中学受験が近づくにつれ、「このまま第一志望を目指すべきか」「志望校を下げたほうがいいのか」と悩むご家庭は少なくありません。
成績の伸び悩みや模試結果、子どもの精神的負担など、判断材料は多岐にわたります。
そこでこの記事では、志望校を下げるという選択が本当に必要なのかどうかを見極めるための判断軸を、教育のプロの意見や体験談を交えて解説します。
親子が納得して進学先を選び、後悔のない中学受験にするためのヒントをお届けします。
※関連記事:中学受験生が6年生で転塾するのは大丈夫か:いつまでならいい?6年の夏、秋はどう過ごせばいい?
中学受験で「志望校を下げる」ときに親が知っておくべき基礎知識
中学受験において「志望校を下げる」のは、大抵の場合、もともと目指していた第一志望校よりも偏差値がやや低い、もしくは合格可能性の高い学校へ志望を変更するときです。
これは、「安全校」「実力相応校」への志望変更とも言い換えられ、受験生本人の学力やメンタル状態、直前期の模試結果などを踏まえて行われる現実的で戦略的な判断です。
「志望校を下げる=諦める」ではなく、合格を確実にして子どもの将来の可能性を広げる選択肢の一つとして、近年は多くの家庭で前向きに検討されるようになっています。
参考:ベネッセ教育情報「入試直前と入試6か月前の志望校合格可能性[中学受験]」
志望校を下げるケースは珍しくない
中学受験において、直前期に志望校を見直す家庭は少なくありません。大手塾の模試や面談でも、12月〜1月にかけて進路変更のアドバイスが行われるのが一般的です。
以下のようなケースで、実際に志望校を下げる決断をする家庭が多く見られます。
- 合格判定がD判定以下のまま改善が見込めない
- 本人が強いプレッシャーを感じている
- 本命校以外の学校に魅力を感じ始めた
- 家庭の経済面や通学面など現実的な問題が生じた
このように、「安全な選択」を取ることは珍しくなく、むしろ合理的な判断とされています。
なぜ「志望校を下げる」判断が必要になるのか?
成績の伸び悩み
受験直前期になっても偏差値が志望校の合格ラインに届かない場合は、リスクを避けるために志望校の見直しを検討する必要があります。
特に小6の秋以降は、模試での合格判定が安定してD以下(20%未満)にとどまるようであれば、志望校のランクを下げることは現実的な選択です。無理にチャレンジ校にこだわることで、すべての受験校に不合格となるリスクもあります。
※関連記事
【中学受験】塾に通っているのに成績が伸びない理由とは?
中学受験全落ちしたらどうなる?:全落ちしやすい子の特徴と全落ちを防ぐ方法を紹介
直前の模試結果
1月に実施される最終模試やプレテストの結果は非常に重要です。そこで合格可能性が低いと出た場合、第一志望に固執せず、より確実性のある学校への変更を視野に入れることが子どものためにもなります。
また、多くの中学では過去問と同様の出題傾向があり、プレテストの結果はかなり信頼性が高いとされています。
本人のメンタルや家庭の方針の変化
子どもが精神的に疲れている、あるいは不安が強くなっている場合、無理に第一志望を押し通すと逆効果になることがあります。
また、親の考え方が変わることもあります。「通学時間の短い学校の方が良い」「中高一貫より高校受験も見据えたい」など、志望理由自体が見直されることもあるのです。
そのままチャレンジ校を受けるリスクとは?
