はじめに
高校入試では、学力検査の結果だけでなく、「どのような考えでその学校を選んだか」を書面で問われることが増えています。その代表が「志望理由書」です。ほとんどの都道府県や多くの私立高校で、出願時に提出が求められます。
文章だから「形だけ書けばいい」と思ってしまうかもしれません。しかし、実際には入試担当の先生が一つ一つ読み、受験生の意欲や学校との相性、入学後の成長可能性を見るための重要資料として扱われています。
高校生活は3年間という長い期間です。学校は「本当にこの学校に合っている生徒なのか」を慎重に見ています。そのため、ただ「入りたい」「頑張りたい」と書くだけではなく、“なぜこの学校を選んだのか”が、納得できる形で説明されているかが大切になります。
この記事では、中学3年生と保護者の方が一緒に「志望理由書」を考えられるように、分かりやすく順番にポイントを解説していきます。って面接に臨めるようにしましょう!
志望理由書が高校入試で果たす役割
― なぜ「本校を志望した理由」が重要なのか
志望理由書は、受験生の学力だけでは判断できない部分を知るために役立つ書類です。
具体的には、
- 学習意欲があるか
- 目標を持って高校生活に取り組めるか
- 学校の教育方針と合っているか
- 入学後の学校生活で成長できそうか
といった点を先生が確認する材料になります。
特に重要なのが、「なぜ本校なのか」という理由が具体的に書かれているかどうかです。どの学校にも当てはまるような一般的な内容だと、「うちの学校である必要性」が伝わりません。
逆に、「特色」「教育方針」「部活動」「コース」「設備」「卒業後の進路指導」など、学校の特徴をしっかり調べ、そのうえで自分の目標と結びつけて書いた内容は、先生の印象に強く残ります。
つまり志望理由書は、単なる作文ではなく、学校とのマッチングを示す“自己PR”でもあります。
◆本記事の目的と読み方
― 中3生本人と保護者の両方に役立つ構成
この記事は、以下の2つの方向から読めるように作っています。
①中3生本人が読む場合
- どう書けばよいか
- どんな表現が評価されやすいか
- どの順番で考えれば文章が作りやすいか
といった「実際の書き方手順」を中心に分かりやすく説明します。
②保護者が読む場合
- 子どもが書いた内容が適切かどうかの確認ポイント
- 志望理由書を書くうえで家庭として協力できること
- 将来の目標や学校選びについて話し合うための視点
など「見守りとサポートの方法」を具体的にまとめています。
この記事でできること
- 志望理由書の書き方の手順がわかる
- 本校への志望理由を考えるポイントが整理できる
- 「本校に入学したら何をしたいか」が書けるようになる
- 実際に使える文章例(例文)が学べる
つまり、「志望理由を書くコツ」と「入学後のビジョンを伝える方法」が一度に理解できる内容になっています。
中3生と保護者が一緒に読み進めることで、志望校選びそのものがより納得のいくものになるよう、できるだけ丁寧に解説していきます。
志望理由書を書く前の準備 ― 「なぜ本校を選ぶのか」を整理する

志望理由書で一番大切なのは、「学校についての理解」と「自分(または子ども)の考え」をしっかり結びつけることです。
ここでは、準備の進め方を具体的に示します。中学生本人が一人で取り組めるステップと、保護者がサポートするときに役立つポイントを混ぜて説明します。
※参考:学習プラス+「高校入試の志望理由書の例文と書き方!ラクラク書ける5つのコツとは?」
1) 「本校の特色」を整理する
― 学校の教育方針・部活・校風・進学実績を調べる方法
志望理由で説得力を出すには、学校側の特徴(=その学校でしかない要素)を正確に押さえることが先決です。調べ方とメモの取り方を具体的に示します。
調べる場所(優先度順)
- 学校の公式サイト(学校案内・教育方針・沿革・校長あいさつ)
- 学校案内パンフレット(PDFや紙) — コース説明、カリキュラム、特色がまとまっています。
- 入試要項 — 志望理由の提出方法・字数制限・評価基準の有無を確認。
- オープンスクール/説明会 — 実際の雰囲気や教職員の言葉が得られる最重要情報源。
- 在校生・卒業生の感想(口コミ) — 学校公式SNS、YouTube、卒業生のインタビューなど。ただし偏りに注意。
- 進学実績・進路説明ページ — 受験指導の強さや進路支援の特徴がわかる。
- 部活動の活動記録や大会実績 — 部活中心の学校か学習重視かの判断材料。
メモの取り方(テンプレート)
- 教育方針:________(例:「○○を育てる」「探究型学習」)
- カリキュラムで特徴的な点:________(例:英語のネイティブ授業/理数コース)
- 部活動で魅力的な点:________(例:強豪の運動部/芸術系の充実)
- 進学実績の傾向:________(例:国公立志望が多い/私大進学が多い)
- 校風(教師の姿勢、生徒の雰囲気):________(説明会や見学で感じたこと)
- なぜ自分に合いそうか(仮メモ):________
メモは「事実」と「自分の感じたこと」を分けて書く(事実=公式情報、感じたこと=雰囲気や自分の印象)。
注意点
- 公式情報を最優先に使う。SNSや口コミは参考に留め、根拠がある事実(例:コース名、年間行事)を志望理由に結びつける。
- 情報は最新か必ず確認(入試要項や募集要項は年ごとに変わる)。
2) 自分(または子ども)の“軸”を明確にする
― 興味・得意科目・将来の夢・性格と照らし合わせる
自分の“軸”とは、「どんな生徒で、何を大切にしているか」を一言で表すコアです。志望校の特色とつなげるために、まず自分を整理します。
自分の軸を作るための質問(書き出しワーク)
- 今、一番興味があることは?(例:英語、化学、演劇、サッカー)
- 得意な教科は? 苦手な教科は?(得意→伸ばしたい、苦手→克服したい)
- 将来なりたい職業ややってみたいことは?(具体的でなくてもOK)
- 自分の性格は?(例:協調性がある/リーダータイプ/コツコツ型)
- 中学校で頑張ったことは?(部活、学習、ボランティア、班長など)
- 学校で成し遂げたいこと(学びたいこと・体験したいこと)は?
