はじめに:中2 地理「中部地方」攻略のポイント
中学2年生の地理分野では、日本の地域ごとの特徴を理解することが求められます。その中でも 「中部地方」 は、地形・気候・産業など多様な内容が出題されるため、定期テストで得点差がつきやすい範囲です。
そこでこの記事では、頻出問題を中心に一問一答や記述問題を整理し、確実に得点につなげるための学習法を解説していきます。
この記事の使い方と目標スコア
この記事は「テスト直前でも得点アップにつながる」ことを意識して構成しています。
以下のように段階的に活用すると効果的です。
- まずは基礎知識を確認
中部地方の県名や山脈・河川などの地理的知識は暗記問題で必ず出題されます。最初に一問一答形式で確認しましょう。 - 次に記述問題に挑戦
「なぜ雪が多いのか」「なぜ高原野菜が盛んなのか」といった理由説明は得点差が出やすい問題です。解答例を見ながら、自分で説明できるように練習しましょう。 - 最後に模擬演習で仕上げ
記事後半の模擬テスト形式の問題で、制限時間を決めて解くことで実戦力がつきます。
☑ 目標スコア:中部地方の範囲は暗記と理解の両方で構成されているため、ここで 80点以上を安定して取る ことを目標にしましょう。定期テスト全体での得点アップに直結します。
中部地方が定期テストで厄介な理由
中部地方は、日本の地理分野の中でも特に学習内容が多く、次の理由からテストで苦労する人が多いです。
- 地形の多様性
日本アルプス(三大山脈)や扇状地・盆地など、他の地域との比較で問われやすい特徴が多い。 - 気候の違いが鮮明
日本海側の豪雪地帯、太平洋側の温暖な気候、中央高地の寒冷な気候など、気候区分と関連付けて出題される。 - 産業・農業・工業が豊富
中京工業地帯、高原野菜の抑制栽培、伝統工芸や観光資源など、多面的に問題が作れる。 - 高校入試との関連性
高校入試の地理でも「中部地方」は定番の出題範囲。そのため中学校の先生も定期テストで重点的に取り上げる。
つまり、「覚えるべき基礎が多い+理解型の記述がよく出る」ため、中部地方を得意にすることが成績向上の近道になります。
覚えておくべきキーワード一覧(チェック表)
テスト直前のチェック用に、最低限覚えておきたい 頻出キーワード一覧 をまとめました。
| 分野 | キーワード | ポイント |
|---|---|---|
| 地形 | 日本アルプス(飛騨・木曽・赤石)、扇状地、盆地、濃尾平野、富士山 | 地図で位置を確認 |
| 河川 | 信濃川、木曽川、富士川、天竜川 | 日本最長・急流などの特徴 |
| 気候 | 日本海側の豪雪、中央高地の寒冷、太平洋側の温暖 | 季節風との関連を説明できる |
| 農業 | 高原野菜の抑制栽培、施設園芸、茶(静岡)、果樹栽培(長野) | 気候条件と結び付ける |
| 工業 | 中京工業地帯、瀬戸焼、伝統工芸 | 工業地帯の規模や特色 |
| 観光・文化 | 白川郷(合掌造り)、立山黒部アルペンルート、加賀友禅 | 世界遺産や伝統文化も出題されやすい |
☑ この表を テスト前日に5分で見直すだけで点数が数点アップ する可能性があります。
※なお、中部地方の平野・台地・川・盆地の場所や特徴について、以下の記事で詳しく解説しています。
中学2年生向け|中部地方の平野・川・盆地 完全ガイド|テスト頻出ポイントを徹底解説
中部地方の基本知識(押さえたい基礎)
中部地方は、日本のほぼ中央に位置し、地形・気候・産業が多様 であることから、地理の学習でも大きな比重を占める地域です。
定期テストや入試でも出題率が高いので、基礎知識をしっかり固めておきましょう。
※この章は以下のサイトを参考にしています。
Wikibooks「中学校社会 地理/日本の諸地域 中部地方」
中部地方の範囲・県名・地域区分
中部地方に含まれる県・市町村区分
中部地方には 9つの県 が含まれます。
- 北陸地方:新潟県・富山県・石川県・福井県
- 中央高地:長野県・岐阜県・山梨県
- 東海地方:静岡県・愛知県
☑ 中部地方は「日本の縮図」といわれるほど、地理的な多様性が大きいのが特徴です。
