「中学校に入ってから英語で苦労しないようにするにはどうすればいいの?」
「小学校の英語の勉強を見ていると、中学校で大丈夫か不安になる」
このような不安を感じている保護者の方は多いのではないでしょうか。実際、中学校に入って1年以内に英語が一気に苦手になる子が多いです(ベネッセ教育総合研究所)。
ですが、英語は中学校でも高校でも一番重要な科目です。英語が得意な子は受験でも断然有利になります。
そこで、小学校の英語と中学校の英語はどのように違うのかを解説し、その内容を踏まえて小学生の間にどのように英語の勉強をすれば良いか、いつから始めれば良いかなどを紹介します。
Z会の通信教育 中学生コース小学校英語の学習内容とは?
小学校英語は、日本の教育課程において、子どもたちが英語に親しみ、将来の英語学習の基盤を作ることを目的としています。特に「聞く」と「話す」を中心に、楽しみながら英語を学ぶカリキュラムが組まれています。以下に、小学校英語の学習内容の具体的なポイントを詳しく解説します。
小学校の英語学習の目的
文部科学省の規定によれば、小学校英語の主な目的は次の3つです。
小学校英語の具体的な学習内容
小学校英語では、学年によって多少異なりますが、共通して以下の内容を学習します。
小学校における学年共通の英語学習の内容
英語に慣れる(親しむ)
低学年では特に「英語に触れる」ことが重視されます。たとえば、以下のとおりです。
- 歌やチャンツ: 「ABCの歌」やリズミカルな歌を通じて英語の音やリズムに親しむ。
- ゲーム: 英単語のカードゲームや身体を使ったアクティビティ。
- 挨拶表現: 「Hello」「Good morning」など、日常の挨拶をクラスメートに使う。
簡単なフレーズや単語の学習
「好きな色」など、簡単なフレーズや単語を習い、クラスメートに「私は~色が好きです」のように自己紹介するのに使います。
- 基本的な単語: 色(red, blue)、数字(one, two, three)、日常物(apple, car)など。
- 簡単なフレーズ: 「How are you?」「I’m fine, thank you.」など、簡単な質問と返答。
聞く力と話す力の強化
ネイティブの話す単語を聞き取る練習や、児童どうしで話す練習もします。
- 聞き取り活動: 英語で話される簡単な指示を聞き取る練習(e.g., “Stand up” “Sit down”)。
- スピーキング練習: 自分の名前や好きなものを伝える(e.g., “My name is ___.” “I like pizza.”)。
英語を使った遊び
遊びの中で英語を学ぶことで自然に表現を身につけます。
- ジェスチャーゲーム: 英語の動詞をジェスチャーで表現する。
- アルファベット探し: 身の回りからアルファベットの形を探す遊び。
外国文化の学び
単語だけでなく、背景にある外国の文化にも少し触れます。
- 行事を通じた学び: クリスマスやハロウィンなどの海外の文化に触れる。
- 生活の違いを学ぶ: 海外の学校や食べ物についての映像や写真を見て議論する。
学年別の英語学習の目標と英語での活動例
3~6年生までの学年別の学習目標や活動例をまとめました。
3~4年生:初期段階
- 目標: 英語に親しむ、英語の音やリズムを楽しむ。
- 活動例: 歌やゲームを通じた学び、アルファベットに触れる。
5~6年生:基礎的な学びの習得
- 目標: 簡単な英語を使ったコミュニケーションができるようになる。
- 活動例: 自己紹介や好きなものについて話す。簡単な英作文(例:「I like ___」)。
小学校の英語学習で大切にされること
学年共通のポイントや学年ごとの目標を紹介しました。小学校の英語学習では、特に以下の3点が重視されています。
- 楽しむことを優先: 小学校英語では、点数や評価よりも「楽しさ」が重視されます。
- 実体験を通じた学び: 例えば、英語で買い物をするロールプレイや、英語の歌で劇を作るなど、体験型の学習が多いです。
- 反復練習: 同じ単語や表現を繰り返し使うことで、自然に覚えられるようにする。
中学校英語への接続
小学校英語は、中学校での本格的な英語学習にスムーズに入るための準備段階です。以下のような点が次のステップに役立ちます。
- 英語の音に慣れているため、リスニングがスムーズに進む。
- 自己紹介や簡単なフレーズを知っていることで、初期のスピーキング活動に自信を持てる。
中学校英語の勉強の特徴:どんな文法が出てくる?