これらに対して短いキーフレーズ(〜〜が好き、〜〜を伸ばしたい)を3つ程度作ります。これが「軸」です。
軸の例
- 「英語で海外とつながる力をつけたい」
- 「科学的に考える力を鍛えて将来研究に進みたい」
- 「文化祭で舞台を作る経験を通じて表現力を磨きたい」
軸を学校の特色と結びつける方法
- 学校の特色(例:英語集中コース、実験重視の理科カリキュラム、演劇部が盛ん)をリストから選ぶ。
- 自分の軸(例:英語を伸ばしたい)と学校の特色(例:英語集中コース)がどのように合うかを1文で説明する練習をする。
- 例:「貴校の英語集中コースで、英語で発表する機会が多い点は、海外とつながる力をつけたい私に合っています。」
実践ワーク(10分)
- 用紙を3分割して「興味」「強み」「やってみたいこと」を書き、右端に「本校とつなげる一文」を書く。
- 書いた一文を家族に読んでもらい、自然か・具体性があるかフィードバックをもらう。
3) ご家庭の考えも確認 ― 保護者が望む将来、家庭の教育方針との整合性
保護者の価値観や方針は進路選択に大きく関わります。志望理由書に家庭の考えを反映させると、文章に一貫性が出ます(特に保護者の同意が必要な場合)。
ここでは親子で確認すべきポイントを示します。
保護者が確認すべき項目
- 教育に期待すること(学力重視か、人間性を育てるか、進学実績か)
- 通学や生活面の条件(通学時間、寄宿舎の有無、制服や校則の許容範囲)
- 経済面の現実(授業料、塾との両立の可否、遠方入学の費用)
- 将来の進路イメージ(大学進学重視、就職支援、専門学校志向など)
- 家庭でのサポート体制(勉強時間の確保、送り迎え、塾費用の負担など)
親子で話すときの進め方(簡単な対話のテンプレ)
- 子ども:「私は○○を伸ばしたいから△△高校に興味がある」
- 保護者:「その学校のここが良いと思う?通学や費用は大丈夫?」
- 子ども:「ここがすごく合っていると思う理由は〜」
- 保護者:「家庭としてはこう支援できる/ここは心配だね」
この短いやり取りを紙に残しておくと、志望理由書に家庭の協力体制を書くとき(例:「家庭でも毎日30分の英語学習を支援します」)に使えます。
保護者ができる具体的サポート(例)
- 学校説明会や見学に一緒に参加して事実確認する。
- 家庭での学習環境を整える(学習時間の固定、静かな場所の確保)。
- 志望理由書の最終チェック(本人の言葉が生きているか、事実誤認はないかを確認)。
- 面接練習や、志望理由を口で説明できるようにサポートする(親子で模擬質問)。
最後に:準備のチェックリスト
- 学校の公式情報(教育方針・コース・進学実績)をメモした。
- オープンスクールや説明会に参加した/参加予定を確認した。
- 「自分の軸(興味・得意・将来)」を3つの短文で書ける。
- 軸と学校の特色を結びつける一文を作った(練習済み)。
- 保護者と進路方針・経済面・支援体制について話し合った。
- 志望理由に使う具体的なエピソード(部活・学習・ボランティア)を1〜2個用意した。
この段階で準備ができていれば、「書く」フェーズに入ってから具体性のある説得力ある志望理由書が書きやすくなります。
※参考:進研ゼミ「【大阪府】公立高校入試「自己申告書」の書き方のコツは?受験者は原則全員提出!」
書き出し ― 魅力的な「志望理由冒頭」で差をつける
志望理由書の最初の一文は、入試担当の先生が最初に目を通す部分です。ここで「この生徒はきちんと調べている」「入学後のイメージが具体的だ」と思ってもらえると、文章全体が読みやすくなり、評価が上がりやすくなります。
逆に、ありきたりで一般的な言葉だけが並んでいると、「どの学校でも書ける志望理由なのでは?」と思われてしまいます。
つまり、“冒頭からその学校ならではの言葉を入れる”ことが差をつけるポイントです。
ダメな書き出し例とその理由
― 「とりあえず志望」にならないために
❌ダメな例①
私は貴校を第一志望としています。理由は勉強を頑張りたいと思ったからです。
→ 学校を調べた形跡がなく、「この学校である理由」が全く伝わらない。
❌ダメな例②
私は○○高校に入りたいと思っています。なぜならレベルが高いからです。
→ 「レベルが高い」はどの学校にも使える言葉で、志望理由として弱い。
❌ダメな例③
私は頑張りたいと思ったので受験します。
→ どこの学校でも成立する内容。しかも“頑張る気持ち”は当たり前なので評価されにくい。
共通する問題点
上の例はすべて
- どの学校でも言える内容
- 学校側の情報が入っていない
- 受験生の主体性が弱い
という点が共通しています。
つまり、学校に関係なく書けてしまう文章=とりあえず志望と判断されやすいのです。
入試担当者を意識した「強い導入文」の書き方
― 本校の特色+自己の想い
冒頭で差をつけたいときに意識するポイントは3つあります。
◎ポイント①
学校の具体的な特色を1文目に入れること
- コース名
- 教育方針
- 部活
- カリキュラム
など、明確な特徴を冒頭に置くことで「この学校を理解している」と伝えられます。
◎ポイント②
自分の興味・得意・目標とつなげる
冒頭で“自分の軸”に軽く触れます。
- 英語を伸ばしたい
- 理科実験が好き
- 音楽に挑戦したい
こういった方向性と学校側の特色が合っていることが示せると、とても強い導入になります。
◎ポイント③
入学したい理由が“未来の行動”につながっている
志望理由は、「入学後に何をしたいか」=行動の意図が見えることが重要です。
強い書き出し例
貴校の国際交流プログラムに魅力を感じ、英語で発信できる力を身につけたいと考えて志望しました。
