素を備えていました。
飛鳥時代の政治体制:乙巳の変後
蘇我氏が中心だった政治体制は飛鳥時代の後半期に大きく変わりました。
乙巳の変で蘇我氏本家没落
645年、中大兄皇子と中臣鎌足らが蘇我入鹿を暗殺します。さらに翌日、入鹿の父・蘇我蝦夷を自害に追い込みます。
これにより蘇我氏本家は没落し、乙巳の変に協力した蘇我倉山田石川麻呂が蘇我氏の本流となり政権運営に大きな役割を果たすようになります。
ところが、この蘇我倉山田石川麻呂も反乱の疑いで自害に追い込まれ、短期間で蘇我氏は没落します。その後は「中大兄皇子と中臣鎌足」を中心とする政治体制になります。
飛鳥時代の政治体制:壬申の乱以降
中大兄皇子(即位して天智天皇)の死後、672年に壬申の乱が起こります。これに勝利した天武天皇はそれまでの大豪族を一掃し、「天皇と皇族を中心とする身分制度」(=八色の姓)を制定します。同時に、全国的な戸籍(庚寅年籍)を作成し、天皇が全国の人民の状況を把握するようになります。
これにより、日本は天皇中心の政治体制になりました。
飛鳥文化まとめ
飛鳥時代の文化はその名のとおり、飛鳥文化といいます。
飛鳥文化は「中国や朝鮮半島の文化の影響を受けた仏教文化」です。仏像や寺院を中心に覚えておくべきことがらがいくつかあります。
以下の表にまとめています。
人物 | 作品 | ポイント |
蘇我馬子 | 飛鳥寺 | 建立当初は法興寺と呼ばれ、蘇我氏の氏寺 |
厩戸王(聖徳太子) | 法隆寺(奈良県) | 法隆寺は世界最古の木造建築物 |
四天王寺(大阪府) | 蘇我馬子と物部守屋との戦いで、蘇我馬子・厩戸王の勝利を祈願して建立された | |
秦河勝 | 広隆寺(京都) | 秦氏の氏寺 |
鞍作鳥 | 法隆寺金堂釈迦三尊像 | 北魏様式 |
法隆寺夢殿救世観音像 | 北魏様式 | |
作者不明 | 法隆寺百済観音像 | 南梁様式 |
作者不明 | 玉虫厨子(たまむしのずし) | 法隆寺にある、須弥座絵・扉絵が書かれた仏具 |
作者不明 | 天寿国繍帳(てんじゅこくしゅうちょう) | 厩戸王の死後に妃が作成した刺繍 |
観勒(かんろく) | 歴法を伝えた渡来人 | |
雲徴(どんちょう) | 絵具、紙・墨を伝えた渡来人 |
白鳳文化まとめ
白鴎文化は飛鳥時代後半(天武天皇・持統天皇が中心の時代)に栄えた文化です。
初唐の影響を受けて若々しい文化とされます。
覚えておくべき作品名を以下の表にまとめました。
作品 | ポイント |
薬師寺東塔 | 「凍れる音楽」と賞賛 |
興福寺仏頭 | 旧東金堂(蘇我倉山田石川麻呂のために造立)の本尊仏頭 |
法隆寺金堂壁画 | 中国やインドの壁画に似ており、1949年に焼失。 |
高松塚古墳壁画 | 壁画に四神が描かれている |
飛鳥時代の勉強法
飛鳥時代はヤマト政権が天皇を中心とした政治体制に移行していく時代です。
この時代の勉強法を紹介します。
スタディサプリENGLISH(新日常英会話コース)年表をみて流れをつかむ
まず、出来事の順番を年表をみて把握しましょう。
この時点では出来事や人物名を暗記する必要はなく、「誰が登場するか」「何が起こったか」を大まかに確認する程度で十分です。
軽く把握しておくだけで、この後の暗記作業がとても楽になります。
※関連記事:飛鳥時代の年表:飛鳥時代の流れや出来事の解説
朝廷の中心人物の組み合わせで覚える
飛鳥時代は豪族と天皇や皇族が協力して政治を行っていました。為政者の組み合わせを覚えておきましょう。
乙巳の変と壬申の乱を境に前後でその人物セットが異なります。各時期の中心人物のセットを以下にまとめています。
飛鳥時代前半 | 蘇我馬子・厩戸王・推古天皇 |
乙巳の変以降 | 中大兄皇子・中臣鎌足 |
壬申の乱以降 | 天皇・皇族 |
身分制度と戸籍を覚える
政治体制を変化させるために、身分制度と戸籍作成が行われました。
身分制度→天皇と豪族の関係を変える(天皇中心にする)
戸籍作成→全国の人民を天皇が一括把握できるようにする
いつ・誰が・何の身分制度・戸籍をつくったかをセットで覚えておきましょう。
人物 | 身分制度 | 戸籍 |
厩戸王 | 冠位十二階 | – |
天智天皇 | – | 庚午年籍 |
天武天皇 | 八色の姓 | 庚寅年籍 |
日本史の問題集
最後に日本史のおすすめ問題集を紹介します。
※関連記事:日本史文化史の参考書と覚え方
『金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本 改訂版』
1冊目は日本史参考書の定番、「金谷の日本史」です。古代~近現代まで3冊と文化史1冊の合計4冊に分けて解説してくれています。
内容はオーソドックスで、教科書をさらにくわしく解説してくれています。
すべてじっくり読むというより、問題集で問題を解きつつ因果関係が分かりにくいときに参考書として使う人も多いです。
特に、共通テストを受ける人は『文化史』だけでも読んでおくと役立ちます。
金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本【改訂版】 原始・古代史 (東進ブックス 大学受験 名人の授業)
金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本【改訂版】 中世・近世史 (東進ブックス 大学受験 名人の授業)
金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本【改訂版】 近現代史 (東進ブックス 大学受験 名人の授業)
金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本【改訂版】文化史 (東進ブックス 大学受験 名人の授業シリーズ)
出版社:ナガセ
『日本史B一問一答【必修版】【完全版】』
流れを理解できるようになったら、問題演習をして記憶に定着させる必要があります。
この問題集はそんなときに便利です。
「必修版」と「完全版」に分かれており、現在の学力や志望校のレベルに合わせて選べます。
日本史B一問一答【必修版】 (東進ブックス 大学受験 一問一答シリーズ)
日本史一問一答【完全版】2nd edition (東進ブックス 大学受験 一問一答シリーズ)
出版社:ナガセ
『よくわかる高校日本史探究』
学研が出版している「標準レベルまで」の参考書です。教科書よりも解説がくわしく、日本史探求に苦手意識を持っている人も理解しやすいです。
定期テスト対策用の問題ページもあり、定期テスト対策、中堅レベルまでに大学入試対策に便利です。
よくわかる高校日本史探究 (MY BEST)
出版社:Gakken
まとめ
いかがでしょうか。
高校生向けに飛鳥時代の日本史の一問一答を紹介しました。
飛鳥時代はヤマト政権の政治体制が律令制へと大きく変化した時代です。蘇我氏・厩戸王・推古天皇の時代は豪族中心、乙巳の変後は中大兄皇子と中臣鎌足による天皇(皇族)と豪族中心、壬申の乱以降は天皇と皇族中心になりました。
それぞれの時期に作成・施行された身分制度や戸籍の名称も覚えておきましょう。
※関連記事:東大の日本史
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