中部地方の三地域分類(北陸/中央高地/東海)
- 北陸地方
日本海に面し、冬の季節風の影響で雪が多い地域。稲作や伝統工芸(加賀友禅など)が有名。 - 中央高地
日本アルプスを中心とした山岳地帯。標高が高く寒冷なため、高原野菜の抑制栽培や観光業が盛ん。 - 東海地方
太平洋に面し温暖な気候。静岡のお茶、渥美半島の施設園芸、そして名古屋を中心とする中京工業地帯が特徴。
☑ テストでは「どの県がどの地域に含まれるか」を問う選択問題が頻出です。
地形と河川の構造
中部地方には、飛騨山脈、木曽山脈、赤石山脈があり、これらを合わせて「日本アルプス」と呼びます。
この地域には、長野盆地や松本盆地、諏訪盆地、甲府盆地など多くの盆地があります。
また、富士山や濃尾平野、越後平野などが広がり、信濃川が流れる越後平野は日本一の長さを誇る川です。輪中地帯などの低地も特徴です。

日本アルプス(飛騨・木曾・赤石山脈)
- 飛騨山脈(北アルプス):立山連峰・槍ヶ岳などが有名。
- 木曽山脈(中央アルプス):御嶽山などが代表。
- 赤石山脈(南アルプス):日本第二の高峰・北岳など。
☑ 「日本アルプス」という呼び名は外国人登山家が付けたもので、地理の小ネタとして覚えておくと役立ちます。
主な河川(信濃川・木曽川・富士川など)
- 信濃川:日本一長い川(全長367km)。新潟平野をつくる。
- 木曽川:濃尾平野を流れ、輪中(洪水から集落を守る堤防)対策が有名。
- 富士川:日本三大急流の一つ。水力発電に利用される。
☑ 「最長」「急流」「輪中」などの特徴はそのままテストで出ます。
典型的な地形(扇状地・盆地・段丘など)
- 扇状地:甲府盆地など。ブドウ・モモの果樹栽培が有名。
- 盆地:長野盆地・松本盆地など。昼夜の気温差を生かした農業。
- 段丘:長野県の善光寺平など。かつての川の流路跡でできる地形。
気候と植生の特徴
中部地方の気候は、北陸地方、中央高地、東海地方の3つに分かれます。
北陸地方は冬に雪が多く降り、年降水量が非常に多いです。中央高地は内陸性気候で、夏と冬の気温差が大きく、降水量が少ないです。東海地方は夏に降水量が多く、冬でも温暖です。
気候によって3つの地域に分かれるため、雨温図の問題には注意が必要です。
日本海側の気候、太平洋側・内陸部との違い
- 日本海側(北陸):冬に雪が非常に多い。
- 太平洋側(東海):冬は乾燥、夏は高温多湿。
- 内陸部(中央高地):標高が高く、昼夜・季節の寒暖差が大きい。
☑ 「同じ中部地方でも気候の違いが大きい」ことが重要ポイントです。
気温・降水量・積雪差とその要因
- 気温差:標高が100m高くなるごとに気温は約0.6℃下がる → 高冷地農業が盛ん。
- 降水量:日本海側は季節風で雪が多く、太平洋側は雨が少なめ。
- 積雪:北陸地方は豪雪地帯として知られる。
☑ 「なぜ雪が多いのか」を説明できるように → キーワードは「季節風+山脈の影響」。
人口・都市分布・社会的特徴
人口集中地域と過疎地域
- 人口集中地域:名古屋市周辺(中京圏)、静岡市・浜松市、新潟市。
- 過疎地域:山間部の村落(長野県・岐阜県の山地など)。
☑ 「都市と農山村の人口差」がテストの記述で問われやすい。
中京圏(名古屋圏)の影響と都市圏構造
- 中京圏(名古屋市を中心とする都市圏) は、日本三大都市圏の一つ(東京圏・大阪圏・中京圏)。
- 自動車産業(トヨタなど)を中心とした工業地帯 → 中京工業地帯 は出題頻度が高い。
- 名古屋港は日本有数の貿易港。
☑ 「工業生産額日本一」=中京工業地帯。これを正しく覚えておくことが重要。
中部地方の農業
北陸地方は水田単作地帯で、越後平野のある新潟県は米の生産が盛んです。
中央高地では、冷涼な気候を利用したレタスの栽培や、山梨県のブドウが有名です。東海地方では、温暖な気候を生かした茶の栽培が行われ、静岡県は全国有数の生産量です。
また、渥美半島では電照菊の栽培も見られます。
中部地方の工業
中部地方の工業は、中京工業地帯と東海工業地域が中心です。愛知県豊田市は自動車工業で有名で、周辺には自動車部品工場が広がっています。