志望校を変更せず、チャレンジ校(合格可能性が低い学校)だけを受ける場合には以下のようなリスクがあります。
- 全滅の可能性:複数校受験しても、すべて不合格になるケースもあります。特に東京・神奈川などの私立中学密集地域では一般的なリスクです。
- 本人の自信喪失:努力を続けてきた子どもにとって、不合格は大きなショックになります。その後の学習意欲に悪影響を及ぼすことも。
- 家庭内の不和:親が無理に第一志望に固執した場合、「なぜあのとき下げなかったのか」と子どもとの関係に亀裂が入ることも。
- 進学先の選択肢が狭まる:合格実績を確保できなければ、繰り上げ合格や追加募集を狙うしかなくなり、希望に合った学校に進学できないリスクも。
こうしたリスクを避けるためにも、客観的なデータと専門家の意見を参考にして判断することが大切です。
※なお、志望校変更後には「志望理由書」を書くのに困ります。志望理由の書き方について、以下の記事でくわしく解説しています。
中学受験の志望理由:志望動機の内容や書き方を親と子どもそれぞれに分けて解説します
志望校変更はいつまでなら間に合うか
志望校変更を検討していて気になるのは、「今から変更して大丈夫か?」という点ではないでしょうか。
いつまでなら志望校変更が間に合うか紹介します。
志望校変更の理由によって異なる
前述のように、志望校変更の理由はさまざまです。大きく分けると2つあります。
- 中学校の環境面
- 学力面(模試の偏差値)
変更理由によっておすすめの変更期限は異なります。
中学校の環境面が理由なら小6の10月まで
入学後の学校の環境面が変更理由なら、小6の10月までに決定しましょう。
小6の10月以降は、「本当に変更するほうが良いかどうか」を冷静に検討するのがむずかしくなるからです。
行きたい学校ではなく受かりそうな学校を選びたくなる
受験が近づくにつれて不安が増してきます。行きたい学校よりも、受かりそうな学校を選びたくなります。
ところが、「受かりそうな学校」を選ぶと、「やっぱり最初に決めていた志望校を受ければ良かった」と入学後に後悔する子もいます。
変更後の学校が良い・悪いではなく、「志望校を変更したこと」を後悔してしまうのです。
偏差値が理由なら入試直前でも大丈夫
志望校変更の理由が学力面(偏差値が足りない、倍率が高い)であれば、変更は入試直前でも間に合います。
出願直前の模擬試験で偏差値が10ポイント足りない。さすがに合格は厳しいかなと思って変更するのは決して少なくありません。
変更を決めた時点から過去問を解いて時間配分などに慣れれば問題ありません。
ただし、入試間近で模試の偏差値が足りていなくても合格できる子は毎年少なからずいます。
模試の出題傾向と入試の出題傾向は異なりますし、子どもは気持ちと学力がかみあえば点数が一気に伸びる可能性を秘めています。
併願戦略次第で全落ちを避けられる
全落ちを心配して志望校変更を検討する場合、第一志望校を変更しなくても併願戦略次第で全落ちは避けられる可能性が高いです。
併願パターンは「希望校」「チャレンジ校」以外に「安全校」も受けるのが一般的です。
安全校の難易度を思い切って下げることで全落ちの回避率を高められます。
ただし、安全校を下げる場合でも「子どもが行きたいと思える学校」を選ぶようにしましょう。入学後に後悔するのは避けたいところです。
※関連記事:中学受験の志望校の選び方:いつまで?どうやって選ぶ?併願校の選択方法は?
志望校を下げた受験生の体験談【3選】
中学受験で志望校を下げる決断は、多くの家庭にとって勇気のいる選択です。しかし、その後に充実した学校生活を送っている受験生も少なくありません。
ここでは、実際に志望校を変更した3人の事例を紹介し、なぜその判断に至ったのか、進学後どう感じているのかを掘り下げていきます。
※個人が特定されないように、受験地域や志望校は多少変更しています。
第1志望を下げたが、結果的に充実した中学生活を送ったA君
なぜ志望校を変えたか
A君は当初、偏差値65超の難関中学を第一志望として目指していましたが、6年生の秋以降に成績が伸び悩み、合格可能性はD判定が続いていました。12月の大手塾の面談で先生から「志望校を1ランク下げれば、確実に合格が狙える」と提案されたのがきっかけです。
「チャレンジ校にこだわるより、得意分野が活かせる学校に進んだ方が本人の成長につながる」と塾の先生や家族で話し合い、最終的に偏差値62の実力相応校へ志望変更を決断しました。
進学後の感想・親の声
進学した中学校では、A君の得意な理科を伸ばせるカリキュラムが整っており、1年生の後期からは科学部の活動にも積極的に参加。校風も穏やかで、のびのびと学べているとのこと。