中学校英語は、小学校で培った英語への親しみや基礎的な表現を土台にして、本格的な文法や読解力、作文力を学ぶ段階です。
ここでは、具体的な文法項目を挙げながら、中学校英語の特徴を詳しく解説します。
中学校英語の全体的な特徴
- 文法学習の始まり: 中学校では英語の文法を体系的に学びます。文章の仕組みや規則を学ぶことで、正しい英語を読む・書く・話す・聞く力を育てます。
- 文章を作る力を育成: 自己紹介や簡単な日記、メールなど、自分の言いたいことを文章にまとめる力を養います。
- 英語4技能のバランス: 「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能をバランスよく学習します。
具体的な英文法とその解説
つづいて、中学校の英語で習う具体的な英文法を、簡単な解説とともに紹介します。
中学校で習う英文法について、以下の記事でくわしく解説しています。
中学英語文法一覧:三人称単数など中1、中2、中3で習う英文法を例文つきで基本から分かりやすく解説
be動詞と一般動詞
- be動詞: 主語の状態や存在を表します。主語に応じて am, is, are を使い分けます。
例:- I am a student.(私は生徒です。)
- She is happy.(彼女は幸せです。)
- 一般動詞: 主語の動作や状態を表します。動詞の種類に応じて意味が異なります。
例:- I play soccer.(私はサッカーをします。)
- He likes music.(彼は音楽が好きです。)
学習ポイント
- be動詞と一般動詞の違いを理解することが重要です。同じ文で混同しないように注意します(例:He is play soccer. → 誤り)。
三単現のs
- 主語が三人称単数(he, she, it など)の場合、一般動詞に s をつけます。
例:- He plays soccer.(彼はサッカーをします。)
- She likes cats.(彼女は猫が好きです。)
学習ポイント
- 動詞の変化を正しく覚える:
- 普通は「s」をつける(play → plays)。
- yで終わる動詞は「-ies」に変える(study → studies)。
- o, s, sh, ch, xで終わる動詞は「-es」をつける(go → goes, watch → watches)。
- 否定文や疑問文では「s」が動詞から離れる点に注意します(He doesn’t play. Does he play?)。
三単現のsの付け方について以下の記事でくわしく解説しています。
三単現のsの解説:sのつけ方やつけない場合などのルールを説明します(三単現の動詞一覧つき)
現在進行形
- 「~しているところです」という今の動作を表します。be動詞 + 動詞のing形で表現します。
例:- I am studying English.(私は英語を勉強しています。)
- They are playing basketball.(彼らはバスケットボールをしています。)
学習ポイント
- 動詞にingを正しくつけるルールを覚える(例:run → running, swim → swimming)。
- 状態を表す動詞(know, like など)は進行形にしない。
過去形
- 過去の出来事や状態を表します。動詞を過去形に変化させます。
例:- I went to the park yesterday.(私は昨日公園に行きました。)
- She played the piano.(彼女はピアノを弾きました。)
学習ポイント
- 規則動詞は「-ed」をつけます(play → played)。
- 不規則動詞は形を覚える必要があります(go → went, see → saw)。
未来の表現
- 未来の予定や出来事を表します。「will + 動詞の原形」や「be going to + 動詞の原形」を使います。
例:- I will study tomorrow.(私は明日勉強します。)
- She is going to visit Kyoto.(彼女は京都を訪れる予定です。)
学習ポイント
- 「will」と「be going to」の使い分けに注意します(確定的な予定には「be going to」)。
助動詞
- can: 「~できる」という能力を表します。
例: I can swim.(私は泳げます。) - must: 「~しなければならない」という義務を表します。
例: You must study.(あなたは勉強しなければなりません。)
中学校で習う助動詞について以下の記事でくわしく解説しています。
中学英語の助動詞の一覧:mayとcanの違いなど助動詞の覚え方や文の作り方を解説
学習ポイント
- 助動詞の後には必ず動詞の原形を使います(例:I can to swim. → 誤り)。
比較級・最上級
- 比較級: 2つのものを比較する(例:This book is better than that one.)。
- 最上級: 3つ以上の中で一番のものを表す(例:This is the best movie.)。
学習ポイント
- 短い形容詞には「-er」「-est」をつける(例:big → bigger → biggest)。
- 長い形容詞には「more」「most」を使う(例:interesting → more interesting → most interesting)。
中学校英語の学習のコツ
小学校英語に比べて、中学校英語は「単語や文法の正確な知識」を問われます。その学習のコツをまとめました。
文法や英作文の反復練習
文法のルールを覚えるだけでなく、実際に文を作って使う練習が大切です。
いくつかの文法を比較しながら学ぶ
似ている表現(be動詞と一般動詞など)を比較して違いを理解します。
例えば、be動詞と一般動詞の使い分け方や、不定詞と動名詞の使い分け方など中学生が間違いやすい文法です。以下の記事でそれぞれくわしく解説しています。
be動詞と一般動詞の違い:be動詞と一般動詞の意味や使い方の違い、使い分け方を例文で分かりやすく解説
不定詞と動名詞の違いを徹底解説|使い分けのコツと覚え方を紹介:不定詞/動名詞しか使えない動詞のまとめ
ネイティブの音声を聞いて学ぶ
正しい文法で作った文章を音読することで、正しい発音や文法を覚えられます。中学生向けの問題集やドリルの多くには音声を聞けるアプリやCDがついています。
このように、中学校英語では、基礎的な文法を一つひとつ積み上げながら、使える英語を学んでいきます。各項目のルールと例文をしっかり理解し、繰り返し練習することが成功の鍵です!