静岡県の浜松は楽器とオートバイ、富士ではパルプ・製糸業が発展しています。また、中央高地では精密機械工業も発達しています。
☑ まとめポイント
- 中部地方=「地形の多様性」「気候の違い」「産業の豊富さ」が定期テストで狙われやすい
中学地理の問題:中部地方の一問一答
中部地方の範囲の地理のテストによく出る問題を一問一答にまとめました。
「テストで正解しておきたい基本問題」と「テストで差がつく応用問題」に分けています。
※この章は以下のサイトを参考にしています。
「ちばのやる気学習ガイド」社会2年生 – 千葉県教育委員会
テストで正解しておきたい基本問題
(1)中部地方にある飛騨山脈・木曽山脈・赤石山脈をまとめて何と呼ぶか。
(2)日本最長の河川は何か。
(3)川が山地から平野部に流れ出るところに形成されたゆるやかな斜面の平地を何と呼ぶか。
(4)中部地方の気候区分で、夏は雨が多く、暖流の影響で冬も温暖な気候を何と呼ぶか。
(5)中部地方の気候区分で、一年をとおして降水量が少なく、冬の寒さが厳しい気候を何と呼ぶか。
(6)中部地方の気候区分で、季節風の影響で冬に降水量が多い気候を何と呼ぶか。
(7)歴史的町並みが残る妻籠宿などの町を何と呼ぶか。
(8)名古屋市や浜松市など、名古屋を中心として地域に人口が集中してできている都市圏を何と呼ぶか。
(9)木曽川や長良川の流域は低地のため、洪水の被害が起こりやすい。そうした被害を防ぐために工夫された、村や家を堤防で囲む構造を何と呼ぶか。
(10)四大公害病のうち、新潟県で発生した公害病は何か。
(11)四大公害病のうち、富山県で発生した公害病は何か。
(12)四大公害病のうち、三重県で発生した公害病は何か。
(13)ビニールハウスなどを利用して天候の影響を受けにくい農業方式を何と呼ぶか。
(14)高地などの寒冷地で行われる、他地域よりも旬の時期を遅らせて野菜を栽培して出荷する農業方式を何と呼ぶか。
(15)北陸地方でよくみられる、1年に1度稲作のみを行う地帯を何と呼ぶか。
(16)中京工業地帯の豊田市で盛んにつくられている工業製品は何か。
(17)地元資本の中小企業が地元の原材料などを使って製品をつくり、発展させた産業を何と呼ぶか。
(18)東京と新潟を結ぶ新幹線は何新幹線か。
(19)長野と金沢を結ぶ新幹線は何新幹線か。
(20)中部地方最大の貨物取扱量をほこる港はどこか。
(21)2005年に開港し、空路で工業製品を多く輸送している空港はどこか。
(22)北陸地方にある、日本海に突き出るような形の半島を何と呼ぶか。
(23)茶葉の生産量が日本で1位、2位の都道府県はどこか。
(24)ももの生産量が日本で1位の都道府県はどこか。
(25)米の生産量が日本で1位、2位の都道府県はどこか。
解答
(1)日本アルプス
(2)信濃川
(3)扇状地
(4)太平洋側の気候
(5)中央高地の気候
(6)日本海側の気候
(7)宿場町
(8)名古屋大都市圏
(9)輪中
(10)新潟水俣病
(11)イタイイタイ病
(12)四日市ぜんそく
(13)施設園芸農業
(14)抑制栽培
(15)水田単作地帯
(16)自動車
(17)地場産業
(18)上越新幹線
(19)北陸新幹線
(20)名古屋港
(21)中部国際空港
(22)能登半島
(23)1位:鹿児島県、2位:静岡県
(24)山梨県
(25)1位:新潟県、2位:北海道
テストで差がつく応用問題
(1)東海地方では暖流の影響で冬も比較的温暖である。この暖流を何と呼ぶか。
(2)北陸地方は(北西の/南東の)季節風の影響で冬に雪がたくさん降る。当てはまる語を選択しなさい。
(3)新潟水俣病はどの川の下流域で発生したか。
(4)イタイイタイ病はどの川の下流域で発生したか。
(5)日本で一番工業出荷額の多い工業地帯は何か。
(6)下記の選択肢のうち、新潟県の伝統的工芸品を選びなさい。
【西陣織、加賀友禅、輪島塗、小千谷ちぢみ、越前和紙】
(7)下記の選択肢のうち、石川県の伝統的工芸品を選びなさい。
【西陣織、加賀友禅、輪島塗、小千谷ちぢみ、越前和紙】