親御さんからは、「あのとき志望校を下げたことを“妥協”だと感じていたが、今は本当に良かったと思う。本人が毎日楽しそうに通っている姿がすべて」との声が寄せられています。
安全校を選んで親子関係が好転したBさん
なぜ志望校を変えたか
Bさんは偏差値が安定していたものの、第一志望の難関中学に対して本人が強いプレッシャーを感じていました。模試でC判定が出るたびに涙を流すようになり、親子での言い争いも増えていきました。
6年生の冬休みに入り、家庭内の雰囲気が悪化していたとき、母親が「子どもの将来のために、一度立ち止まって考えよう」と提案し、安全校の見学に行くことに。そこで出会った先生や生徒の姿に惹かれ、本人も「ここなら楽しく通えそう」と納得して志望校を変更しました。
進学後の感想・親の声
入学後は穏やかな雰囲気の中で人間関係にも恵まれ、明るく前向きな性格を取り戻したBさん。部活動や学校行事にも積極的に参加し、勉強も継続できているとのことです。
お母様は「無理に背伸びして親が望む学校に行かせなくてよかった。本人が自分の気持ちを言えるようになったことが何よりの成長」と語っています。
最後まで悩んだが納得して変更したCさんのケース
なぜ志望校を変えたか
Cさんは首都圏の最難関女子校を第一志望としていました。合格判定はB〜C判定で、合格の可能性は50%前後。直前期に本人も「どちらを選んだらいいか分からない」と揺れていた状況でした。
家族会議を繰り返した結果、「最終的に本人が納得できることが大事」と考え、1月末に自ら志望校の見直しを決断。同じ系列のやや偏差値の低い女子校に志望校を変更しました。
進学後の感想・親の声
Cさんは新たな志望校で同じ志を持つ仲間たちと切磋琢磨しながら前向きに学校生活を送っているとのこと。「あのとき悩み抜いたからこそ、今の自分がある」と語っています。
親御さんも「子どもが自分で決めたことだから、ぶれずに進めている。高校受験や大学進学も含めて、長い視点で判断して本当によかった」と満足しています。
まとめ
「志望校を下げる」ことは、単なる“妥協”ではなく、子どもの将来を見据えた前向きな選択肢になり得ます。実際の体験談からも分かるように、適切な判断を下せば、中学生活の満足度も高く、親子の関係も良好に保てるケースが多くあります。
後悔しない「志望校変更」の判断ポイント【チェックリスト付き】
中学受験において、志望校を変更するかどうかは、子どもの将来に大きく関わる重要な決断です。「本当にこのままでいいのか」「今、下げるべきなのか」と迷う方も多いでしょう。
ここでは、後悔のない志望校変更をするための判断ポイントを、チェックリスト付きでご紹介します。
偏差値だけで判断しない
偏差値は受験校選びの一つの目安ではありますが、数字だけで学校の良し悪しを決めるのは危険です。
- 偏差値が高くても、子どもの性格や学習スタイルに合わないこともあります。
- 成績には波があり、たまたま模試で低く出ただけで将来の適性を見誤ることも。
重要なのは、その学校で子どもがどれだけ成長できるかという視点です。
本人の意志とモチベーションを尊重する
「親が行かせたい学校」と「子どもが行きたい学校」がズレていることもあります。志望校を下げる場面では特に、本人の気持ちを丁寧に聞くことが不可欠です。
- 本人が「この学校なら楽しそう」と感じているか
- 勉強への意欲が下がっていないか、逆に気持ちが前向きになっているか
受験は長丁場です。最終的に「自分で決めた」という感覚が、入学後の満足度に直結します。
併願校の合格可能性を戦略的に見直す
志望校を下げる判断は、単独で行うのではなく、併願校全体のバランスを見て調整するのがポイントです。
- チャレンジ校(合格可能性40〜50%)
- 実力相応校(60〜70%)
- 安全校(80〜90%)
このようにリスク分散をした併願戦略を見直すことで、精神的にも安定しやすくなります。
進学後の教育環境や校風も比較しよう
偏差値だけでは見えてこない「その学校の本質」を比較することも重要です。
6年間の学び・進路サポートの有無
- 探究学習やSTEAM教育に力を入れているか
- 中高一貫で大学受験指導まで見据えているか
- 外部進学率や指定校推薦の実績もチェック
「合格がゴール」ではなく、その後の6年間でどう成長できるかを見極めましょう。
学校の雰囲気や部活動
- 積極的な校風か、落ち着いた雰囲気か
- 運動部や文化部の活動が活発か
- 生徒間の雰囲気や先輩の印象はどうか
実際に学校説明会や文化祭で見聞きすることが、ミスマッチを避ける一番の方法です。
塾講師・家庭教師の意見の取り入れ方
志望校の変更は、家庭だけで抱え込まず、受験のプロである講師陣の視点を冷静に取り入れることが大切です。