→ 特色=国際交流、軸=英語、目的=発信力 がセットで出ている
貴校の理数探究コースでは実験や課題研究が多く行われている点が、将来研究職をめざす私に合っていると考えています。
→ 特徴+自分+未来が一文でつながっている
一文テンプレート
「本校の〇〇という特色」に魅力を感じ、その環境で「自分の~~を伸ばしたい/挑戦したい」と考え、志望しました。
貴校の~~(特色)が、「私の〇〇したい」という目標と合っていると感じ、志望致しました。
まとめ:冒頭は“エビデンス”で始める
志望理由書の書き出しで大切なのは、
- 本校の強み(事実)
- 自分の想い(理由)
を最初の2文以内に入れることです。
「本校だからこそ実現できること」
この視点が冒頭から見える文章は、入試担当の先生にも強く届きます。
志望理由書の本文 ― “なぜ本校か” を伝える構成パターン
願書のなかで高校側が特に知りたいのが「志望動機」です。書き方を詳しく紹介します。
なお、志望動機で合否が決まることは普通ありませんので、正直にご記入いただいて大丈夫です。
また、事実を多少誇張する程度はOKですが、嘘は書かないようにしましょう。嘘を書いても面接の受け答えでボロが出ます。
面接では、志望動機や高校生活につながる中学での学びについての質問が多いです。受験生の人柄を見ています。
マナーや言葉遣いにも気をつけて、「自分らしさ」を出せるようにあらかじめ面接の流れを把握しておきましょう。
※関連記事:面接の流れとよく聞かれる質問
志望校に感じている魅力を箇条書きする
まず、その学校の何に魅力を感じているか、箇条書きしましょう。
- 生徒が活気にあふれている
- 情報系の設備が充実
- 理科の実験に力を入れている
- 部活が盛ん
- 上位大学の合格実績が多い
- 補習指導がきめ細やか
- 体育祭などのイベントが華やか
ほかにもあるかと思いますが、まずは思いつく内容を3-4つ、学校ごとに記載します。
志望校側がアピールしたいポイントを箇条書きする
次に、学校側が考える「その学校のアピールポイント」を箇条書きします。
先ほどと同じ項目に加えて、学校ごとの指導方針を1-2つずつ書き出しましょう。
下記のようなものが多いです。
- 生徒の自主性を伸ばす
- 我慢強さを伸ばす
- 常にチームで考えて行動できる協調性を伸ばす
- 自分の意見を臆することなく発信する力を伸ばす
- 情報系の設備が充実
- 理科の実験に力を入れている
- 部活が盛ん
- 上位大学の合格実績が多い
- 補習指導がきめ細やか
- 体育祭などのイベントが生徒主体
志望校の魅力とアピールポイントを比較する
自身が志望校に感じている魅力と、志望校側が受験生にアピールしたいポイントを比較しましょう。
志望動機を1-2つ選ぶ
「受験生側が感じる学校の魅力」と「学校側が考えるアピールポイント」を並べてみて、共通しているものを1-2つピックアップします。これが志望動機になります。
志望動機は多ければ多いほど良いというわけではありません。1-2つまでにしましょう。
「です・ます」で書く
志望動機を書くときは「です・ます」に統一して書きます。
書き方は特に定まっていませんが、下記の3点を書くようにすると書きやすいです。
- いつから魅力に感じているか
- 何を見てそれを魅力に感じたか
- なぜそれを魅力に感じているか
相手の学校は「貴校」と書く
書き方についてもう1つ、志望先の高校のことを「御校」「貴校」どちらで書けばいいか迷いやすいです。
「貴校」で書くのが正しいです。
「御校」は話すときの敬称です。面接の受け答えでは「御校」と言います。また、「貴学」と迷われる場合もありますが、貴学は大学に対して使います。
書き出しで志望理由を書く
志望理由書の書き方はある程度決まっています。最初に結論(なぜその高校を志望したのか)を書きます。
「私は~をしたいと思い、貴校を志望しました。」のような書き出しにすると、その後に続けて書きやすくなりますし、読み手側も読みやすくなります。
文末は「以上より、貴校を志望しました。」
志望理由書の文末は「以上より、貴校を志望しました。」とします。
志望理由が何であれ、途中で何を書いていても、文末は必ず、「以上より、貴校を志望しました。」で大丈夫です。
こうした書き方は小論文でも同じなので、ついでに覚えておきましょう。
空欄を9割以上埋める
志望理由を書く欄は9割以上埋めるようにしましょう。空欄が10行あれば、9行以上は必ず書きます。
たくさん書けばいいというわけではありませんが、相手に伝わるように書こうとすると必然的にある程度は長くなります。
半分しか埋まっていない志望理由書だと、「あまり興味がないのかな」と悪い印象にもなります。
書き言葉で書く(書き言葉の一覧)
文章を書くときは、「書き言葉」で書きます。書き言葉というのは、日常会話で使う言葉を
話し言葉」と呼ぶのに対して、書くときに使う言葉のことを言います。
ネットなどの略語も原則NGです。
| 話し言葉 | 書き言葉 |
| だから | それゆえ |
| だって | なぜなら |
| お父さん・お母さん お兄ちゃん・お姉ちゃん おじいちゃん・おばあちゃん | 父・母 兄・姉 祖父・祖母 |
| やっぱり | やはり |
| たぶん | おそらく |
| とても | 非常に |
| もっと | さらに |
| いつも | 常に |
| ちゃんと | きちんと |
| AとかB | AやB |
| スマホ | スマートフォン |
※関連記事:【高校受験】作文・小論文の書き方やルール
出願前に必ずコピーを取る
