小学校にあがって1-2年たつと、勉強のできぐあいが気になってきます。
「足し算は大丈夫だったけど、引き算でつまずいたのをきっかけに算数に苦手意識ができてしまった…」
「漢字の宿題で字が雑すぎて、毎回書きなおしになっている…」
「宿題をし始めるのに時間がかかる…始めてからさらに時間がかかる…」
これから勉強がむずかしくなっていくのに、低学年からこれで大丈夫なのかと不安になりますよね。
特に、中学受験をお考えの場合、低学年の過ごし方が非常に重要です。
そこで今回は小学校低学年の子どもについて、
- 勉強時間の目安
- 勉強へのやる気の出し方
を確認していき、子どもの勉強に保護者の方がどのようなかかわり方ができるかを確認していきます。
中学受験をお考えのご家庭だけでなく、中学受験を予定されていないご家庭でも役立つ内容です。
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低学年の間に準備しておきたいこと
中学受験をする場合・しない場合どちらの場合でも、低学年までと高学年以降で勉強の難易度が大きく変わります。
勉強内容がむずかしくなると、嫌いな教科が生まれます。
3年生までは算数が好きだった子が、図形が苦手で4年生から算数が嫌いになることもよくあります。
苦手な単元や問題が出てきたときに、前向きにあきらめずに取り組めるようになれば、少しくらい苦手でも乗り越えられます。
乗り越える経験を積み重ねられれば、勉強がもっとむずかしくなってきても自信を持って取り組めるようになります。
そのためにご家庭で取り組める「低学年の間に準備しておきたいこと」を4つお伝えします。
「わかる」「できる」楽しさを感じさせる
1つ目の方法は、子どもに勉強を楽しいと感じさせることです。
せっかく勉強するなら、「できるようになりたい!」と思って、楽しんで前向きに取り組んでほしいですよね。
低学年の時期に1番大切なことは、実はこの点なのです。
まずは
「できるようになることがうれしい」
「知らないことを知るのが楽しい」
と感じさせてあげることが、この時期に1番大切なことなのです。
私は過去の偉人のことを調べて子どもたちに伝えたりするのですが、アインシュタインやエジソンのような天才も子どものときは「勉強についていけない子」だと思われていたんですよね。
低学年の間は「できていないこと」や「苦手なこと」をあまり気にせず、
「1つ1つできるようになっていけばいい」と大らかに構えてサポートしてあげるほうが長期的には伸びてくれます。
そして、1つ1つ着実にできるようになっていけば、保護者の方にとっても子どもにとっても自信と安心につながります。
家庭学習の習慣をつける
「わかる・できる」を増やすには、毎日少しずつでもいいので勉強する習慣をつける必要があります。
勉強しなければ新しい知識に出会い、その知識を活用できるようにもなりません。
宿題をする時間以外に、「プラスアルファの学習時間」をつくるようにしましょう。
学習習慣をつけるには、下記の3つがポイントです。
- 平日は毎日一緒に勉強する時間をつくる
- 1回5-10分の短い時間にする
- 毎日同じ時間帯、同じ場所で勉強する
この3点を実践されると、学習習慣はつきやすくなります。それぞれ説明します。
なお、新たな習慣をつくるわけですから、時間はかかります。早めに習慣化をはじめ、気長にやりましょう。
平日は毎日一緒に勉強する
子どもにとって、1人で勉強する習慣をつけるのは大変です。
慣れるまでは保護者の方がそばについてあげるほうがいいです。
平日(学校がある日)はできれば毎日、少なくとも月曜~金曜のうち4日間は勉強するほうがいいです。
勉強する日が少ないと、習慣化する前にやらなくなってしまいます。
1回5-10分の短い時間にする
勉強時間は1回5-10分程度の短い時間からで大丈夫です。
慣れてきたら1回20分にするなど、少しずつ伸ばしていきます。
いきなり30分以上の長い時間にしてしまうと、習慣になる前にやめてしまいます。
毎日同じ時間帯、同じ場所で勉強する
勉強する場所は「同じ場所」「同じタイミング」が良いです。
「いつもと同じ状況」にすることで、習慣化しやすくなります。
ちなみに、小学生の勉強場所で多いのはやはりリビングだそうです。
夕食の準備をしながら子どもの勉強をみることが多いようです。
行動と結果の両方をほめる
3つ目は「ほめる」です。