(8)下記の選択肢のうち、福井県の伝統的工芸品を選びなさい。
【西陣織、加賀友禅、輪島塗、小千谷ちぢみ、越前和紙】
(9)名古屋港で最も多く輸出されている機械製品は何か。
(10)中央高地で多く栽培されているレタスやキャベツなどの、寒冷な気候を利用してつくられる野菜のことを何と呼ぶか。
(11)諏訪湖から太平洋に流れ出ている河川は何か。
(12)日本アルプスのうち、「北アルプス」とも呼ばれる山脈は何か。
(13)日本アルプスのうち、「中央アルプス」とも呼ばれる山脈は何か。
(14)日本アルプスのうち、「南アルプス」とも呼ばれる山脈は何か。
(15)中部地方において、扇状地がみられることで有名な盆地はどこか。
(16)楽器・オートバイの生産量の多い市はどこの何県か。
(17)かつお・まぐろの遠洋漁業の基地として有名な港はどこの何県か。
(18)うなぎの養殖が盛んなのはどこの何県か。
(19)チューリップの栽培で有名なのはどの平野か。
(20)世界遺産に登録されている白川郷・五箇山の合掌造り集落は何県と何県にあるか。
(21)秋の天候不順を避けるために他地域より少し早い9月に出荷される米のことを何というか。
解答
(1)黒潮(日本海流)
(2)北西の
(3)阿賀野川
(4)神通川
(5)中京工業地帯
(6)小千谷ちぢみ
(7)加賀友禅・輪島塗
(8)越前和紙
(9)自動車
(10)高原野菜
(11)天竜川
(12)飛騨山脈
(13)木曾山脈
(14)赤石山脈
(15)甲府盆地
(16)静岡県・浜松市
(17)静岡県・焼津港
(18)静岡県・浜名湖
(19)富山平野
(20)岐阜県・富山県
(21)早場米
記述・論述問題攻略:中部地方で差がつく問題
記述問題の典型パターン(例:理由を2点以上述べよ、対比せよ など)
中部地方の定期テストでは、暗記だけでは解けない 思考型の記述問題 が出されやすいのが特徴です。代表的なパターンは次のとおりです。
- 理由を2点以上述べよ型
例:「なぜ中部地方では稲作と果樹栽培の両方がさかんなのか。2つの理由を書け。」
→ 気候条件(降水量や寒暖差)+地形条件(土地の利用法)を組み合わせる。 - 対比せよ型
例:「日本海側と太平洋側の気候の違いを説明しなさい。」
→ 「日本海側=冬に雪が多い」「太平洋側=夏に降水量が多い」と対比で整理。 - 条件+結果型
例:「中京工業地帯が発展した理由を地理的条件から説明しなさい。」
→ 原料・交通・市場など複数の観点を入れる必要がある。
具体な記述例題と解答例
例題1:気候差と農業との関連を書かせる設問
問題:中部地方の日本海側と内陸部(長野県)では、気候のちがいが農業にどのように影響しているか、具体的に説明しなさい。
解答例:
日本海側は冬に雪が多く、稲作に向いている。一方、長野県など内陸部は昼夜の気温差が大きいため、リンゴやブドウなどの果樹栽培がさかんである。
例題2:地形・河川と都市立地の関係を述べよ
問題:なぜ名古屋市は木曽川・長良川・揖斐川の近くに発展したのか、理由を説明しなさい。
解答例:
木曽三川の流域は水運に利用でき、さらに濃尾平野の肥沃な土地を背景に農業が発展したため、多くの人が集まり都市が発展した。また交通の要地として産業も成長した。
例題3:工業発展の条件と地域差を比較させる出題
問題:中京工業地帯と北陸工業地域の発展条件のちがいを説明しなさい。
解答例:
中京工業地帯は自動車産業を中心に、交通の便や大消費地に近い条件を生かして発展した。一方、北陸工業地域は日本海側の豊富な水資源を利用し、繊維工業などが発展した。
記述で減点されないコツ・採点者が期待する構成
- 観点を2つ以上入れる(気候+地形、条件+結果など)
- 具体的な用語を使う(「気候がよい」ではなく「昼夜の寒暖差」など)
- 対比は必ず「Aは~、Bは~」の形で並列に書く
- 結論を先に書くと減点されにくい
例:「長野県で果樹栽培がさかんなのは、昼夜の寒暖差が大きいからである。」
→ 結論(果樹栽培がさかん)+理由(寒暖差)
過去問・模擬試験の記述問題の傾向分析