願書をポストに投函する前に必ずコピーを取っておきましょう。大事な書類だから控えを取っておくというだけでなく、面接対策で必要です。
志望動機を聞かれたときに、願書の内容と食い違いがあるのはよくありません。願書に記載した内容と面接で回答する内容を合わせるために使います。
「本校に入学したら何をしたいか」 ― 将来像と入学後のビジョンを書く
志望理由書では「なぜ本校か」を示すだけでなく、入学後に具体的に何をしたいのか(=行動計画)を書けると説得力がぐっと増します。
入学後のビジョンは、学びの姿勢や継続力の有無を推し量る材料になるため、可能な限り具体化しましょう。以下は、書くときの観点と例です。
学習面での目標
― 得意科目を伸ばす、苦手を克服する、進学・資格取得など
書くときのポイント
- 具体的な教科名・分野を書く(例:「数学の図形」「英語のスピーキング」)。
- 達成したいレベルや指標を示す(例:「定期テストで学年上位に入る」「英検準2級取得」「模試で偏差値+5」)。
- どのように学ぶか(方法)を簡単に示す(例:放課後の補習、家庭学習の時間、塾との両立)。
- 学校の制度と結びつける(例:「貴校の放課後補習や少人数授業を活用して」)。
例文(短め)
入学後は、数学で論理的に考える力をつけるために、貴校の少人数指導を活用して定期テストで学年上位を目指します。
英語力を伸ばすために、英語表現の授業や英語スピーチ大会に積極的に参加し、英検2級取得を目標にします。
実践ワーク(書き方)
- ステップ1:得意科目/苦手科目をそれぞれ1つずつ書く。
- ステップ2:各科目での具体的目標(数字や資格)を決める。
- ステップ3:達成方法(授業・補習・家庭学習・塾)を1行で書く。
校内活動・部活・学校行事での参加と貢献
― どんな部活・委員会・活動でどう貢献したいか
書くときのポイント
- 参加したい部活や委員会名を明記する(例:「演劇部」「生徒会」「バドミントン部」)。
- 自分が貢献できること(スキルや経験)を示す(例:中学での副キャプテン経験、舞台経験、写真撮影が得意)。
- 具体的な貢献の形を書く(例:「練習参加でチームの技術向上に努める」「文化祭の運営でリーダーシップを発揮する」)。
- 学校行事との関係性(学校の特色ある行事にどう関わりたいか)を織り込む。
例文
中学ではバレーボール部で副キャプテンを務め、チームの声かけや練習メニュー作りを担当しました。貴校でもバレーボール部に入り、練習の記録をつけて分析し、チームの勝率向上に貢献したいです。
文化祭では舞台制作に携わりたいと考えています。舞台照明や音響の準備を担当して、演出面で仲間を支えます。
実践ワーク(書き方)
- ステップ1:入りたい部活・委員会を決める。
- ステップ2:中学での関連経験や自分のスキルを書き出す。
- ステップ3:入学後に「何を」「どのように」して貢献するかを1〜2行でまとめる。
学外活動・将来の夢に向けた計画
― 部活、勉強、ボランティア、資格、進学などを絡めたビジョン
書くときのポイント
- 将来の夢や興味(職業、分野)を示す(例:看護師、建築士、研究者、国際関係)。
- その夢に向けて学校で何を学び、どのような活動を通じて経験を積むかをつなげる(例:理数科で実験経験を積む、国際交流プログラムで英語力を磨く)。
- 学外活動や資格取得も含めて計画を示す(例:ボランティア活動、インターン、資格取得、夏のサマーキャンプ参加)。
- 時間配分の現実性も軽く触れると説得力が上がる(例:「放課後は部活、週末は家庭学習と資格対策」)。
例文
将来は医療の仕事に携わりたいと考えています。貴校の理系カリキュラムで基礎を固めつつ、放課後や長期休暇には病院ボランティアや生物系の研究会に参加し、看護大学進学を目指します。
建築に興味があるため、貴校の技術科の実習を活用して設計の基礎を学び、地域のワークショップや建築コンテストにも参加して実践経験を積みたいです。
実践ワーク(書き方)
- ステップ1:将来の関心分野を書く(簡潔でOK)。
- ステップ2:学校のどの制度・科目が役立つかを選ぶ。
- ステップ3:学外でやりたい活動(ボランティア、資格、講習など)を2つ書く。
- ステップ4:それらをつなげた「3年後の自分の姿」を1文でまとめる。
保護者として共感・支援したいポイント
書くときのポイント(保護者向け)
- 家庭の支援方針を簡潔に示すと、志望理由に説得力が増す(例:「家庭でも毎日30分の勉強時間を確保します」)。
- 経済的・時間的支援の可否を把握し、志望理由に無理のない計画を反映させる。
- 子どもの強みと不安(例:責任感はあるが集中力が続かない)を保護者視点で把握し、具体的な支援方法を示す。
- 保護者の協力約束は志望理由の裏付けになる(例:「放課後の送り迎えを行い、部活動と学業の両立を支えます」)。
例文(保護者の支援を匂わせる書き方・志望理由内で)
家庭でも毎日20分の数学復習を本人と一緒に行い、定期的に進捗を確認することで学習面の支援を行う予定です。
親としても通学面や学用品の準備を支え、部活動と学習の両立ができるよう送り迎えや生活リズムの管理を行います。
※志望理由書自体に保護者の支援詳細を長々と書く必要はありません。だが親子で方針が一致していることを面接等で答えられるよう準備しておくと安心です。
保護者向けチェックリスト
- 学費・通学時間など現実面の確認済みか?
- 家庭での学習サポート体制(時間・場所・費用)を決めたか?
- 子どもの目標達成に向けた具体的な関わり方を話し合ったか?
- 面接で子どもが家庭の支援について答えられるよう練習したか?