- 塾講師の特徴:データと過去の合格実績に基づいて助言してくれる
- 家庭教師の特徴:子どもの個性・家庭環境まで把握して助言してくれる
両者の意見が異なることもありますが、重要なのは“主観ではなく数字で説明できるかどうか”です。
主観ではなく「数字とデータ」で判断する視点
感情に流されがちな時期だからこそ、数字に基づいた冷静な判断が求められます。
たとえば:
- 「偏差値60の学校が第一志望だったが、12月模試で偏差値55・合格可能性40%以下」 → 過去の合格ラインや成績の伸び率から逆算すれば、現実的に届くかが見えてくる。
- 「得意科目で失点が続いている」
→ 苦手対策よりも、得意科目を活かせる学校を選ぶ方が合理的な場合もあります。
過去問の得点率・教科ごとのバランス・模試の偏差値推移といった「客観的指標」が、最後の判断材料になります。
【チェックリスト】変更の前に親子で確認しておくべき10項目
以下は、志望校を下げるかどうかを決める際に、家庭で話し合っておくべき10の確認ポイントです。○×でチェックしてみましょう。
- その学校に行きたいという本人の意志があるか
- 最近の模試で明らかに合格可能性が低下していないか
- 現在の成績と志望校の偏差値が大きく乖離していないか
- 精神的・体力的に無理をしていないか
- 親が一方的に決めていないか
- 合格後の6年間の学びについて理解しているか
- 他の併願校とのバランスが取れているか
- 万が一不合格でも、次の選択肢があるか
- 学校の校風や教育方針に共感できるか
- 志望校変更後に前向きに勉強ができそうか
7つ以上が「はい」であれば、変更を前向きに検討する価値あり。逆に「いいえ」が多い場合は、家族でじっくり話し合う時間を設けましょう。
まとめ
「志望校を下げる」という選択は、マイナスではなく子どもに合った道を見つけるための“調整”です。判断の際には、数字だけでなく、子ども本人の意志や進学後の環境にも目を向けることが重要です。
親子で納得できる形で決めた選択こそ、受験の先にある「幸せな6年間」への第一歩になるはずです。
志望校変更後の対策方法
志望校変更は大きな決断ですが、もっと大切なのは変更後の対策です。
志望校を変更したことで満足して勉強がおろそかになってしまってはもとも子もありません。
変更後の志望校合格に向けた対策を以下に紹介します。
志望校に合わせた学習計画の立てなおし
新しい志望校に合わせた学習計画を練りなおしましょう。
6年生であればほとんどの中学受験大手塾では、受験に必要な内容を習い終えています。
- 自身の苦手分野の対策
- 志望校の入試で頻出・必出の問題への対策
いつ・どの問題集を使ってこれらの対策をするのか、予定を立てます。
模擬試験と志望校別対策
変更後の志望校の過去問を解き、対策の必要な分野を洗い出します。
苦手分野を勉強しつつ、定期的に模擬試験を解いて苦手克服ができているかどうかを確認しましょう。
毎年出題される問題の対策
中学校によっては「毎年出題されているタイプの問題」があります。
算数の図形の問題、100字の記述問題、対話形式の思考力問題など。
これらの問題はその学校を志望している受験生なら念入りに対策してきています。ここで差をつけられないように急いで対策をはじめましょう。
※関連記事:中学受験の理科でよく出る記述問題
※関連記事:中学入試の社会でよく出る記述問題
知識問題の対策
記述問題や思考力問題、図形などの必出問題の対策に時間を取られ過ぎて、知識問題のような「取れるはずの問題」で点数を取りこぼさないように気をつけましょう。
出題傾向に合わせた対策も大切ですが、入試合格のカギは「正答率の高い問題」にあります。なかでも、理科や社会の知識問題は「覚えれば正解できる問題」です。
知識問題で2問正解を取れば、記述問題1題に正解するのと同じくらいの得点をかせげます。
※関連記事:中学受験理科の苦手克服ガイド!原因と対策法を解説(てこ、ばね、かっ車、化学変化、星座など)
※関連記事:中学受験の理科でよく出る問題の一問一答
※関連記事:【中学受験社会】よく出る問題の一問一答
周囲のサポート
志望校変更後は、塾や親によるサポートが欠かせません。勉強のリズムをくずしてしまう子もいるからです。
「志望校を変更したのだから、以前よりもがんばらないと」と意気込みすぎる。
「志望校を下げたから勉強しやすくなった。たぶん合格するだろう」と油断してしまう。
こうした「気持ちや行動の大きな変化」は学習面にマイナスの影響になることもあります。マイナスにならないように、子どもの様子をみて適切な声かけをする必要があります。
志望校を下げたくないときに親ができるサポートとは?