小学校と中学校の英語、何が違う?
前述のように、英語教育は、小学校と中学校で学習内容と学習目標に大きな違いがあります。
小学校英語は英語に親しむことを重視し、中学校英語は文法や文章表現を本格的に学ぶ段階です。以下に、小学校英語と中学校英語の違いを詳しく解説します。
英語学習の目標の違い
まず、小学校英語と中学校英語では、学習目標が以下のように異なっています。
- 小学校英語:
小学校では、英語を「楽しみながら学ぶ」ことが主な目的です。英語に親しみ、英語でのコミュニケーションに自信を持たせることを重視します。- 英語の音やリズムに慣れる。
- 英語を聞いて理解したり話したりする体験を増やす。
- 簡単な単語やフレーズを使って自己表現をする。
- 中学校英語:
中学校では、英語を「体系的に学ぶ」ことが主な目的です。文法や語彙を学び、正しい文章で英語を使うスキルを身につけます。- 文法を中心に学習する。
- 読む、書く、話す、聞くの4技能をバランスよく発展させる。
- 実生活で使える表現を学ぶ。
英語学習の内容の違い
つづいて、小学校英語と中学校英語の学習内容の違いを解説します。
語彙量の違い
- 小学校英語:
約600~700語を学びます。基本的な名詞や動詞(cat, run, eat など)、日常的な表現(How are you? I’m fine, thank you.)が中心です。
例:- 色(red, blue, green)
- 数字(one, two, three)
- 家族(father, mother, sister)
- 中学校英語:
約1,200~1,500語を学びます。より抽象的で複雑な語彙や、英語で説明するための言葉を学びます。
例:- 動詞の活用形(study → studied)
- 抽象的な単語(idea, difference, environment)
文法の扱い度合いの違い
- 小学校英語:
文法を細かく明確には教えません。英語を自然に使う中で、簡単な表現を身につけます。
例:- What is this? It is a book.(「これは何?」程度の表現)
- I like apples.(単純な現在形)
- 中学校英語:
文法が学習の中心になります。動詞の活用、文の構造、疑問文や否定文の作り方などを詳細に学びます。
例:- 現在形と過去形(I play soccer. → I played soccer.)
- be動詞と一般動詞の違い
- 助動詞(can, must など)
英語を話す力の育成の違い
- 小学校英語:
発音やリズムに慣れることを重視します。歌やチャンツ(簡単な英語のリズム遊び)を通して、英語を話す楽しさを学びます。
例:- 英語の歌(Twinkle, Twinkle, Little Star など)
- 日常会話(Hello. How are you? I’m happy.)
- 中学校英語:
自分の考えや意見を簡単な英語で伝える練習をします。発音やイントネーションだけでなく、文法的に正しい文章を作る練習を行います。
例:- What did you do yesterday?(昨日何をしましたか?)