実際に使えるテンプレート(まとめて1文で書く例)
- 学習面+部活+将来+家庭支援を1つの段落でまとめる短文テンプレ:
入学後は貴校の○○科目の授業で基礎を固め、放課後は△△部で技術を磨きながら、週末は□□の資格取得を目指して学習します。家庭でも毎日○○分の学習時間を確保して支援を受けられるため、三年間で□□の目標を達成したいと考え志望しました。
最後に(実践アドバイス)
- 「行いたいこと」を箇条書きでまず3〜5個書いてから、それらを文章にまとめると整理しやすいです。
- 具体性(何を、どのくらい、どのように)があるほど入試担当者に伝わりやすくなります。
- 保護者は子どもの計画の実現可能性を冷静に判断し、無理のない支援プランを一緒に作ってあげてください。
「本校を志望した理由」の例文とテンプレート
「本校を志望した理由」を書く欄には何と書けば良いか、迷います。
そこで、よくある志望動機4パターンについて例文を作成しました。ご覧いただき、ご家庭の志望動機に合わせてカスタマイズください。
例文①:高校の指導方針
例文「私は何事も積極的に取り組める高校生活を送りたいと思い、貴校を志望しました。
私が学校説明会に参加させていただいたとき、貴校の在校生が活気にあふれているのが印象的でした(①)。在校生の方から私たち/僕たちに挨拶もしてくださったのもうれしかったです。私もこのように自分から積極的に行動できるようになりたいと感じました。
また、私は英語が好きです。外国の人と話をするのは楽しいですし、異なる文化体験から刺激を得られるのもうれしいです。貴校では外国の高校との交流機会や短期留学の機会を多くつくられていると説明会でも伺っています(②)。そのような機会を得られる貴校でぜひ学びたいと考えています。
以上より、貴校を志望しました。」
ポイント①実際に見た感想を書く
②学校が力を入れている指導(異文化体験)に魅力を感じている点を書く
例文②:高校の設備
例文「理系科目の勉強に力を入れたいと思い、貴校を志望しました。
私は化学が好きです。普段は目に見えないような小さな分子が結合して新たな性質に変化するのが楽しく、「なぜこのような結果になるのか」「もし条件をこのように変えたらどうなるか」などを想像しながら理科の勉強に取り組んでいます。理科の実験設備を多くそろえていらっしゃること、大学の進学先も理系が多いことを貴校の説明会で伺いました(①)。そのためには理科やほかの科目の知識も欠かせないと説明いただき、貴校では理系科目についてさらに広く、深く学びたいと考えています②)。
以上より、貴校を志望しました。」
ポイント①説明会や学校HPでみた学校のアピールポイントや指導の特徴を書く
②入学後にしたいことを書く
例文③:大学進学実績
例文③「私は本気で大学受験にチャレンジしたいと思い、貴校を志望しました。
貴校のHPを拝見したとき、東京大学などの有名な大学の合格者数が20名を超えていることに驚きました(①)。なぜこれほど有名大学に合格できるのか不思議に思って説明会に参加させていただいたところ、授業や授業外でも学習指導をきめ細やかにされていると伺いました。先生方の熱心さに心を打たれたのと同時に、東京大学のような有名大学に自分も合格できるのではないかと身近に感じられました。宿題以外にも毎日勉強をして、自分の限界に挑戦したいと思います(②)。
以上より、貴校を志望しました。」
ポイント①(有名大学への)進学実績を具体的な数字で書く
②入学後の学習イメージを書く
例文④:高校での部活動
例文④「私は将来、プロのサッカー選手になりたいと思い、貴校を志望しました。(①)。
貴校の見学をさせていただいたときに、サッカーグラウンドも拝見しました。泥だらけになりながらサッカーに打ち込む姿を見て、私/僕もこの中に混じってサッカーがしたい、毎日先輩たちと切磋琢磨してもっと強い選手になりたいと強く思うようになりました(②)。
また、見学中の私/僕に声をかけてくださった在校生が、親切にサッカー部や勉強との両立について説明してくれました。サッカーだけでなく、勉強も怠らないことがサッカーの上達にもつながると伺い、私も以前より前向きにサッカーにも勉強にも打ち込むようになりました(③)。ぜひ貴校のグラウンドでも教室でも一生懸命に努力する機会を得たいと考えています。
以上より、貴校を志望しました。」
ポイント①将来の夢を書く
②在校生について好印象を持っていることを書く
③学校の先生や在校生からのアドバイスをすぐに実践していると書く
よくあるミスと避けるべき表現 — 志望理由書で差がつくために
志望理由書で落ちやすいのは「伝わらない」文章です。ここでは中学3年生と保護者が一緒にチェックできるよう、具体的な失敗例と改善のコツを示します。書き直し用のテンプレやチェックリストも付けています。
流行りの“キラキラした言葉”だけを書いて内容が薄くなるパターン
問題点
「グローバル」「チャレンジ精神」「人間的に成長したい」など、説明が伴わない抽象語を並べると、入試担当者には「中身が薄い」と判断されます。短い志望理由書では、響きの良い言葉だけでは説得力になりません。
ダメな例(NG)
貴校のグローバルな教育に惹かれ、人間的に成長したいと考え志望しました。チャレンジ精神を持って頑張ります。
→ 「何をもってグローバルなのか」「どう成長したいのか」「具体的にどんなチャレンジをするのか」が分からない。
良い書き換え例(OK)