- 公立高校入試(中部地方)では「気候と農業」「地形と産業」の関連を問う問題が多い。
- 定期テストでは「対比型」の出題が多く、日本海側・太平洋側・内陸の3つを比較させる問題が定番。
- 模擬試験では「工業発展の条件」を問う問題が頻出で、特に中京工業地帯と他地域の比較が狙われやすい。
- 出題意図は、単なる暗記ではなく「地理的条件と人間活動のつながり」を説明できるかを試す点にある。
定期テストで落としやすい “ワナ” と対策
中部地方の地理分野では、知識を覚えていても「細かいひっかけ」で失点しやすい問題が多いです。ここでは、よくあるワナとその対策を整理しておきましょう。
似た語句の混同(例:抑制栽培 vs 促成栽培、扇状地 vs 三角州など)
- 抑制栽培と促成栽培のちがい
- 促成栽培:ビニールハウスなどで「早く育てて市場に出す」栽培(例:冬でもトマト)
- 抑制栽培:本来より「遅らせて市場に出す」栽培(例:高原レタスを夏に出荷)
☑「早い=促成」「遅い=抑制」とワンフレーズで覚える。
- 扇状地と三角州のちがい
- 扇状地:山地から出た川がつくる。水はけがよく、果樹園に利用される。
- 三角州:川が海や湖に流れ込むときにつくられる。水はけが悪く、水田に利用される。
☑「扇状地=果樹園」「三角州=水田」とセット暗記。
→ 対策:似た語句は「反対の特徴」「利用される農業」を対比で整理しておく。
県名・地方名の書き間違え、略称ミス
- 「岐阜」と「群馬」、「富山」と「福井」など、形や読みが似た県を混同。
- 「北陸」「東海」「中央高地」の3つを正しく区別できず、「中部地方=全部東海」と書いてしまう。
- 略称(例:「名古屋=中京工業地帯」)を逆にして減点。
→ 対策
- 白地図で繰り返し練習。県境・主要都市・河川を一緒に書き込む。
- 地方区分は 「北陸=日本海側」「東海=太平洋側」「中央高地=内陸」 と位置関係で覚える。
数字問題(降水量、年平均気温など)を克服する方法
- 「年平均気温」「降水量」の数字問題は、多くの生徒が暗記不足で落とす。
例:名古屋と長野の気温差、富山の降水量の多さなど。 - 出題形式:グラフ選択・穴埋め・比較。
→ 対策
- ざっくりした特徴を覚える:
- 日本海側(富山など)=降水量が多い
- 内陸(長野)=寒暖差が大きい
- 太平洋側(名古屋)=冬晴れが多い
- 具体的な数値は「目安」で記憶(例:長野の年平均気温は名古屋より5℃前後低い)。
地図問題・資料問題を攻略するパターン
地図で読み取るポイント(等高線・流域・斜面など)
- 等高線:間隔がせまい=急斜面、広い=なだらか。
- 流域:川の流れを追って地形や集落の位置を確認。
- 斜面の向き:太陽が当たりやすい南向き斜面は果樹栽培に有利。
→ 対策:必ず「地形+人間の活動」を結びつけて考える。
資料(グラフ・表)を使った設問演習
- 気候グラフ:横軸=月、縦軸=気温・降水量。折れ線=気温、棒=降水量。
- 統計表:生産量1位・2位を聞かれる。順位や全国シェアのちがいに注意。
- 輸送・交通の資料:鉄道・高速道路・港湾と産業の関連が問われる。
→ 対策:問題演習の際、「グラフを先に読む→出題者が何を比べさせたいか」を意識する。
定期テストにおすすめの社会問題集
定期テスト対策としておすすめの社会の問題集を4冊紹介します。
目標の点数によって下記のように使い分けるのがおすすめです。
- 定期テスト平均前後まで取りたい→『中学教科書ワーク 地理』
- 定期テストで70点くらい取りたい→『ニューコース参考書 中学地理』
- 県内トップ高を狙っている→『中学 地理 ハイクラステスト』『最高水準問題集』
※関連記事:社会の定期テスト対策の仕方
『中学教科書ワーク 社会 地理』
学校の教科書に合わせて作成された問題集です。教科書のページ数も記載されているので、「テスト範囲表」をページを確認しながらテスト勉強ができます。
帝国書院はコチラ↓
東京書籍はコチラ↓
教育出版はコチラ↓
日文はコチラ↓
出版社:文理
『ニューコース参考書 中学地理』