やはりほめられれば嬉しくなって、またがんばろう・やってみよう!と思います。
ポイントは、「行動」と「結果」の両方をほめることです。
- 問題が解けた
- 宿題がおわった
- テストで100点を取った
という「結果」はもちろん大切ですが、結果だけほめていると、子どもの中には
「ほめられる結果になる行動しかしなくなる子」
が出てきます。
「自分ならできる」とわかっていることしかしなくなります。
具体的には、
- 簡単な問題しか解こうとしない
- 自信のないことにはチャレンジしない
といった行動が生まれる場合があります。
結果だけでなく行動にもフォーカスしてあげると、自分で努力する姿勢を養えます。
テストで100点を目指している子が、あるテストで80点だったとします。
「間違えた20点は見直しをすれば防げたはずだから、次のテストからは見直しをする」
と自分で分析して対策を考えていれば、非常に素晴らしい行動です。
こうした「行動」もほめてあげれば、子どもは「結果」だけでなく「自発的な努力」もするようになることがわかっています。
下記のグラフはベネッセによる、小学生を対象に親によくほめられる子とそうでない子で学習姿勢にどのような差があるかを調査した結果です。
- 「何がわかっていないか」を確かめながら勉強する
- 「新しいことを知ることができてうれしいから」勉強する
など、正しい勉強の仕方をしたり勉強へのモチベーションをしっかり持っている子は、「ほめられることの多い子」のほうが15%前後も高いことがわかります。
これらの項目は、「メタ認知」という「自分を客観的に見て、自分で自分をコントロールする力」を測っています。
行動と結果の両方でプラスのフィードバックを頻繁にもらったり、「どうしたらいいと思う?」と自分で考えさせられるような質問をされている子は、この「メタ認知」が成長しやすいと言われています。
- いつもはお片付けをしないのに今日は自分からお片付けをした
- 上靴を自分で洗った
- 下の子の面倒を見てくれた
こうした、ちょっとした前向きな行動を見つけたら、すかさずほめるようにしてあげてみましょう。
子どもに考えさせる機会をつくる
勉強のやる気をあげる4つ目の方法は、「子どもが自分で考える機会をつくること」です。
子どもが自分の状況が自分で把握できるようになれば、勉強にも活きてきます。
質問をして、子どもに考える機会をつくってあげましょう。
例えば先ほど紹介したベネッセの調査では、
「何がわかっていないか」を確かめながら勉強する
という質問項目がありました。
「どこまでわかっているか」「どこからわからないか」を自己分析できれば、的確に勉強できるようになります。
学校や塾から帰ってきたときや夕食のときなどに、
- 「今日は授業で何を習ったの?」「どういう内容?」
- 「どの授業が1番楽しかった?」「どうして楽しかったの?」
と聞いてあげると、子どもが勉強内容を振り返る機会をつくれます。
このような会話を習慣化しておくと、そのうち子どもが自分で振り返りをして
- 「今日の授業は〇〇を習ったよ!」
- 「直角三角形は~で、二等辺三角形は…なんだよ!」
と言ってくれるようになります。
家庭学習用の学習ツールの選び方
家庭での学習ツールは大きく3つあります。
- 市販教材
- 通信教育
- アプリ
です。それぞれの選び方を説明します。
市販教材を一緒に選ぶ
市販教材はネットや本屋さんで子どもと一緒に選ぶのがおすすめです。
親が気に入ったものを買って子どもにさせるのも良いですが、子どもがする気になってくれなかったら意味がありません。
「主婦と生活社」の『すみっコぐらしシリーズ』や学研の『ドラゴンドリルシリーズ』など、子どもの興味を引きながら楽しく勉強できるドリル・問題集がたくさんあります。
子どもが気に入ったものを使うと、楽しく勉強に取り組んでくれるようになります。
毎朝5分の学習習慣をつけるためのドリル(『早ね早おき 朝5分ドリルシリーズ』)もあれば、中学受験に向けて思考力や応用力を養う問題集(『トップクラス問題集』)もあります。
学習目的に合わせて選ぶようにしましょう。
※関連記事:低学年向けの市販教材をこちらの記事で学習目的別に紹介しています。
【1年生】
算数のおすすめドリル・問題集
国語のおすすめドリル・問題集
【2年生】
算数のおすすめドリル・問題集
国語のおすすめドリル・問題集
【3年生】
通信教育を試してみる