貴校の海外研修や英語でのディベート授業に魅力を感じています。英語で自分の考えを発表できる力を付けるため、授業や放課後の英語クラブに積極的に参加したいです。
→ 「グローバル」の具体例(海外研修、ディベート)、自分の行動(授業参加、クラブ活動)を示している。
対策ワーク
- キラキラ語を見つけたら、必ず「具体例」「行動」「目的」に置き換える。
- 例:「チャレンジ精神」→「大会に出て役割を果たす」「新しい授業に挑戦する」など。
他校にも当てはまりそうな抽象的・一般論だけの理由 ― 独自性を出す工夫
問題点
志望理由が「教育が充実している」「進学実績が良い」など、どの高校にも当てはまる一般論だと「本校である必然性」が伝わりません。入試担当者は「なぜこの学校でなければならないのか」を見ます。
ダメな例(NG)
貴校は進学実績が良いと聞き、進学を目指して志望しました。
→ 具体的にどの進路支援や科目が自分に合うのか書かれていない。
良い書き換え例(OK)
貴校の○○コースでは少人数の演習があり、先輩の進学指導も手厚いと伺いました。私は数学の文章題が得意なので、○○先生の指導を受けてさらに発展的な問題に挑戦したいと考え志望しました。
→ 「進学実績が良い」→「○○コースの少人数演習」「○○先生の指導」と具体化している。
独自性を出すための工夫(チェックリスト)
- 公式サイトやパンフで見つけた固有名詞(コース名、先生名、イベント名)を1つは入れる。
- 自分のエピソード(部活、学習での成果、体験)と結びつける。
- 他校と違う「体験」や「制度」を引用して、その制度で自分がどう成長するかを書く。
字数制限・形式の見落とし ― 実際の入試要項に合わせる
問題点
字数制限や提出形式(指定用紙、手書き指定、横書き・縦書き、用紙サイズ)を守らないと、マイナス評価になったり最悪は無効扱いになることがあります。特に私立は細かい指定が多いので要注意です。
チェック項目(必ず確認)
- 提出形式:手書きかPC入力か(どちらが指定か)
- 字数制限:上限・下限があるか(例:400字以内)
- 用紙指定:学校指定の用紙かどうか(指定の場合は必ずそれを使う)
- 書式:**縦書き・横書き・フォントやサイズ(PC入力時)**の指定があるか
- 提出方法:郵送・持参・ネット提出のどれか、期限と時間帯
- その他:写真、封筒表記、保護者署名が必要か
実践アドバイス
- 入試要項を手元に用意して、志望理由完成後に要項の指定項目を一つずつ照合する。
- 字数は「字数カウント」を使って必ず確認。手書きの場合は割り算でページに収まるかも確認する。
- 指定がなくても読みやすさ(改行・文のまとまり・字の丁寧さ)は守る。手書きなら丁寧な字で書くこと。
例:チェックリスト(提出前)
- 入試要項で「手書き」か「入力」か確認した
- 指定字数に収まっている(上限/下限)
- 用紙指定・フォーマットに合っている
- 誤字脱字チェック済み(声に出して読むと見つけやすい)
- 保護者に一度読んでもらった(事実誤認の確認含む)
最後に:書き直しの鉄則
- 抽象語があれば具体例に直す(何を?どのように?なぜ?)
- 「本校でなければならない理由」を必ず1つ以上入れる(制度・行事・先生・場所など)
- 要項・形式を最終確認する(字数・手書き・提出方法)
この3点を守れば、内容に厚みが出て、入試担当者に「この生徒は本気で考えている」と伝わる志望理由書になります。
高校入試の願書の書き方
願書に書く内容は大きくわけて3つあります。それぞれ説明します。
受験生自身の個人情報を書く
1つ目は、「受験生の個人情報」です。
受験に限らず、何かの申込をするときには個人情報を入力したり記載したりします。それと同じです。
- 住所
- 氏名
- 生年月日
などを記載します。住所は都道府県から書くのがルールです。
なお、性的マイノリティや男女差別への配慮から、性別は聞かないのが一般的になってきています。
通学の所要時間・通学経路を書く
2つ目は、受験生が通学にかかる時間や通学経路です。
6年間毎日通う学校ですからあまり遠方からの通学だと、子どもが大変です。片道1時間以内に収まるのが良いでしょう。学校によっては通学時間に制約をかけている場合もあります。
通学経路が複数ある場合は一番時間のかからない経路を書くようにしましょう。
受験生の自己紹介や志望動機を書く
3つ目は、「受験生自身の自己アピールや志望動機」です。受験生の個人情報や通学経路などが「事実」を書くものなのに対して、こちらは「思い」や「受験生の人柄」を伝えるものです。
高校側が知りたい内容もこちらがメインです。
地域によって「自己PRカード」などと名称が変わりますが、内容や目的は同じです。
高校入試の願書を手に入れる方法

入試のための願書はいつでも・どこでも手に入るわけではありません。いくつかの注意事項と一緒に願書の入手方法をお伝えします。
※参考:
東京都教育委員会 – 東京都立高等学校入試案内等
公立高等学校入学者選抜 – 大阪府教育委員会 など
9月末から手に入る
願書は9月末から配布がはじまります。
- 公立高校の願書→中学校で配布
- 私立高校の願書→高校から自分で入手
夏の説明会で、参考として昨年度の願書をもらえることもあります。この時点から願書作成の準備に入っておくと、秋・冬にあわてずに済みます。
学校説明会でもらえる
多くの高校は夏以降に説明会を2-3回実施しています。10月以降の説明会では願書ももらえることがほとんどです。
こうした機会にぜひ受け取って、バインダーやクリアファイルに保管しておきましょう。