中学受験を前にして「このまま志望校を目指して大丈夫?」「下げた方が安全?」という迷いが出るのはごく自然なことです。
ただし、まだ時間がある場合、“志望校を下げない”という選択を支えるために、親ができるサポートも確かに存在します。以下にその具体策を紹介します。
成績アップのための短期集中対策
本番までの期間が限られていても、「あと少し」伸ばすための戦略的な学習方法はあります。
有効な短期集中対策
- 過去問演習の徹底:志望校に絞った過去問を時間制限付きで複数年分こなす
- 頻出単元の総復習:得点源になりやすい単元(算数の図形・割合、国語の記述など)に集中
- 苦手科目を1教科に絞って対策:すべてを底上げするよりも、1教科で得点を稼げるようにする方が効率的
保護者としては、勉強環境を整え、計画管理のサポートを行うだけでも、子どもの集中力を高める後押しになります。
子どもの不安を解消する声かけと接し方
受験期は、子どもも不安とプレッシャーを感じています。親の言葉ひとつで自信を失うこともあれば、持ち直すこともあります。
不安を和らげる接し方のポイント
- 「〇〇中に行きたいって気持ちを応援してるよ」と“否定しない”応援スタンス
- 「今の努力、ちゃんと見てるよ」などの承認の言葉
- 成績や模試結果よりも、努力や過程に焦点を当てた声かけ
親が焦ると、子どももそれを敏感に感じ取ります。親の安定した態度こそが、子どもの心の支えになります。
受験校戦略をプロと一緒に再構築する方法
「志望校を下げたくないけど、不安もある」――そんな時こそ、塾講師や家庭教師など受験のプロと戦略を練り直すことが有効です。
受験戦略を再構築する具体的ステップ
- 12月〜1月の模試結果の再分析(科目ごとの偏差や弱点)
- 併願校の選定を見直す(第一志望に全力投球するための“受けやすい学校”を用意)
- 過去問で合格ラインに届くかのシミュレーション
- 家庭と塾の情報を一元化して、無理のない計画に修正
このようにして、「チャレンジ校に挑む」選択をできる限り現実的で戦略的な形に整えることができます。
親が使える励ましの言葉リスト
勉強を頑張っているときの声かけ
- 「今すごく集中してるね。すごいよ」
- 「そのがんばり、ちゃんと見てるよ」
- 「今日の〇〇(単元・課題)、よくやりきったね」
- 「成績より、がんばってる君を応援してるよ」
模試やテストの結果がよくなかったとき
- 「結果は気にしすぎなくて大丈夫。大事なのはここから」
- 「失敗は、次にうまくいくヒントだよ」
- 「間違えたところを見直すチャンスだね」
- 「つまずいたって、また立ち上がれる力があるから大丈夫」
志望校について悩んでいるとき
- 「君の気持ちを大事にしたいと思ってる」
- 「どの学校に行っても、君は君のままだから安心して」
- 「受験の結果より、これからどう成長していくかの方が大事だよ」
- 「“挑戦する気持ち”を持ってることが、もうすごいよ」
プレッシャーを感じている様子のとき
- 「大丈夫、今までのがんばりがちゃんと力になってるよ」
- 「いつも通りやればいいよ。無理に完璧を目指さなくていい」
- 「“不安”も“緊張”も、真剣だから出てくる大事な感情だよ」
- 「お父さん(お母さん)は、どんな結果でも応援してるからね」
日常の中で自信を育てる言葉
- 「自分で決めて動けたの、かっこいいね」
- 「前よりできることが増えてるよね」
- 「君のいいところ、たくさん知ってるよ」
- 「信じてるから、自分のペースで進もうね」
アドバイス
- 結果より努力を認める声かけが効果的です。
- 無理に励まそうとせず、共感→認める→寄り添うの順で言葉を選びましょう。
まとめ|志望校を下げることは「逃げ」ではない。大切なのは納得と成長
志望校を下げる、という選択はネガティブなものではなく、むしろ“自分を知ったうえでの前向きな判断”とも言えます。
子どもが前向きに進学できる選択を
どんな学校に進学しても、子どもが自分の力を発揮できる環境であることが大切です。
「ここでなら6年間楽しめそう」「この学校でやりたいことが見つかりそう」と思える学校に出会えれば、第一志望でなかったとしても、充実した中学生活を送ることができます。
親子で納得した受験が成功体験になる
最終的にどの学校を選ぶかではなく、「親子で話し合い、納得したうえで決めた」という経験そのものが、子どもの今後にとっての貴重な成功体験になります。
「志望校を下げないサポート」と「志望校を下げる勇気」――
どちらの選択肢にも、子どもの未来を大切に考える親の愛情があるのです。
12歳から18歳までの重要な時期を過ごす学校選びです。納得のいく中学入試ができるよう祈っています!
コメント