- I went shopping with my mother.(お母さんと買い物に行きました。)
英語学習の評価方法の違い
- 小学校英語:
数値での評価はなく、児童の意欲や態度を重視します。英語を楽しんでいるか、積極的に発言しているかが評価ポイントです。 - 中学校英語:
テストでの成績が重視されます。単語の暗記や文法の理解、作文の正確さが評価基準となります。
英語の学習方法の違い
- 小学校英語:
- ゲームや歌、アクティビティを通して、体を使いながら学ぶ。
- 英語の先生やALT(外国語指導助手)が子どもたちと一緒に遊び感覚で学ぶ。
- 中学校英語:
- 教科書を中心に、座学で文法や読解を学ぶ。
- ワークブックや問題集で反復練習を行い、知識を定着させる。
小学校英語と中学校英語の違いまとめ
ここまでお伝えしてきた違いを表にまとめました。
中学校で英語に苦労する子の特徴
冒頭でお伝えしたように、中学校に入ってすぐに英語嫌いになる子が激増します。では中学校に入って英語嫌いになる子は、中学英語のどのような点で苦労するのでしょうか。
英単語の暗記の仕方を知らない
中学校に入って最初の壁は「英単語の暗記」です。
小学校では英単語は「覚えるもの」ではなく「(間違ってもいいから)使うもの」でした。それが、1文字1文字正確に書けないといけなくなります。
正確に書くにはきちんと「暗記」しないといけませんが、暗記の仕方は小学校でも中学校でも教わらないため、どうすれば良いか分からなくて結局何もせずに中学最初のテストを迎える子も少なくありません。
※関連記事:中1最初のテスト:初めての中間テスト範囲はどこで、勉強をいつからどうやってすれば良いか紹介します
英文法を理解していない(形で覚えている)
つづいてのポイントは「英文法の不十分な理解」です。
小学校ではbe動詞と一般動詞の違いや時制(現在、過去など)といった文法知識はほぼ教わりません。「私は~です」「私は~しました」といった日本語を英語に置きかえて使う練習をします。
そのため、英文法の説明を学校の授業で聞いても右から左です。
定期テストで70点以上取っている子でも、「be動詞・一般動詞」という言葉すら知らないのが普通になっています。
※関連記事:be動詞と一般動詞の違い
その結果、「I(私)の次はとりあえずamを書く」という独自ルールで形式的に対応している中1が多いです。
国文法の知識が足りていない
3つ目は国文法の知識不足です。
英語は原則として、「主語+動詞」を文の最初に書きます。日本語の文が出てきたら、その文の主語と動詞(述語)は何なのかが分からないと英語の語順がぐちゃぐちゃになりやすくなります。
例えば、「私の犬は白い。」という文だと主語は「犬」ですが、「私の」が主語だと思ってしまう中学生が少なくありません。そうすると、「I am dog white.」という色々間違っている英文になってしまったりします(正しくは、My dog is white.)。
小学校英語から中学校英語への橋渡しを成功させる方法
小学校英語と中学校英語では、それぞれで子どもたちが求められる力が異なっています。その橋渡しを成功させる学習ポイントを紹介します。
小学校の内容を中学校で活用する
小学校で学んだ英語表現やフレーズに、中学校で習う文法表現を加えましょう。
例: 小学校で覚えた「I like dogs.」を使い、「What kind of dogs do you like?」(どんな犬が好き?)といった英作文につなげて練習する。
be動詞と一般動詞の区別を定着させる
小学校で「I am happy.」のようなbe動詞を学びますが、中学校では「I play soccer.」のような一般動詞の文法も本格的に習います。
この2つを混同しやすいため、違いを繰り返し練習しましょう。
例文 | 文法の違い |
I am a student. (私は生徒です。) | be動詞(状態を表す) |
I study English. (私は英語を勉強します。) | 一般動詞(動作を表す) |
なお、be動詞と一般動詞の違いや使い分け方については、以下の記事でくわしく解説しています。
be動詞と一般動詞の違い:be動詞と一般動詞の意味や使い方の違い、使い分け方を例文で分かりやすく解説
時制の変化を意識する
小学校では現在形と簡単な過去形しか扱いませんが、中学校では未来形や進行形なども加わります。
これらの新しい時制を、「現在時制との違い」を意識しながら練習しましょう。
英単語の暗記の習慣や方法を身につけておく
知らない英単語が出てきたら、その都度覚えるような習慣をつけておきましょう。
高校入試までに2000-2500語覚える必要があります。「後でまとめて覚える」というやり方で乗り切れる数ではありません。
また、暗記のアルファベットをしっかり書けるようになったら、英単語の暗記の仕方を身につけておきましょう。
※関連記事:中1で習う英語の単語:名詞・動詞・形容詞・副詞など品詞ごとの一覧と英単語の覚え方を紹介
中学入学前に英検5級の単語帳を使って英単語を覚えておくとかなり役立ちます。
【音声アプリ対応】英検5級 でる順パス単 5訂版 (旺文社英検書)
家庭での英語学習をスムーズに進めるためのコツ
英語学習を効果的に進めるには、学校での授業だけでなく家庭でのサポートが重要です。特に小学校から中学校への移行期では、家庭の支えが生徒の学習の成否に大きく影響します。