前出の『教科書ワーク』と同程度くらい~やや難しいレベルまでを網羅した参考書と問題集です。教科書よりポイントを分かりやすくまとめてくれており、テスト勉強に使いやすいです。
出版社:Gakken
『中学 地理 ハイクラステスト』
定期テストレベルの問題~高校入試レベルまで幅広いレベルの問題が掲載されています。
社会は範囲によって得意・不得意が分かれますから、そのときの自分に合った難易度の問題を選択できます。
出版社:増進堂・受験研究社
『最高水準問題集 社会』
最後に紹介するのは、難関国公私立入試対策の定番である「最高水準問題集」です。
難問をメインに構成されており、学校のテストで80-90点を安定して取れている人が入試に向けてレベルアップをするのに最適です。
「最高水準問題集」と「最高水準問題集 特進」に分かれており、「特進」のほうが難問ぞろいです。
地理↓
地理 特進↓
歴史↓
歴史 特進↓
公民↓
高校入試対策用↓
出版社:文英堂
中学社会のテスト勉強におすすめの通信教育
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まとめ:成績アップのために今すべきこと
中部地方は、地形・気候・河川・産業・人口分布など、学ぶ範囲が広いため、復習の順序やチェックポイントを整理することが重要です。ここでは、テスト前に押さえるべき学習法を段階的に紹介します。
復習・暗記のスケジュール例
効率的に覚えるためには、1週間前からの逆算スケジュールがおすすめです。
- 7日前:全範囲をざっと確認
- 県名・地方区分・主要都市を白地図でチェック
- 日本アルプスや主要河川の位置を確認
- 5日前:地形・気候・農業・工業の関連を整理
- 気候差と農業の関係、工業地帯と立地条件を理解
- 扇状地・盆地・段丘など地形ごとの特徴を暗記
- 3日前:記述・論述問題の演習
- 例題に沿って自分の言葉で理由・対比を書く練習
- 採点者が期待する構成を意識
- 1日前:直前チェック
- 数字(降水量・気温など)、語句の混同、地図問題を最終確認
- クロス出題ポイント(他地方との比較)を整理
差がつく直前チェックリスト
テスト直前に確認すべきポイントをリスト化しておくと、落としやすい部分を防げます。
- 県名・地方区分・略称は正確に書けるか
- 抑制栽培・促成栽培、扇状地・三角州などの混同はないか
- 河川の名前と流域、都市との関連を覚えているか
- 日本アルプス(北・中央・南)の山脈名や主な山の位置
- 気候差と農業・工業の関係を具体的に説明できるか
- 中京工業地帯・北陸工業地域の発展条件の違いを理解しているか
他地方との関連で見るクロス出題ポイント
中部地方は単独で出題されるだけでなく、他地方との比較問題が頻出です。
- 北陸 vs 東北:日本海側の豪雪・降水量の比較
- 中京圏 vs 京阪神圏:都市圏の人口集中・工業発展条件の比較
- 内陸部(中央高地) vs 太平洋側(東海):昼夜の寒暖差・果樹栽培の違い
☑ テストでは、地形や気候・産業の違いを理由付きで書く力が点差を生むポイントです。
ポイントまとめ
- 他地方との関連を意識して理解すると、クロス出題でも高得点が狙える
- 復習は「全体→特徴→記述→直前チェック」の順で段階的に行う
- 直前は「似た語句・数字・地図」を重点的に確認
※Z会について下記記事でくわしく紹介しています。
【中学生向け】Z会タブレットコースの進め方:成績上位を取って難関校に合格する方法を解説
※関連記事:社会の定期テストの勉強法
※関連記事:高校入試によく出る問題の一問一答
※関連記事:高校入試によく出る問題の記述問題
※関連記事:高校受験社会の対策方法
ほかの範囲の問題は下記の記事にあります。
地理:
【世界のすがた】
【日本のすがた】
【世界の地形・環境】
【アジア州】
【ヨーロッパ】
【アフリカ】
【北アメリカ】
【南アメリカ】
【オセアニア】
【身近な地域】
【日本の自然環境】
【日本の産業】
【人口からみる日本】

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