学校に請求すれば郵送してもらえる
ほかの高校説明会やご家庭の用事と重なってしまって日程説明会に行けないときもあります。
そんなときは学校に請求すれば自宅に郵送してもらえます。
HPから請求できる学校がほとんどですが、なかには電話での請求を必須にしているところもあります。
気になる高校はいったんHPをみて確認しておきましょう。
念のため2部もらう
願書は1部出せば十分ですが、もらえるときは念のため2部もらっておきましょう。書き損じるときもありますし、下書き用と清書用にわけられます。
絶対受けない高校以外は願書をもらう
志望校の願書だけでなく、「受けるかもしれない高校」の願書も取り寄せておきましょう。
出願時期の勉強状況や、公立高校入試の結果次第で受験校を変更することがよくあります。受けようと思った高校の願書が手元になく、時間的に取りに行けないときは受験を諦めざるを得ません。
そうならないように、「絶対受けない高校」以外は願書をもらっておくほうが良いです。
「受けたい高校」と「受けるかどうか迷っている高校」については願書を書いておきましょう。
高校受験は公立高校と私立高校を合計2-3校受けるご家庭が多いですから(地域によっては2校まで)、「受けるかどうか迷っている高校」を含めても3-4校までに絞られると思います。
3-4校程度なら願書を書くのにあまり手間もかかりません。
自己アピールの書き方と例文
志望動機は書けたけれど自己アピールが書けない。という中学生は少なからずいます。
- 自分の何をアピールすればいいかわからない
- アピールするほど優れたものが自分にない
と思っているかもしれません。
「自分の長所は何?」と改まって聞かれると困る人も、「自分の短所は何?」と聞かれると、スラスラ答えられる傾向が強いです。どちらも答えられるのが望ましいです。
とはいえ日本は「遠慮する文化」なので、日本文化をしっかり身につけた素直な性格と言えるかもしれません。
短所から長所を考える
長所・短所に書きにくさを感じる場合は、「自分の短所」から長所を考えるようにすると書きやすくなります。というのも、自己アピールや面接で聞かれる「長所・短所」は表裏一体のものなのです。
表裏一体というのは、2つの反対のものが1つにまとまっていることです。例えば、下記の表のようになります。
| 短所 | 長所 |
| コツコツ努力するのが苦手 | 熱中したときの集中力は高い |
| 消極的な性格 | 慎重で冷静な性格 |
| 他人に自分から話しかけるのが苦手 | 周囲をよく観察している/相手の気持ちを乱さない |
| 無鉄砲なところがある | 何事にも積極的にチャレンジする |
欠点だと思っている性格も、見方を変えればすべて長所です。
身もふたもないことを言うと、「物は言いよう」なのです。長所・短所の書きやすいほうから内容を考えてみましょう。
具体例を1つ書く
長所・短所を書くときは、具体例(できれば中学校生活での具体例)を1つ書くようにしましょう。
「私の短所は、消極的な性格です。その反面、慎重さが長所です。」で終わってしまうと、読み手に内容が伝わりにくいです。
そこに具体例が1つ加わると、「どう消極的なのか」が伝わりやすくなります。
あくまで1つです。2つ3つも書くと、エピソードが豊富になりすぎて何を伝えたいのかがわかりづらくなります。
短所を克服しようとしていると書く
短所を書いたら、それを克服しようとしている(高校生活で克服に取り組むつもり)という内容を書き添えるようにしましょう。
「高校では周囲の人に自分から話しかけて、積極さも身につけたいと思います。」
のような内容で十分です。
自己アピールの例文
例文「私の長所は何事にも積極的にチャレンジする点です。
私の中学校では毎年、運動会で応援団が活躍します。中学校1年生から3年生までの学年混合で1つの応援団になり、3年生が団長になって運動会の雰囲気を盛り上げます。
クラスメイトが遠慮するなか、私は応援団の団長に立候補しました。みんなの力になりたいという気持ちと、「やってみたい」という気持ちの両方ありました。
実際に団長をやってみると、定期テストの勉強、受験勉強、部活に団長の仕事が加わるので、とても大変でした。
「やってみたい」という軽い気持ちで挑戦する性格は、応援団の団長のように後で苦労してしまうという短所でもあります。もし団長の仕事が十分にできなかったら、みんなに迷惑をかけてしまうかもしれませんでした。
高校では、「本当にできそうか」「周囲のサポートを得るにはどうしたらいいか」を考えながら、私の長所である積極性を大切にして過ごしたいと思います。」
ポイント- 1つの具体例で長所と短所の両方を述べる
- 高校では短所の改善に取り組みたいという前向きさを書く
保護者のためのチェックリスト ― 提出前にここを確認!
志望理由書は生徒が書くものですが、提出前の最終チェックは保護者の視点が入ると完成度が一気に上がります。
特に「読み手は大人」であることを意識すると、文章の伝わり方が変わります。
以下のポイントを、提出直前に親子で一緒に確認してみてください。
本人の思いが伝わっているか
ここが一番大事
中3生はどうしても「型通り」に書きがちです。その結果、本人の気持ちが十分に表現できていないことがあります。
チェックする視点
- なぜこの高校なのか、理由が本人の言葉で書かれているか?
- ネットの文章をコピーしていないか?
- 親が書いた文章っぽくなっていないか?
- 本人の性格や価値観が少しでも出ているか?