塾に通ってみて上手くいかなければ、通信教育を試してみるのも一つの手です。
移動時間がゼロですし、塾に比べて短時間の1回あたりの勉強が短時間に設計されています。「塾と併用」「通信教育単独」のどちらも選べます。
難関中学対策ならZ会
難関中学、最難関中学(首都圏御三家、灘中学、ラサール中学など)を目指しているならZ会がおすすめです。下記のような特長があります。
- トータル受講、ライトな受講(要点集中プラン)を選べる
- 1科目から受講できる
- 塾と同じかそれ以上の難易度の問題にもチャレンジできる
- 記述特訓や理科の複雑な計算対策など入試頻出分野の対策講座を取れる
※関連記事:Z会中学受験コースだけで難関中学に合格する方法
苦手、嫌いを克服するなら進研ゼミ
中学受験対策の通信教育として進研ゼミも多くの受験生に選ばれています。楽しく、自信をつけながら学べるという特徴があります。
- 視覚的に理解しやすい授業動画
- 1回15分の設計で勉強がつづけやすい
- 赤ペン先生がほめながら添削してくれる
- 合格実績は4,000名以上
楽しく算数の先取り学習ができるRISU
中学受験対策には算数の先取りが欠かせません。
算数の先取りをするのに便利な学習道具としてRISU算数という、「算数に特化したタブレット型の通信教育サービス」があります。
ゲームのようにステージをクリアすればするほど算数の問題を解けるようにしていくシステムです。
小学校の勉強先取りはもちろん中学受験の問題もたくさんあり、RISUの会員で四谷大塚の全国小学生学力テストやSAPIXの模試で全国1位を取っている子も出ています。
費用のシステムが分かりにくいので、その解説も含めて下記の記事で紹介しています。
アプリを使ってスモールステップ
勉強が苦手な小学生や、楽しく少しずつ「勉強」に慣れさせたい幼児・小学校低学年には、ゲーミフィケーション(ゲーム性を取り入れたもの)を取り入れたアプリがおすすめです。
国語の漢字、算数の計算をはじめとして、英検対策、中学入試対策に使えるアプリも数多くあります。
ほとんどのアプリは無料で利用できますが、アプリ内課金のあるものや広告表示のあるものもあります。
- 親と一緒のときにだけ使っていい
- 広告はタッチしない
などのルールを事前に決めておきましょう。
※関連記事:おすすめアプリを下記の記事で紹介しています。
算数のおすすめアプリ
国語のおすすめアプリ
英語のおすすめアプリ
うんこゼミ(PRを含みます)
あの「うんこドリル」のアプリ版です。3年生から6年生が対象です。
うんこドリルにハマった子やハマりそうな子(元気な子?)にはたまらない学習アプリになりそうです。
- 反復学習ができる
- 国算理社英もできる
- 半月に1度テストがある
- 全国のプレイヤーと競える
上記のような特長があり、学習アプリと通信教育の間のようなものです。
月額2,480円であり、安くはなく高くもなくという負担で済みます。
「学習アプリ→うんこゼミ→通信教育」のようなステップアップにも使えそうなので、紹介しました。
10日間の無料体験もあるので、「どのような学習ツールが合うか試してみる」のにもおすすめです。
【うんこゼミ】の無料お試しはこちらから小学生の勉強時間の目安
「小学生は学年×10分勉強しましょう」とよく言われます。
1年生だと1日10分、2年生だと1日20分です。
本当にこれで十分なのか、一般的に小学生は毎日どれくらい勉強しているものなのかを確認します。
下記のグラフをご覧ください。小学校1年生から6年生までを対象に、1日の家庭学習時間を調査した結果です。
- 1年生の平均学習時間は45.7分
- 2年生の平均学習時間は46.0分
- 3年生の平均学習時間は61.3分
となっており、のきなみ「学年×10分」を越えています。
また、1・2年生の家庭学習時間はほとんど同じですが、3年生になると急に伸びて61.3分になっています。
学年があがるにつれて勉強時間はさらに伸びていき、5-6年生では1-2年生の1.5倍程度(70分前後)にまで長くなります。
5・6年生の学習の特徴
高学年になってくると、自我が急激に成長してきます。それに伴い、学習状況や特徴に大きな変化がみられるようになります。
教科の好き・嫌いが出てくる
学年があがって長く勉強するのは、宿題が多くなったり塾に通い出したりするからです。
勉強時間が長くなれば、勉強が嫌いになっていかないのでしょうか。