ここでは、小学生と中学生のそれぞれに合わせた学習サポートの方法を保護者向けに解説します。
小学校英語:楽しみながら学ぶ環境を作る
小学校英語では、英語を「楽しい」と感じることが最優先です。学習への抵抗感をなくし、英語に親しむための工夫を取り入れましょう。
家庭でできるサポート方法
- 英語を一緒に楽しむ活動をする
- 英語の歌やゲームを通じて学ぶと、自然に単語や表現が身につきます。YouTubeの子供向け英語ソングやアプリを活用すると効果的です。
- 例: ABCソングや「Head, Shoulders, Knees and Toes」のような体を使う歌。
- 日常生活に英語を取り入れる
- たとえば、家にある物を英語で呼んでみたり、簡単なフレーズを会話に加えることで、英語が生活の一部になります。
- 例: 「This is a chair.」「Good morning! How are you?」
- 成功体験を積ませる
- 短い英語の単語やフレーズを言えるようになったら、たくさん褒めましょう。褒められることで英語学習への意欲が高まります。
保護者が注意するポイント
- 英語に触れる機会を「強制」せず、楽しみながら自然に行う。
- 子どもが英語に興味を持ったときは、すぐに答えたりサポートしたりできるよう心がける。
中学校英語:復習と基礎固めを重視
中学校英語では、本格的な文法やテスト対策が始まります。小学校時代の「楽しむ英語」から、「理解し学ぶ英語」へと学習スタイルが変わるため、家庭での復習や基礎固めが必要です。
家庭でできるサポート方法
- 学習のスケジュールを一緒に計画する
- 定期テストの1~2週間前からスケジュールを立て、計画的に進められるようサポートします。
- 例: 1日1単元を復習する、単語10個を覚えるなど小さな目標を設定。
- 復習を習慣にする
- 英単語や文法を覚える時間を毎日少しずつ取り入れると、無理なく学習できます。
- 例: 食事の前後に英単語を一緒に復習する。
- 家庭でのテスト対策
- 過去問や学校のプリントを使ってテスト形式で問題を解かせると、学校のテストへの準備ができます。
- 保護者が問題を出題し、解答を確認してアドバイスをするのも効果的です。
保護者が注意するポイント
- ミスを指摘するだけでなく、褒める習慣をつける
- 「ここは惜しかったね。でも、この単語はしっかり覚えられているね!」のように、良い点を強調する。
- 分からないときは一緒に考える
- 子どもが「分からない」と感じた場合は叱るのではなく、どうして分からないのかを考える時間を設けましょう。
- 英語を音読する機会を増やす
- 声に出して読むことで記憶が定着しやすくなります。保護者がリズムよく音読の相手をすると、学習が楽しくなります。
小学校から中学校への「橋渡し」を意識する
小学校と中学校での英語学習の違いを理解し、以下のポイントをサポートに取り入れるとスムーズな移行ができます。
小学校で身につけた単語を活用する
小学校で覚えた簡単な単語や表現を、中学校の文法学習に組み込むと、スムーズに新しい内容が理解できます。
- 例: 小学校で学んだ「I like apples.」を活用し、「I liked apples when I was a child.」のように文法を発展させる。
be動詞と一般動詞の区別を確認
小学校では「I am a student.」などのbe動詞が中心ですが、中学校では一般動詞(I play soccer.)が加わります。この違いを早めに意識させるとよいでしょう。
英語学習を家庭で支えるメリット
家庭でのサポートは、学校の学習内容を補完し、子どもの英語力を飛躍的に伸ばす効果があります。また、親子のコミュニケーションを深める機会にもなるため、楽しみながら継続することがポイントです。
小学校では「一緒に楽しむ」、中学校では「計画的にサポートする」ことを心がけ、子どもが英語に自信を持てる環境を作りましょう。
高校入試で英検を使うなら4年生までには英語学習をはじめよう
最近では高校入試で英検を使う人も多いです。高校入試では英検2級以上あるとかなり有利です。
※関連記事:高校受験の英検優遇制度(加点など):2級を取得すると有利になる理由を解説
中3時点で英検2級を取得するには、中学校入学時点で最低でも3級までは取得しておきたいです。5級→4級→3級で1.5年はかかりますから、4年生までには英語の勉強をはじめておくと、子どもにとって過度な負担にならない程度に英語学習がしやすいです。
※関連記事:英検2級合格に必要な時間:0から始めて合格するまでの時間と効果的な英検対策法を完全ガイド!
まとめ
いかがでしょうか。
小学校英語と中学校英語の違いを説明しました。小学校英語は「英語に対するポジティブな態度を育てること」を目的としており、中学校は「英語を使うスキルを強化し、高校や将来に向けて英語の基礎力を築くこと」を目的としています。
こうした方向性の違いがあるため、中1で英語嫌いになる子が多いです。
英語嫌いにならないようにするには、英単語や英文法をきちんと勉強しつつ国文法の勉強も小学生の間にしておくほうが良いでしょう。
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