NGの例
- 「進学実績がいいから志望しました」
→誰でも言える言葉になってしまう
OKの例
- 「数学の内容を深く学べる演習授業に魅力を感じ〜」
→「本人の興味」が見える
学校の特色とのマッチングが明確か
志望理由書では、学校側の特徴を理解していることが重要ポイントです。
チェック観点
- 学校の教育方針・カリキュラム・部活など具体的な言葉が入っているか
- 「本校を選んだ理由」が他校では成立しない内容になっているか
- パンフレットや学校説明会で得た情報が盛り込まれているか
具体的なOK要素
- コース名が書かれている
- 授業名や活動名が入っている
- 実際に聞いた話や先生からの説明が引用されている
「本校でないといけない理由」が明確なら強い志望理由になります。
将来のビジョンがリアルかつ具体的か
志望理由書は「入学願望を書くもの」ではなく、入学後の行動計画を書くものです。
チェック観点
- 入学後にやりたいことが書かれているか
- なぜそれをやりたいのか理由が書かれているか
- 将来の夢や目標とつながっているか
- 行動(部活・勉強・資格など)がイメージできるか
より良くなる書き換え
【×】将来役に立つと思う
→
【〇】○○の資格取得を目指し、そのために××の授業を活用したい
誤字脱字・体裁(字数、改行、丁寧さなど)は適切か
最後に確認すべきは“形式”。
どれだけ内容が良くても、誤字脱字や字数オーバーは評価を下げてしまいます。
チェックするポイント
- 字数制限に収まっているか
- 改行や段落が整理されているか
- 手書きなら丁寧に書けているか
- 学校指定の様式に従っているか
- 提出期限・提出方法は確認済か
文章は声に出して読むとミスが見つかりやすいので、提出直前に必ず読み上げてチェックすると安心です。
親子で見ると精度が上がる
この章は「親子で見てください」が最重要ポイントです。
- 本人の思い
- 本校とのマッチング
- 入学後のビジョン
- 基本的な形式
この4つが整っていれば、入試担当の先生に「この生徒は本気だ」と伝わります。
最終チェックと提出後の心構え ― 面接・入学後を見据えて
志望理由書の提出はゴールではなくスタートの一歩です。ここでは、面接で話せるか/入学後に本当に行動できるか/保護者とどう共有するかを中心に、具体的な準備と心構えを説明します。入試は「書いたことを言えるか」「約束を守れるか」を見ています。
最後まで一緒に整えていきましょう。
文章だけでなく“言葉にできるか”を確認する
― 面接で聞かれたときの準備
志望理由書に書いた内容は、面接で必ず深掘りされる可能性があります。書いたことが「ただの文字」で終わらないよう、口に出して説明できるレベルにまで落とし込んでおくことが必要です。
やること(手順)
- 声に出して読む
- 志望理由書を本人が声に出して2〜3回読む。文章の不自然な部分や口語に直した方が言いやすい箇所を見つける。
- Q&Aを想定して練習
- 面接で聞かれやすい質問を親子でロールプレイする(下にサンプルを用意)。
- 短く端的に答える練習
- 1問に対して20〜40秒で答えられるよう練習する。長く話しすぎると要点が伝わりにくい。
- 感情を込めて話す
- 真剣さや熱意は声のトーンで伝わる。淡々と読むのではなく、自分の言葉で語る練習をする。
面接でよく聞かれる質問(サンプル)と答え方の骨子
- 「なぜ本校を選びましたか?」
→(学校の特色)+(自分の軸)+(入学後にしたいこと)を簡潔に。 - 「入学したら一番何をしたいですか?」
→ 具体的な活動名と、その理由、期待する成果を述べる。 - 「将来の夢は何ですか?」
→ 興味の起点+本校での学びがどうつながるかを説明。 - 「家庭ではどのように勉強していますか?」
→ 具体的な学習時間や習慣、保護者のサポート内容を簡潔に。
ロールプレイのコツ
- 保護者や塾の先生に面接官役を頼む。
- 回答後にフィードバック(話が長い、具体性が足りない、声が小さい等)をもらう。
- 面接で困ったときの受け答え(例:「すみません、もう一度質問をいただけますか?」)も練習しておく。
入学後の行動に結びつける ― 志望理由は“約束”と捉える
志望理由書は「入学後にこうします」という宣言にもなります。書いたことが実現可能であるか、家庭で支えられるかを考えておきましょう。入学後に実際に行動できる計画であるほど、面接でも説得力が出ます。
実践ポイント
- 具体的な行動計画を作る(短期・中期・長期)
- 例:1年目(基礎固め)、2年目(○○検定取得)、3年目(志望大学対策)
- 達成指標を決める(数値や具体的成果)
- 例:定期テストで科目ごとに順位や点数目標、資格の級など
- スケジュールに落とし込む
- 毎日の学習時間、週末の活動、長期休みの計画を具体化する
- 振り返りの習慣を作る
- 月に一度、親子で進捗を確認する時間を設定する
書いたことが守れないときの対処
- 目標未達の理由を明確にする(時間配分、体調、難易度の見誤りなど)。
- 代替案や改善策を立てる(別の学習法を試す、塾を利用する、相談する)。
- 再計画を立てる姿勢自体が成長を示す材料になるので、柔軟に対応する。
保護者との共有と支援 ― 家庭・学校連携で合格後もスタートダッシュ
保護者の理解と協力は、入学後の学習習慣や部活動との両立をうまく進めるうえで不可欠です。提出前に確認した支援方針を具体化し、合格したら速やかに実行に移せるようにしておきましょう。
保護者ができる具体的サポート
- 学習環境を整える:静かな学習スペース、学用品の準備、通信環境の整備など。
- 日課管理のサポート:帰宅後の学習時間の確保や、睡眠・食事の管理。
- 移動や費用面の支援:通学の送り迎え、部活動の遠征費の検討など(必要なら家計計画を立てる)。
- メンタルサポート:励まし、失敗したときの受け止め方、目標の再確認を一緒に行う。
- 学校行事への参加・連絡:保護者説明会や三者面談に積極的に参加し、情報を共有する。
保護者と子どもの共有事項(提出後に必ず話す)
- 志望理由書に書いた「入学後にこれをやる」という項目を親子で再確認。
- 家庭での具体的サポート(どのくらいの時間・どのように支援するか)を約束にする。
- もし合格した場合のスケジュール(制服注文、説明会、オリエンテーション等)を把握する。
おわりに
志望理由書は、過去の実績だけを書き連ねるものでも、未来の理想だけを掲げるものでもありません。今の自分の思いを、具体的に誠実に伝えるための文章です。書くことで自分の目標が明確になり、親子で話し合うことで計画が実行力を持ちます。
本記事で整理した手順(学校調査 → 自分の軸整理 → 魅力的な冒頭 → 入学後のビジョン → 最終チェック → 面接準備)は、本人と保護者が一緒に取り組むことで何倍も効果的になります。
志望理由書作成は受験の重要なプロセスですが、同時に「本人が将来を考える良い機会」でもあります。丁寧に準備して、自信を持って出願してください。
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