下記のグラフは、学研教育総合研究所による小学校1年生から6年生までを対象に「好きな教科」「嫌いな教科」を調査した結果です。
「好きな教科」は下記のような結果でした。
- 1-6年生まで、算数>国語>理科>社会の順に人気がある
- 算数と国語は1-6年生まで大きな変化はないが、理科・社会は高学年になるとやや人気がある
- 「5教科のどれかが好きな子」は全体の5-6割ほど
- 「好きな教科がない」子は1割未満
教科ごとでみると、やはり算数は1番人気で、国語が2番目。高学年になると国語と理科が同じくらいの人気となっています。
注目は、ほとんどの学年で「5教科のどれかが好き」な子は50%以上なのに、「好きな教科がない」子が2-6年生まで7%しかいないということです。
では、小学生は勉強が好きな子ばかりなのでしょうか。
「嫌いな教科」も確認してみます。
下記のグラフは、同じ調査で「嫌いな教科」を聞いた結果です。
- 嫌いな教科は、算数≒国語>理科≒社会≒英語の順番
- 「5教科のどれかが嫌い」な子は5-6割ほどで、学年があがると増えていく
- 「嫌いな教科がない」子は2-3割ほどで、学年があがると減っていく
「5教科のどれかが嫌い」な子は学年があがると増えていき、「嫌いな教科がない」子は逆に減っていきます。
「好きな教科がある子」「嫌いな教科がある子」の2項目に絞ると下記のグラフのようになります。
どの学年でもほとんどの子は好きな教科がありますが、嫌いな教科のある子は学年があがるにつれて増えていくことがわかります。
成績に悩む子が多くなる
ある子好きな教科の勉強はそれほど苦にはならないでしょうが、嫌いな教科が増えてくると勉強を楽しく思えなくなってくるかもしれません。
下記のグラフは、小学校生活の悩みについて小学生に聞いた結果です。以下のようなことがわかります。
- 宿題の悩み(宿題が多い?)が1番多いが、6年生になると下がる
- 授業の悩み(授業がわからない?)は学年が上がっても変わらない
- 成績の悩み(成績がよくない?)は学年が上がると増えていき、高学年では上り幅が大きくなる
授業や宿題への悩みは増えなくても、成績についての悩みを抱えている子が増えていくのがわかります。
特に4年生の前後で成績の悩みを抱える子が急増しています。
「10歳の壁」と言われるように、この時期は自分を客観視する能力が成長する頃です。
勉強がイヤでなくても、成績が上がってこないと悩むようになってきます。
4-5年生で勉強が急激にむずかしくなっていきますから、この時期の乗り越え方が重要です。
学年ごとに習う内容や、その内容に合う勉強方法を取るようにしましょう。
※関連記事:3年生の算数の勉強法
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※関連記事:4年生の算数の勉強法
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※関連記事:5年生の算数の勉強法
※関連記事:5年生の国語の勉強法
まとめ
いかがでしょうか。
学年が上がると嫌いな教科が増えてくると同時に、自分の成績に悩む子どもが増えてきます。
勉強が難しくなってきたときに、
- 「どうすれば解けるようになるかな」
- 「どこまでは理解できているかな」
と考えて取り組む姿勢のある子は乗り越えることができます。
そうした姿勢は低学年のうちにつくっておきたいですね。
また、中学入試を予定されているご家庭では、
- いつから塾に通うか
- 志望校をどう選ぶか
- 受験対策をどうすればいいか
といったことも考えておく必要があります。
下記の記事で紹介していますので、参考にしてください。
※関連記事:小学生はいつから塾に通う?
※関連記事:首都圏の大手中学受験塾の比較
※関連記事:関西圏の大手中学受験塾の比較
※関連記事:志望校はいつまでに・どうやって選ぶ?
※関連記事:公立中高一貫校の特徴と入試制度の説明
※関連記事:中学受験の勉強はいつから?
※関連記事:【中学受験】勉強スケジュールの作成・管理方法
また、中学受験をするかどうか迷われている方は、下記の記事を参考にしてください。
※関連記事:中学受験するかしないか:私立中・公立中それぞれのメリット、中学受験と高校受験どちらがいいかを解説!
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